もりつちの徒然なるままに

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タグ:スラバヤ沖海戦

BoS03


[JP_CA06.jpg] 今回紹介するのは、自作の水上戦ゲーム 「ソロモン夜襲戦」 の追加シナリオである。この春のゲームマーケットで発売予定にしている「ソロモン夜襲戦」のサポート誌第1段である「水上戦No.1」に掲載を予定しているシナリオだ。
シナリオのタイトルは「スラバヤ沖海戦」。1942年2月27日~3月1日にかけて日本海軍とABDA(アメリカ、イギリス、オランダ、オーストラリア)連合艦隊がジャワ島東方沖で戦った海戦である。

前回の展開 --> こちら

8Turn

JP_CL15a第4水雷戦隊はABDA巡洋艦の狙い撃ちを躱すため、サルヴォーチェージングを行う。そのためか、ABDA艦隊の砲火は目標を逸れた。一方で「ヒューストン」が距離13Hex(約20km)から「那智」に2発を命中させた。「那智」は小破する。
一方、四方から集中砲火を浴びている英駆逐艦部隊は、「エレクトラ」「エンカウンター」が命中弾を受けて大破。これまで辛うじて戦闘力を維持していた「ジュピター」も第7駆逐隊からの砲撃を受けて中破してしまう。

Turn08


9Turn

CW_CL39a日本の重巡部隊が距離9Hex(約13km)まで迫ってきた。「那智」「羽黒」の砲撃が「ヒューストン」「エクゼター」に降り注ぐ。「那智」の射撃は外れたが、「羽黒」は「エグゼター」に20cm砲弾2発を命中させた。「エクゼター」の脆弱な装甲は20cm砲弾に耐えられず、「エクゼター」は小破する。第4水戦は駆逐艦「エレクトラ」を撃沈した。
ABDA艦隊の反撃。「パース」が反転して離脱を図る駆逐艦「春雨」に対して、2発の15cm砲弾を命中させてこれを撃沈。ABDA艦隊としてようやく一矢を報いた。「ヒューストン」「エグゼター」の2艦は距離6Hex(9km)に迫った軽巡「那珂」を集中砲火。「ヒューストン」が夾叉弾を与えたものの、命中弾を得るには至らなかった。

Turn09


10Turn

JP_DD9a第4水雷戦隊は、右へ120度回頭。敵弾回避を意図しつつABDA艦隊を追撃する構えだ。回頭を終えた「那珂」は、左前方45度5Hex(約7.5km)の敵艦に対して射撃開始。しかし変針直後の射撃であるため命中弾はない。第4水戦の子駆逐隊は、英駆逐艦「エンカウンター」を撃沈。さらに第7駆逐隊は米駆逐艦「アルデン」を撃沈する。
ABDA艦隊は、右後方から近づく第4水雷戦隊と右横やや前方から距離を詰めてくる第5戦隊に対して砲火を向ける。今日大活躍のオーストラリア軽巡「パース」は、新たな目標である駆逐艦「五月雨」に対して7Hex(約11km)から15cm砲弾2発を命中させてこれを中破に追い込んだ、またオランダ軽巡「ジャバ」は距離5Hex(7.5km)に近づいた軽巡「那珂」に対して15cm砲弾2発を命中させて、これまた中破に追い込んだ。これらの損害によって日本艦隊の指揮値は一気に2レベル低下し、指揮値が3となった。状況はまだまだ予断を許さない。

Turn10


11Turn

JP_CA8a「那智」「羽黒」は右へ60度変針。ABDA艦隊から5Hex以内に飛び込むのを巧みに避けている。5HexだとABDA艦隊の6インチ砲軽巡の近距離圏内なのだ。その間両軍とも砲火を応酬。「那智」「羽黒」は「ヒューストン」「エグゼター」に向けてそれぞれ個別射撃。ABDA艦隊は「エグゼター」「ヒューストン」が「那智」を集中砲火。「ジャバ」「パース」は「那珂」「五月雨」を狙ったが、それぞれ命中弾はなかった。「那智」「羽黒」はやや距離が遠いが、左舷に向けて計16本の酸素魚雷を発射した。

