もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 作戦級ゲーム

写真07_表紙


SCS(Standard Combat Series)とは、主にWW2以降の地上戦闘をテーマとした作戦級ゲームのシリーズで、一般的な陸上作戦級ゲームのルールで構成されている。シークエンスは、移動、戦闘、二次移動でプレイヤーTurnを構成し、移動中に一度だけオーバーランを実施できる(オーバーラン終了地点で強制停止)。ZOCは比較的弱く、ZOC進入に追加2MP消費のみ。ZOC to ZOCの移動も可能である。
戦闘は一般的な戦闘比とコラムシフトの組み合わせ。戦闘比の計算がいわゆる「防御側有利な切捨て」ではなく「四捨五入」になっている点が特徴的か。あと「戦場の霧」ルールでスタックは一番上しか見れない。そのためにスタックの順番にも規定がある。ちなみに基本ルールだけなら英文7ページと量的には少なめである。

Iron Curtain(以下、本作)は、SCSシリーズの1作で、西ドイツ周辺で起こり得た東西両陣営の直接対決を作戦レベルで再現した作品である。本作の特徴は、年代別にシナリオが複数用意されている事で、1945年、1962年、1975年、1983年、1989年の各シナリオの中から、好みの時代を選択してプレイできるようになっている。

今回、本作をプレイすることになり、1962年シナリオ(東側から侵攻)をプレイしてみることにした。1962年といえば例のキューバ危機が発生した年であり、米ソが核戦争に最も近づいた時期でもあった。私はNATO側を担当する。

前回までの展開は --> こちら

感想

時間の関係上ここでお開きとした。今回は2日間のプレイでプレイ時間は15時間程度であった。消化したTurn数で割ると1Turn平均は2時間強となる。ただセットアップやRun Upで結構時間がかかったので、その分を差し引くと1Turnの平均時間は1~2時間程度となるだろう。無論、長考派のプレイヤーがいた場合は、その2倍程度を覚悟する必要があるかもしれない。

この後の展開だが、WTO軍が力押しをすれば、ライン川の渡河は可能だろう。ただし西ベルリンが未だ陥落していないので、WTO軍にとってゲーム上の勝利は厳しい。またNATOには切り札の核弾頭があり、それを西ベルリン周辺のWTO軍に投入すれば、事実上西ベルリンは難攻不落となる可能性がある。無論、そうはならずWTO軍はライン川を渡河し、NATO軍の核使用と相まって勝利条件レベルが上がったことで、WTO軍がゲーム上勝利する可能性も否定できない。

核兵器の話が出たので序だが、今回両陣営とも核及び化学兵器は用いなかった。WTO軍としてはライン川渡河作戦やルール工業地帯占領のための切り札として化学兵器を投入する選択肢はある。ただしWTO軍の化学兵器投入は、NATOによる核報復を招く恐れは多分にあるのだが・・・。
そのNATOの核兵器だが、この1962年シナリオでは、どこかのタイミングでNATOは核を使用することになるだろう。というのも、このシナリオではNATOの核戦力がWTOを圧倒しており、さらにWTO軍の強力な機甲集団を撃破するためには核兵器に頼らざるを得ないからだ。実際、この時期のNATOの戦略は、数的に優越している戦術核弾頭の威力でWTO軍の戦車集団を撃破することになっていたので、核兵器の使用は歴史的に見ても正しい。ただ、早い段階で核兵器を使用すると、勝利条件判定が前倒しになってWTO軍が早期に勝利してしまう可能性が高まる。従ってNATOとしてはギリギリのタイミングまで見極めて、どうしようもない場合のみ核兵器を使用すべきであろう。

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ゲームに対する苦言を少し述べさせて頂く。
兎に角セットアップが面倒である。シナリオ毎にセットアップが記載されているが、それがユニット名と戦力と登場ヘクスが羅列されているだけ。本作はマルチシナリオが売りのゲームなので、該当をするユニットを探すだけでも一苦労である。一応ユニットは年代別に分類されているのだが、中には複数の年代で共通のユニットを使う場合があり、そのような場合は全ユニットの中から該当するユニットを探さなければならない。せめてセットアップ情報の中に年代専用ユニットか否かだけでも記載してもらえれば、少しはセットアップが楽になるのに・・・。
ようやくユニットを見つけ出しても地図上に配置するのにまた一苦労。Gamers系の作品共通のヘクスナンバリングシステム(5の倍数ヘクスだけヘクスナンバーを記入する方法)なので、慣れないと正確な座標がわかりにくい。筆者も一度セットアップした後、再確認すると数か所でセットアップミスが見つかった。
20世紀のSPIゲームじゃあるまいし、今ならカラーのセットアップシートを用意し、とマップ全ヘクスにヘクスナンバーを記入するだけでセットアップは数段楽になるのに、何故頑なに旧来のセットアップ方式を踏襲するのか。凡人の私には理解し難い所である。

