もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

タグ:太平洋戦争

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「真珠湾強襲」(以下、本作)は、2011年にGame Journal#39の付録ゲームとして発表されたシミュレーション・ウォーゲームだ。テーマは1941年12月に開始される太平洋戦争。3年8ヶ月に及ぶ太平洋戦争を1Turn4ヶ月、計11Turnで再現する。

本作のシステムについては 以前の記事で紹介したので 、参照されたい。

今回、シナリオ4「第2ターンからのキャンペーン」を対人戦でプレイすることになった。このシナリオは文字通り第2ターンからのキャンペーンシナリオで、1942年1~2月頃の状況からゲーム開始となる。
日本軍はマレー半島、フィリピンへの上陸には成功しているが、シンガポール、マニラ等は未だに連合軍が押さえている状況だ。日本軍としては東南アジア一帯を速やかに占領して長期不敗態勢を固めると共に、インド、南東太平洋、ハワイ方面といった連合軍の枢要地域に侵攻作戦を行って勝利を確実なものにしたい。
一方の連合軍は日本軍によるサドンデス勝利を阻みつつ、反攻の糸口を捉えて日本軍に打撃を与えたい。

今回、私は連合軍を担当した。

2Turn



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JP_AF台南まず日本軍は東南アジア一帯を支配下に収めようとする。地上部隊の攻撃によりマニラ、シンガポールを相次いで占領。スラバヤに対しては「急襲作戦」を仕掛けて電撃戦でこれを占領した。ビルマ方面では、日本軍2個師団がラングーンに前進を果たしたが、同地を占領するには至らず。さらにガダルカナルは2個旅団を投入したが、これまた占領には至らない。

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このTurn、日本軍はマニラ、シンガポール(各5VP)、スラバヤ(2VP)の計12VPを獲得し、VPの総量は19VPとなった。

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3Turn

JP_BG川口アメリカ西海岸から米空母機動部隊が出動し、ソロモン諸島南東海域に進出する。米空母から発進した艦載機がガダルカナルの日本軍に対して激しい空襲を加えてこれを制圧するも、日本軍は不屈の精神(単に「補給」カードを使用しただけ)で復活。「急襲作戦」でガダルカナルを守る米軍部隊を撃破し、同地を占領した。

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ビルマ方面では日本軍が航空部隊の支援の元、ラングーンを連続攻撃し、遂にラングーン占領を果たした。他にレイテを日本軍部隊が無血占領している。

このTurn、日本軍はガダルカナル、ラングーン、レイテ(各2VP)の計6VPを獲得し、VPの総量は25VPとなった。他にボーナス1VPがあるので、サドンデス勝利まであと4VPである。

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4Turn



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JP_CV飛龍蒼龍南太平洋で日米の機動部隊が激突した。「空母機動部隊」によって先制攻撃をかけてきた日本機動部隊に対し、米機動部隊は「迎撃機」で反撃。激しい戦いにより日本軍は空母「隼鷹/飛鷹」が沈没、「飛龍/蒼龍」が中破する。一方米機動部隊も空母「ホーネット/ワスプ」が沈没。空母同士の戦いは痛み分けに終わった。
その間、ガダルカナルには米海兵隊2個師団が上陸。同島の奪回を図るも、日本軍守備隊の奮戦によってこれを撃破するには至らず。

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ビルマ戦線では英東洋艦隊が出撃し、ベンガル湾に進出して制海権を握る。英軍2個師団が、英東洋艦隊と航空兵力の援護の下、ラングーンに反攻作戦を実施。「急襲作戦」によって日本軍を撃破し、ラングーン奪回に成功した。

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このTurn、連合軍がラングーン(2VP)を奪回し、日本軍のVPの総量は23VPに減少した。

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5Turn

日本軍はラングーン奪回のため航空兵力を地上兵力を投入したが、英軍も2個師団を投入し、ラングーンを守り切った。

US_AF南東太平洋方面では、ガダルカナルで日米両軍の睨み合いが続く中、珊瑚海に米機動部隊が進出する。米機動部隊の攻撃によってラバウルの日本軍基地航空部隊が一掃されたため、日本軍は慌てて地上部隊をラバウルに送り込んだ。一方日本軍も空母機動部隊をソロモン海に送り込み、空母機の攻撃で米空母「エンタープライズ/ヨークタウン」を撃沈することに成功する。

