三峰山八丁平

三峰山(みうねさん)は奈良と三重の県境に位置する標高1235mの山である。場所的には、奈良県御杖村が登山口となっており、名張方面から国道368号線、宇陀方面から国道369号線でアプローチが可能である。

三峰山は日本300名山の一座として知られているが、特にこの山が有名なのは、冬場の霧氷の美しさである。私もその美しさを求めて冬の三峰山にチャレンジしてみた。

登山口であるみつえ青少年旅行村に着いたのは0830頃。雪道を警戒してスタッドレスタイヤ付きの車をレンタルしたが、残念ながら無駄に終わってしまった。とはいえ、山は当然積雪が予想される。冬山用の装備を整えて出発する。

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最初はアスファルトの道が続くが、しばらく歩くと道が二手に分かれている。一方が「登リ尾」コース、もう一方が「不動滝」コースだ。後者の方がやや頂上までのコースタイムが短い。ここでは登りで危険度の高いコースを選んでおいた方が安全率が高いと判断し、やや難度が高いと思われる「登リ尾」を選択した。

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針葉樹である杉並木の下を登っていく。斜度はそこそこあるが、道が綺麗に整備されているので歩きやすい。しばらく歩くと車道にぶつかり、そこにトイレつきの休憩所がある。

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さらに標高を上げていくと、所々に雪が見えてくる。さらに進むと登山路にも積雪の後があり、一部路面の雪が凍り付いていて危険な個所も出てくる。

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「不動滝」コースとの合流を過ぎると、三峰山への最後の登りに差し掛かる。このあたりから路面の雪が深くなってきて、ほぼ登山道前面が凍結している。スリップの危険が増してきたので、このあたりでアイゼンを取り付ける。三峰山の有名な樹氷はこのあたりから綺麗になってくる。

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登山開始から2時間弱で三峰山山頂に到着した。山頂部でも樹氷は綺麗であり、また周囲の山々が綺麗に見えている。これで晴天なら言うことなしだが・・・。

三峰山山頂

山頂から5分ほど降りた場所が八丁平という笹原が広がっている。ここの景観も素晴らしく、三峰山山頂部の美しい景観が一望にでき、また樹氷と青空との組み合わせが素晴らしい。

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帰りは不動滝ルートを降りていく。その名前の通りに途中に不動滝という雄大な滝があり、その景観に見入ってしまう。

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登山口に戻ったのは1210頃であった。下山に要した時間は1時間強である。往復の所要時間は約3時間。コースタイムは4時間なのでまあまあのペースと言えよう。
今回三峰山に登るのは初めてだが、正直「魅せられて」しまった。比較的安全に冬山の山頂に立てる利便性もさることながら、山頂付近でのアイゼンを使った雪道歩きの楽しさ、山頂付近や八丁平で見た雄大な景観、そして不動滝の迫力など、山の楽しさがぎゅっと凝縮されている感がある。こんな楽しい山が関西の日帰り圏にあるなんて、これだから山登りは止められない。