駆逐艦同士の撃ち合いでは、大破したオランダ駆逐艦「コルテノール」に対し、第7駆逐隊が計18本の90式魚雷を放ったものの、いずれも命中せず。しかしその直後に近くを通りかかった第2水雷戦隊が「コルテノール」に集中砲火を浴びせてこれを撃沈した。この段階でABDA艦隊が失った駆逐艦は計5隻となる。生き残った駆逐艦は計4隻(米3隻、蘭1隻)。このTurnに盤外へ離脱していった。

Turn11


12Turn

JP_CL16aABDA艦隊は魚雷回避のために左へ変針。そのため「那智」「羽黒」の放った魚雷は命中しなかった。ABDA艦隊と第5戦隊との距離がやや広まったため、「那智」「羽黒」は目標を「エクゼター」に絞って集中射撃を浴びせる。「羽黒」は夾叉弾を得たものの、不幸にして命中弾はなかった。一方のABDA艦隊は、「エクゼター」「ヒューストン」「デ・ロイテル」「パース」が「那智」を集中砲火。「ジャバ」は「羽黒」を狙った。「デ・ロイテル」の15cm砲弾1発が「那智」に命中したが、致命傷にはなっていない。

13Turn

ABDA艦隊の砲撃。「エクゼター」「ヒューストン」が夾叉弾を得たものの、命中弾はなし。一方日本艦隊の砲撃は、これまで優秀な射撃を示してきた「羽黒」が「エクゼター」に1発の8インチ砲弾を命中弾させ、これを中破に追い込んだ。
ABDA艦隊の右後方から迫ってきた第4水雷戦隊の駆逐艦4隻は、距離5~7Hex(7~11km)の距離で軽巡「ジャバ」に対して砲火を開く。しかし射撃精度は不良であり、夾叉弾、命中弾共に得られない。

Turn13


14Turn

NE_CL1a中破した「エクゼター」は列外に退避していく。ABDA艦隊の残った巡洋艦4隻は、「ジャバ」を除く3隻が「那智」を狙い、「ジャバ」は後方から近づく第4水戦の駆逐艦を狙う。
「那智」に対する砲撃は、「デ・ロイテル」と「パース」がそれぞれ命中弾1ずつを与えたが、15cm砲では威力不足で「那智」は大した損害を受けていない。それでも累積損害で徐々に中破状態に近づいてはいるが・・・。
このTurnにクリーンヒットを上げたのは、オランダ軽巡「ジャバ」である。距離5Hex(7.5km)に近づいてきた駆逐艦「村雨」に対して発砲。6インチ砲弾1発が見事に「村雨」の弾薬庫を貫き、閃光を発した「村雨」は一瞬で轟沈した。

日本艦隊の反撃。「エクゼター」が列外に離れていくのを見た第5戦隊は目標をオランダ軽巡「デ・ロイテル」に変更した。距離6Hex(約9km)から放たれた砲弾は、しかし目標を大きくそれた。
一方で目の前で僚艦が爆沈するのを見た第4水戦の生き残り(駆逐艦3隻)は、反撃の砲火を「ジャバ」に向ける。1発が「ジャバ」に命中したが、そこは「腐っても巡洋艦」。「ジャバ」の装甲は駆逐艦の主砲弾を跳ね返した。

15Turn

ABDA艦隊は全艦で「那智」を集中砲撃する。「ヒューストン」「パース」がそれぞれ1発の命中弾を「那智」に与えた。遂に「那智」は中破状態に追い込まれ、事実上戦闘力を失う。


Turn15


16~18Turn

その後両軍は砲火を交えるが、駆逐艦「時津風」に20cm砲弾が1発命中して小破しただけであった。

Turn18


結果

日本軍の損害

沈没:駆逐艦「村雨」「春雨」
中破:重巡「那智」、軽巡「那珂」、駆逐艦「雪風」「五月雨」
小破:駆逐艦「時津風」

連合軍の損害

沈没:駆逐艦「コルテノール」「エンカウンター」「エレクトラ」「ジュピター」「ジョン・D・フォード」
中破:重巡「エクゼター」、駆逐艦「アルデン」「ポール・ジョーンズ」
小破:重巡「ヒューストン」、軽巡「デ・ロイテル」、駆逐艦「ジョン・D・エドワーズ」

