もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

タグ:ウォーゲーム、海戦ゲーム

bwn_boxv4

Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際には起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

本作の概要については、以下の動画でも示されているので、参照されたい。



以前に1983年キャンペーンシナリオの対人戦を紹介したことがあった。 そこで今回は、1989年キャンペーンシナリオをプレイしてみた。動員状況は「戦術的奇襲」を選択し、私はNATO側を担当した。プレイスタイルはVASSALによるオンライン対戦である。

Turn00b


Turn00a


1日目

SO_CV_Kuznetsovソ連軍は序盤から大胆な手を打ってきた。空母や打撃巡洋艦を含む強力な艦隊に守られた上陸船団をノルウェー海へ進めてきたのである。



「ノルウェーは我らの海」

だと思っていたNATOは慌てる。直ちに空母部隊を送り込んでソ連艦隊を叩きたい所だが、そのためには米空母部隊を英本土近海に進出させなければならなくなる。しかし英本土近海はソ連海軍自慢のバックファイア爆撃機の攻撃範囲内になる。中途半端な兵力でバックファイタの爆撃圏内に入ってしまうと、それこそ小説「レッドストームライジング」の世界になってしまう。
とにかく空母戦力を集結させて打撃力を強化した上でソ連艦隊に挑戦すべく、米英艦隊を大西洋で集結させる。米海軍の大型空母が米第2艦隊所属の「エンタープライズ」と「アメリカ」、そしてジブラルタルから出撃してきた米第6艦隊所属の「J.F.ケネディ」と「キティホーク」、そして英海軍の軽空母「イラストリアス」。合計5隻の空母が1ヶ所に集結する様はさぞ壮観な眺めであろう。他にスペイン海軍の旧式軽空母「デタロ」もいたが、この艦は輸送船団の直衛任務に回した。

CV-67_USS_Kennedy


なぜここまで極端に空母兵力の集中配備に拘るのか、といえば、本作の対艦ミサイル戦闘システムに起因している。本作での対艦ミサイルは極めて命中率が高く、一度狙われたら空母でもミサイル巡洋艦でも「座り込んだアヒル」同様になる。それに対抗するためには戦闘機でミサイル母機を発射前に叩き落すか、対艦ミサイル自体を自艦隊のSAM(艦対空ミサイル)で叩き落すしかない。いずれの場合でも迎撃戦力を集中して全ての敵対艦ミサイルを叩き落すのが鉄則。撃ち漏らしは絶対に許されない。そのためにも過剰とも思える防空戦力を集中し、水も漏らさぬ布陣の敷く。この兵力集中は後の戦いで正しさを証明することになるのだが、ハテサテ・・・。

何はともあれ空母戦力の集中に努めるNATO艦隊だが、その分対応が一歩遅れたことは否めない。ソ連軍はNATO側空母が姿を現す前にノルウェーを支配せんと準備を進めている。

Turn01a


US_MP_P3_Lajos英本土周辺から西ヨーロッパ近海に目を向けてみよう。ソ連側はまず英本土のNATO航空戦力を制圧すべく巡航ミサイル攻撃を仕掛けてきた。巡航ミサイルが命中して英本土のNATO飛行場は一時的に使用不能となる。
引き続いてポルトガル近海に潜伏中のソ連潜水艦がジブラルタルのNATO軍基地に巡航ミサイル攻撃を仕掛けた。しかし巡航ミサイルを発射すべく浮上したエコー型巡航ミサイル原潜は、同海域を哨戒中であった米海軍のP-3Cオライオン哨戒機の発見する所となり、ハープーンミサイルの攻撃を受けてしまう。対艦ミサイルとして有名なハープーンミサイルは、元々は浮上してきたソ連潜水艦を「早撃ち」で撃破するために開発された「捕鯨銛」である。ここでは当初の開発目的通りの活躍を見せたことになる。

Turn01b


SO_SSBN_Yankee米本土東岸地区では、先制第一撃を狙うソ連海軍のヤンキー型旧式SSBN(弾道ミサイル原潜)と、それを追う米海軍対潜部隊の戦いが繰り広げられている。米海軍としては喉元に短剣を突き付けられた格好なので、何とか短剣を始末したい。そんなこんなで対潜哨戒機と攻撃型原潜で「ブーマー」狩りに精を出す米海軍。しかしこのTurnにはヤンキー型SSBN1ステップと護衛のヤンキー改型SSN1ステップを撃破したにとどまった。

