もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 第2次欧州大戦

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概要

「激闘!グデーリアン装甲軍」(以下、本作)は、米MMP社から発表された”A Victory Denied"の和訳修正版である。テーマは1941年7月~9月のスモレンスク攻防戦を1Turn=約7日、1Hex=10マイル、1ユニット=師団(ドイツ軍)~軍団(ソ連軍)で描く。
基本システムは、元々Game Journal誌4号付録として発表されていた「激闘!マンシュタイン装甲集団」(英語版"A Victory Lost")と同じ。軍司令部を表すチットを引いて、相当する司令部を活性化するというチットドリブンシステムである。

作戦研究

本作での攻撃側はドイツ軍である。従ってドイツ軍の立場になって勝利条件を検討しよう。 まずドイツ軍にとって勝利条件が2種類ある。1つはモスクワ侵攻、もう1つは南方旋回である。勝利条件はランダムに決められ、1/6でモスクワ侵攻、1/3で南方旋回、1/2でプレイヤーが選択、となっている。最後のプレイヤー選択でモスクワ侵攻を選択した場合、勝利条件が通常のモスクワ侵攻よりも厳しくなる。従ってゲーム的な勝利を目指すのであれば、ドイツ軍プレイヤーは南方旋回を選択することになるだろう。
これらを勘案すると、総統命令(=ダイス目)で「モスクワ侵攻」が出ない限り、勝利条件は「南方旋回」に落ち着く。前者の可能性が1/6と極めて小さい以上、南方旋回を前提として勝利条件を検討してみたい。

この場合の勝利条件は、獲得したVPチットの大小とドイツ軍機械化部隊の損害によって決まってくる。VPチットは大小2種類があり、大が平均4.6VP(合計32VP)、小が平均2.0VP(合計18VP)である。またドイツ軍機械化部隊の損失は、一部を除いてソ連軍に4VPを献上する。
これらを勘案すると、ドイツ軍としては自軍の損害とチットの振れ幅を考慮して30VPぐらいを狙いたい。VPヘクスが集中しているのは、スモレンスクSmolensk(3227)からロスラウリRoslav(2329)までの「モスクワ回廊」部分である。ここを集中攻撃し、ビャジマVyazma(3540)辺りまでをドイツ軍の進出ラインとすると、ドイツ軍の獲得するVPチットは、大が4枚、小が6枚となる。平均すると約30VPが獲得できる。従ってドイツ軍としては戦線中央を突破して一路VYAZMAを目指すのが良い。勿論、ソ連軍の反撃によってVP都市が奪回されないよう、守備兵力を配備していく必要があることは言うまでもない。
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1Turn

第1Turnは特別ルールによりドイツ軍が最初のチットを選択できる。そこでドイツ軍は第3装甲軍を選択。ポロツクPolotsk(4513)からヴィテブスクVitebsk(3919)への連絡線上に展開するソ連軍の一掃を図る。ソ連軍3ユニットに対して装甲部隊を利用した包囲攻撃で2ユニットを撃破したが、最後の1ユニットはステップロスしたものの生き残らせてしまう。
ここからはランダムチットになる。続いて引いてきたのは、先ほどと同じくドイツ第3装甲軍。先に撃破できたなかったソ連軍歩兵部隊の敗残兵を壊滅させる一方、主力はヴィテブスクからスモレンスクSmolenskに向けて南下を開始。途中で機械化部隊1を含むソ連軍2ユニットを包囲殲滅した。
次に引いたのは「増援」チット。ドイツ軍は「グデーリアン」チットを使って「増援」をキャンセルし、割り込んだ。第2装甲軍は2個所でドニエプル川を渡河したが、要域モギレブMogilev(2618)は陥落させるには至らなかった。
しかしその次にもドイツ第2装甲軍を引いたため、結局モギレブは陥落。第2装甲軍はドニエプル川東岸に向けて大きく前進した。
続いてドイツ空軍チットを引いた。爆撃の結果は「外れ」。 その後、ソ連軍チットが続くが、司令部が後退を強いられていたために殆ど有効に利用できず。そして増援。最後にAGCである。
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2Turn

このTurnから独軍の命令チットが激減する。第1Turnの5個からこのTurnは3個だ。ソ連側のチットは2個から3個に増える。個数では両陣営が並んだものの、チット1個あたりの指揮能力が独軍有利なので、独軍の攻勢は継続可能だ。
独軍は、第3装甲軍、グデーリアン、AGCの3枚をカップイン。最初に第3装甲軍が出たのでスモレンスク強襲を行ったが、ソ連PVOの犠牲的な防衛戦によってSmolenskは落ちず。次の増援チットで再びPVOがスモレンスクに復活したので、ドイツ軍にとっては踏んだり蹴ったりだ。
南方でソ連軍が活性化する兆しがあったので、先手を取ったグデーリアンが先制攻撃を敢行。ソ連機械化3-2-6ユニット2個を包囲殲滅。勝利得点都市クリチェフKrichev(2325)を占領し、重要地点ロスラウリまで4Hexに迫った。