米軍はニューギニア北東岸のラエに陸軍2個師団と航空部隊を進出させ、その攻撃によりトラック島に展開する日本軍の航空部隊を撃破した。

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このTurn、VPに変化はなく、日本軍のVPの総量は23VPのままである。

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6Turn

US_CVエセックスバンカーヒル米艦隊の一部がダンビール海峡を越えてビスマルク海に進出。同地の制海権を米軍が確保した。さらに新鋭空母「エセックス/バンカーヒル」、インデペンデンス級軽空母2ユニット(4隻)が艦隊に加わり、珊瑚海に進出。ベテランの空母「サラトガ/レキシントン」と合流する。南太平洋で三度日米の機動部隊が激突。先手を取った米機動部隊は空母「翔鶴/瑞鶴」を撃沈し、ベテラン「赤城/加賀」も艦載機を失ったので日本本土へ後退していった。

トラック島が危ない。
US_DV1MD日本軍はトラック島に1個旅団を送り込んで守りを固める。連合軍は「急襲作戦」を利用して海兵師団1個にてトラック島を攻撃。日本軍の守備隊を撃破してトラックを占領した。

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この時点で日本軍のVP総量は21VPに減少。日本軍は勝利の望みを失ったと判断し、ゲーム終了となった。

プレイ時間=3~4時間

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感想

JP_CV赤城加賀ルールは簡単だが、意外なほど歴史的に忠実な展開になる。ソロモン諸島や東部ニューギニアでVPの高い地域が集まっているため、必然的に同方面が激戦地になる。現実の戦略的な価値を考えた時、ソロモン諸島や東部ニューギニアに高い戦略的価値があったかどうかは疑問だが、ゲーム展開を歴史に忠実になるように誘導するという観点からは有効なデザイン手法と言える。
ルールが簡単な太平洋戦争キャンペーンゲームとして、「太平洋戦史」や「Victory in the Pacific」等があるが、これらの作品に比べると、本作の展開は比較的「大人しい」ものと言える。また上記2作品では陸軍の存在がかなり抽象的に扱われているが、本作では米海兵隊や日本海軍の小規模部隊(一木支隊、川口支隊、南海支隊等)の有用性がしっかりと再現されているので、嬉しい所だ。
本作で気になる所はカードの使い方で、この点についてはある程度の経験値が必要になるだろう。とはいえ一度プレイすればコツが掴めるレベルのものなので、致命的な欠点という訳ではない。
総じていえば、本作はゲーム性やシミュレーション性の両面から万人にお奨めできる太平洋戦争キャンペーンゲームといえる。既に発売から10年近くが経過しているが、豪華版という形で再販が望まれる作品だ。

表紙


「真珠湾強襲」(以下、本作)は、2011年にGame Journal#39の付録ゲームとして発表されたシミュレーション・ウォーゲームだ。テーマは1941年12月に開始される太平洋戦争。3年8ヶ月に及ぶ太平洋戦争を1Turn4ヶ月、計11Turnで再現する。
システムはいわゆる強襲システム。決められた数のカードで自分のデッキを構築し、カードを交互にプレイすることで進行する。マップはエリア方式、艦艇は同型艦2隻、航空隊、地上部隊は旅団から師団で再現する。
今回、その中からシナリオ2「珊瑚海海戦」をプレイしてみた。このシナリオは第2Turnから始まり、第5Turnまでをプレイするシナリオである。1942年の春から翌1943年の春までを扱う。日本軍が30VPの勝利ラインをどこかでクリアすれば勝利、それ以外は連合軍の勝利である。