ここで本作におけるSSBN(弾道ミサイル原潜)の役割について整理しておきたい。本作に登場するSSBNは、全てソ連軍のものである。NATO側のSSBN(米英仏)は登場しない(間接的な形で登場する)。
ソ連側SSBNの役割は2つある。
1つは「第1撃ポイント」の獲得。米本土近海のFirst Strikeと書かれているエリアに6ポイント以上のペイロード値を保持していると、ソ連軍プレイヤーは「第1撃ポイント」を獲得する。ソ連軍プレイヤーが第1撃ポイントを多く蓄えると、例えば「洋上での核兵器使用」というような悪事に手を染めることができるようになる。従ってNATO側としては第1撃ポイントの蓄積を何としても止めなければならない。ゲーム開始時にソ連軍が米本土近海に8ポイント分のペイロード値を有しているので、NATO側としては速やかに4ポイント分のSSBNを撃沈しておきたい所である。
2つ目はソ連側にとって不利な影響となるが、ソ連側の政治安定度を悪化させる引き金となる。失われたペイロード値が増えてくると、ソ連側政治安定度が悪化する可能性が高まる。最悪の場合、共産党政権が崩壊したり、もっと酷い場合は自暴自棄となって全面核戦争を引き起こし、全世界を巻き添えにして滅んでしまうこともある。前者はとにかく、後者は困ったものである。


Turn01c


2日目

SO_Amphibs中部大西洋で集結を完了した米英連合機動部隊(空母5隻基幹)が英本土近海を目指す。英本土近海からノルウェー海で上陸作戦準備中のソ連北方艦隊に対して大空襲を加える予定だ。しかし果たして間に合うか。その間にもソ連艦隊はノルウェーへの上陸を目指している。
で、結局ソ連軍がオスロに上陸するのが早かった。ノルウェー軍の抵抗も空しくソ連軍はノルウェーの首都オスロを占領。ノルウェー政府は呆気なく崩壊してしまう。

Turn01d


と、後で振り返ると、この時ノルウェー陥落としたのは間違いであった。ソ連軍が上陸できるのは中部ノルウェーのオーランドであってオスロではない。オスロとオーランドがマップ上で近接しているので早とちりしてしまったが、ノルウェーはもう少し粘れる筈であった。

つづく

SO_FTR_Yak38 Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

前回は シナリオ4の対戦を紹介 した。そこで今回は5つめ(最後)の練習シナリオであるシナリオ5「BALTIC BUST-UP 1983」をプレイすることにした。このシナリオは、バルト海からデンマークへの侵攻を試みるソ連軍と、それを迎え撃つNATO軍の戦いを描いたものである。今までのような大型空母や原子力潜水艦が主役ではなく、小型潜水艦や沿岸航空部隊が主役を努める戦いだ。

今回も前回同様VASSALを使った通信対戦形式である。さらに今回もカードプレイを導入することにした。私の担当はNATO軍である。

Turn0a


1Turn

WG_STK_Tornadoソ連軍はカリニングラード(東プロイセン)でデンマーク侵攻艦隊を編制する。空母「ミンスク」、打撃巡洋艦「キーロフ」を含む強力な艦隊だ。上陸用船団2個も随伴している。NATO側の人工衛星が集結中のソ連艦隊を発見した。バルト海を西に進むソ連艦隊に対し、西ドイツ海軍航空隊のトーネード攻撃機約50機が攻撃に向かう。それを1個大隊のF-4ファントムが援護する。
空母「ミンスク」を発進したYak38フォージャーがこれを迎え撃つが、トーネード隊はそれを掻い潜って攻撃を続行する。約100発の空対艦ミサイルが発射されてソ連艦隊に迫る。しかしソ連艦隊のSAMは強力であり、対艦ミサイルを全て叩き落した。

