もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 第2次欧州大戦

240320c_ハリコフ対戦動画

「ハリコフ」は、1982年に日本のエポック社から発売された「ドイツ戦車軍団」の含まれる1ゲームです。テーマは1943年冬季の第3次ハリコフ戦で、1943年1月19日から3月15日までの約2ヶ月の戦いを、1Turn=1週間、1ユニット=ドイツ軍:連隊~師団、ソ連軍:軍団規模で描いてます。

今回「ハリコフ」をプレイしたので、その記録を動画化してみました。




ドイツ戦車軍団(ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第3号)
WWS第9号『ドイツ装甲軍団1』
バルジ大作戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第4号 第2版)

240320b_エルアラメイン対戦動画

「エルアラメイン」は、1982年に日本のエポック社から発売された「ドイツ戦車軍団」の含まれる1ゲームです。テーマは1942年夏の第1次エルアラメイン戦で、1941年8月31日から9月1日の2日間の戦いを、1Turn=12時間、1Hex=3km、1ユニット=連隊~師団規模で描いてます。

今回「エルアラメイン」をプレイしたので、その記録を動画化してみました。


ドイツ戦車軍団(ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第3号)
WWS第9号『ドイツ装甲軍団1』
バルジ大作戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第4号 第2版)

写真00


Battle for Stalingrad(以下、本作)は、1980年にSPI社から出版されたシミュレーション・ウォーゲームである。デザイナーはJohn Hill氏。Avalon Hill社のSquad Leaderのデザイナーとして有名である。
本作は非常に高い評価を得た作品であり、日本でもHobby Japan社からライセンス生産された他、日本のSix Angles社、米国Excalibre Games社からも再版された。

本作のテーマは、1942年9月~11月にかけて戦われたスターリングラード市街を巡る独ソ両軍の市街戦である。1Turnは実際の1週間に相当し、1Hexは600mを表す。1ユニットは中隊~連隊に相当する。
ゲームシステムはかなり特殊で、基本的には移動・戦闘を繰り返すタイプだが、全ユニットを同時にまとめて動かすのではなく、移動・戦闘の途中で敵の移動・戦闘が挟まることがある。だから全体の流れとしては「ドイツ軍の移動・戦闘」「ソ連軍の移動・戦闘」「ドイツ軍の移動・戦闘」「ソ連軍の移動・戦闘」という感じで両軍が交互に移動・戦闘を行うことになる。これだけなら通常の「I GO YOU GO」システムになるが、これが1Turnの中で行われることが本作最大の特徴となっている。ただし1ユニットは1Turnに一度しか活性化できないので、お互いに波状攻撃的な運用を交互に繰り返すという展開になる。

他に特徴的な部分としては、ユニットが気持ち良いくらいに溶けていくこと。このゲーム、所謂ステップの概念がないため、どんなユニットでも1発食らうと死ぬ。重戦車だろうが、重砲だろうが、それは変わらない。従って両軍の損耗率は物凄いことになる。これが市街戦っぽさを上手く表現している。ちなみに戦闘はファイアパワー方式。防御射撃の後に攻勢射撃という展開。ただし攻撃側は複数のHexから射撃を集中することができる。先にも述べたように射撃結果はかなりブラッディなので、攻撃側としては自軍の射撃可能なユニットを残すためにも、複数Hexからの攻撃が必須となる。また戦闘の前に戦闘状況を判定するためのダイスロールがあり、出目によっては攻撃側の奇襲になったり、逆に防御側の待ち伏せになったりする。

他にもいくつか細かいルールがあるが、総じて言えばルールはそれほど複雑ではなく、中級からやや上級向けのゲームといえよう。

今回、本作を2人でプレイしてみた。筆者はソ連軍を担当する。

序盤の状況

下の図が本作のマップである。

写真01


マップはボルガ川沿いに広がるスターリングラードの市街地を表しており、マップの上下が東西方向(手前が東、奥が西)、左右が南北方向(右が北)になる。マップ中央の茶色い部分(写真ではソ連軍がスタックしている)はママエフ墓地で、スターリングラード市街地を見下ろす制高点になるので、序盤の激戦地となる。
市街地には有名な建物がいくつもあり、特にトラクター工場と赤い十月工場は、スターリングラード市街戦を語る上で避けて通れない「名所」だろう。さらにボルガ川の川岸にはいくつかの船着き場があるが、こらら船着き場はソ連側の増援部隊登場地点であるだけではなく、ソ連軍にとっての補給源にもなる。逆にドイツ軍としては、出来るだけ多くの船着き場Hexを支配することが勝利への近道となるだろう。

