もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

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表紙


The Little Land - The Battle of Novorossiysk(以下、本作)は、1943年2月におけるソ連軍による黒海沿岸のノヴォロシスク攻略作戦を扱った作品である。本作は Saipan 等と同じCSS(Company Scale System)の1作である。1Turn=2時間(夜間は4~6時間)、1Hex=500mに相当し、1ユニットは1個中隊(一部小隊ユニットあり)を表す。

今回、本作のシナリオ3「Operation Gory(山作戦)」をVASSALにて通信対戦することになった。この作戦は、疲れ切ったソ連軍2個師団がノヴォロシスク北方の山岳道路を攻撃するというもの。参加者は3名でドイツ軍1名、ソ連軍2名でプレイする。私はソ連軍の1個師団相当(第3軍団、薄茶色の駒)を担当する。

[MAP]

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43年2月4日0700

最初のTurnなので、大きく前進はせず、おっかなびっくり前進する。しかしいきなり友軍のP-39が誤爆により爆弾の雨を降らせてきた。空軍の馬鹿者。一方で友軍の第318歩兵師団(赤色の駒)が海岸沿いに猛攻を加えてファシスト軍を追い込んでいる。

MAP

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43年2月4日0900

主攻勢は友軍の第318歩兵師団なので、我が第3軍団はMefodyevka北東の高地帯に陣取るドイツ軍を攻める。ドイツ軍は数多くのトーチカを稜線上に築いており、生身の歩兵で突撃するのは至難だ。ここは攻め急がず、友軍砲兵の支援砲撃、戦車の直接支援、そして歩兵自身もタコツボを掘りながら、なんとか稜線に取りつく。最前線で指揮を執っていた第9歩兵旅団の指揮官は、砲弾の破片を受けて重傷を負い、後送された。

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43年2月4日1100

ドイツ軍が先手を取ったため、稜線に取りついた戦友たちに銃砲撃が集中する。稜線のラインにぶつかった赤軍兵士達。ドイツ軍の射撃は冴えまくり、釘付け、制圧、混乱などのマーカーが赤軍兵士の上に次々と乗せられていく。それでも1ユニットの損失も出さなかったのは、まさに奇跡と言ってよかった。

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43年2月4日1300

Direct Commandを引いた時、ダイス目"1"を出してしまい、得られたDCが僅か1ポイント。元々の指揮レーティングが"1"しかない我が赤軍第3軍団。たった1ポイントしか使えないことに涙するしかない状況である。
しかしそんな赤軍第3軍団がようやく一矢を報いる時が来た。これまで最前線で苦戦を続けていた第9歩兵旅団が、友軍の間接射撃と相まってドイツ軍のトーチカ陣地に対して猛烈な射撃を集中したのである。ドイツ軍3個歩兵中隊が撃破され、戦線に穴が空いた。これによってドイツ軍の防衛ラインに突破口を穿った赤軍。またドイツ軍のユニット損失が重なったため、VPで逆転に成功した。

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感想

時間の関係で今回はここまでとした。プレイ時間は約8時間、1Turnあたりの所要時間は約2時間である。
今回のシナリオについては、まだ始まったばかりなので、今後の展開については何とも言えない状況である。私の第3軍団は、ドイツ軍防衛ラインの一角に小さな穴を空けたが、まだまだ突破前進できるような状況ではない。そういった意味で今回のプレイは、The Little Landのホンのさわりの部分を味わっただけと言える。
全般的に見た場合、今回のプレイを通じて特に違和感やおかしな点はなかった。登場するソ連軍部隊がいずれも疲労困憊の状況であり、しかもコマンドレーティングが低いのでDC値が貯まらないことには少し困惑したが、まあ赤軍っぽいといえばそうとも言える。いずれにしてもCSSのシステムと、ノヴォロシスク攻防戦の親和性は、そこそこ良いようである。

T-70Tank


Guam


2021年2月半ば。首都圏1都3県に発令された緊急事態宣言は未だ解除されていない。そんな中、 前回、CSS SaipanをVASSAL対戦した3人 が、再びVASSAL対戦することになった。
選んだゲームは、Compass Gamesの"Guam - Return to Glory"である。1944年7月~8月におけるグアム島の戦いを中隊規模で描いた作品で、CSS(Company Scale Serise)と呼ばれる共通のルールで構成されている。基本的なルールは、同じシリーズの Saipan を参照されたい。