WG_SS_Type206続いて西ドイツ軍の206型小型潜水艦が襲撃を仕掛けた。小型で低速の潜水艦だが、ステルス性能は高く、手強い艦だ。西ドイツ潜水艦は次々と攻撃を仕掛けたが、ソ連艦隊の対潜能力は強力であり、攻撃は全て撃退されてしまう。

ミサイルを再装填したドーネード攻撃隊が再びソ連艦隊を襲った。今度は対艦ミサイル数発がSAM網を突破した。ソ連軍の輸送船8隻がミサイルを食らって沈没した。

ソ連軍は西ドイツ海軍航空隊を制圧すべく、北部ドイツの航空基地に巡航ミサイル攻撃を仕掛ける。が、巡航ミサイルは悉く目標をそれた。ダイス目悪すぎ。

Turn1a


2Turn

SO_FTR_MiG25 ソ連軍は再び北部ドイツの航空基地に航空攻撃を仕掛けた。デンマーク空軍のF-16戦闘機がそれを迎え撃つが、援護のMiG25戦闘機がF-16の迎撃を排除する。Tu16バジャーの発射した巡航ミサイルが目標に命中した。滑走路に大穴が空けられ、格納庫で対潜哨戒機やトーネード攻撃機が炎上する。

ソ連軍船団がデンマーク近海に接近し、上陸作戦を開始する。デンマークのミサイルボードや短距離攻撃機が出撃し上陸船団を攻撃する。数隻の輸送船が炎上するもののソ連軍海兵隊は上陸に成功し、デンマークに橋頭保を築いた。この時点で勝利条件でソ連側の勝利が確定した。

Turn2a


感想

バルト海の戦いは海戦自体が地味なので、これまでの海戦ゲームではなかなか再現されなかったテーマであった。そういった意味で本シナリオの意義は大きい。しかもトーネード攻撃機や小型Uボート等、独特の兵器が出てくる点も興味深い所だ。

さて、今回で本作の練習シナリオは全てプレイした。この次は是非キャンペーンシナリオに挑戦してみたい。楽しみ楽しみ・・・。

WG_Type206A_Sub

Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

US_CV_Saratoga前回は シナリオ2「ACE MOBILE & FIRST CONVOY'S 1983」のソロプレイを紹介 した。そこで今回は3つめの練習シナリオであるシナリオ3「KIROV'S & CARRIERS' 1983」をプレイすることにした。このシナリオは、ソ連軍が空母「ミンスク」、巡洋艦「キーロフ」を主力とする艦隊でノルウェーへの強襲上陸作戦を行い、それに対して米軍は空母2隻を主力とする空母機動部隊で阻止するというもの。このシナリオで初めて本作の主役というべき米海軍のスーパーキャリアとソ連海軍の誇る大型戦闘艦が登場することになる。

これまではVASSALを使ったソロプレイであったが、今回はVASSALを使った通信対戦形式でプレイすることにした。また今回初めてカードを導入。限定的な形ながらもカードを使ったプレイが可能となった。私はソ連軍を担当する。

Turn1a


1Turn

SO_STK_Tu16ソ連軍はまずGIUKギャップを守るNATO側基地航空兵力を制圧すべく、アイスランドのケフラヴィーク基地へ攻撃を加える。ケフラヴィーク航空基地。冷戦時代を代表するアメリカ軍の海外展開基地で、戦略的な要域でもある。トムクランシーのベストセラー小説「レッドストームライジング」では、このケフラヴィーク基地が極めて重要な役割を演じている。

Keflavik_aerial_of_hangars_1982


Tu16バジャー2個連隊を投入した攻撃は護衛戦闘機を欠いたものだったが、バジャー戦隊は米戦闘機の迎撃を回避してケフラヴィーク基地を痛打。同基地は壊滅的な打撃を被り、基地に配備されていたF-15戦闘機、P-3C哨戒機の飛行部隊は壊滅した。

米軍は空母機動部隊の露払いをすべく潜水艦をアイスランド東方海域に出撃させる。ロサンゼルス級原潜、スタージョン級原潜の攻撃を受けてソ連側のエコー2型ミサイル原潜、ジュリエット型巡航ミサイル潜水艦が損害を被る。