戦闘システムは意外と雰囲気が出ている。本作では1945年とそれ以降で別の戦闘結果票を用いる。1945年用は一般的な戦闘比方式だが、それ以降は少し違う。戦闘比を使う所は同じだが、戦闘結果票が変わっていて、攻撃側の損耗、防御側の損耗、後退ヘクス数の3項目についてダイスを振ることになる。攻撃側の損耗はスタック単位で判定し、防御側の損耗はユニット単位、後退ヘクス数は防御ヘクス単位で判定する。従って攻撃側は小兵力をバラシて攻撃すると損耗が多くなる仕組み。しかもこの方式だと防御側もダイスを振ることができるので、一方的にやられている感じが少ない。このCRTは優れたアイデアだと思う。

ゲーム展開についていえば、筆者のプレイでいくつか失敗があったことは否めない。まず序盤。戦況を見て東ドイツに攻め込んだ。それはそれで良かったのだが、適当な所で切り上げて後方に下がるべきであった。兵力に余裕を持った状態でライン川まで下がれば、仮にWTO側が化学兵器を使ってきてもある程度余裕を以て守れた筈である。また後退の際に漫然と下がったのも宜しくなかった。二次移動可能な部隊を使って積極的な反撃を仕掛けておくべきであった。敵ユニットの戦力が読めないのが辛い所だが(お陰で手痛い失敗をした)、ある程度失敗経験をしておけば、反撃のコツが掴めていただろう。そういった意味でやや退嬰的なプレイだった点は反省しなければならない。

まとめに入る。本作は比較的シンプルなシステムで冷戦期の仮想戦を再現した佳作と言える。気になる点と言えば、ユニットの移動力が比較的大きく、またZOCの拘束が弱いために移動の自由度が大きいこと。またユニット数も多いので1Turnの所要時間が多いことである。今回丸々2日間プレイしたが、最終turn(第10Turn)までプレイし終えることはできなかった。1Turnの所要時間は1~2時間であった。

いずれにしてもシンプルなルールでWW3を様々なシチュエーションでプレイできる作品なので、機会があれば別のシナリオもプレイしてみたい。

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写真07_表紙

SCS(Standard Combat Series)とは、主にWW2以降の地上戦闘をテーマとした作戦級ゲームのシリーズで、一般的な陸上作戦級ゲームのルールで構成されている。シークエンスは、移動、戦闘、二次移動でプレイヤーTurnを構成し、移動中に一度だけオーバーランを実施できる(オーバーラン終了地点で強制停止)。ZOCは比較的弱く、ZOC進入に追加2MP消費のみ。ZOC to ZOCの移動も可能である。
戦闘は一般的な戦闘比とコラムシフトの組み合わせ。戦闘比の計算がいわゆる「防御側有利な切捨て」ではなく「四捨五入」になっている点が特徴的か。あと「戦場の霧」ルールでスタックは一番上しか見れない。そのためにスタックの順番にも規定がある。ちなみに基本ルールだけなら英文7ページと量的には少なめである。

Iron Curtain(以下、本作)は、SCSシリーズの1作で、西ドイツ周辺で起こり得た東西両陣営の直接対決を作戦レベルで再現した作品である。本作の特徴は、年代別にシナリオが複数用意されている事で、1945年、1962年、1975年、1983年、1989年の各シナリオの中から、好みの時代を選択してプレイできるようになっている。

今回、本作をプレイすることになり、1962年シナリオ(東側から侵攻)をプレイしてみることにした。1962年といえば例のキューバ危機が発生した年であり、米ソが核戦争に最も近づいた時期でもあった。私はNATO側を担当する。

