もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

タグ:戦術級

第1次世界大戦をプレイした 後、引き続いてプレイしたのが、Sticks and Stonesに(以下、本作)です。
本作については、 以前に紹介 しました。「もし1987年に米ソ間で核戦争が起こり、その後西ヨーロッパを舞台とした地上戦が起こったら・・・」という設定に基づいた戦術級陸戦ゲームです。基本システムについては、 以前に紹介 で紹介した通りです。

今回、BAZAIまがじん第10号の付録ゲームとして本作が完全日本語版として発売されました。そこでこの機会に再戦してみました。

写真00


シナリオ1.近すぎた橋

ソ連軍戦車連隊の先鋒大隊が米軍の混成大隊の守るGersbach(ゲルスバッハ)を攻撃せんとするもの。兵力はソ連側がT-72戦車10個小隊。対する米軍はエイブラムス戦車2個小隊、M901対戦車自走砲(TOWミサイル搭載)2個小隊、歩兵小隊、ドラゴンチーム、M113兵員輸送車1個小隊である。ユニット数は10対7とそれほど乖離はないが、戦車10ユニットのソ連軍に対して米軍は戦車2ユニットのみ。それを補うTOW対戦車ミサイルを搭載したM901が2ユニット、ドラゴン対戦車ミサイルを装備した1ユニットを合わせて5ユニットで、それを加味しても兵力比は2:1とソ連側が有利である。
一方で戦術的状況は待ち伏せしている米軍が有利で、地形を生かした待ち伏せ攻撃が可能になっている。また戦車性能では米側が大きく優越しており、火力や装甲の優越だけではなく、有効射程距離や士気の面でも優越しているので、戦車同士の撃ち合いなら米側が遅れをとることはない。
このシナリオではソ連軍の進攻方向が限定されているため、米軍は兵力を集中してこれを待ち受けることができる。稜線を超えてゲルスバッハを目指すソ連軍戦車大隊は、距離1200~1500m(8~10Hex)の中距離からエイブラムスやTOWミサイルによる的確な射撃を受けた。待ち伏せにより先制の利を持つ米軍に対し、ソ連軍戦車も反撃を試みるが、距離が遠く有効弾が得られない。
結局ソ連戦車はゲルスバッハに近づく前に兵力の大半を失い、戦闘力を失った。

後から考えると、ソ連戦車は米戦車と撃ち合いをするのではなく、行進間射撃を利用して距離を詰めてから撃った方が良かったように思う。距離が遠いと両者の性能差がモロに出てしまうので、「損害上等」で一気に間合いを詰めて近距離から撃ちあうのが良いのかな。さらに距離を詰めて近接戦闘に持ち込めれば、性能差が埋められる。米軍としては接近戦での不利を避けるために歩戦共同が欠かせないだろう。なお、装甲の弱いM901は最優先で無力化しなければならないと思う。

シナリオ4.俺たちの戦い

先ほどのシナリオは練習戦ということで、次に挑戦したのは本作で最も規模の大きなシナリオである。全10Turnに渡ってマップ全域に広がる市街地の支配を争うシナリオである。私は米軍を担当した。

両軍の兵力を見てみる。
まず攻撃側であるソ連軍。T-72戦車10個小隊、BMP歩兵戦闘車9個小隊、歩兵9個小隊、さらに親衛第1戦車連隊所属のT-80戦車3個小隊である。兵力的には1個連隊(あるいはタスクフォース)相当の兵力になる。ユニット数は合計31個。そのうち(近接戦闘以外で)対戦車戦闘可能なものは22個である。その中でアタッチされているT-80戦車は、エリート部隊扱いで士気値が他のユニットよりも優れている。
対する米軍部隊は、エイブラムス戦車6個小隊、M901対戦車自走砲2個小隊、ドラゴンチーム2個、歩兵4個小隊、M113兵員輸送車4個小隊。ユニット数は計18個。(近接戦闘以外で)対戦車戦闘可能なものは10個である。先ほどのシナリオ同様、兵力ではソ連軍が勝っているが、地の利や兵器の性能では米側が優位になっている。