空母2隻からなる米機動部隊はGIUKラインを西から東へ抜けてノルウェー近海に進入する。ソ連側はバイコヌール基地からRORSAT衛星を打ち上げてノルウェー海を監視下に置く。

SO_RORSAT本作では、他の空母戦ゲームと同様、敵水上艦を攻撃するためには、それを「発見」しなければならない。発見の方法としては、航空機による方法が一般的だが、米空母のように強力な戦闘機で守られている艦隊を航空機によって発見するのは容易ではない。ソ連側にはそれを補う手段としてRORSAT(Radar Ocean Reconnaissance SATellite:レーダー海洋偵察衛星)と呼ばれる人工衛星を打ち上げることができる。これは原子力電池とそれによって動作するレーダーを搭載し、低軌道を周回する人工衛星で、主に海上の艦船を捜索する任務を持っている。本作以外の海戦ゲームでも人工衛星の効果は間接的な形でルールに再現されてはいるが、人工衛星そのものがユニット化されている海戦ゲームは、私の知る限り本作が初めてである。

その後もノルウェー近海やアイスランド東方海域では両陣営の潜水艦同士が水中で激しく戦い続けている。性能に劣る潜水艦は次々とNATO潜水艦の餌食となっていったが、ソ連側も新鋭のヴィクター3型原潜を投入し、NATO潜水艦部隊に打撃を与えていた。

SO_CGN_Kirovノルウェー近海でRORSATが米空母機動部隊を捉えた。原子力空母「エンタープライズ」を主力とする空母打撃群だ。付近を航行中の大型巡洋艦「キーロフ」、空母「キエフ」を中心とするソ連艦隊は対艦ミサイルを発射した。発射されたミサイルの総数は約60発。それが「エンタープライズ」部隊に迫る。「エンタープライズ」部隊の護衛艦隊がSAMを打ち上げて対艦ミサイルを迎え撃つ。その結果、旧式のP-500「バリサート」(SS-N-12「サンドボックス」)は全て撃墜されてしまう。しかし新型で生残性に優れたP-700「グラニート」(SS-N-19「シップレック」)は米艦隊のSAMを掻い潜って米艦隊の内側に潜り込む。
数発のミサイルが護衛艦隊に命中し3~4隻が沈没又は大破した。「エンタープライズ」部隊の護衛スクリーンは一気に半減してしまう。

対する米艦隊も即座に反撃に出る。2隻の空母「エンタープライズ」と「サラトガ」を発進した攻撃隊がノルウェー近海を行動中のソ連艦隊に迫る。F-14トムキャットが護衛についているため、空母「ミンスク」のYak38フォージャーは手が出せない。ソ連艦隊に迫った米艦載機群は、70発以上のハープーン対艦ミサイルを一斉に発射した。
ソ連艦隊はSAMを打ち上げてハープーンを迎え撃つ。ソ連艦隊の対空ミサイルは優秀で、ハープーンの大半が海の藻屑となったが、数発が防衛ラインを突破し、キンダ型ミサイル巡洋艦とその護衛部隊に命中した。
さらに米艦隊もソ連艦隊に接近し、艦隊が搭載するハープーンミサイル計50発以上が発射された。そのうちの数発がソ連揚陸用艦艇に命中し、数隻の沈没艦が出た。
ソ連側も攻撃の手を緩めない。ノルウェー近海に展開するソ連潜水艦が「エンタープライズ」機動部隊を襲う。魚雷攻撃を受けた「エンタープライズ」隊は、遂に護衛部隊の全艦が撃沈破され、「エンタープライズ」は文字通り裸になった。

下図は第1Turn終了時点での状況である。マップ左上の"3"という数値がアイスランドのケフラヴィーク基地。マップ中央付近で2隻の空母が米機動部隊(右側の白いバーが「エンタープライズ」で黄色いバーが「サラトガ」)、マップやや右のトロントヘイムのすぐ上にあるやや濃いオレンジ色が「キーロフ」「ミンスク」を含むソ連艦隊だ。