前回までの展開は --> こちら

3Turn

制空戦闘機の数でNATOが2ユニット、WTOは5ユニットとなり、NATOにとってはかなり厳しい状態になった。しかし制空戦闘ダイスで6ゾロを出し(NATOにとって最良の結果)、NATOが制空権を握った。これによってWTO軍制空戦闘機2ユニットが永久除去又は長期離脱になり、NATOはかなり制空戦闘でWTOとの差を詰めることができた。

本作の航空戦闘ルールはかなり不確実性が強く、結果を予想するのが難しい。とにかく制空戦闘で勝利することが肝要なのだが、これがダイス次第なのでどうしようもない側面がある。一応相手よりも多数の制空戦闘機を投入した方が制空権を取りやすいのだが、それとて確実ではない上、多数機を任務に投入すると大損耗する危険性がある。
NATOの立場から言えば、航空機のユニット数自体はNATO側の方が多いのだが、対地攻撃機が多く、制空戦闘では必ずしもWTO
に対して優越していない。そんなこんなでNATOにとっても空の戦いは楽ではないのである。

NATO軍は戦競有利と判断し、東ドイツ領内に向けて進撃を開始する。各所でソ連軍部隊を包囲し撃破していく。ベルリンまであと4ヘクス(60マイル)。その時、我々は幸せだった。

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4Turn

天候は曇り。航空機は飛べない。悪夢は突然訪れた。どこからともなく現れたWTO軍増援部隊の猛攻でNATO軍は各所で包囲殲滅されていったのである。このTurnだけで10ユニット近いNATO軍ユニットが消滅し、突然の破局に狼狽えるNATO軍なのであった。
NATO軍は直ちに後退し、東西ドイツ国境付近で防衛ラインを築く。さらにハノーバーに立てこもるWTO軍を包囲殲滅せんとしたが、WTO軍が奮戦してハノーバーを死守。ポーランド軍1個師団(6-4-8)が未だにハノーバーで頑張っていた。

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5Turn

このTURNも天候は曇り。両軍とも航空兵力は投入しない。再びWTO軍は鉄のカーテンを超えて西ドイツに大挙進入してきた。フルダギャップの南でNATOの戦線が破られた。ライン川にWTO軍の機械化部隊が迫る。
NATO軍は急遽フランクフルト周辺に機械化部隊を結集し、ライン川に防衛ラインを築く。

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ここで本作の勝利条件を説明する。WTO軍が西側に侵攻するタイプにシナリオでは、WTO軍がNATOを崩壊させればWTO軍の勝利、それ以外はNATO軍の勝利となっている。NATOを崩壊させるためには、西ベルリンをWTO軍が完全占領した上で、以下のいずれかの条件を満たしたTurnの最終時点でNATO崩壊チェックを行う。
  1. NATO軍が核兵器を使用し、WTO軍は同兵器を使用していない
  2. NATO軍が化学兵器を使用し、WTO軍は同兵器を使用していない
  3. WTO軍が北海シーレーンに脅威を及ぼす
  4. WTO軍がルール工業地帯の主要部を占領
  5. WTO軍がライン川を渡河
WTO軍プレイヤーは毎Turnダイスを振り、出目が達成した条件の数以下ならNATOが崩壊する。例えば条件1(核兵器)と条件5(ライン川渡河)を達成している場合、Turn終了時のダイス目が2以下なら即座にWTO軍が勝利する。

6Turn

天候は晴れ。WTO軍が制空権を握った。待機していたソ連空挺部隊がボロンフォルム島に空挺降下する。NATO軍は全軍がライン川に向けて後退を開始。その過程で突出したWTO軍部隊に対して機動反撃を試みみるも、痛恨のオッズ読み間違えで攻撃失敗。貴重な米軍機甲旅団2個がライン川東岸に取り残された。