前回のシナリオとは違い、今回のシナリオではソ連軍は2つの進撃方向を設定できる。1つは先ほどのシナリオでも利用したゲルスバッハを目指す南方ルート。このルートは兵力展開する十分な地積があり、かつ主攻撃目標のゲルスバッハを直撃できるので、ソ連側の主攻撃ルートになると思われる。
もう1つはマップ北部Seehof(ジーホフ)を通るルート。このルートはジーホフの近くに道路トンネルがあり、そこを抜けてくるルートがある。このルートは兵力展開の地積が少なく、さらにこの一帯を制圧してもソ連軍が勝利するにはVPが足らない。従って同方面はソ連軍の牽制攻撃が行われると想定できる。

それに対して我が米軍は主攻撃が予想されるゲルスバッハに主力部隊を配置し、別動隊をジーホフ・トンネル出口に位置するSalzwoog(サルツウーグ)に配置した。また両者の中間にある小高い丘(F7)にはM901対戦車ミサイル小隊2個を配置した。ここは制高点に位置して視界が広く取れる上、前面を川に守られているため歩兵や戦車の接近攻撃を受ける危険性が少ない。先ほどのシナリオでもここをもう少し有効活用すればよかったと少し後悔した。

写真01


序盤、ソ連軍はT-72戦車大隊をゲルスバッハ正面に展開し、その後方からBMP歩兵戦闘車を続行させる。BMPは米側の視認外で歩兵を降ろし、自らは稜線を超えていく。
ゲルスバッハに集結していたが、戦車は前方の森とハーネンルーヘの市街地へ進出させてソ連軍と対峙させる。エイブラムスの主砲が火を噴き、近づくT-72戦車を次々と撃破。T-72も反撃を仕掛けるが、今の所はエイブラムス側に重大な被害は出ていない。

「これは行けそうだ」

とほくそ笑んだが、それも束の間、T-72戦車に引き続いて対戦車ミサイルを備えたBMP歩兵戦闘車が視界内に現れた。

「飛んで火にいる夏の虫」

という訳で装甲の弱いBMPを狙い撃ち。次々と炎上する歩兵戦闘車。しかしBMPにも強力な対戦車ミサイルを搭載している。ミサイルを浴びて撃破される米戦車が出てきた。なんせ敵は数が多い。

その間、北方のジーホフ付近ではトンネルを通って北から突破を図ってくるソ連軍親衛戦車大隊麾下のT-80戦車中隊に対して、トンネルの出口を扼するサルツウーグに布陣したエイブラムス小隊が撃ちまくる。エイブラムスの徹甲弾はトンネルを真っ直ぐ抜けてトンネル内のソ連戦車を撃つ。トンネルの反対側入り口付近では命中弾を受けたT-80戦車1個小隊がスクラップと化した。別の戦車小隊はトンネル内で被弾し、一部がトンネル内部で立ち往生する。しかし残ったT-80はトンネル内から行進間射撃を行い、エイブラムスを撃つ。命中弾を受けたエイブラムスが爆発。遂にトンネルを突破されてしまう。

写真02


主戦場に目を戻すと、装甲車両同士の激しい撃ち合いの最中、稜線を超えて前進してきたソ連軍歩兵がエイブラムス戦車に対して近接突撃を敢行した。車両同士の撃ち合いなら無類の強さを発揮するエイブラムスだが、歩兵の接近戦に対しては脆い。しかも米側は悪いことに戦車を援護する歩兵を随伴させていなかった。今更ながら歩戦共同の重要性を思い知らされた米軍であったが、時すでに遅し。

一連の戦闘でエイブラムス戦車は6個小隊のうち実に5個小隊を失い、残り1個小隊は辛うじてゲルスバッハに逃げ込んで防衛ラインを構築する。しかしソ連側も戦闘車両の大半を失い、残りは歩兵戦力のみ。ゲルスバッハを制圧するのが先か、ゲームエンドが先か。ソ連軍歩兵が最後の突撃を敢行する。

写真03


結局ソ連軍はゲルスバッハに入ることはおろか、近づくことすらできなかった。ゲルスバッハには米軍の歩兵と生き残りのエイブラムス戦車がガッチリ守りを固めており、近づくソ連軍歩兵は米歩兵、M113兵員輸送車の銃撃を受けて次々と打倒されていく。歩兵の強さは地形に頼った防御力にあるのであって、平地を漫然と歩く歩兵ほど脆いものはないのだ。