Turn1b


2Turn

US_CV_Enterprise裏ソ連側にとってはチャンスである。裸の「エンタープライズ」を撃破すべく、虎の子である最強のヴィクター3型原潜を投入する。リアクションカードを使って「エンタープライズ」の防御スクリーンを突破したヴィクター3型原潜は、必殺の65式重魚雷数本を発射する。しかし「エンタープライズ」を護衛していたスタージョン級原潜が身を挺して魚雷を阻止。スタージョン級原潜は海の藻屑となったが、「エンタープライズ」は被害を免れた。

「えーい、米軍の空母は化け物か・・・」

とまあ定番のセリフを吐きつつ。次の一手。北海へ後退する「エンタープライズ」を追うフォクストロット型ディーゼル潜。この旧式潜水艦が遂に「エンタープライズ」を捉えた。魚雷2本が「エンタープライズ」に命中。「エンタープライズ」は撃沈こそ免れたものの、速度20ktまで低下してフランス北岸の港に逃げ込むしかなかった。

Turn2a


ソ連邦大本営発表。
赤衛親衛北洋艦隊所属の勇猛果敢な潜水艦は、米帝国主義者の正規空母「エンタープライズ」を捕捉。それに多数の魚雷を命中させてこれをほぼ撃沈に追い込んだ。
我が方の損害は軽微なり。
この海戦をノルウェー西方沖海戦と命名す。


その後「キーロフ」らのソ連艦隊はノルウェーに上陸作戦を開始。それに対して英本土を発進したバッカニア攻撃機が対艦ミサイル攻撃を仕掛けるも、ソ連艦隊の対空ミサイルに阻まれて戦果なし。
さらに米空母「サラトガ」の艦載機もソ連艦隊を攻撃するも、これまたSAMに阻まれて戦果がなかった。対艦ミサイル攻撃の場合、SAMを飽和させる程の数で集中攻撃を行うのが鉄則。散発的な攻撃を仕掛けてもなかなか戦果が上がるものではない。今回のNATO軍機による攻撃はそのことを証明する結果となった 。

結局ソ連軍はノルウェー沿岸防衛隊の抵抗を排除して上陸に成功。勝利条件的にはソ連側の勝利に終わった。

Turn2b


感想

US_FTR_F14_S米空母が大破したが、私の考えでは米艦隊は分散させずに集中運用すべきだと思う。集中すれば敵のミサイル攻撃や潜水艦攻撃に対する抵抗力も強化される上、航空攻撃を行う場合でも飽和攻撃によって大きな戦果が期待できるからだ。

何はともあれこのシナリオで空母や空母艦載機の使い方をマスターできた。次はさらに複雑なシナリオに挑戦してみたい。

つづく

USN_F14A_VF84

Turn0a


Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

FR_CV_Fosh前回は 本作の基本システムとシナリオ1「THE BOOMER BASTION 1983」のソロプレイ を紹介した。そこで今回は2つめの練習シナリオであるシナリオ2「ACE MOBILE & FIRST CONVOY'S 1983」に挑戦した。このシナリオは、NATO側の増援船団がフランス及びノルウェーを目指し、それをソ連側の長距離爆撃隊と潜水艦が阻止を試みるというもの。このシナリオで初めて水上艦艇や航空機が本格的に登場する。今回はこのシナリオの拡張版でプレイしてみることした。拡張版では、NATO側にフランス空母「フォッシュ」を中心とする機動部隊が登場する他、ソ連側にも空中給油機やアルファ型高速原潜が登場する。

1Turn

SO_SS_Foxtrot大西洋を進むNATO輸送船団をスパイ漁船が捉えた。その情報を元にソ連のフォックストロット型潜水艦1個戦隊(6隻)が攻撃を仕掛ける。潜水艦は護衛艦隊に1ステップロスを与えたが、ソ連潜水艦も護衛部隊の反撃を受けて壊滅する。
引き続いてエコー2型ミサイル搭載原潜がミサイル攻撃を仕掛ける。先の攻撃で弱体化した対空防御スクリーンの隙を狙った攻撃だ。ミサイル攻撃を受けて先にステップロスした米護衛艦艇が裸になってしまう。船団の危機。
損害を被った船団は、米本土から東に向かうフランス空母「フォッシュ」を含む機動部隊と合流する。しかし防御力の不足は依然として解消していない。