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7Turn

天候は晴れ。NATOは乾坤一擲の制空戦闘に挑むも、見事に失敗。制空権奪取の夢は儚くも潰えた。NATO軍の大半はルール工業地帯とライン川西岸に撤退。一部の部隊がライン川東岸に取り残された。
WTO軍はライン川東岸に残ったNATO部隊を丹念に撃破しつつ、主力はルール工業地帯、そしてライン中流部で同河川渡河を試みる。ルール工業地帯の一角が崩れ、ライン川もフランクフルト南方の防衛ラインが撃破された。 川を超えてライン西岸に殺到するWTO軍。NATOの命運は尽きようとしていたか・・・。
ライン川を渡河してきたWTO軍は2個師団。NATO軍は余剰兵力の全力を挙げてこれを攻撃する。幸い渡河してきたWTO軍は比較的小規模であったためNATOによる反撃は成功し、WTO軍をライン川の対岸に押し返すことに成功した。しかしNATOはこの戦いで2個機甲旅団を失い、その他の損害と相まってその余剰兵力は今や枯渇しようとしていた。

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つづく

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SCS(Standard Combat Series)とは、主にWW2以降の地上戦闘をテーマとした作戦級ゲームのシリーズで、一般的な陸上作戦級ゲームのルールで構成されている。シークエンスは、移動、戦闘、二次移動でプレイヤーTurnを構成し、移動中に一度だけオーバーランを実施できる(オーバーラン終了地点で強制停止)。ZOCは比較的弱く、ZOC進入に追加2MP消費のみ。ZOC to ZOCの移動も可能である。
戦闘は一般的な戦闘比とコラムシフトの組み合わせ。戦闘比の計算がいわゆる「防御側有利な切捨て」ではなく「四捨五入」になっている点が特徴的か。あと「戦場の霧」ルールでスタックは一番上しか見れない。そのためにスタックの順番にも規定がある。ちなみに基本ルールだけなら英文7ページと量的には少なめである。

Iron Curtain(以下、本作)は、SCSシリーズの1作で、基本システムはSCSのルールを踏襲しつつ、いくつかの専用ルールが適用される。本作のテーマは西ドイツ周辺で起こり得た東西両陣営の直接対決である。幸い本作がテーマとした20世紀後半における第3次欧州大戦は実際には起こらなかった。従って本作は完全な仮想戦ゲームとなる。
本作の特徴は、年代別にシナリオが複数用意されている事である。用意されているのは、1945年、1962年、1975年、1983年、1989年の各シナリオで、さらに1945年、1983年、1989年シナリオでは、西側から東ドイツに侵攻するシナリオも用意されている(東側から侵攻するシナリオは全年度対応)。従って合計8本のシナリオが楽しめることになる。そのために用意されているユニットも膨大なものになり、カウンターシートは計4枚。カウンター数は1120個にも及んでいる。
マップは通常のフルマップ1枚で、東西ドイツを中心に、その周辺諸国が描かれている。マップの北端はユトランド半島北部(北端は見えていない)、マップ南端はイタリア・ユーゴスラビアの北部で、アルプス山脈の南麓までを含んでいる。1Hexは実際の15マイルに相当する。

システムとしては1945年シナリオとその他で多少異なっており、特にCRTと補給ルールで異なっている。ここでは1945年シナリオ以外(つまり冷戦期シナリオ)に適用されるルールについて説明する。
まず補給ルールは適用されない。またCRTは通常使う比率方式とはやや異なるルールとなっている。下図を見て頂きたい。これは本作で使用するCRTである。

写真01_IC_CRT


左から比率、攻撃側損失、防御側損失、後退ヘクス数を現す欄になっている。攻撃側は攻撃に参加したスタック毎にダイスを振り、該当する出目が出たら1ステップを失う。また防御側は参加したユニット毎にダイスを振り、該当する出目が出たら1ステップを失う。さらに防御側は比率に従って後退ヘクス数を判定する。なお一部の地形(大都市等)では後退を無視できる上、その他の地形でもステップロスを適用することで後退結果を吸収することができる。なお、敵ZOC内へ後退すると追加で1ステップを失う。このCRTによって消耗の激しい現在戦闘が上手く表現されているように思う。例えば2ユニットが大都市にスタックしていても、損耗ダイスの出目が悪いと一撃で陥落する可能性もある。

航空戦ルールも本作で特徴的な部分である。航空機は機種名入りで登場し、1ユニットが100~150機(NATO側)又は200~300機(WTO側)の航空機を現す。航空機には機種名が記載され、対応可能な任務(制空、対地攻撃)、全天候能力の有無が表示されている。機種による細かい能力の違い(例えばF-15とF-4の空戦能力の違い)は表現されていないが、例外として一部の対地攻撃機(A-10等)は通常の2倍の対地攻撃力を有している。