Turn02-00


2Turn

日本軍は、急襲作戦2枚、空母機動部隊2枚、補給2枚、共同作戦、独立部隊でデッキを組んだ。
対する連合軍は、空母機動部隊、補給、独立部隊である。

JP_CVL祥鳳瑞鳳日本軍はまずガダルカナル攻略を目指して同島に展開する米歩兵師団(4-2-2)の無力化を図る。基地機による爆撃は失敗(成功率1/3)に終わったが、軽空母による爆撃は成功(成功率1/2)し、米師団は裏返しになる。
このままではガダルカナルが危ない。米軍は「補給」カードの利用も考えたが、まだ早い。そこでエスピリッツサントの航空機によってガダルカナルの日本軍旅団(3-1-3)を攻撃。成功率は1/3に過ぎなかったが、これが見事に命中して日本軍旅団を裏返しにした。これでガ島の危機は僅かに遠のいた。

Turn02-01


日本軍は「独立部隊」でセイロン沖の制海権を確保する一方、ラングーンには2個師団を送り込んでこれを脅威し、レイテ島を無血占領した。

連合軍はパスしたので、日本軍は「補給」を使ってラングーンの2個師団、レイテの旅団、ガダルカナルの旅団を復活させる。

Turn02-02


連合軍はラングーンとガダルカナルの両方が危機に陥った。ラングーンの日本軍に対してカルカッタの英空軍が爆撃を試みたが、失敗に終わる。

この機を逃さじ。日本軍は「急襲作戦」でラングーンを強襲した。この作戦が奏功し、日本軍がラングーンを占領した。

Turn02-03


さすがに連合軍もこれはヤバイと見て、「補給」でガダルの師団と基地航空隊2個を復活させた。

JP_BG川口日本軍は基地航空部隊でマニラとシンガポールの連合軍部隊を裏返した後、「共同作戦」により地上部隊で2個所同時攻撃を敢行。確率1/9での失敗が危惧されたが、無難に作戦は成功した。

日本軍はさらに「空母機動部隊」を以てジャワ海に進出。やや「牛刀を以て鶏肉を割く」の感がなきにしもあらずだが、空母部隊の圧倒的な攻撃力でジャワ島のオランダ軍を制圧した。その後日本軍は「急襲作戦」でジャワ島へ奇襲上陸を敢行。成功率1/2のギャンブルを見事に成功させてスラバヤを制圧した。

Turn02-04


JP_CV赤城加賀日本軍にとって残る目標はガダルカナルである。日本軍は「空母機動部隊」をソロモン海に進出せしめてガダルカナルを攻撃。ガダルカナルの米軍師団を再び裏返し状態にした。さらに珊瑚海に展開中の連合軍水上部隊を航空攻撃にて撃退する。頃合い良し。日本軍は最後の1枚「補給」カードを裏返しで使用。ガダルカナルの日本軍で米守備隊を攻撃した。成功率1/2のギャンブルであったが、今回は運命の女神が米軍側に微笑んだ。日本軍による攻撃は失敗に終わり、ガダルカナルは連合軍が保持し続けた。

Turn02-05


US_DV32D連合軍は「独立部隊」でヌーメアとフィジーに各1個師団を送りこんで守りを固める。さらにインパールには英軍2個師団が進出。ラングーンの日本軍に対しては基地航空隊とさらにベンガル湾に進出した空母「ハーミーズ」の機動部隊が猛攻を加えたが、出目に恵まれずに有効打はなかった。

Turn02-06


このTurnに獲得した日本軍のVPは、マニラ、シンガポールで各5VP(計10VP)、ラングーン、スラバヤ、レイテで各2VP(計6VP)、レイテで1VPで合計16VPであった。これまでの槨得分と合算すると計23VP。ボーナス1VPなので計24VPなる。勝利まであと6VP。

Turn03-00


3Turn

このTurnから日本軍の手札は確保している資源エリアの数となる。現時点で日本軍が獲得している資源エリアは、計6ヶ所。これは地図上に存在する全ての資源エリア数に等しい。つまり日本軍は最大でも1Turnに獲得できるカードの枚数は6枚となり、それは今後減ることはあっても、増えることは決してない事を意味している。

このTurn、日本軍としては、ビアク、ラエは無血で取りたい。あとはガダルカナルとポートモレスピーが攻防の焦点となるだろう。
日本軍は、急襲作戦2枚、空母機動部隊、補給、独立部隊、海上輸送でデッキを組んだ。
対する連合軍は、急襲作戦、空母機動部隊、補給、海上輸送である。図らずも両軍似たようなデッキ構成となった。