1Turn

最初にドイツ空軍による爆撃が始まる。爆撃に投入できる戦力は、水平爆撃機が80戦力と急降下爆撃機が26戦力という膨大な量になる。爆撃の目標は、主に平地に展開するソ連兵で、要域ママエフ墓地の周辺部や、スターリングラード北西部のオルロフカ突出部の付け根のソ連軍が撃破されていく。

続いてドイツ軍砲兵部隊による猛砲撃が始まる。ソ連軍の砲兵は後方の重建造物に潜んで出てこない。砲火力に勝るドイツ軍は生き残ったソ連兵に猛烈な射撃を浴びせかける。

そしてドイツ軍の前進が始まる。最初の目標はスターリングラード市街地を見下ろす制高点であるママエフ墓地。ドイツ軍の第71歩兵師団が主攻勢部隊となり、第295歩兵師団がそれを援護する。ママエフ墓地の戦いは激戦となったが、最後は兵力に勝るドイツ軍が勝利をおさめ、ママエフ墓地はドイツ軍の支配する所となった。

その南側を進むドイツ軍は、百貨店(Department Store)の一角に突入し、そこを占領した。

北方では、オルロフカ突出部のソ連兵が後方連絡線を断たれて動けなくなってしまう。このゲーム、連絡線判定はゲーム進行中の都度行われ、連絡線が遮断されたら様々な不利を被る。ドイツ軍の場合は火力と移動力が半減、ソ連軍の場合は火力半減、移動力ゼロとなる。ソ連軍の場合、補給切れでも移動が認められる特別ルールがあるが、様々な制約あって使いにくい。要するに「包囲されて補給を切られたら、まともな移動は認められない」と考えるのが正しい。

写真02


2Turn

ドイツ軍は、スターリングラードのソ連軍を分断すべく、南の船着き場に突進してきた。ボルガ川沿いの船着き場は計3ヶ所で、それがいずれも補給源となる。南の船着き場は、スターリングラード南部市街地にある穀物倉庫や大峡谷といった拠点への補給源となっており、ここをドイツ軍が奪取すると、スターリングラード南部一帯のソ連軍が補給切れになる可能性がある。

南の船着き場付近では激しい戦闘が行われた。時にはドイツ軍の歩兵1個連隊が建物に取りつこうとしてソ連軍の防御射撃を受け一瞬にして壊滅したような事例もあった。しかし最終的には数に勝るドイツ軍が船着き場を占領した。慌てたソ連軍は、直ちに反撃を実施する。しかし防御戦では頑強な抵抗を見せるソ連兵も攻撃時は脆い。ドイツ軍の巧みな防御戦闘の前に大損害を被ったソ連軍は、船着き場を奪回できなかった。

こうして南部地区のソ連軍守備隊は補給切れ状態に追い込まれた。ソ連軍は南部地区への補給を回復すべく、ドイツ軍に対して反撃を仕掛ける。その反撃は一部成功し、一時的にせよ南部地区の補給線が回復する。その間に南部地区のソ連軍部隊を可能な限り中央地区に撤収させる。しかしドイツ軍の再反撃により再び南部地区の補給線を切られてしまう。

オルロフカ突出部では、包囲されたソ連兵をドイツ空軍が攻撃。生き残りのソ連兵のうち、約1/4がドイツ空軍機による攻撃の犠牲となった。

ソ連軍は、南の船着き場を奪回するため、ヴォルガ川河川艦隊とヴォルガ川対岸砲台を南の船着き場を直接砲撃できる場所に布陣させた。

写真03


感想

今回は時間の関係で第2Turnの途中で終了した。プレイ時間はセットアップを含めて8時間弱である。噂通り時間のかかるゲームだということを実感した。時間がかかる理由は、特にドイツ軍について毎回プレイヤーの選択肢が多いことにあると思う。このゲーム、駒を動かす順番が重要なので、どの駒から動かすのかについて選択肢が非常に多い。その中で最適解を見つけようとすると、どうしても時間がかかってしまう。だからプレイヤーが慣れてきたら、もう少しペースアップできると思う。