SO_STK_Tu22コラ半島から出撃したTu22Mバックファイア1個連隊が空中給油を受けて「フォッシュ」機動部隊を襲った。「フォッシュ」の直衛戦闘機F-8クルセイダーが迎撃するも、旧式化した戦闘機でマッハ2を発揮する高速爆撃機を追いきれない。バックファイアは易々とクルセイダーを回避し、対艦ミサイルを発射する。

「バンパイア、バンパイア」

40発近い対艦ミサイルが空を埋めた。艦隊は懸命の対空戦闘を行い、さらには多数のチャフを発射してミサイルを逸らせる。これらの対抗手段が功を奏した。何とかミサイル攻撃を切り抜けた。

しかしソ連軍の攻撃はこれで終わりではなかった。北大西洋を進む「フォッシュ」機動部隊に対し、今度はバックファイア1個連隊の他にTu16バジャー1個連隊も攻撃に加わったのだ。アイスランド東方空域を戦闘空中哨戒していた英空軍のF-4ファントムがこれを迎撃し、バジャーの半数を叩き落としたが、生き残った機体はなおも突進する。約50発の対艦ミサイルが発射され、艦隊上空を覆う。対空ミサイルはその大半を叩き落としたが、数発を撃ち漏らした。数発のミサイルが護衛駆逐艦に殺到する。駆逐艦は狂ったようにチャフを打ち上げ、さらに近づくミサイルに対してCIWSや短距離ミサイルを放った。さらには火砲も火を噴く。最後の1発がCIWSによって四散した時、艦隊全部を安堵の吐息が包んだ。

Turn1a


2Turn

SO_STK_Tu16NATO船団上空にまたもやソ連軍爆撃隊が飛来する。バックファイアとバジャーの各1個連隊だ。60発近い対艦ミサイルが発射され、船団はまたもや危機に陥る。40発以上が撃ち落とされたが、残る20発弱が艦隊に迫る。14隻の輸送船が命中弾を受け、そのうち11隻が沈没した(3Hit)。

NATO船団は英本土西岸沖に到着。英本国艦隊と合流する。英空母「イラストアス」を含む空母艦隊だ。「フォッシュ」「イラストリアス」の2艦からなる艦隊防空能力強化を期待したい所だが・・・。

UK_CV_Illustriousバックファイヤ1個連隊、バジャー2個連隊のソ連海軍全力攻撃がNATO船団を襲った。「イラストリアス 」のシーハリアーと「フォッシュ」のF-8クルセイダーが必死の防空戦闘を行う。今度は対艦ミサイル約70発と恐るべき数のミサイルが飛んできた。艦隊側も強化された防空網でそれを迎え撃つ。今回は艦隊側の勝ち。対艦ミサイルは全て撃破又は無力化され、命中したミサイルはなかった。さらに戦闘機の迎撃でバジャー約30機を撃墜し、ソ連海軍航空部隊に痛打を与えた。
後方から迫ったフォックストロット型潜水艦部隊もNATO側の強力なASW網に阻まれて戦果を挙げることなく壊滅してしまう。

Turn2a


3Turn

UK_FTR_SeaHarrier NATO船団がフランス沖に到着した。バックファイアとバジャーの各1個連隊が対艦ミサイル攻撃を仕掛けるが、強力なSAMに阻まれて命中弾を得られない。NATO船団は無事ブレスト港に入港した。

この時点でシナリオ的にはソ連側に勝利はなくなった。が、一応最後までプレイしてみたい。

その後もう1度攻撃を仕掛けたソ連爆撃隊であったが、空母「イラストリアス」を発進したシーハリアーの反撃を受けて壊滅的打撃を受けてしまう。

Turn3a


4Turn

UK_DD_AAWノルウェー海に進入したNATO船団に対し、ソ連原潜部隊が波状攻撃を仕掛ける。輸送船団が2Hitの損害を被ったが、ソ連側も潜水艦計3ステップを失い、バランスシート的にはむしろソ連側が不利な結果に。NATO船団のトロンヘイム上陸を阻止することができず、シナリオ的にはソ連側の大敗に終わった。