最終Turnを終了した時点で米軍はゲルスバッハの市街地10ヘクス全部を確保しており、そこから2ヘクス離れた所では銃撃を受けて動けなくなったソ連軍歩兵が蹲っていた。米軍の勝利である。

下図はこのシナリオにおける両軍の損害である。

写真04


感想

射撃や近接戦闘がCRT1発解決ではなく、CRTで出た結果を再度ダイスを振って損害判定するというシステムなのでやや面倒に感じました。このあたり、ゲームテンポよりもダイスを振ることによるワクワク感を重視するのは最近の戦術級ゲームの流行なのでしょうか。
指揮系統や弾切れ等の面倒な部分を思い切ってオミットし、戦車・歩兵同士の撃ち合いに焦点を絞ったのは、1つの見識と言えるでしょう。その分複雑な現代戦をシンプルに再現できる点は評価したいです。
逆に言うと砲兵や航空支援、電子戦といった要素は本作では無視されているので、小隊規模のゲームとしてはやや物足りない感もありますが、現在戦をシンプルに楽しみたい向きには丁度良い作品と言えるでしょう。

なお本作は第3次世界大戦ではなく、第4次世界大戦を扱った作品です。何故第4次世界大戦なのかは、冒頭にも少し触れましたが、詳しくはルールブックを読んで下さい。上に挙げた砲兵等がオミットされている理由も、設定の特殊性に由来するものなのかもしれません。

つづく

UK_U_Carrier


「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。

前回 はキャンペーンシナリオの序盤戦を紹介した。その時、選択ルールの採用がバランスをより悪化させているという意見が出たため、改めて選択ルールなしでキャンペーンシナリオを仕切り直すことにした。

私の担当は前回同様ドイツ軍である。

ここまでの展開 --> こちら

6Turn

UK49D_6pdr_AT_7DWR第12SS装甲師団戦区で防衛線の一角が破られた。英軍部隊がフォントネ村の東北端を占拠し、そこに拠点を構えたのである。同師団所属の4号中戦車は敵対戦車砲と激しく交戦。6ポンド対戦車砲2ユニットを撃破したが、敵の反撃によって4号戦車も2ステップの損害を出してしまう。あー、やはりティーガー重戦車が欲しい・・・。
敵対戦車砲の脅威を受けて、ドイツ軍戦車部隊はボウデル川のラインの南に下がる。

OpD16


7~8Turn

GE12SS_SP_12_26独軍戦車の後退によって戦車同士の戦闘がなくなったため、ゲームが淡々と進むようになった。英軍は確実にフォントネ村の支配領域を広げていくが、ドイツ軍も撤退しつつ英軍に損害を強いていく。
麾下歩兵の損害に業を煮やしたのか、途中から英軍はAFVだけによる通常戦闘で土地の占領を図ってきた。この方法は有効で(理由は後述)、英軍は大きな損害を受けることなくフォントネ村の支配領域を拡大していく。
ドイツ軍は第10Turnになると第12SS装甲師団に所属する強力なパンター戦車等を投入可能になるので、それまでは忍の一手だ。

第8Turnの終了時点までプレイして英軍はフォントネ村の5Hexを支配下におさめた。フォントネ村全体で14Hexなので、約1/3を支配下に置いたことになる。勝利条件的には、やはり独軍の勝利であった。