前回、Saipanをプレイした際 にいくつかのルールミスが発覚した。一応列挙してみる。

1)縦隊のスタックが潰走チェックに失敗した場合、潰走するのは目標ユニットだけで、その他のユニットは釘付け状態になる(例えばアムトラックと歩兵中隊の縦隊スタックが潰走チェックに失敗した場合でも、一方のユニットは助かる)
2)間接射撃の場合、目標ユニットの防御力は適用しない。
3)日本軍砲兵については弾薬不足ルールがあり、第2アクションや直接命令で間接射撃を実施できない。 4)水陸両用戦車は散開隊形を持っており、散開隊形では火力3、防御力0、移動力0になる(移動力0だと実質的にはあまり意味がないかも・・・)。

これらのルールに加えて、さらにGuamでは、「上陸直後の部隊が散開隊形になれる」というルールも加わった。これらの効果によって海兵隊の戦い方がどのように変わってくるのか。そういった点にも着目してみたい。

今回の参加者は3名で、日本軍2名、米軍1名という布陣である。私は日本軍の半分(独立混成第48旅団と海軍部隊)を担当する。

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今回プレイするシナリオ5は、米海兵隊によるグアム島上陸当日を扱ったシナリオである。CSSのマリアナシリーズ(Saipan、Guam、Tinian)では、なんだかんだ言っても上陸当日を扱ったシナリオが一番面白い。この"Guam"では、米海兵隊は1個師団+1個旅団が登場し、それは第3海兵師団と第1臨時海兵旅団である。
第3海兵師団の上陸地点は、アサン海岸(Adelup PointとAsan Pointの間)で、グアム島の西部中央部になる。一方、第1臨時海兵旅団は、アガット湾(Agat Bay)に上陸する。

上陸地点

(Image by Wikipedia>

SetUp


ゲームが始まって最初におこなれるのは、米海空戦力による砲爆撃である。米軍は使用可能な重火力を主に海岸を守る我が海軍カノン砲部隊に向けてきた。カノン砲部隊はアサン海岸に3個中隊、アガット湾正面にも3個中隊が展開していたが、一連の事前砲爆撃によってその2/3(4個中隊)が何らかの被害を受けてしまう。

砲爆撃に引き続き、米軍の上陸部隊が海岸線に突進してくる。それに対して生き残った海岸砲兵が果敢に反撃を行う。海上でのたうち回る米軍の上陸用舟艇。さらに上陸海岸に配備された地雷原が炸裂して海岸に近づいた米海兵隊に出血を強いていく。
このTurn、海岸に到達したのは、北部のアサン海岸で歩兵8個中隊と水陸両用戦車2個中隊。南のアガット湾でも同数の兵力が海岸にたどり着いた。しかしそのうち無傷で上陸できたのは歩兵6個中隊と水陸両用戦車3個中隊に過ぎず、残りは地雷原と日本軍の防御射撃によって何らかの被害を被っていた。

このGuamでは、前作Saipanからいくつかの修正点がある。まず上陸部隊の隊形である。Saipanでは、上陸直後の部隊は縦隊扱いとされていたが、Guamでは縦隊か散開隊形といずれかを選択できるようになった。この場合、縦隊を選択するメリットは殆どないので、散開隊形を選択するのが常道である。この改正により、上陸直後の極めて脆弱な状態で海兵隊が大損害を被っていたSaipanに比べると、Guamでは上陸部隊の損害が出にくくなった。なお、この改正ルールは、Saipanでも適用されることになっている。
もう1つは海岸地雷だ。Saipanでは無視されていたが、Guamでは日本軍の海岸地雷がルール化された。これにより海兵隊は海岸地雷を突破する際に大損害を被る可能性が高くなった。この改正はGuamでのみ適用されるルールであり、Saipan(及びTinian)には適用されない。