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3Turn

ドイツ軍はさらに苦しくなり、命令チットが3枚から2枚に減少する。ソ連軍は3枚のまま。いよいよ独軍にとって攻勢継続も怪しくなる雰囲気だ。ドイツ軍はグデーリアンとAGCをカップインする。
ドイツ第3装甲軍はスモレンスクを両翼から包囲。Smolenskの分断を図る。しかし左翼を守る第12、第19装甲師団(いずれも9-2-10)に対し、ソ連第20軍は果敢な反撃を実施。包囲攻撃によってドイツ軍装甲師団に後退を強い、2個装甲師団をステップロスさせるという大戦果を上げた。
それに対してドイツ軍はグデーリアンの第2装甲軍をスモレンスクとロスラウリの中間付近に進出させ、南方からスモレンスク攻略にあたる第3装甲軍を支援する態勢とした。しかしこれは精鋭第2装甲軍を2手に分ける結果にもなり、ドイツ軍にとっても危険な賭けであった。
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4Turn

ドイツ軍が先手を取った。第3装甲軍がスモレンスク背後のソ連軍を攻撃し、ソ連第20軍を撃破する。先手を取られたソ連軍はスモレンスク守備隊を残して後退。スモレンスクは敵中に孤立する。
第2装甲軍は再びロスラウリ方面へ南下。補給線上のソ連軍を掃討しつつロスラウリを包囲する。
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5Turn

このTurnからドイツ軍の補給事情が少し改善され、利用できる命令チットが2枚から3枚に増大する。またミンスクポケットを包囲していたドイツ歩兵部隊が前線に戻ってくる。北方戦線ではドイツ第3装甲軍がスモレンスクを包囲攻撃。最高比でスツーカの支援付きでスモレンスクを陥落させた。南方ではロスラウリを包囲するドイツ第2装甲軍がやはり総攻撃を仕掛けていたが、ロスラウリのソ連軍は同地を死守する。
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6Turn

第2装甲軍は再びロスラウリに総攻撃を仕掛けるが、攻撃はまたもや失敗に終わる。
第3装甲軍はエルニャYelnya(3032)からSpas Demensk(2836)まで進出。同方面のソ連軍を撃破した。

このTurn終了時点でドイツ軍が目標を決定する。モスクワか南方旋回か?。ダイス判定の結果、「グデーリアンの選択」となった。プレイヤーがモスクワ直撃又は南方旋回のいずれかを選択できる。ドイツ軍は南方旋回を選択した。
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7Turn

第2装甲軍がようやくロスラウリを占領した。しかし第3装甲軍は現地点で前進停滞。勝利がやや苦しくなってきた。

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8Turn

最終Turnである。ドイツ軍は第3装甲軍によるビャジマ攻略を目指す。最終Turnということで補給を無視してVyazmaに向かうドイツ装甲部隊。2度に渡る行動がモノを言ってついにビャジマをドイツ軍は奪取した。一方南方では、突出し過ぎたドイツ第10自動車化歩兵師団(6-6-10)が、ソ連軍の包囲とカチューシャロケットの集中攻撃を受けて壊滅した。
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結果

ドイツ軍の獲得VP:Majorが4個、Minorが5個
ソ連軍の獲得VP:Majorが3個、Minorが4個

VPを計算すると、ドイツ軍が32VP、ソ連軍が18VP+4VP(第10自動車化師団の壊滅)
ドイツ軍の勝利

VPチットがドイツ軍にとってやや有利な結果に終わったことと、最終Turnにビャジマをドイツ軍が占領したことが大きかった。

感想

面白い。傑作「激闘!マンシュタイン軍集団」(以下、前作)の良い点を引き継ぎ、よりプレイし易い形にまとめた作品といえる。プレイアビリティの面では、本作は前作を上回る作品だ。
前作に見られた攻守逆転の面白さについては本作ではあまりないが、その分攻撃又は防御に割り切ってプレイができる。プレイヤーにとっては優しい仕様だ。

スモレンスク戦を扱った作品は結構多く、傑作の名に値する作品も多いが、本作も傑作という評価が相応しい作品の1つと言えるかもしれない。

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GMT「Panzer」(以下、本作)は、WW2東部戦線における戦車同士の戦闘を扱った戦術級ゲームである。スケールは1ユニット=戦闘車両1両、1Hex=100m、1Turn=15秒~15分である。時間スケールにかなり幅があるのが特徴である。
テーマはWW2東部戦線と書いたが、基本セットでは1943~44年の東部戦線に焦点を絞ったつくりになっている。戦車戦的には両軍の新型戦車が登場してくる「美味しい」時期を扱っている。また拡張キットには、1942年や45年の東部戦線、1944~45年の西部戦線を扱った作品も存在している。

今回、本作を久しぶりにプレイしてみた。いずれも基本セットのシナリオである。

シナリオ1.The Crossings: Ukraine, late 1943

1943年後半における独ソ戦車隊同士の典型的な遭遇戦である。戦場の中央付近に小川が流れており、その橋梁と浅瀬の確保が両軍の目的になるが、結局は戦車戦での勝敗がシナリオ自体の勝敗を決すると言っても良い。そういった意味で橋梁や浅瀬は「両軍を戦わせるための餌」といっても過言ではないだろう。
登場兵力はソ連軍はT-34/76 M43が10両。ドイツ軍は4号戦車G型が11両である。ドイツ軍の方が1両多いが、戦車の性能や練度で極端な差がないので、両軍の間にゲームバランス上の有利不利は殆どない。

CMJ「Tanks」では、ドイツ製戦車とソ連製戦車の間で命中率(特に中距離以上)に極端な差を設定することで両者の質的な差異を際立たせようとしている。その点、本作ではそのような意図はあまり見られず、純粋にハードウェアの違いだけを評価しているように思える。どちらが正しいのか(あるいはどちらが好ましいのか)は人それぞれ評価が分かれると思うが、同じ戦車戦でもデザイナーによって視点が異なってくるのは興味深い。 