システムはやや癖があると思うが、慣れてくると面白い。特に市街地で銃を撃ち合っている感覚は上手く再現されていると思う。街路の間を走り抜ける感覚や、至近距離から大砲をぶっ放す感覚は本作特有の魅力と言える。基本システムにちょっと癖があるが、ルールは難解なものではなく、中級者以上のウォーゲーマーなら十分にプレイできる難易度だ。

私も機会を見つけて再戦したいと思っている。

写真04_Stalingrad,_Soldat_mit_MPi





シミュレーションジャーナル ゲームジャーナル90号 モントゴメリーの憂鬱:孤高のアルンヘム1944
ゲームジャーナル53号 激闘! スモレンスク電撃戦
スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)


240310d_バルジ大作戦対戦動画

「バルジ大作戦」は、1981年に日本のエポック社から発売されたSLGです。テーマは1944年のアルデンヌ攻勢で、1944年12月16日から約2週間に渡る戦いを、1Turn=1日、1Hex=3.3km、1ユニット=連隊~旅団規模で描いてます。

今回「バルジ大作戦」をプレイしたので、その記録を動画化してみました。


バルジ大作戦
図解 第二次世界大戦1939.9~1943.9

写真00


Russian Front(以下、本作)は、1985年に米国Avalon Hill社が発表したSLGである。テーマは1941~44年の独ソ戦で、1944年後半以降のポーランドにおける戦いは含まれていない。1Hex=約40km、1Turnは実際の1ヶ月に相当し、1ユニットは枢軸軍が軍団、ソ連軍が軍となっている。

今回、本作をプレイしてみた。シナリオは1941年シナリオを選択し、筆者は枢軸軍を担当する。なお、上級ルールは全て採用したが、選択ルールは採用しなかった。

前回までの展開は --> こちら

3Turn(41年8月)

ドイツ軍は苦戦しながらもソ連軍戦線を食い破る。中央戦線では、ヴィテブスクを占領した上でスモレンスク北方を突破。モスクワ~スモレンスクの鉄道線を遮断する。最先頭を進むドイツ第47装甲軍団(8-6-8)はスモレンスク~モスクワのほぼ中間点付近にまで進出し、モスクワまであと5Hexに迫った。

南方戦線でも伸び切ったソ連軍戦線をドイツ軍は複数個所で突破に成功。キエフまであと2Hexに迫る一方、南方から前進してきたルーマニア軍とも合流し、包囲輪の中に多数のソ連軍部隊を閉じ込めた。

写真05


ロシア軍はスモレンスク~モスクワ街道に進出してきたドイツ軍装甲部隊に対して反撃を実施する。新鋭の歩兵10個軍、騎兵2個軍団を投入してきたソ連軍の反撃はさすがに強力で、ドイツ軍の装甲部隊は苦戦を強いられたが、それでもドイツ軍は航空部隊の支援を得て何とかソ連軍の反撃を撃退することに成功した。しかしドイツ装甲部隊の損害も決して無視できるレベルには留まらず、ドイツ軍の進撃能力に陰りが見えてきた。

一方南方戦線では、包囲されていたソ連軍部隊の大半が壊滅。「死なば諸共」攻撃でドイツ・ルーマニア軍にも若干の損害が出たものの、それほど大きなものではなかった。南方戦線のソ連軍戦線は大きく引き裂かれ、ドイツ軍にとってチャンスが見えてきた。

写真06


この時点でショートシナリオの勝利判定ができるようになる。勝利条件は枢軸軍の占領した大都市と油田数によって決まり、23点で引き分け、26点以上で枢軸軍の勝利となる。今回のプレイで枢軸軍が獲得したVPは19点。勝利レベルではソ連側のレベル1勝利である。うーん。

ちなみに史実の枢軸軍はこの点で26点以上獲得していたとのこと。我々の場合よりも7ヶ所多いことになるが、一体どうすれば可能なのだろう?。ハンコ、ノブゴルド、スモレンスク、ゴメル、キエフ、オデッサ、ドニエプロペトロフスクあたりかなぁ?。だけどWikiPediaには、キエフ陥落が9月19日、オデッサは10月16日になっていたぞー。