VPは日本軍86VP、連合軍61VPで結果は引き分けであった。

感想

勝利条件的には引き分け以外に持ち込むのが難しいかもしれない。少し日本側の勝利条件を甘くしよう。当初の案では日本軍は連合軍の2倍のVP獲得が勝利条件であったが、1.5倍以上で勝利とした。それなら今回のケースではあと6VP獲得すれば、日本軍が勝利できる。
シナリオとしては、概ねまとまっていると思う。今回のシナリオは「ソロモン夜襲戦」で数少ない大規模昼間水上戦闘である。両軍の兵力はほぼ互角だが、個艦性能で日本側が勝っている。その分ABDA艦隊は勝利条件を甘めにしたが、それでもABDA艦隊で勝利条件を満たすのは困難かもしれない。熟練者には是非ABDA艦隊で日本艦隊に挑戦して欲しい。

BoS02


BoS01


JP_CA6a今回紹介するのは、自作の水上戦ゲーム 「ソロモン夜襲戦」 の追加シナリオである。この春のゲームマーケットで発売予定にしている「ソロモン夜襲戦」のサポート誌第1段である「水上戦No.1」に掲載を予定しているシナリオだ。
シナリオのタイトルは「スラバヤ沖海戦」。1942年2月27日~3月1日にかけて日本海軍とABDA(アメリカ、イギリス、オランダ、オーストラリア)連合艦隊がジャワ島東方沖で戦った海戦である。この戦いによってABDA艦隊はほぼ壊滅し、日本海軍がジャワ島近海の制海権を確立した。

このシナリオは、スラバヤ沖海戦の最初の場面である昼間戦闘を描いている。史実では、日本艦隊の18隻(重巡2、軽巡2、駆逐艦14)とABDA艦隊の14隻(重巡2、軽巡3、駆逐艦9)が戦い、ABDA艦隊は駆逐艦2隻を失った。
日本側から見た場合、遠距離砲戦に徹していたため、2000発以上を費消しながらも数発の命中弾しか得られなかった。これまで遠距離砲戦に自信を持っていた日本海軍にとって、その自信が揺らいだ戦いでもあった。

Turn00


1Turn

US_CA30aABDA連合艦隊は接近戦を避けるべく30度変針。日本艦隊と並行砲戦に入る。「那智」「羽黒」が距離15Hex(約22km)から初弾発砲。「那智」が腕の冴えを見せて米重巡「ヒューストン」を見事夾叉。1発を命中させて「ヒューストン」に軽微な損傷を与えた。
ABDA艦隊も反撃。夾叉弾を食らったからには、こちらからも反撃しないと一方的に撃たれ続くことになってしまう。ABDA艦隊は5隻の巡洋艦が全て射撃開始。4隻が「那智」を狙い、1隻(「パース」)が「羽黒」を狙った。しかし全艦夾叉を与えることに失敗してしまう。

Turn01


2Turn

JP_CA8a日本艦隊は絶好のチャンス。このまま「那智」が「ヒューストン」に夾叉状態を維持したまま命中弾を与え続ければ良い。しかし「那智」はこのチャンスを生かせず、命中弾を得られなかった。一方の「羽黒」は相変わらず明後日の方角に射弾を送っている。また日本側の第2水雷戦隊が距離を詰めるべく左へ転進。30ノットの快速で敵方へ進出していく。先頭を走る旗艦「神通」が距離8Hex(12km)から英駆逐艦に対して初弾発砲。夾叉弾を得たが、命中弾は得られなかった。
ABDA艦隊の反撃。先ほどと同様の砲撃を行う。しかし今回も出目に恵まれず、夾叉弾が出ない。

Turn02


3Turn

CW_CA15a主導権を取ったのは連合軍。日本側の第2水雷戦隊が迫ってきたので、15cm砲搭載軽巡は、目標を重巡から第2水雷戦隊に変更する。また艦隊右側面を守る英駆逐艦3隻も距離7Hex(約10km)から射撃を開始する。英駆逐艦「エレクトラ」の放った12cm砲弾が軽巡「神通」に命中。しかし盲弾であったため、実害はなし。
日本艦隊の砲撃。「那智」が再び「ヒューストン」に命中弾を与えた。2発が命中。その1発が「ヒューストン」の2番砲塔を破壊し、「ヒューストン」は小破した。
そして「羽黒」の射弾も「エクゼター」を捉えた。命中弾は1発だけで「エクゼター」の被害は軽微であったが、それでも日本側の重巡2隻が夾叉を得たことにより、連合軍は決断を迫られた。
第2水雷戦隊はABDA艦隊の駆逐艦部隊と交戦。「神通」の放った14cm砲弾1発が英駆逐艦「エレクトラ」に命中。「エレクトラ」の最大速度は25ktまで低下した他、衝撃により一時的に戦闘不能となってしまう。
「神通」に後続する第17駆逐隊の4隻はオランダ駆逐艦「コルテノール」を集中攻撃する。駆逐艦「初風」の放った1発が「コルテノール」に命中し、小破する。