T34_76M43戦車性能を比較してみる。
まず火力だが、4号G型が装備する75mmL43は、T-34/76が装備する76.2mmL43と比較して射程距離と貫通力の両面で優越している。しかし装甲防御ではT-34/76の方が4号G型を凌駕しているので、4号戦車の火力面での優越はある程度相殺されている。具体的に言えば、4号G型はT-34の正面装甲を1200m(12Hex)以内で貫通可能だが、T-34/76は4号G型の正面装甲を1000~1700m以内で貫通可能(車体の方が砲塔よりも装甲が強い)である。実際の戦闘局面では、両者の装甲が敵の射弾に耐えうる可能性は余り高くない。そういった意味では射程距離に優れ、命中率でやや優越しているドイツ軍戦車が心持ち有利かもしれない。
一方の機動力では逆にT-34/76が有利で、クロスカントリーでの移動力が4対5である。
総合的には火力で4号戦車、防御力と機動力でT-34/76が有利という結果になり、総合的に両者は殆ど同等と評価できる。

DC_G-1B_PZKpfw4G


本シナリオはほぼ同兵力の独ソ両軍が歩兵や砲兵を含まない純粋に戦車同士で撃ち合う内容である。そういった意味では本作のシステムと戦車戦の基本を学習する上では好適なシナリオと言える。実際の展開を見ても、制高点の制圧、兵力の集中、敵の側面への攻撃といった戦車戦の基本戦術を使いこなした側が有利に戦える。とはいえ戦車戦なので運の介在する要素も多く、戦術面での優越が必ずしも結果に結びつかない所がある。そのような場合「それが戦車戦」だと思って楽しめるかどうかが、本作を楽しめるか否かの岐路になると思われる。

このシナリオは計2回プレイし、お互いにルールを理解できた時点で次のシナリオに進んだ。

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シナリオ2.The Village: Poland, late 1944

1944年後半における独ソ戦車同士の戦いである。シナリオ1と似ているが、時期が違うため両軍の戦車がバージョンアップしている。ドイツ軍の兵力は5号戦車「パンター」が6両、4号戦車H型が5両、3号突撃砲が1両の計12両。ソ連軍は85mm砲装備の新型T-34/85M44が10両、SU-85自走砲が2両、SU-100自走砲が1両の計13両である。シナリオ1と同様、兵力的には両者に殆ど差はない。

DC_G-2B_PZKpfw5_Panther


T34_85M44シナリオの勝利条件は、敵戦車の撃破の他、マップの左上にある村落Stravrhevoyの支配である。これもシナリオ1と同様に両軍に「戦うための理由」を付与しているに過ぎない。
両軍戦車の比較に移る。ソ連軍の主力はT-34/85である。まず「軍馬」4号戦車H型との比較である。機動力ではT-34/85が圧倒的に有利。4号H型は機動力の面では最低クラスである。4号H型の75mmL48では、T-34/85の正面装甲を距離700~1300m以内で貫通可能。T-34/85の85mmL55は、1300~2100m以内で4号H型の正面装甲を貫通できる。4号H型は、G型に比べると装甲・火力共に強化されているが、それでも新型のT-34/85に比べると劣勢は否めない。

Pz5次にドイツ軍の新型パンター戦車と比較した場合、機動力ではT-34/85が心持ち有利だが、ほぼ同等。火力と装甲では言うまでもなくパンターが有利である。パンターの75mmL70は距離2000m以内でT-34/85の前面装甲を貫通可能なのに対し、T-34/85の85mmL55は距離400mでパンターの正面装甲を貫通できるに過ぎない。従って射距離500m以上の距離ならパンターはまず安全である。ただし側面に回り込まれなければだが・・・。


SU100M44ちなみにパンターの正面装甲に有効打を与える手段は1つだけ存在する。SU-100自走砲だ。SU-100自走砲の搭載する100mmL56は、最大射程距離である2600mまでパンターの正面装甲を貫通可能だ。つまり戦闘距離ではほぼ全てのドイツ軍戦車に有効打を与え得るのだ。逆にSU-100の装甲防御力は、パンターに対してはほぼ無力、4号H型に対しては距離1400m以上で安全距離である。実際の戦闘場面では、SU-100は中距離以内の戦闘でドイツ軍戦車に対して安全距離を得られていない。従ってドイツ軍としては最優先でSU-100の撃破を図るべきであろう。

DC_S-4B_SU-100_M44


このシナリオは、様々な特性を持つ独ソ両軍の戦闘車両が登場する。戦車同士の遭遇戦なのでシナリオ1で述べた戦車戦の基本をマスターしておくのが望ましいが、それに加えて彼我の戦車の特性(パンターは正面を向けていれば中距離からのソ連戦車からの射撃に対してほぼ安全とか、SU-100が一番脅威になるとか)を理解しながら戦う必要がある。

このシナリオは2回プレイし、最初はソ連軍のSU-100が威力を発揮してパンターを次々と撃破。2回目は逆にドイツ軍が序盤でSU-100を潰した後、パンターの性能優位を利用してソ連軍を一方的に撃破していった。
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シナリオ9.Hube's Pocket: Ukraine, April 1944