Turn4a


感想

まずこのシナリオは競技用シナリオとしては致命的な欠陥がある。それは「NATO側に必勝法がある」ことだ。このシナリオ、NATOの船団はフランスとトロントへイムを目指すことになっているが、勝利条件的には船団はフランスやトロントへイムへ行く必要がないのだ。ということは船団はアメリカ東海岸沖に後退させ、ソ連長距離爆撃機の攻撃圏外に逃がしてしまえば、ソ連側は弱い潜水艦以外での攻撃手段がなくなる。

まあ、デザイナーの意図を尊重し「ゲーム終了時にフランス沿岸及びトロントへイムへ到着しなかった船団は全滅したものとして扱う」と解釈するのが良心的なプレイだと思われるが(今回はそのように解釈してプレイした)、それでもNATOの有利は動かないと思う。NATO水上部隊のSAM火力が大きく、バックファイアの対艦ミサイルでもなかなか防空網を突破できないのだ。ソ連側としては、まず対空駆逐艦を撃破してSAM火力を減少させた後、飽和攻撃で船団を葬り去るのが正しい戦略なのかもしれない。

何はともあれ、シナリオ2は無事終了した。次はシナリオ3に挑戦してみたい。

FS_CV_Foch

Turn0a


Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。
エリア方式のマップには、米本土東岸からコラ半島や地中海等を含んだ広大な地域が描かれている。1Turnは実際の2日間、1ユニットは水上艦が6~10隻、潜水艦が3隻、航空機が15~30機を現す。ユニットを見ていて特徴的なのは、大スケールのゲームでありながら搭載兵装に関するルールがかなり細かくなっている点である。対艦ミサイルをとってみても、西側のものは皆同じような扱いだが、ソ連側ではシップレック(SS-N-19)とサンバーン(SS-N-22)が別の種類のミサイルになっていたり、ソ連潜水艦のロケット推進魚雷や超重魚雷(Type65)がルール化されている等である。このあたり、往時に比べて得られる情報量が増えた昨今の状況を反映しているといえよう。

ユニットの説明


システムはいわゆる「カードドリブン」方式。両軍とも毎Turnにカードに示されたOPsを獲得。OPsを消費して作戦を進めていく。なお、一部の行動(例えば水上艦の移動)にはOPsを必要としないものもある。

SO_SSBN_Typhoon今回、本作をプレイするに際し、まずは練習ということで、一番簡単なシナリオ1「THE BOOMER BASTION 1983」(戦略原潜の聖域1983)をVASSALでソロプレイしてみた。このシナリオは、「聖域」と呼ばれる白海近海に潜伏するソ連戦略原潜をNATOの攻撃型原潜が掃討作戦を展開するというもの。勝敗は撃沈したソ連原潜の価値によって決まる。戦場となるのは、ソ連本土沿岸からノルウェー沖、英本土周辺海域までの領域で、丁度Victory Gamesの"2nd Fleet"がカバーしている領域とほぼ等しい。
登場する兵力は、まずソ連側は狩られる立場の戦略原潜が6ユニット、それを護衛する攻撃型原潜が4ユニット、ディーゼル潜水艦が1ユニット、哨戒機3ユニット、そして空母「キエフ」を中心とする空母機動部隊が登場する。対するNATO側は、主力となる米英の攻撃型原潜が4ユニット、ノルウェーのディーゼル潜水艦が1ユニット、そして対潜哨戒機が3ユニットである。

Turn0b


1Turn

US_SSN_SturgeonNATO側は第1目標であるソ連戦略原潜撃破のため、「聖域」へ向けて積極的な攻勢を仕掛けていく。「聖域」はソ連側対潜艦艇によって厳重に防御されているのだが、NATOの新鋭潜水艦はその防御を物ともせず「聖域」へ突入していく。米海軍のロサンゼルス級原潜が、まず戦略原潜を守るソ連のヴィクター2型原潜を雷撃で撃破。さらに米海軍のスタージョン級原潜がやはり「聖域」に突入するも、こちらの攻撃はスカ。「聖域」を守るソ連原潜(最新鋭のヴィクター3型)の反撃によってスタージョン級はステップロスを強いられる。

GIUKギャップ前面では、ソ連側攻撃型原潜がGIUKギャップの突破を狙って機会を伺っている。それに対してNATO側対潜哨戒部隊は容赦ない攻撃を加えて、アルファ型及びノヴェンバー型原潜をそれぞれステップロスさせた。

