もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > ミリタリー

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240211_歴史群像

歴史群像2024年2月号

学研

特集は「日本陸軍のロジスティクス」。日露戦争紀における日本陸軍の兵站に着目し、通説に反して日本陸軍が同戦争せ兵站を重視していたことを実例を挙げて説明している。中でも児玉源太郎や大山巌、あるいは軍事面ではあまり高い評価を得ていない山県有朋といった重鎮たちは兵站を重視し、若手参謀たちが主張するような急進撃を制止する側に回っていたことは興味深い。
第2特集の中東戦争航空戦1948-73も興味深い内容であった。中東戦争といえば、米ソの代理戦争といったイメージが強く、特に当時最新鋭の装備が優先的に送られて実戦使用されていた感がある。本特殊記事では、その中でも航空戦に着目し、アラブ・イスラエル両陣営がいかにしてこの戦争を戦い抜いていったかを解説している。中でもエジプト軍のスカッドミサイルを核攻撃用と誤認してイスラエル軍が空爆したというエピソードは、常に国家存亡の淵に立たされているイスラエルの本気度を見た思いだ。
他には美保関事件やF6Fヘルキャット夜戦型、アメリカの戦争映画に関する記事も面白かった。特に美保関事件については、本来なら平時における艦隊演習時における安全確保について重大な教訓を得る場面であったにもかかわらず、「士気に関わるから」という理由で聯合艦隊司令部の責任を不問にしたり、(同情の余地があるとはいえ)当事者艦長の自殺によって問題点が分析されなかった点は、現代の日本組織にも通じる病根ではないかと感じている。そのような中、聯合艦隊の強い意向に逆らる形で本件を「過失による事故」とし、当事者全員を起訴した海軍法務局の判断は実に立派であり、法を曲げることを善しとしなかったその態度には学ぶべき点が多いと考える。

お奨め度★★★

歴史群像 2024年2月号[雑誌] - 中東戦争航空戦1948-73
歴史群像 2023年12月号[雑誌] - 特集:日本機動部隊
歴史群像 2023年10月号[雑誌] - 特集:ドイツ空軍の東部戦線
歴史群像2023年8月号[雑誌] - 特集:マリアナ沖海戦
歴史群像 2023年6月号 [雑誌] - 特集:日本海軍駆逐艦全史
歴史群像 2023年4月号 [雑誌] - 特集:海上護衛戦
歴史群像 2023年2月号 - 特集:日本巡洋艦
歴史群像 2022年12月号-比島攻略作戦


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231022_ウクライナ大反撃戦

軍事研究2023年11月別冊-ウクライナ戦争大反撃戦

ミリタリー・ジャパン・レビュー

2022年2月に開始されたウクライナ戦争は、開戦から1年半以上経過した2023年10月の段階でも終局の兆しはない。当初電撃的にウクライナ制圧を試みたロシア軍は、ウクライナ軍の果敢な反撃にあって予想以上の損害を被った。しかしロシア軍はウクライナ南東部に侵攻し、未だに同国の一部を支配し続けている。出口の見えない状態に陥ったウクライナ戦争。
本書は、現在までのウクライナ戦争の様相を作戦と兵器システムの両面から分析した内容になっている。作戦面では、今日までのロシア・ウクライナ両軍の戦いや今後の予測、そして2023年6月に開始されたとされるウクライナ軍による大反撃作戦とその顛末について記されている。また兵器システムについては、NATOから供与された新鋭戦車群、ロシア・ウクライナ両軍が使用している旧ソ連製の陸戦兵器、航空戦力、ミサイル、ドローン等についても触れられている。
現代進行形の戦いだけに十分な情報が得られている訳ではなく、記事の多くは推測やカタログ的な内容にとどまる場合が多い。それでも現在進行中の事態について理解を深めるという意味では良い著作といえる。