Inf_SQ歩兵が登場するシナリオである。ただし砲兵や航空兵力が登場しないので、本作の中では比較的シンプルなシナリオと言える。歩兵については、実質的な戦闘力が小さくオマケ的な位置づけといえる。シナリオの勝利条件は、マップにある2つの制高点を制圧することにある。
例によって登場戦車を見てみよう。ソ連軍はT-34/85M44が10両、SU-85自走砲が3両の計13両。ドイツ軍は4号戦車H型9両、6号戦車「ティーガー」2両、3号突撃砲2両の計13両である。これらの車両は先のシナリオ2で登場したものが殆どで、大物はティーガー重戦車である。
Pz6Eティーガーとソ連側の主力であるT-34/85M44を比較すると、ティーガーの88mmL56は、T-34/85の正面装甲を砲塔は1300m以内、車体は2100m以内で貫通可能である。対するT-34/85の85mmL55は、ティーガーの正面装甲を700~1300m以内で貫通可能である。心持ちティーガーが有利だが、その優位性は小さい。そして機動力ではT-34/85M44が圧倒的に優勢である。従って本シナリオについて戦闘車両のハードウェア比較においては、ソ連軍優位となる。練度面でも両軍に差異はないので、本シナリオについてはソ連軍有利と言えるのではないか。

DC_G-3A_PZKpfw6E_Tiger1


本シナリオは1回プレイした。本シナリオでドイツ軍を担当した筆者は、ティーガーの意外な脆さに愕然としながらも、高地効果を利用してソ連軍に対応。ソ連軍戦車の一部がドイツ歩兵と遊んでいる間を利用して兵力の優越を確保。「量で質を補う」作戦で優位に立ったドイツ軍が何とか勝利を掴んだ。
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感想

戦車戦ゲームの常だが、戦闘結果がブラッディである。本作のように主導権によって射撃順が決まるゲーム(戦車戦ゲームではよくあるシステムだ)では、主導権ダイスの結果によってゲームの流れがかなり左右される。とはいえ「主導権ダイスが良ければ常に勝てる」という訳ではなく、結局は戦車運用に長けた側が有利に進めることになる。
結局の所、

「Panzerは戦車好きのためのゲームである」
「Panzerは上級者向きゲームである」
「Panzerはプレイヤーを選ぶゲームである」

といった感想につきる。

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山科会でGJ#70「第三帝国の盛衰」をプレイした。筆者はドイツ軍を担当する。

1Turn(1939冬)


GE423序盤はほぼ定番通りにプレイした。ポーランドを電撃進攻で落とした後、ベルギーに侵攻。ベルギー軍を撃破して同地を占領する。またイタリアも参戦して南フランスに侵攻した。

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2Turn(1940夏)

FR323ドイツ軍が電撃戦でパリに向かう。一撃陥落を狙ったが、殺さずに裏返しで留めたため、「補給」カードで戻されて元の木阿弥。「フランスが落ちなければ一大事」とばかり、航空兵力を投入してギリギリでフランスを陥落させ、ヴィシーフランス成立により何とか最小限のノルマを達成した。

ルーマニアが枢軸陣営に参加して参戦する。

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3Turn(1940冬)

GE513FT西方諸国で残っていたオランダ、デンマークへ進攻してこれらを占領した。さらに新鋭戦艦「ビスマルク」の支援を受けてノルウェーにもドイツ軍が進攻。ノルウェーに橋頭保を築いた。
ドイツ装甲部隊はバルカン半島に侵攻する。電撃戦でユーゴスラビアを陥落させたまでは良かったが、ギリシアを陥落させるに至らず。バルカン方面での苦戦が後々響くことに・・・。
調子に乗っていた我がドイツ軍の図上に冷や水が浴びせかけられる。英本土を発進した航空部隊がフランス本土を空襲。パリを守っていた陸軍部隊が壊滅。一時的にパリが軍事的空白地帯に・・・。ここで外交カードを出されてフランスが自由フランスに戻ってしまうと由々しき事態になる所であったが、大事には至らなかったのは幸いであった。

{{{ 教訓:パリに対する連合軍の空爆には注意せよ。 }}}

フィンランドが枢軸陣営に参加して参戦する。

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4Turn(1941夏)

GE313UB北大西洋に出撃していたUボート隊が大戦果を上げた。2発が命中して連合軍のカード2枚をお陀仏にしたのである。
しかしこちらが通商破壊戦に現を抜かしている間にソ連が参戦してしまった。粛々とキエフ方面の守りを固めるソ連軍。バルカン方面から反転してきたドイツ装甲部隊がルーマニア経由でキエフに攻め込むが、一歩遅れを取ることになったドイツ軍はキエフ攻略に苦戦を強いられる。それでも戦争資源を投入して最後は何とかキエフを占領した。もしここでキエフを取れなければ、策源数で2枚の差が着くことになり由々しき事態であった。

{{{ 教訓:キエフは第4Turnの一番最初にで取るべし。ソ連が参戦した後なら手遅れになる。 }}}

このTurn、ノルウェーも陥落。これによって枢軸側の策源地は、ドイツ国内の2個所に加えて、ポーランド、ローマ、パリ、ルーマニア、キエフ、そしてノルウェー、ユーゴスラビアの計8個所(ノルウェーとユーゴスラビアは0.5個所と数える)となった。

ハンガリーが枢軸陣営に参加して参戦する。

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5Turn(1941冬)

SU430Mos初めてのロシアの冬である。ドイツ軍は本格的な攻勢は行わず、キエフに進入してきたソ連軍を撃破する一方、キエフに要塞を築きつつ、ミンスク及びポーランド南部ガルシアを占領した。
西部戦線では英独空軍の激しい戦いが続いている。Uボートを襲う英空軍とそれを英本土で撃破しようとするドイツ空軍。爆撃を受ける立場の英空軍は、ドイツ軍の航空攻撃を受けて相応の損害を被ることになる。