航空機の細かい性能差が表現されていないのは、航空戦ファンとしては寂しいが、その一方で1960年代の戦闘機が名前入りで登場するのは嬉しい。1962年でNATOの対地攻撃機の主力がF-84だとか、F-102が制空戦闘機として欧州に君臨していたとか(確か横田あたりにもF-102がいたような・・・)、Javalinが作戦級で登場するゲームって世界初じゃね、とか、そんなしょーもないことでいちいち喜んでいるヒコーキマニアなのであった。

写真02_Javelin


あと現在戦につきものの化学兵器、核兵器は当然のように登場してくる。

今回、本作をプレイすることになり、1962年シナリオ(東側から侵攻)をプレイしてみることにした。1962年といえば例のキューバ危機が発生した年であり、米ソが核戦争に最も近づいた時期でもあった。私はNATO側を担当する。

写真03_SetUp


Run Up

このゲームでは戦争前の緊張状態を表すRun Up状態が定義されている。Run Up状態では両軍とも初期配置の部隊を移動させたり、損耗状態の部隊を回復させたりする。Run Up状態の長さはランダムなので、どれだけ準備に時間をかけられるかはダイス次第だ。
今回はある程度戦線を構築できたと思ったのだが、機動反撃部隊をちゃんと作らなかったので、第1Turnに機動反撃部隊を捻出できずに後悔することになってしまう。

写真04


1Turn

制空権ダイスが良く、制空権を取った。ソ連軍が東西国境を超えて前進してくる。NATO軍は遅退戦術を取りつつ、都市部を軸に防衛ラインを構築。適宜反撃を加えてWTO部隊の減殺を図る。また(勝利条件に関係ある)バルト海上のデンマーク領ボロンフォルム島には空挺部隊を降下させ、守りを固める。

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2Turn

制空権はタイになった。また空戦時の損耗チェックでNATO航空兵力に大損害が出て、次ターンの制空権が怪しくなった。
地上では、WTO軍の進撃が明らかに陰りが見えて来た。全般に兵力面ではNATO軍の優位が目立ち、NATO軍は各地で反撃に転じる。一部の米軍部隊は「鉄のカーテン」を超えて東ドイツ領内に進入していた。

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つづく

ラグナロック作戦

ツクダホビーから1990年に発表された「ラグナロック作戦」(以下、本作)は、田中芳樹氏の小説「銀河英雄伝説」(以下、銀英伝)の一場面であるラグナロック作戦を作戦級で描いたシミュレーションゲームである・・・・
というような説明は 以前に紹介した記事 を参考にされたい。

今回、本作を再び対戦することになった。下名は自由惑星同盟軍を担当する。

前回までの展開 --> こちら

7Turn

次第に同盟の首都星ハイネセンに近づく帝国軍。しかもその間、同盟領内の惑星は次々と帝国の軍門に下って行った。ハイネセンではカールセン中将率いる第15艦隊が急遽編成されて出撃していく。さらにビュコック大将率いる同盟総予備艦隊も編成され、慌ただしくハイネセンを後にした。

帝国側コメント:ヤンを発見、フェザーンを狙っていた模様。戦線が伸びて苦しくなる。メックリンガー来ないかな。4ヘクスごとに艦隊を配置し、会敵しても連携できる態勢をとる。スチームローラーだ。プロージット!

写真08


8Turn

遂に絶対防衛線を突破してきた帝国軍に対し、同盟軍はヤン中将麾下の稼働全艦艇を結集してトリブラ星系付近で帝国軍の有力な艦隊を捕捉した。帝国軍ミュラー、シュタインメッツ両提督が指揮する艦隊である。同盟軍は約42,000隻(42戦力)、帝国軍は26,000隻である。兵力に勝る同盟軍。しかも指揮官はミラクルヤンである。ここで同盟としては帝国軍の一翼に痛打を与えたい所だ。戦闘は3ラウンドに渡って繰り広げられ、帝国軍シュタインメッツ艦隊は大打撃を受けて後退。ミュラー艦隊もあと一歩の所まで追い詰めたが決着がつかず。