感想

このあたりで一旦感想を整理したい。ちなみにプレイ時間はセットアップを含めて6時間強。セットアップの所要時間は1時間弱だったので、純粋なプレイ時間は5~6時間であった。1Turnあたりの平均プレイ時間は2時間弱なので、全42Turnのキャンペーンシナリオを完遂するためには70~80時間となる。実際の所は後半は暇になることが予想されるので、50時間ぐらいだろうか。

ゲームとしては面白いと思う。同一ヘクス戦闘がやや面倒に思う所がある(スタックが大きくなる等)が、戦闘システムがシンプルなのでハイスタックの戦力を毎回毎回計算する手間がない点も良い。独ソ戦ゲームの決定版としては古典とも言うべきRussian Campaignがあるが、このRussian Frontも新たな古典となる資質は十分に持った作品だと思う。プレイ時間がロシキャンよりもかかってしまうのが難点かもしれない。
ちなみに 3年ほど前にプレイした記録 を読むと、1Turnの主要時間が1時間強となっているので、慣れればもう少しペースアップ可能かもしれない。

プレイしていて感じたのは、枢軸軍に難しいゲームだと思う。独ソ戦ゲームには2パターンあり、枢軸軍がよりテクニックを要するゲームと、ソ連軍がテクニカルに振舞うゲームがあると思う。前者の例がGame Journal誌のバルバロッサシリーズ、後者の典型例がタイ・ボンバ氏デザインの「電撃戦1941」だろうか。個人的には枢軸軍に厳しいゲームの方が好きなので、本作のアプローチは気に入っている。

今回の反省点は、歩兵予備をもっと活用すべきであった。敵の歩兵を拘束するために自軍の歩兵を積極的に戦闘に投入してきたが、ドイツ軍としては包囲を多用すべきであった。そして一定数の歩兵は常に予備として残しておき、装甲部隊の側面支援に投入すべきであった。そうすれば、結果的に装甲部隊の突破力も維持できただろう。

本作について問題点を挙げれば、古いゲームなのでカウンターが片面印刷であるところ。このゲームはユニットの損害を損害マーカーで示していく方式なので両面印刷は必ずしも必要ないが、損害マーカーも片面印刷なので、損害の1レベル増減だけでカウンターを入れ替えなければならない。これが結構面倒。さらにソ連軍には2ステップしかないユニットが結構多いので、両面印刷すれば損害マーカー不要になる。
もし本作をリメイクする機会があれば、カウンターを両面印刷にし、プレイし易くしてほしい所だ。

いずれにしても本作は面白いゲームである。コマンドマガジン等で再版してくれることを期待したいが、現時点では期待薄。幸い筆者は本作を保有しているので、今後も大事にしていきたい。

写真07

4Turn(41年9月)

ここから先は少しオマケになる。まだ少し時間があったので、もう1Turn分プレイしてみた。
まず中央戦線ではモスクワ方面へ前進していた装甲軍団の一部を後退させ、主力はヴィテブスク南方で攻勢を仕掛けた。スモレンスク前面のソ連軍部隊を装甲3個軍団で撃破したドイツ軍は、逃げるソ連軍を追ってスモレンスク市街に突入した。要塞化されたスモレンスク市街を守るソ連兵は頑強に抵抗する。さらに平地では無敵の強さを誇るドイツ軍装甲部隊も市街戦では極端に弱くなる(戦闘力-2)。さすがのドイツ装甲軍団も苦戦が予想されたが、航空支援を得たドイツ軍は強引にスモレンスク市街を攻撃。少なくない損害を出しながらもついにスモレンスクを占領した。

南方ではドイツ軍の歩兵部隊の中では最強の第4歩兵軍団(6-5-6)がキエフ市街に突入。航空支援を受けた第4歩兵軍団はキエフ市街を制圧、同市を占領した。

他にもフィンランド軍がようやくハンゴを占領し、この時点で枢軸軍が獲得したVPは22点となった。ちなみに第6Turn終了時点で枢軸軍が最低限の勝利レベルに達するためには39点必要である。そんなんムリ。

写真08




独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)
モスクワ防衛戦―「赤い首都」郊外におけるドイツ電撃戦の挫折 (独ソ戦車戦シリーズ 4)
漫画 グデーリアンと機甲戦
電撃戦 上―グデーリアン回想録



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