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6Turn(1942夏)

US413FT遂に米国が参戦する。その恐るべき国力が民主主義諸国を守るために立ち上がった。レンドリース船団がノルウェー海を通って続々とロシアに送られる。ロシアの戦力は強化されていく。
このTurn、北大西洋でUボートが再び戦果を上げた。3発命中で連合軍のカード3枚を海の藻屑とした。
東部戦線のドイツ軍はミンスクからバルト三国に侵攻し、同地を占領。ここにキエフ、ミンスク、リガを結ぶ防衛ラインが構築された。ミンスクには要塞が築かれる。

7Turn(1942冬)

GE633東部戦線では新たに編成されたドイツ第6SS装甲軍がバルト3国に派遣された。この第6SS装甲軍団はティーガー重戦車やフェルディナント重駆逐戦車等を装備し、ドイツ最強、否、世界最強の戦車部隊である。キエフ、ミンスクに配備された要塞とバルト三国に展開する第6SS装甲軍により、東部戦線は盤石の構えである。
そこでドイツ軍は各戦線の動きを見極めつつ装甲部隊を再びバルカン半島に派遣した。ギリシアに侵攻したドイツ軍。今度はギリシア軍の撃破に成功し、バルカン半島一帯はようやく枢軸軍の支配する所となった。
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8Turn(1943夏)

US012AFこのTurnより米英軍による戦略爆撃が開始された。パリとルールが目標となり、いずれも爆撃成功。戦略カード2枚が失われる。しかも両方が「電撃戦」カードであっため、ドイツ軍による反撃能力は著しく減殺させられた。


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US013CVEレンドリース船団を妨害撃破するため、ドイツの新鋭戦艦「ビスマルク」がノルウェー海に向けて出撃していった。しかし今のノルウェー海は、2年前に彼女が就役した頃とは状況が一変していた。
北大西洋で対潜警戒を実施していた米護衛空母部隊が「ビスマルク」追撃戦に参加し、雷撃機による攻撃で「ビスマルク」に手傷を負わせる。そこに追い打ちをかけるべく英海軍の新鋭戦艦「デュークオブヨーク」が「ビスマルク」に対する砲撃戦を挑んでいく。集中攻撃を受けた「ビスマルク」はノルウェー海にその姿を没した。
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連合軍の大規模な艦隊が英仏海峡に集結していた。明らかに北フランス上陸を狙ってきている。ドイツ軍は英仏海峡の艦隊に対して航空攻撃を加えるも、護衛空母を発進するCAP機の妨害により航空部隊は撃退されてしまう。
連合軍の上陸に備えてギリシア方面から転身してきた装甲打撃部隊が南ドイツに集結。連合軍による北フランス上陸に即応できる態勢を取る。
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9Turn(1943冬)

SU323連合軍の大規模な反撃は、まず東部戦線で開始された。ミンスク、キエフ方面に猛攻を仕掛けてきたソ連軍に対し、ドイツ軍は「待ち伏せ」カード等を駆使して果敢に抵抗する。ドイツ軍の抵抗によってソ連軍はその前進を阻まれた。


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GE523US423西部戦線では「彼らが来た!」。
予想はしていたが、米英軍の大規模な上陸部隊が北フランスに侵攻してきたのだ。南ドイツに待機していた装甲打撃集団が北フランスに殺到する。上陸直後でまだ体制の整わない米英軍に対し、ドイツ軍の「鋭い矛先」が襲いかかった。「電撃戦」カードによる恐るべき破壊に対して阻止する術を持たない連合軍。連合軍の橋頭保は粉砕され、米英軍は海に追い落とされた。この戦いで失った米英軍は戦車4個を含む計8個軍にも及んだ。さすがに物量を誇る米英軍であっても、再建は困難となる痛手であった。
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UK013CV海ではかつての栄光を求めて出撃したUボートに対し、米英海軍が容赦ない攻撃を加えてきた。スコットランドを発進する対潜哨戒機、護衛空母の艦載機、そして水上部隊がUボート群を追い詰める。そこには既にUボートの活躍を許す「優しい海」は存在しなかった。

感想

この時点で時間その他の関係でお開きにした。未だ展開は予断を許さないが、連合軍にとってはかなり厳しい展開であったと思われる。連合軍としてはアフリカ戦線で活発に行動した方が良かっただろう。特にリビアからチュニスへ向かう進撃は必須であったと思われる。また航空部隊を北アフリカに展開することで、ローマやルーマニアを戦略爆撃圏内に収める意味も大きい。

ここまでのプレイ時間は約4時間。最終Turnまでプレイするにはさらに1~2時間程度必要だろう。(他のゲームもそうだが)このゲーム、いくつかコツがあるので、事前にソロプレイで確認しておくのが良いと思う。特にドイツ軍は序盤にミスるとかなり厳しくなるので、序盤の動きだけでも確実にトレースしておきたい。

ゲームとしては、比較的簡単なルールで第2次欧州大戦全域を再現できる好ゲームだと思う。ルール的な難度も低く、プレイするだけならインストだけでも十分に可能だ。プレイしていても楽しいゲームで、しかも概ね歴史通りの展開を辿る所も嬉しい。要塞の効果がやや大きく、一旦要塞を作られると突破が困難になるきらいがあるのが気になる所か?。
バランスについては十分に研究した訳ではないが、序盤は枢軸軍、中盤以降は連合軍が苦しいゲームだと思う。