帝国側コメント:ミュラーとシュタインメッツ艦隊が同盟勢力と会敵。予定の増援はやってこなかった。シュタインメッツ艦隊は撃破されて敗走する。

シュタインメッツ



引き続いて帝国軍のワーレン、ファーレンハイト、そしてラインハルト自ら率いる艦隊が戦場に到着した。同盟軍約44,000(先ほどの戦いから損害分を取り除き、増援部隊が合流して火力がアップした分)、帝国軍52,000隻が交戦する。兵力ではやや劣る同盟軍であったが、指揮能力の優越を生かしてしばしば帝国軍を圧倒する。ミラクルヤンの本領発揮か。

帝国側コメント:遂に決戦となった。勝利の女神が下着をちらつかせているぞ。プロージット!
カイザー参戦するも形勢利非ず、「キルヒアイス・・・・、以下略」

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しかしヤンの神業的抵抗も結局は無意味であった。同盟艦隊不在を付いて長駆首都星ハイネセンを突いたルッツ提督の艦隊が自由惑星同盟政府に降伏を迫る。自由惑星同盟首脳の多くは徹底抗戦を主張したが、最高評議会議長ヨブ・トリューニヒトは自らの保身のために帝国との停戦を受け入れたため、同盟軍の敗北が確定した。

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感想

結果的に最終Turnを待たずして敗北してしまった。敗因は色々あるが、やはり「カイザー発病」が出なかったことが最大の要因だと思う(笑)。

それはとにかく、最終決戦をハイネセン前面ではなく、帝国軍の後尾に位置していたミュラー艦隊を狙ったことが結果的には直接の敗因となった。帝国軍がルッツ艦隊を餌にしてヤンを大兵力で押しつぶそうとしている意図が見え見えだったので、「その手には乗るか」と意地になってしまったが、ここは「見え見え」でも最大の脅威対象を潰しておくべきであった。その結果艦隊決戦でヤンが敗れるにしても、まだ全力を尽くして戦ったという満足感が得られたかもしれない。

ただしハイネセンでの決戦云々は主たる敗因ではない。むしろイゼルローン回廊からロイエンタール艦隊の早期突破を許してしまい、イゼルローン回廊出口付近の同盟領惑星が次々と帝国軍によって占領されたことが最も大きな敗因だと思う。イゼルローンに守備隊を残さなかったのは大きな失敗だった。例えばムライ提督がイゼルローンに残っていれば、要塞は約56%の確率で長期抵抗が可能であった(降伏勧告以外でイゼルローンを陥落させることはほぼ不可能だと思う)。その場合、帝国軍はイゼルローンを直接攻撃せず、軌道上に封鎖艦隊を配置してイゼルローン回廊の突破を図ることになるだろう。帝国軍にとってはレンネンカンプあたりに2~3ユニット程度で艦隊を組ませて、イゼルローン付近に遊弋させることになるだろう。それでも帝国軍の指揮官1人を拘束できる意味は決して小さくないと思う。

本作の問題点としてイゼルローンでヤンが防衛戦闘ができないことがある。この点については第1回目の対戦で対戦相手氏から教えてもらう形となったが、同盟側としては納得しかねる部分である。史実(?)では、ヤン艦隊はイゼルローン要塞の助けを借りてロイエンタール艦隊と互角以上の戦いを演じた後、ラインハルト艦隊によるフェザーン回廊突破の報を受けてイゼルローンを放棄している。つまりヤンはロイエンタール艦隊による包囲攻撃を避けるために後退したのではなく、戦略的な判断に基づいて自主的に撤退したのだ。そして帝国軍はイゼルローン要塞の後方へ下がっていくヤン艦隊を追撃できなかったのだ。
しかし本作では違う。そもそもヤン艦隊によるイゼルローン防衛自体が自殺行為になるため、第1Turnにヤンがイゼルローンを放棄せざるを得ないのだ。我々のルール解釈が間違っていなければゲーム上はこれが同盟軍にとってベストな戦略と思われるが、原作を知る者にとっては甚だ不愉快な選択になる。
ちなみに出所不明の改定ルールによるとイゼルローン要塞の耐久力が40になっているという(元々は10)。これならイゼルローンからの包囲突破戦の際にヤン艦隊がかなり有利になるため、イゼルローン上空を帝国軍が封鎖しても、ヤン艦隊がそれを突破して後方へ逃れることは可能になる。ちなみに耐久力が10でも40でもイゼルローン要塞自体は降伏勧告以外で落すことはほぼ不可能なので、耐久力40にするのは意味がありそう。ただ、耐久力40にしてしまうと、今度はイゼルローン要塞が難攻不落の大要塞となる可能性がある。例えば同盟側がフィッシャー提督あたりをイゼルローンに残し、帝国側の降伏勧告を拒否で切り抜けると、イゼルローン要塞が帝国にとって棘のような存在になる。例えば帝国側がレンネンカンプあたりの艦隊をイゼルローン包囲に残したとしても、フィッシャーが軌道包囲突破を試みた場合、フィッシャーは42火力でレンネンカンプに襲いかかることが可能になる。これは帝国側にとって厄介な話となる。結局の所、フィッシャーなりムライなりが一人でイゼルローンに頑張っていた場合、「降伏勧告が成功するか否か」で決着がつくというかなり大雑把な展開になりそうだ。