Turn03


4Turn

NE_DD1a夾叉弾を相次いで受けたABDA艦隊は、サルヴォーチェージングで敵弾回避を図る。そのため「那智」「羽黒」の砲弾はいずれも目標を逸れた。一方で日本軍の第2水雷戦隊とABDA駆逐艦隊との砲撃戦は激しさを増している。第17駆逐隊の4隻はオランダ駆逐艦「コルテノール」に立て続けに命中弾を与え、同艦を大破させた。またこのTurnより戦列に加わった第7駆逐隊の4隻は米駆逐艦隊を狙い撃ち。クレムソン級の「アルデン」に命中弾を与えて損傷させている。
ABDA艦隊は軽巡部隊が目標を日本の第2水雷戦隊へ変更し、距離10kmから射撃を浴びせる。オランダ巡洋艦が腕の冴えを見せ、「デ・ロイテル」は「神通」に1発を命中させて通信設備を破壊。「ジャバ」は駆逐艦「雪風」に15cm砲弾3発を命中させてこれを中破に追い込んだ。米駆逐隊も第7駆逐隊に反撃を浴びせて「潮」に1発命中させてこれを小破した。
「神通」「時津風」が魚雷計12本を発射する。

Turn04


5Turn

US_DD6a大破した「コルテノール」を躱そうとした米駆逐艦隊が二重衝突を起こした。「アルデン」と「ジョン・D・エドワーズ」が衝突して前者が中破、後者が小破。続行する「ジョン・D・フォード」と「ポール・ジョーンズ」も衝突事故を起こし、前者は大破、後者は中破した。一瞬にして戦闘能力を失う米第59駆逐隊。
「ヒューストン」の主砲弾が「那智」に命中した。その1発は「那智」の弾薬庫を貫いて爆発。すわ、誘爆、轟沈か。しかし「那智」は弾薬庫の緊急注水に成功し、比較的軽微な損害で事なきを得た。
雷撃のために接近して来た英駆逐艦3隻に対して、第2、第4水雷戦隊が十字砲火を浴びせる。駆逐艦「エンカウンター」は魚雷発射前に中破してしまい、魚雷発射の機会を逸してしまう。しかし駆逐艦「ジュピター」は命中弾を受けつつも魚雷10本の発射に成功した。

Turn05


6Turn

ABDA艦隊の駆逐艦部隊は大損害を被り(大破2、中破4、小破2)、事実上戦闘力を失った。指揮値も5から3に減少し、大きく戦闘力を阻害される。ABDA艦隊は麾下の駆逐艦を独航艦状態とし、退避させることとした。
日本駆逐艦の放った魚雷のうち、「時津風」の放った魚雷が米駆逐艦「ジョン・D・エドワーズ」に命中した。しかしなんたることか魚雷が不発。あるいは駆逐艦の艦首波によって早発してしまったのだろうか・・・。
ABDA艦隊の砲撃。「エクゼター」が距離10Hex(15km)で軽巡「那珂」に1発の命中弾を与えたが、被害は軽微であった。

Turn06


7Turn

NE_CL2a状況が有利と見た日本艦隊は一斉に回頭して連合軍艦隊を追う。水雷戦隊は左右から傷ついたABDA艦隊の駆逐艦を囲み、重巡2隻も左へ回頭して連合軍巡洋艦との距離を詰める。
ABDA艦隊の巡洋艦5隻は、味方駆逐艦の撤退を掩護すべく、日本の第4水雷戦隊に狙いを定めて撃ちまくった。「エクゼター」が再び軽巡「那珂」に命中弾を与えてこれを小破。「パース」が駆逐艦「春雨」に2弾を命中させてこれを中破せしめ、さらに「デ・ロイテル」も「五月雨」に1弾を命中させてこれを小破した。一方、日本の第4水雷戦隊は距離2Hex(3km)にまで近づいた英駆逐艦2隻に射撃を集中。「エレクトラ」に数発の命中弾を与えたものの、目立った損傷は確認できなかった。

Turn07


つづく

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