まず日本軍は軽空母を使ってガダルカナルを航空攻撃し、守備隊を無力化した。あとは日本軍旅団による突撃が成功すればガダルカナルを占領できる。

US_DV32Dところが、だ。米軍がなんと海兵隊(4-2-3)を単独でガダルカナルに送り込んできたのだ。「急襲作戦」によってガダルの日本軍旅団を一気に追い落とす作戦である。成功率2/3なので悪くない作戦であったが、何とここで米軍は作戦に失敗してしまう。ガダルカナルでは日本軍1個旅団と米軍2個師団が睨み合う形となった。

Turn03-01


日本軍にとっても困った事態である。これまでの状況なら無力化した敵師団を旅団で海に追い落とせば良かった。しかし相手が2個師団ならそうはいかない。1個師団を撃破しても、それだけでは足りないのだ。さてどうしたものか・・・。
取り敢えず日本軍は「海上輸送」を使って本国から増援部隊をラバウルに送り届けた。米軍も「海上輸送」で増援部隊を南東太平洋方面に送り込んだが、早速日本軍の攻撃を受けて航空機1ユニットが蒸発してしまう。
日本軍は「急襲作戦」を使ってニューギニア北岸のビアクとラエを一気に占領した。これで日本軍は勝利まであと4VPとなった。
連合軍がパスしたので、日本軍はさらに「急襲作戦」でガダルカナルを猛撃する。2回連続で3以下の目が出ればガダルカナルは日本軍の手に落ちる(確率25%)。しかし3以下の目が1個しか出なかったので、米軍1個師団が除去されたものの、何とか踏みとどまる米軍なのであった。

Turn03-02


日本軍が「補給」を使ってガダルカナルの旅団を復活させたため、米軍もなけなしの「補給」を使ってガダルカナルの地上部隊を回復させた。
残り手札は日本軍が2枚、連合軍が1枚である。
JP_AF台南日本軍はカードを使わない航空攻撃でガダルカナルの米海兵隊を再び航空攻撃する。しかし軽空母による攻撃は外れ。一方の米軍はガダルを狙わずにラバウルで唯一健在な日本軍基地航空隊を狙う。確率50%。これが見事に成功し、日本軍基地航空隊1ユニットを壊滅させた。さあ、日本軍はどうする?。虎の子「空母機動部隊」を使ってくるのか?。

JP_CV赤城加賀使うしかない。「空母機動部隊」を使って南雲機動部隊を珊瑚海に進出させた。これで日本軍の機動部隊は空母5ユニットが集結したことになる。日本機動部隊の威力はすさまじく、ガダルカナルの海兵隊を無力化し、さらにポートモレスピーの基地航空部隊を無力化させた。しかし日本軍の手札は残り1枚。これを使うかどうか・・・。

日本軍にとっては難しい決断になる。ここで最後のカードを使ってしまうと、無防備の空母機動部隊が珊瑚海に残ってしまう。それに対して米軍が「空母機動部隊」で攻撃を仕掛けてきた場合は、虎の子の日本機動部隊が大打撃を被る危険性がある。
しかし日本側に手札が1枚残っていると、それが「迎撃機」である可能性があるので、米軍としても迂闊に攻撃できない。

US_CVホーネットワスプ米軍が先に決断した。日本軍に「迎撃機」を持たないと見切って「空母機動部隊」による攻撃を決意したのである。危険な賭けであったが、米軍の賭けは成功した。米空母部隊の奇襲攻撃で空母「蒼龍/飛龍」が大破、空母「翔鶴/瑞鶴」と「赤城/加賀」が後退した。奇襲に成功した割には戦果はやや寂しかった。さらに日本軽空母の反撃によって米空母「ホーネット/ワスプ」が沈没。空母戦自体は日本軍の勝利に終わった 。