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ゲームの概要

「第三帝国最後の戦い」(以下、本作)は、2015年に国際通信社からコマンドマガジン123号の付録ゲームとして発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1945年における東部戦線。スケールは1Hex=約20km、1Turn=0.5ヶ月、1ユニットはドイツ軍が師団、ソ連軍が軍団である(例外あり)。デザイナーはJavier Romero。2018年発表の「嵐の8月、満州1945」のデザイナーでもある。因みに「嵐の~」はテーマ的には興味があったのだが、「何だか面白くなさそう・・・」という先入観(というか"勘")で購入していない。

ゲームシステムの解説である。
基本システムはシンプルで、移動と戦闘を繰り返すタイプ。EZOCで停止。EZOCからEZOCへの直接移動は禁止。戦闘はメイアタック。等である。しかし特徴的なルールもある。 一番の特徴は、ソ連軍による戦闘後前進と機械化予備ルールである。このゲーム、戦闘結果に「後退」がない。つまり劣勢な側も全滅するまでその場に留まり続ける訳であるが、ソ連軍が攻撃側で敵を全滅させた場合、必要な戦闘結果を超過した分だけ戦闘後前進が移動力の形で与えられる(ただし機械化部隊か騎兵部隊のみ)。さらに戦闘終了時点で戦闘に参加せず敵に隣接していない機械化/騎兵部隊は、移動力の半分で戦闘後前進ができる。この時恐ろしいのは、戦闘後前進ではEZOCを無視できるということ。従って一旦戦闘後前進を許すと、前線の部隊はごっそりと包囲されてしまう。ちなみにこのルールはソ連軍のみ利用可能であり、ドイツ軍は利用できない。
対するドイツ軍は、機動突撃というルールが用意されている。これは一種のオーバーランだが、スタックして移動するドイツ軍機械部隊は、移動中に攻撃が実施できるというもの。これで敵を全滅させれば、移動を継続できる。が、実の所、このルールはあまり使い道がない。理由は後述する。
戦闘ルールにもクセがある。このゲーム、1つの防御スタックに対する複数回攻撃が許されている。例えば独軍スタックXに対して、ソ連軍ユニットA,B,C,Dが隣接していたとしよう。この場合、ソ連軍はまずA,B,CでXを攻撃する。もしXが生き残ったら、今度はDでXを攻撃する、というようなワザが許される。そこでソ連軍としては、先の突破ルールとも相まって、目標に主攻撃部隊の他に機械化部隊のスタックを隣接させる。第1次戦闘では機械化部隊を攻撃に参加させない。第1次攻撃で首尾よく敵スタックが全滅すれば、機械化部隊で機械化予備移動を実施する。そうそう、機械化予備移動の判定は戦闘直後である点に注意が必要だ(際通信社のエラッタ参照)。全滅しなかった場合には、機械化部隊で第2次攻撃を仕掛けて敵の撃滅を期す。

これらのルールによって表現されているのは、ソ連軍の凶悪なまでの突破能力だ。戦闘後前進や機械化予備移動でEZOC無視の効果が大きい。従ってドイツ軍としては下手に戦線を張っても抜かれて包囲殲滅される公算大である。従って確実に守り切れそうな所以外は真面目に戦線を組まず、防御スクリーンで我慢する。そして敵に接敵できない第2戦に切れ目のない戦線を張るのが得策だ。この時、重戦車大隊や補給部隊、司令部等も戦線つくりに協力させる。ややゲーム的な戦術だが、こうでもしないと守り切れない。何だかなぁ・・・。
因みにこのような姑息な防御手段も、選択ルール12.2「縦深突破」を採用した時点で崩壊する恐れがある。困ったものである。
ちなみにドイツ軍はこのような「姑息」防御を強いられるので、機械化部隊スタックによる機動防御など望むべくもない。ドイツ軍としては最終Turnまでベルリンやプラハが持ちこたえてくれればよいので、遅退戦術で時間稼ぎをしつつ、フルスタックを3大都市(ベルリン、プラハ、ケーニヒスベルグ)に籠らせる。なお、3大都市とダンツイヒは補給源扱いなので補充が可能。ただし補充には司令部が必要なので、司令部も一緒に籠らせること。また補給源ヘクスではユニットの再建も可能なので、積極的に利用したい。

ポイント
・ドイツ軍は最前線の後方に切れ目のない防御ラインを敷く
・大都市はフルスタックで守らせる。その時司令部も一緒に籠らせる
・補給源ではユニットの再建も可能

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対戦

という訳で、本作を対戦してみることになった。ダイス判定の結果、ソ連軍を担当する。目指すは史実通りの大勝利。ケーニヒスベルクとプラハの攻略がポイント。戦線突破の脅威を与えて都市部に籠らせないようにし、後は包囲して力押しである。本格的な攻勢は第4Turnから。

第1Turn(1945年1月後半)

ドイツ軍プレイヤー(対戦者氏)は、上記の「姑息」な防御戦術を採用せず、一般的な2線防御で対応しようとする。しかしそのような配置が無力であることはすぐに証明される結果となった。

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戦線南方では第1ウクライナ軍が第1白ロシア軍と共同でドイツ第4装甲軍の主力を包囲する。また戦線北方では、東プロイセンで第2、第3白ロシア軍がドイツ第3装甲軍主力を包囲殲滅する。戦線中央のワルシャワ(1506)がロシア軍の猛攻を受けて陥落する。ドイツ軍としては、主力となる装甲2個軍がごっそり包囲されることなった。
包囲下のドイツ軍は懸命に解囲を図るが、ソ連軍の包囲網を突破するには至らない。