お奨め度★★★

ウクライナ戦争大反撃戦 2023年 11 月号 [雑誌]: 軍事研究 別冊

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軍事のプロが見た ウクライナ戦争 [ 小峯 隆生 ]
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もっとわかるロシア・ウクライナ戦争 [ 藤村純佳 ]
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230815_ミリクラ


Military Classics Vol.82

イカロス出版

特集は「丙型丁型海防艦」。いわゆるx号海防艦だ。大東亜戦争後期に大量生産され、戦争末期には事実上日本海軍水上部隊の主力となった艦種。言ってみれば現代の海上自衛隊の始祖ともいうべき艦種だ。個人的には好きな艦種で、今回取り上げてくれたことは大歓迎である。記事も充実していて読みごたえがあった。
第2特集はスペイン内戦。こちらも名前が有名だけれども実態があまりよく知られていない戦い。今回の特集では戦争至る経緯は戦争の流れ、諸外国の動きや戦争で活躍した兵棋など、スペイン内戦を知る上で基本となるべきポイントを押さえていた。
他にはWW!期におけるツェッペリン飛行船に関する小説風の記事にも読み応えがあって面白い。飛行船という一見時代に取り残された風に感じる兵器についても、そこで戦った人々の物語があり、喜びや苦悩があることを教えてくれた。
今回も読むところが多く、お勧めである。

お奨め度★★★★

MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.83(2023年秋号)[雑誌] - 特集:三式戦闘機/五式戦闘機
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 82 (2023年夏号)[雑誌] - 特集:丙型・丁型海防艦


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Military Classics Vol.81

イカロス出版

特集はドイツ突撃砲と突撃戦車。3号突撃砲、4号突撃砲、突撃歩兵砲33、ブルムベア等。WW2期におけるドイツ機甲兵力を支えたこれらの車両について、メカニズムや開発経緯、部隊編成とその運用、そして戦歴など、様々な側面から取り上げている。個人的には長砲身を搭載した3号突撃砲G型のいかにも「ドイツ陸軍装甲車両」といった外観が大好き。カッコいい。短砲身の歩兵支援車両も良いけどね。
第2特集は99式双軽爆撃機。こちらも開発経緯や部隊編成等、一通りの記事が掲載されている。日本陸軍機の中では結構活躍した機体だったが、性能面で今一つパッとしない機体であることは否めない。通好みの機体という所だろうか。
今回も結構楽しめる内容であった。

お奨め度★★★★


MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.83(2023年秋号)[雑誌] - 特集:三式戦闘機/五式戦闘機
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 82 (2023年夏号)[雑誌] - 特集:丙型・丁型海防艦
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 81 (2023年春号)[雑誌] - 特集:ドイツ突撃砲・突撃戦車


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J-Wings 2023年6月

イカロス出版

少し軽めの航空雑誌J-Wings。今回の特集は、航空祭。コロナ禍が続いていて航空祭の開催も自粛される傾向があったが、今年は各地で航空祭が開催されるようだ。本書では全国各地で開催される航空祭について、注目の開催地とその内容、そして航空祭の開催一欄が掲載されている。首都圏から近い場所では、横田基地や厚木基地の航空祭もあるので、機会を見つけて行ってみたい。
他には世界の軍用機メーカーの現状について解説記事があり、ロッキード・マーティン、ボーイング、BAEシステムズなどの企業について紹介されていた。そういえば、かつて一世を風靡したマグダネル・ダグラスやジェネラル・ダイナミクスはどうなってしまったんだろう?。
写真が多いが読む所もそれなりにあり、読み応えのある内容であった。

お奨め度★★★

J Wings (ジェイウイング) 2024年2月号[雑誌]-洋上戦力としての空母と艦載機
J Wings (ジェイウイング) 2024年1月号[雑誌]-F-16解体新書
Jウイング (ジェイウイング) 2023年6月号[雑誌]-待ってろ!航空祭
J Wings (ジェイウイング) 2023年3月号[雑誌]-戦闘機の世代図鑑

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J Wings (ジェイウイング) 2023年 6月号 [雑誌]
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