今回のプレイ時間はセットアップを含めて約8時間。デザイナーの見積値の約2倍である。

OpD17


教訓

今回のプレイで得た教訓をいくつか列挙してみた。

・戦車を単独で配置してはいけない。敵戦車スタックの良い餌になる。
・アクション終了時点における友軍装甲車両の配置に注意。敵前に放置していると敵側のアクションフェイズと戦闘フェイズで2回タコ殴りされるので、不用意に前線には置かない。
・歩兵の回復(ルール13.3)は重要。ステップロスした歩兵は速やかに後退させ、回復によりステップ回復させるべきである。補充(ルール13.2)よりも速やかにかつ確実に回復できる。適用範囲が広い(キャリア小隊やスカウト小隊も回復可能)な点にも注意せよ。
・平地から攻撃する際には可能な限り築壕すること。DRM-1の効果は予想以上に大きい。
・英軍は平地に歩兵2個中隊以上をスタックさせてはいけない。間接砲撃の好餌になる。
・通常戦闘の際、AFVのみによる攻撃は、意外と有効である。何故ならAFVは通常戦闘の戦闘結果の適用対象外になるので、攻撃側にリスクが殆どないのである(一寸ズルい気もしなくはないが)。
・通常戦闘で敵の後退が予想される際、後退路に平地(畑)があるのであれば、そこを射撃できる友軍ユニットを残しておくこと。後退時の干渉射撃(FF)によって損害を強いることが期待できる。
・ドイツ軍の場合、重戦車/重駆逐戦車と通常の中戦車をスタックのは有効である。重戦車/重駆逐戦車が敵戦車/対戦車砲からの盾になってくれる(撃破された時のショックが大きいので運用は慎重になるべきだが)。

感想

未だにドイツ軍が有利過ぎる感が強い。選択ルール19.1は個人的に好きなルールなのだが、ただでさえドイツ軍有利なゲームなので、対人戦では上記選択ルールは封印した方が良いのかもしれない。何とか英軍側の勝ち筋が見えてくれば良いのだが・・・。現時点では英軍にとって辛いゲームという印象は変わらない。キャンペーンシナリオで英軍を担当する場合には、強靭な精神力が必要になるだろう(あるいはキャンペーンシナリオ以外をプレイする手もある)。
とはいえ、本作のシステムはWW2における機甲戦闘を再現するのに極めて優れたシステムであると言える。システム面で本作の優れた点はいくつもあるが、小隊~中隊規模の戦術級ゲームでありながら戦車の性能や性格の違い(例えばティーガーとヤクトパンターの違い、ファイアフライの優秀さ等)が見事に再現されている点。あるいは歩兵戦車共同の重要性の再現。さらには大兵力による突撃が容易に大虐殺に変わってしまう点を見事に再現している点は感嘆するしかない。ライバルであるCSSが「砲兵のゲーム」であって機甲戦闘の再現性が今一つだったのに比べると、本作では戦車同士のハードバトルが見事に再現されている。もちろん、歩兵や砲兵に関する再現性も素晴らしい。ゲームバランスの面を除けば、本作は現在プレイ可能な小隊~中隊クラスの戦術級ゲームではベストワンだと思う。

惜しむらくは、(ゲームバランス以外の点として)「ドーントレス作戦」という些かマイナーなテーマを扱っているためにプレイされる機会が少ないこと。また連合軍の雄である米軍とロシア軍が登場しないことが挙げられる。できればこのシステムを流用して米独戦(ノルマンディとかアルデンヌとか)や独ソ戦テーマの作品をデザインして頂きたいものである。
あるいは現在戦(今流行の198x年WW3テーマ)等も面白そうだ。

M4

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「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。

前回 はキャンペーンシナリオの序盤戦を紹介した。その時、選択ルールの採用がバランスをより悪化させているという意見が出たため、改めて選択ルールなしでキャンペーンシナリオを仕切り直すことにした。

私の担当は前回同様ドイツ軍である。

OpD11


1Turn

英軍は前回の教訓により第1Turnは積極的な攻撃を行わない。フォントネ村の前面に進出して様子を伺う。

2Turn

GE12SS_Pz4_8_Pz12「今回はオーソドックスにプレイします」

という舌の根も乾かぬうちに、英軍プレイヤーは奇策を弄してきた。戦車を広く散開させて独軍陣地帯の後方に展開せしめてきたのである。しかしこの戦術は独軍にとってはチャンスである。散開した戦車は、戦車同士の接近戦に脆いのだ。4号戦車3個小隊をスタックした打撃部隊を編制したドイツ軍は、シャーマン戦車の小隊に対して接近戦を挑む。最初のシャーマンとの交戦で1ステップロスの損害を与えてこちらは無傷。幸先良し、ということになるが、シャーマンを殲滅できなかったため、突撃はこの時点で頓挫してしまう。ちょっと残念である。