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第2Turn(1945年2月前半)

ドイツ軍が辛うじて築いたダンツイヒ南、ワイクセル川からヴァルタ川へ南北へつながる防衛ライン。それをソ連軍の先鋒部隊が襲いかかる。トルン(1114)北方とウージ西方で戦線を突破したソ連軍。得意の機甲突破で戦線後方を荒らしまわり、ブレスラウ、ボスナニ、ダンツィヒを包囲した。 ドイツ軍は機動反撃によって包囲網を一部で食い破るも、数個師団が包囲下に陥る。それでもドイツ軍の微妙な反撃によってソ連軍にも少なからず損害が出る。

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第3Turn(1945年2月後半)

ソ連軍は主力がボスナニ、ブレスラウのラインに進出する。ボスナニに対する集中攻撃で同地陥落。ソ連軍の先鋒はオーデル川に到達した。

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第4Turn(1945年3月前半)

ドイツとボヘミアの国境付近、ドレスデンをソ連軍が急襲した。守備隊を撃破したソ連軍はボヘミアに乱入。チェコの首都プラハを占領した。
東プロイセンではケーニヒスベルグに対するソ連軍の総攻撃が始まる。しかし装甲師団4個が籠るケーニヒスベルグの守りは固く、ケーニヒスベルグの守備はびくともしない。その他にダンティヒ、ブレスラウ等に対する攻撃を実施されたが、ドイツ軍の抵抗は激しく、陥落するには至らず。

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第5Turn(1945年3月後半)

このTurn、ソ連軍はブレスラウ、ダンツィヒへ総攻撃を実施。ダンツィヒは持ちこたえたが、ブレスラウは陥落。ザクセン地方に進入したソ連軍がライプツィヒ、ケムニッツ等を占領した。これでソ連軍の獲得したVPは13VPに達し、ソ連軍の勝利条件を満たした。

ドイツ軍プレイヤーとしてもこれ以上の抵抗は無意味と判断し投了。この時点でゲーム終了とした。

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感想

ゲームの勝敗という観点からいえば、今回のドイツ軍の初期配置はベストではなかった(そのことはドイツ軍競技者も認めている)。その結果第1Turnでドイツ軍機械化部隊の大半が包囲されるという結果になり、その後の戦いで戦力不足に苦しむことになる。ただし、歴史再現性からいえば、今回の結果の方が「それっぽい」かもしれない。上記に書いた「姑息な」戦術をドイツ軍が採用すると、ドイツ軍が史実以上に粘れる可能性があるからだ。
なお、ドイツ軍競技者の名誉のために付け加えると、この後第2回戦を同じ配役で戦った。その時は第3Turnまでのプレイであったが、ドイツ軍の「姑息な」防御戦術が奏功し、第3Turn終了段階ではドイツ軍がしっかりと戦線を維持していた。

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ゲームとしての感想であるが、ルールが簡単な点は評価したい。特別ルールの類が少ない点も好感が持てる。 ただしソ連軍の突破ルールがいびつな感じがする。移動力の半分で移動可能、しかもEZOC無視、というのはいくらなんでもやりすぎ、というよりも強引すぎる。しかもそれを防ぐ方法が「弱小なユニットを含めて横一列にユニットを並べること」というのもスマートさに欠ける。例えば最近のシモニッチ作品に見られる「機動強襲ルール」の方が遥かにスマートな処理に思えるのは身贔屓だろうか。

結論を書くと、悪いゲームではないが、ややいびつな処理が気になる作品、としておこう。

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GJ70表紙


「第三帝国の盛衰」(以下、本作)は、2019年にGame Journal誌70号として発表されたシミュレーションゲームである。テーマは第2次欧州大戦。1939年9月のナチスドイツによるポーランド侵攻から1945年5月のベルリン陥落までを再現する。

ここまでの展開は-->こちら 

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10Turn(1944年夏)

US423戦略カード=7/10 フランスが再び連合軍側に戻った。またスイスもひっそりと連合軍側に立って参戦する。
米英軍の戦略爆撃はローマ、ベルリン、ワルシャワ、ルーマニアを破壊。ドイツ軍が利用できるカードはこのTurnも3枚となった。

連合軍はフランスから東へ前進。航空兵力の援護の元、南ドイツ、ベルギー、そしてルール工業地帯に進入する。ドイツ軍はベルギーに装甲兵力を集中して反撃を試みるが(半年早いバルジの戦い?)、反撃兵力不足で米英軍を撃破するには至らず。そして連合軍はベルギー、オランダ、そしてルール工業地帯を占領した。

東部戦線では赤軍がバルト三国に進入。同地の奪取を試みるも、ドイツ軍の粘り強い抵抗にあってバルト三国解放は果たしていない。

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11Turn(1944年冬)

US012AF戦略カード=6/10
連合軍の戦略爆撃は今一つ不発。ルーマニアとワルシャワが破壊されただけであった。そのためドイツ軍はこのTurn、4枚の戦略カードを持つ。その時、ドイツ軍は手札に入れていた3枚の「補給」カードのうち、2枚を失ったのがドイツ軍にとっては痛かった。

そして連合軍の攻勢は苛烈を極めた。「電撃戦」で米英機甲部隊がベルリンに殺到。一撃でベルリンが陥落する。引き続いて「戦略移動」によって南フランスに転進した米英機甲部隊。航空攻撃で北イタリアの枢軸軍を無力化した後、機甲部隊が電撃的にローマに進攻。米英軍がローマを奪取した。「外交交渉」によってイタリアが枢軸陣営から脱落する。