そんなこんなで下名が提唱するハウスルールは以下の通りだ。
 ・イゼルローンの耐久力を40にする。
 ・イゼルローン要塞を占領していない場合、要塞の向こう側へ抜けることは禁止。
 ・ヤンがイゼルローンから離れる場合、残置戦力をイゼルローンに残してはいけない。
 ・危険宙域には後退以外で進入禁止。後退の場合も危険宙域で後退を終了してはいけない(その場合は全滅)。

何だかスマートさに欠けるハウスルールで、そこまで手を加えるのもやや気が引けるが、原作の雰囲気を出すためにはそれぐらい修正したい所だ。

最後になりますが、今回の対戦に快く応じて頂き、見事な作戦を披露していただいた上、秀逸なコメントまでご提供頂いた対戦相手氏に心から感謝致します。

ラグナロック作戦

ツクダホビーから1990年に発表された「ラグナロック作戦」(以下、本作)は、田中芳樹氏の小説「銀河英雄伝説」(以下、銀英伝)の一場面であるラグナロック作戦を作戦級で描いたシミュレーションゲームである・・・・
というような説明は 以前に紹介した記事 を参考にされたい。

今回、本作を再び対戦することになった。下名は自由惑星同盟軍を担当する。

写真10


第1戦目

第1回目の対戦については多くを語りたくない。あまりに無残な惨敗だったからだ。
ヤン提督率いるイゼルローン艦隊は、帝国軍ロイエンタール公率いる艦隊をイゼルローン回廊で迎え撃つ。敵の戦力は3倍以上。しかしミラクル・ヤンなら持ちこたえてくれる筈。否、仮に持ちこたえられなくても、回廊を抜けて同盟領内に撤退すれば、ダミールールの助けを受けて抵抗を続けられる筈。私はそう考えた。そう、原作でもヤン提督はフェザーン回廊をローエングラム公に突破されるまで、イゼルローン回廊で持ちこたえたではないか・・・。

しかし私の目論見は敵の巧妙な策によって見事に打ち砕かれた。敵はイゼルローン回廊の反対側に小部隊(2個艦隊=4000隻)を進出させ、ヤン艦隊の背後を塞いだのだ。なんの猪口才な。後方からの同盟増援部隊が1ユニット艦隊なんぞ撃破してくれよう。そう考えてパエッタ中将麾下の第1艦隊をハイネセンから急行させたが、パエッタ中将の無能さは想像以上で、5倍の兵力で以て帝国艦隊を撃破することは能わず。ヤン艦隊は撤退したくても撤退できず、イゼルローン回廊でロイエンタール麾下の大兵力相手に際限のない戦いを余儀なくされる。それでも兵力に勝るロイエンタール相手に互角以上の戦いを演じることができるのは「さすがはミラクルヤン」といった処か・・・(これが実はルール違反によるものであることが後に判明)。

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そうこうしている間にフェザーン回廊を抜けた帝国艦隊主力が同盟領内を席捲。ヤン艦隊救援に向かっていたパエッタ艦隊も帝国軍の名将「疾風ウォルフ」ことミッターマイヤー大将麾下の艦隊に捕捉されて大敗を喫す。

後方への突破の機会も得ず、狭いイゼルローン回廊でのチット引きに飽きてきたヤン提督。第6Turnを過ぎた所、泣きを入れる。

「もう止めましょう」

その後、実はイゼルローン後方に突破した帝国小艦隊が実は補給切れであったこと。さらに戦闘中に勝手に戦場を抜け出したレンネンカンプ艦隊の移動も実はルール違反であったことに気づいたが、いずれも後の祭りであった。