Turn03-03



JP_BG川口日本軍は「独立部隊」でガダルカナルを攻撃。米海兵隊を撃破し、遂にガダルカナルを奪取した。このTurnに獲得した日本軍のVPは、ガダルカナルで2VP、ビアク、ラエの2ヶ所で各1VP(計2VP)、これまでの獲得分と合算すると計27VP。ボーナス1VPなので計28VPなる。日本軍勝利まであと2VP。

Turn04-00


つづく

4
201027_Battleship

Battleship Victory: Principles of Sea Power in the War in the Pacific

Rovert Lundgren Nimble Books

「太平洋戦争におけるシーパワーの原則」というサブタイトルの本書は、太平洋戦争における戦艦の役割を戦略論の立場から再評価しようとする内容である。筆者によれば「戦艦は戦争の全期間を通じて決定的な役割を果たし続けた」とし、戦争のターニングポイントは「第3次ソロモン海戦で米戦艦2隻が日本戦艦「霧島」を撃沈した瞬間である」としている。
また筆者は戦時中における日本海軍の戦略を批判し、山本五十六の戦略が日本海軍を敗北に導いたとしている。筆者の言葉を借りれば「日本は戦前から準備していた全ての計画を窓から投げ捨てて、殆ど航空戦力だけで戦争を戦った」とし、日本海軍は決して戦艦に固執していた訳ではなく、むしろ戦艦を捨てて空母や航空戦力に過度に依存したとしている。同様の批判は日本海軍にもあり、特に旧海軍の砲術関係者から発せらることが多い。
このように筆者は空母や航空戦力をあまり評価せず、それよりも戦艦の役割を高く評価する傾向が強い。「空母の航空戦力は全ての艦隊や機動群を破壊することはできず、その一方で空母自体は爆弾1~2発で破壊される脆弱な存在である」と筆者は述べている。
筆者の主張にはかなりクセがあり、全てに合意するのは難しいが、「まあそんな見方もあるのかな」という感じで一歩引いた視点から読んでみると興味深い。また欧米人の著作にしては日本側の事情に明るく(生麦事件や佐藤鉄太郎、樋端久利雄まで言及していたのには驚いた)、欧米人から見た日本海軍や日本人についてその一端を知ることができる。

お奨め度★★★★

4

200830_米空母戦術

World War II US Fast Carrier Task Force Tactics 1943-45

Brian Lane Herder Osprey Publishing

オスプレイのシリーズで、1943年以降の米高速空母部隊の戦術について記載した著作である。オスプレイの他の作品と同じくボリュームは少なく英語も平易なので読みやすい。内容は、艦隊や航空部隊の編制、戦術思想の発展、航空作戦の進め方、艦隊防空、航空索敵、ダメージコントロール等、手際よくまとめられている。内容は常識的なものだが、中には日本ではあまり知られていない米空母のドクトリンに関する記述も含まれており、そういった点からも興味深かった。

お奨め度★★★★

3

200906_Leyte1944

The Battle of Leyte Gulf 23-26 October 1944

Thomas J.Cutler Naval Institute Press

タイトル通りレイテ沖海戦を扱ったノンフィクション作品である。初版は1994年となっているから結構古いが、日米両軍の資料を丹念に調べてある(一部にリサーチミスのようなことも見受けられるが・・・)。また一方的に米側の立場に立つだけではなく、日米双方から見たレイテ海戦史になっているので好感が持てる。
歴史的な記述は概ね正確で、レイテ沖海戦の基本的な流れをオーソドックスに抑えてある。ただし数値的な内容にはそれほど拘っておらず、どちらかと言えば戦闘に参加した両軍の将兵に焦点を置いた書き方をしている。従って例えばシブヤン海で栗田艦隊を攻撃した米軍機の機数とか、あるいはエンガノ岬沖で日本艦隊を襲った米軍機の数等は記載されていない。さらに言えば、エンガノ岬沖での米巡洋艦隊と空母「千代田」等との戦い。米バジャー戦隊と駆逐艦「野分」との戦い等はオミットされている。
ボリュームはやや多いが、英文は比較的平易で読みやすく、また米軍側におけるレイテ沖海戦(特にハルゼーの暴走)に関する議論について知ることができる著作である。

お奨め度★★★

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