SU412その間東部戦線では、冬季攻勢によって赤軍がようやくバルト三国を陥落させた。さらにウクライナへ猛攻を仕掛ける赤軍であったが、ドイツ軍の要塞が猛威を振るう。ウクライナは正に難攻不落である。しかし赤軍はウクライナを尻目にポーランドへ進攻。ワルシャワに総攻撃を仕掛けた。物量を誇る赤軍の猛攻は、しかしドイツ軍の善戦によって頓挫する。しかし反対側から飛来した米英の航空部隊がワルシャワ守備隊を粉砕した。赤軍は破壊しつくされたワルシャワの街に入城した。

UK013CVイタリア戦線では米英軍が最後の仕上げに取り掛かった。イタリア本土を発した機甲部隊が北イタリアからユーゴスラビアに侵入する。ユーゴスラビアにはドイツ軍がなけなしの装甲部隊を送り込んできたが、地中海を遊弋する米英の空母艦載機、そして南フランスから出撃する英空軍機の攻撃を受けて半身不随の状態となる。そこへ米英機甲部隊が「電撃戦」を仕掛けてきた。チトー率いるゲリラ部隊も連合軍と共同攻撃。ドイツ軍は撤退するしかなかった。
最後に米英機甲部隊が東に向かい、ルーマニアに進攻する。ベルリン方面から南下してきた部隊と合流した米英軍の猛攻によりルーマニアを守備するドイツ第5装甲軍は壊滅。ルーマニアは米英軍が支配する所となった。

このTurn終了時、枢軸軍が支配しているエリアは、ノルウェー、デンマーク、南ドイツ、チェコスロバキア、ハンガリー、東プロイセン、ブレスト、キエフ(ウクライナ)、ブルガリア、アルバニア、アルジェリア、モロッコ、フィンランドの計13個所。ゲーム終了時までに10個所以上のエリアを支配していれば枢軸軍の勝利なので、まだ勝敗が決した訳ではない。

と思ったが、枢軸軍の策源数が1.5(キエフ、ノルウェー)にまで減っていた。策源数の端数は切捨てなので1.0。策源数が1以下で連合軍の戦略的勝利である。

かくして1944年12月。クリスマスを前にして第2次欧州大戦は終了した。その頃、太平洋では未だに激戦が続いている。

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感想

AL長距離爆撃まずルール間違いがいくつかあった。一番大きいのは戦略爆撃に関するルールである。第9Turnに実施したベルリン及びワルシャワに対する戦略爆撃はルール違反であった。バルト海は航空攻撃通過不可であることをすっかり失念していたのだ。ベルリンやワルシャワを爆撃圏内に収めるためには、フランス又は北イタリアに航空基地を推進しなくてはならない。
同じく第10Turnに実施したワルシャワに対する戦略爆撃も上記と同じミスをしていたが、これは爆撃の順序を変えていれば実施可能(既にフランス全域が連合軍の支配下であった)なので、あまり重大な問題ではない。
いずれにしても戦略爆撃の適用ミスによって連合軍の進撃速度が速まった可能性は否定できない。

GE633今回ドイツ軍の守り方にも問題があった。防御力3の要塞と第6SS装甲軍の防御効果は偉大で、ゲーム中突破されたのは1回だけだった(第9Turnのバグラチオン作戦)。これらの駒は計3個。例えば東部戦線の3エリアをこれらの部隊で覆えば、比較的小兵力で東部戦線は安定する。残った地上兵力を西部戦線に回せば、米英軍による欧州反攻はかなり困難なものになるだろう。枢軸側がベストプレイをしたとき、どのような展開になるのか、見てみたい気がする。少なくとも今回の結果を以て「連合軍必勝ゲーム」だとは思わないで頂きたい。

全般的な感想としては面白いゲームだと思う。個人的には米護衛空母が駒になっている(しかも結構重要な役回りを演じる)だけで大満足である。陸戦だけではなく、Uボート戦、ノルウェーを巡る水陸両用戦、レンドリースを巡る戦い、北アフリカ・地中海を巡る戦い、空母艦載機による攻撃、戦略爆撃戦、ドイツの化け物戦車等、第2次大戦における様々な要素が簡単なルールで再現されている。展開も概ね史実に準じた形となり、序盤のポーランド戦からフランス戦ぐらいまではほぼ史実通りの展開になる。その後「あしか作戦」を行うか、東部戦線に注力するか、バルカン半島や北アフリカに向かうか、Uボートに期待するかはプレイヤー次第だが、英本土やロシア奥地の防御力は固いので、連合軍がヘマをしない限り枢軸軍が序盤で勝ち逃げするのは難しいと思う。
その後はアメリカの参戦を待って連合軍による反撃開始となるが、守りに入ったドイツ軍はかなり強いので、連合軍は苦戦を強いられよう。特に重戦車装備のSS装甲軍相手にした時には、連合軍も相当苦戦を強いられると思う。

1日あればキャンペーンも楽にプレイ可能。GJ#39「真珠湾強襲」が太平洋戦争全域をコンパクトに再現した佳作とすれば、本作は欧州戦線全域をコンパクトに再現した佳作と言えよう。ゲーム例会等で前半は本作をプレイし、後半は「真珠湾強襲」をプレイする、といった遊び方も面白い(さすがに時間が足りないかも・・・)。

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