Turn1a


2Turn

SO_SSN_Victor3「聖域」では、なおも激しい戦いが続いている。
米スタージョン級原潜が攻撃を仕掛け、護衛のヴィクター2型を海底に葬り去ったが、そのスタージョン級も直後に飛来したソ連対潜哨戒機の攻撃を受けて哀れ海の藻屑となった。
続いて「聖域」に突入してきたのは英海軍のスィフトシュア級原潜で、その攻撃によって遂にソ連側弾道ミサイル原潜にも被害が及んでしまう。デルタ3型弾道ミサイル原潜がステップロス。北米東岸部を壊滅に追い込めるだけの打撃力が海底に没した。
さらに米海軍のロサンゼルス級原潜がソ連側哨戒網を突破して「聖域」に突入する。旧式のデルタ1型戦略ミサイル原潜が完全損失。ソ連海軍の報復核戦力は無視できないレベルの損失を被った。もっともそのロサンゼルス級もソ連側ヴィクター3型原潜の反撃を受けてステップロスを余儀なくされるのだが・・・。

GIUKギャップでは、ノヴェンバー型とアルファ型の攻撃型原潜が大西洋への突破を図る。アルファ型は突破に成功したが、旧式のノヴェンバー型原潜は、NATOの対潜網に引っ掛かって海の藻屑となってしまう。

余談だが、ノヴェンバー型のような旧式の原潜がゲームに登場するのは意外と珍しい。エコー型やジュリエット型の潜水艦もそうだが、本作にはフリートシリーズでは登場しなかったような旧式潜水艦が登場してくるので興味深い。

Turn2a


SO_SSBN_Delta3裏「聖域」ではノルウェーのディーゼル潜水艦までがソ連弾道ミサイル搭載原潜の狩りに参加する。護衛のヴィクター3型原潜は必死になって攻撃を防ぐが、NATO原潜部隊の集中攻撃を受けて撃沈されてしまう。弾道ミサイル原潜も強力なデルタ3型は1ユニットを損失、、デルタ1型1ユニットがステップロスしてしまう。ソ連側が失ったペイロード値(弾道ミサイルの投射量を現す指標)は15に達し、ペイロード値の残りは13。実にペイロード値の半数以上を失ったことになる。
ちなみに勝利条件はペイロード値を8以上撃沈すればNATOの勝利となる。どうみてもNATO側の圧勝であった。他にソ連軍は攻撃型原潜7ステップを失ったが、NATO側も攻撃型原潜6ステップ、ディーゼル潜水艦1ステップを失い、生き残ったのは攻撃型原潜2ステップ、ディーゼル潜水艦1ステップに過ぎなかった。NATO側にとっては「犠牲の多い勝利」だった。

Turn3a


US_SSN_LosAngeles練習シナリオなので勝敗を云々するのはどうかとも思うが、一応今後の教訓のために記しておく。
NATO側の勝因は、損害を顧みずにSSBN攻撃に全力を投入したことであっただろう。「聖域」での戦いは性能に勝るNATO側原潜部隊にとっても苦しい戦いとなり、投入兵力の70%以上を失うという厳しい結果になったが、その断固たる決意がNATO側に勝利をもたらした。
対するソ連側は目的を集中できなかったことが敗因だろう。GIUKギャップ突破を狙ったアルファ型、ノヴェンバー型の各原潜にせよ、GIUKギャップ突破に拘ったためにあたら優勢なNATO側対潜哨戒機によって撃破されてしまった。GIUKギャップ突破に固執せず、早々に「聖域」まで下がっていれば、NATO側原潜部隊に対する強力な対抗戦力となり得ただろうし、少なくとも味方SSBNの楯としてぐらいは機能していた可能性が高い。

今回の練習は、カードも使わず、基本的なゲームの流れと潜水艦戦の部分だけを押さえたシンプルなものである。慣れれば1時間とかからずにプレイできる。カードを使わない分、本作の醍醐味を満喫できるとは言い難いが、最初のとっかかりとしてプレイしてみる分には悪くないシナリオだと思う。

つづく

↑このページのトップヘ