因みにデザイナーズノートを読んでみても、今回対戦相手氏が実施したような「イゼルローンの後方を封鎖する」作戦は想定外であったことがわかる。デザイナーの意図通りにするためには、イゼルローンを落とさない限りイゼルローンの後方に帝国軍は進出できないようにすべきであろう。原作を読んでも、数隻の小艦隊なら別だが、ゲームで登場するような2000隻以上もの大艦隊がイゼルローン回廊を抜けて相手側領域に進入するのは、不可能に近い難事だと思う。

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気を取り直して第2戦

色々と(お互いに)ルール違反が多くあった第1戦であったが、いずれにしてもヤン艦隊によるイゼルローン長期抵抗は自殺行為だと判明(ヤン艦隊の実質的戦力はロイエンタール艦隊の1/3以下で、いくらミラクルヤンが冴えてイゼルローン要塞の助けがあっても(実際には第1ラウンドで火力を足せるだけ)、艦隊戦で勝利することはほぼ不可能)。ヤンはイゼルローンからは速やかに撤収して(少なくとも第1Turnの同盟移動フェイズには後方へ下がり)、同盟領内に姿を晦ますべきだろう。

1Turn

先の教訓を受けてロイエンタール公の帝国艦隊がイゼルローンに接敵してきた段階で、リアクション移動でヤンをイゼルローンから撤退させる。その直後にイゼルローン陥落した。

ただしこの撤退は少し早すぎたかもしれない。帝国軍は強行軍に失敗して艦隊の一部でヤンと対峙する可能性もあったからだ。ただし帝国軍がやはり小部隊をイゼルローン後方にバラまいてくる可能性を考えると、早めの撤退が安全策と思われる。

帝国側コメント:イゼルローン近くに進出、どうやら空城のようだ。預けていたクイレ?を返して返してもらう。プロージット!

写真03


3Turn

イゼルローン要塞から後退してきたヤン艦隊がmパエッタ中将の第1艦隊と合流。ヤンは第1艦隊を自らの指揮下に入れる。一方の帝国軍はイゼルローン要塞に補給基地を建設。またイゼルローン回廊を抜けた帝国軍は、ティアマト、エル・ファシル、ダゴンといった星系を支配下に置いていた。
一方でフェザーン回廊を抜けた帝国軍主力は、フェザーンを無血占領していた。

帝国側コメント:各地の抵抗が激しく降伏しない。焼いちゃうぞ。フリカッセを御所望か。プロージット!

写真04


4Turn

イゼルローン回廊を抜けたロイエンタール艦隊は遂にドーリア星系に到達。同星系も帝国軍はほぼ無血占領した。フェザーン回廊を抜けた帝国軍も、その先鋒たるミッターマイヤー、ミュラー両提督がレザヴィクとルズアーナ星系を占領していた。

帝国側コメント:ルッツ艦隊より報告、ヤン艦隊見ユ、ルッツは戦うことなく退却した。空気読んでいるな。プロージット!

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5Turn

同盟軍第14艦隊がハイネセンに登場する。前線で活動中のヤン艦隊が帝国軍ベルゲングリューン艦隊を捕捉した。兵力比で20倍以上の優位に立つヤン艦隊はベルゲングリューン艦隊を完全に撃破した。さらに同盟軍前衛のアッテンボロー艦隊がティアマト星系を解放。これによりイゼルローン方面から延びていた帝国軍連絡線は、一時的にせよ遮断された。

帝国側コメント:ヤンとアッテンボローの艦隊を発見。どうやら補給線の切断が目的らしい。逆アムリッツアの流れか。プロージット!

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同盟艦隊


6Turn

フェザーンで外交弁務官の任についていたユリアンが帰還した。これによりヤンは有益な助手を得たことになる。先のTurn、ベルゲングリューン艦隊を捕捉殲滅したヤン艦隊は再び宇宙の深淵に姿を晦ませる。

帝国側コメント:アッテンボローにイゼルローンからの補給線を切られる。ロイエンタールは、空腹を以て自らの罪を贖った。プロージット!

写真07




ヤン



(つづく)

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