OpD12


3Turn

UK8B_FireFly_A_24Lさすがに英軍は戦車を散開させる不利を悟ったのか、戦車を集結させて歩兵によって援護させる態勢に入った。この態勢だと独軍としても軽々しく接近戦を仕掛けることができなくなる。それでも独軍は強敵ファイアフライ戦車に打撃を与えるチャンスと見、霧の中、ファイアフライのスタックに対して戦車同士のドッグファイトを挑んだ。運命のチット引き。しかし霧の中なので攻撃側が有利な近接戦闘であったが、あまり良いチットが出なかったので戦車戦は不発に終わってしまう。

OpD13


4Turn

次のTurnから霧が明ける。敵中深くに入り込んでいた英軍はスリスリと撤退していく。また英軍はフォントネ村前面に突撃用の塹壕戦を構築。次turnにおける総攻撃準備に入る。

OpD14


5Turn

GE12SS_AT_12_26霧が晴れ上がった。青空に覆われたフォントネ村の前面では、激しい戦いが巻き起こる。
まず戦線右翼で戦いの幕が上がった。最前線に進出していた独軍装甲車に対してシャーマン戦車が射撃を加えてきた。装甲車は命中弾を受けて爆発する。それを見たドイツ75mm対戦車砲。シャーマン戦車に対して報復の射弾を見舞う。

「一撃必殺」

を期待したが、無情にも出目は低く、攻撃失敗。それを見たシャーマン戦車が75mm砲に対して反撃を仕掛ける。

「トーチカに守られた75mm砲が簡単に撃破されるはずはないさ」

と高を括っていたドイツ軍プレイヤー(筆者)は、英軍のダイス目に見事に裏切られる。英軍が出した出目はなんと"12"(2d6)。期待の75mm対戦車砲は序盤でアッサリと撃破されてしまった。これにより戦線右翼でシャーマンの跳梁を阻む手段が(一時的に)なくなってしまう。

ちなみに後で計算してみると、トーチカに守られた対戦車砲をシャーマン戦車の反応射撃で撃破できる可能性は、約8%(2d6で11以上、火力5の場合)であった。

戦線右翼でも英軍による跳梁が続く。装甲車やハーフトラックとシャーマン戦車では勝負にならない。霧が晴れる前に装甲の弱い車両群を後方に下げるべきであったか、と、後悔するドイツ軍であったが、後の祭り。白兵戦でのAFV支援効果に期待したドイツ軍の貧乏根性が裏目に出た感がある。ドイツ軍が失った装甲車/ハーフトラックは合計6ステップにも及んだ。
それでもフォントネ村を守るドイツ軍歩兵は善戦を見せ、各地で英軍の攻撃を撃退。強力な盤外砲撃を使って英軍に出血を強い続ける。フォントネ村の1ヶ所で防衛ラインを食い破られたが、その後の白兵戦で街の一角を取り返した。

GELehr_2_654ドイツ軍は増援としてヤークトパンター駆逐戦車を装備した第654重駆逐戦車大隊と4号戦車装備の戦車中隊を増援として投入した。前回活躍したティーガー重戦車は、コスパが良くない(選択ルールなしなので練度優越が使えない)ので今回は投入を見合わせる。

ティーガーは1ユニット(1ステップ)あたり3円、ヤークトパンターは同2円、4号戦車は同1円である。ティーガーは論外としても、ヤークトパンターも「割高」感は拭えない。しかし敵対戦車火器に直面した際、やはり重戦車/重駆逐戦車の重装甲は頼もしい。数が必要な分では4号戦車を揃え、強力な敵を排除する際には重戦車/重駆逐戦車と組み合わせる。いわゆる「ハイ&ローミックス」戦法が有効であると感じた。

重駆逐戦車と4号戦車の組み合わせは効果的で、前線に現れたシャーマン戦車に痛打を浴びせ続けた。シャーマン戦車6ステップと6ポンド対戦車砲2ユニットを撃破。こちらは4号戦車2ステップを失ったのみであった。それでも装甲の弱い4号戦車が6ポンド対戦車砲を前に逡巡する場面も見られ、対戦車砲の厭らしさを感じた。

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つづく

OpD00


「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。


前回 キャンペーンシナリオの練習としてソロプレイを紹介したが、今回は対人戦を試してみることにした。
選択したシナリオは、18.5「The Campagin Game Operation Dauntless」。1944年6月25日から始まるドーントレス作戦全般を扱った本作最大のシナリオである。
下名はドイツ軍を担当し、選択ルールは19.1「射撃統制」及び19.11「対砲兵射撃」を採用した。またプレイの前にシナリオ18.4「The Battle for the Parc」を2Turnほどプレイし、ルールの感覚を確かめた。

OpD01


1Turn

UK49D_B_Linc以前にも紹介したが このシナリオの最初の4Turnは濃い霧の中の戦いとなる。長射程兵器は一切使えず、隣接ヘクスすら射撃できない。攻撃方法は近接突撃(移動中に敵のヘクスに突入して戦うやり方)のみに限定され、その他の手段では敵を攻撃できない。
また第1Turnのみに適用されるルールとして、英軍の移動支援砲撃ルールがある。英軍の突撃直前の支援射撃を表現するルールで、第1Turnのみ近接突撃時に英軍側に有利な2シフトが得られる。
上記ルールに関連し、ある特定のヘクスに配置される英軍部隊は第1Turnに真っすぐ南に向けて移動し、ぶつかる敵に近接突撃を仕掛けなければならないルールがある。いわゆる「万歳突撃」ルールだが、2シフトが使えるので有利にも思えるが、ドイツ軍の堅固な防衛ラインにまともにぶつかることになるので、どこまで有利なのかはわからない。

今回英軍は支配下の3個歩兵大隊全力を以てフォントネ・ル・プネル(以下、フォントネ)のドイツ軍陣地に対して正面攻撃を実施した。しかし拠点に陣取るドイツ軍の防衛ラインは堅固であり、英軍は大損害を被り撃退された。英軍はフォントネを1ヘクスも占領できず、あまつさえ歩兵戦力多数を失うことになったのである。ドイツ軍の損害は歩兵支援用の装甲車2ステップのみであった。

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2Turn

UK79AD_Churchill_141RACフォントネの正面突破が困難だと悟った英軍は、ドイツ軍の両翼を突破して戦線後方への雪崩れ込みを図る。戦線左翼(ドイツ軍から見た場合、左翼は西側)では、LINC歩兵大隊(薄緑)とHAL歩兵大隊(濃緑)がボウデル(BORDEL)川の浅瀬を渡って戦線後方に進入。こちたは渡河点をドイツ軍が押さえていたので、歩兵戦力のみによる浸透戦術だ(装甲車両は橋がないと川を渡れない)。

戦線右翼では、水障壁はないため、ドイツ軍戦線の外側を大きく迂回したRSF歩兵大隊(橙色)大隊がSRY戦車中隊所属シャーマン戦車の援護を受けつつフォントネ村の背後に回り込む。

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さらに英軍はチャーチル重戦車の改良型であるAVREとクロコダイル火炎放射戦車を増援として投入した。頑強なドイツ軍陣地に対する突破戦力の切り札を期待してのことである。

GE_Tiger_1_101ドイツ軍はなけなしの増援ポイントを投入して第101重戦車大隊所属のティーガー戦車3ユニットを増援として投入。戦線右翼に無造作に展開していたシャーマン戦車に対して果敢な近接突撃を敢行した。選択ルール19.1を採用していた効果もあって練度に勝るティーガー戦車(あのミハエル・ヴィットマンSS大尉が所属している)の威力は凄まじい。シャーマン戦車4ステップ(2個小隊)が瞬時にスクラップと化し、ティーガーの方は完全に無傷である。

OpD05


German_Michael_Wittmann_Tiger1


3Turn

UK49D_CP_RSFシャーマン戦車の損害に驚いたのか、英軍も戦車単独での布陣を改め、戦車と歩兵をスタックさせた。こうすることによってティーガーの練度面での優位を打ち消すことができるようになり、練度・性能に劣るシャーマン戦車でも反撃の可能性が生まれてくる。
連合軍は戦線後方での浸透戦術をさらに推し進め、ドイツ軍が守るテセルの森の一角を占領した。
戦線右翼では英RSF歩兵大隊が大きく迂回して戦線背後を伺う。

OpD06


4Turn

このTurnが霧の最終Turnである。英軍はドイツ軍の分散を強いるべく敵中後方に広く散開していた。
またフォントネ正面では、チャーチルAVRE特殊戦車に支援された部隊が、近接突撃によりフォントネの一角を漸く占領した。
ドイツ軍の方は、対戦車火力を強化するため第654重戦車駆逐大隊所属のヤークトパンター1ユニットを増援として投入した。そして重要拠点を中心に拠点防御を固めていく。

OpD07


JagdPanther_1944


5Turn

UK79AD_Churchill_82_RE 霧が晴れた。英軍はチャーチルAVRE特殊戦車を支柱としてフォントネの制圧地域を広げてく。またシャーマンはファイアフライ戦車もそれを直接・間接に支援する。ドイツ軍の戦車兵力はフォントネ正面には投入されておらず、フォントネ後方に回り込んだ英軍の殲滅に躍起となっていた。そのためフォントネ正面は連合軍戦車が跳梁する所となり、ドイツ軍の軽装甲戦闘車両は、連合軍戦車を避けるべく後退する他なかった。こうしてAFVよる優位を得たフォントネ正面の連合軍は、少しずつその占領地域を拡大していった。

フォントネの後方ではドイツ軍戦車の天下である。4号戦車やティーガー重戦車が連合軍の後方を断ちつつ包囲下にある英SRY戦車中隊のシャーマン戦車をなぶり殺しにしていた。連合軍は反撃したくても、下手に反撃するとARCによって倍返しを食らってしまうので、やられるがままであった。この戦線で失われたシャーマンはこのTurnだけで3ステップ(1.5個小隊)にも及び、その他歩兵部隊も3ステップを失っていた。

OpD08


6Turn

GE_ART_88mm英軍は歩兵1個大隊(DLI大隊=薄青)を増援として投入し、フォントネへの正面攻撃を実行した。しかし平地に2個歩兵中隊をスタックさせたことが致命傷になる。280mmロケット砲を含む強力な砲兵戦力を投入したドイツ軍。その間接射撃が致命的な威力を発揮した。突撃部隊は砲撃により大損害を被り、その上で低比率攻撃を強いられたため、歩兵2個中隊とキャリア1個小隊が壊滅。DLI大隊は一瞬にして戦闘能力を喪失した。
同じ頃、フォントネ南方へ浸透中であった英SRY戦車中隊とRSF歩兵大隊はドイツ軍の包囲攻撃を受けていた。重装甲を誇るチャーチルAVRE特殊戦車は、ドイツ軍の包囲を破って撤退を図ったが、ドイツ軍4号戦車からの射撃を側面後方から受けて撃破されてしまう。また先ほど来ドイツ軍戦車の攻撃を受けている英SRY戦車中隊のシャーマン戦車は、火力に勝るドイツ戦車の包囲攻撃を受けて壊滅した。また英RSF歩兵大隊の方も3個目の歩兵中隊を失い「崩壊」の適用を受けた。

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この段階で英軍は攻撃力が失われたと判断。この時点でお開きとした。

感想

ここまでの所要時間はセットアップを含めて約6時間である。このシナリオは両軍とも大部隊同士が登場するが、所要時間としてはデザイナーの主張する見積値の約2倍であった(デザイナー氏は1~7Turnのシナリオで所要時間3~4時間と主張している)。

今回の展開としては、前回のソロプレイとほぼ同様の展開となった。正面攻撃の危険、兵力分散の不利などはソロプレイで判明していたので、英軍が兵力を散開させてきたときもそれほど慌てることはなかった。むしろフォントネに対する衝撃力が殺がれるので、兵力分散は有難いともいえる。勿論渡河点や制高点といった重要拠点は敵に奪われないようにする必要があることは言うまでもない。
勿論英軍としても独軍に散開を強要させるという意味で分散攻撃は有効だと思う。ただしあくまでも主攻勢はフォントネに向けられるべきであろう。

ちなみに英軍プレイヤーから選択ルール19.1は独軍に有利過ぎるのではないかという意見が出た。確かにこれまでの展開を見ていると本シナリオは元々独軍が有利な上、19.1を入れると練度に勝るドイツ軍がさらに有利になることは否めない。そういった意味でゲームバランスを取るという観点からは「選択ルールなし」というのが妥当という主張も頷ける。という訳で 翌日、選択ルールなしで再戦 することになった。

(個人的には19.1は戦車戦の雰囲気が出ていて好きなルールなので、些か残念ではある)

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