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1944/07/21 0900

Guam島に上陸した海兵隊は、早くも内陸へ向けて進攻を開始する。しかし海岸付近に潜む日本軍は満を持して猛烈な射撃を見舞った。北西部アサン海岸を守る独立混成第48旅団は米第3海兵師団に対して猛反撃を実施。早くも第3海兵師団所属の歩兵3個中隊を屠った。南部アガット湾を守る第29師団(満州方面から転出してきた関東軍の精鋭部隊である)も奮戦し、第1臨時海兵旅団麾下の1個中隊を撃破している。

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1944/07/21 1100

米軍の戦車小隊が早くも前線に姿を現した。戦車の威力はすさまじく、日本海軍の加農砲中隊1個が米海兵隊戦車部隊の攻撃を受けて壊滅してしまう。米軍の圧力は徐々に強まってくるが、そのような中でもアサン海岸では海軍の加農砲中隊が直接射撃で米海兵隊2個歩兵中隊を撃破する戦果をあげた。

一方、アガット湾方面では、精鋭第29師団が米海兵第1臨時旅団に対して善戦していた。日本軍の銃砲撃を受けて浮足立った海兵隊を集中的に狙う(要するに、戦闘結果でSuppressed(制圧)の結果を食らった目標を集中的に射撃する)という戦術によって、第1臨時海兵旅団所属の5個歩兵中隊と1個水陸両用戦車中隊、さらに随伴する1個戦車小隊を葬ったのである。

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1944/07/21 1300

徐々に体制を整えつつある米海兵隊は、橋頭保からの攻撃を強化してきた。米軍は主に我が海軍砲兵部隊に攻撃を集中。特に砲爆撃が威力を発揮し、このTurnだけで海軍砲兵部隊2個中隊が壊滅してしまう。
一方の海兵隊は、このTurn失ったのは、歩兵1個中隊と迫撃砲1個中隊のみ。流れが変わってきたか・・・。

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1944/07/21 1500

米軍はさらに橋頭保を広げるべく攻撃を続行する。戦車を含む海兵隊の攻撃により、さらに日本海軍の長射程加農砲中隊1個が撃破された。残る加農砲中隊は2個のみだが、それらも度重なる砲爆撃によって甚大な被害を被っていた。
日本軍の反撃は、このTurnアサン海岸方面に向けられた。増援部隊を得た独立混成第48旅団の銃砲撃により、米第3海兵師団の歩兵中隊と迫撃砲中隊各1個が壊滅した。

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感想

この時点で今回のプレイは終了とした。朝9時から開始して18時半まで。途中約1時間の昼食休憩が入ったので、プレイ時間は実質7.5時間である。1Turn平均で丁度1.5時間だ。

新ルールの効果だが、 前回、Saipanを対戦した時 に比べると、海兵隊の損害は明らかに小さくなっている。前回のプレイでは、午前中の3Turnだけで海兵隊の損害は22個中隊になったが、今回は5Turnプレイして損失は14個中隊に留まった。両軍の総兵力が違うので単純な比較はできないが、損害が小さくなる傾向にあることは確かだ。この状況ならばキャンペーンを続けても、海兵隊が史実通り勝利できる可能性は高い。

今回の対戦で新ルールの有効性はある程度確認できたと思う。次はSaipanの中規模シナリオに挑戦してみて、新ルールの効果を確かめたい。

First_flag_on_Guam


Compass Gamesの"Saopan - The Bloody Rock"(以下、本作)は、1944年6~7月におけるサイパン島の戦いを中隊規模で描いた作品だ。CSS(Company Scale Serise)と呼ばれる共通のルールで構成されている。Saipanの概要については こちら を参照されたい。

今回私は上陸初日を描いたシナリオ3「犬の日」をVASSALでソロプレイしてみた。果たして米海兵隊はサイパン島に橋頭保を築くことができるか・・・。

前回までの展開は --> こちら

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6月15日夜間1

夜になった。米第2海兵師団の戦区に対して日本軍第135連隊の近衛大尉麾下4個中隊がバンザイ突撃を企図。しかし突撃を実際に実施する前に海兵隊歩兵中隊は日本軍の射撃を受けて壊滅してしまったため、突撃自体は空振りに終わった。

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第4海兵師団戦区では、戦車を先頭に立てた海兵隊が日本軍の陣地に猛攻撃を加える。日本軍の2個歩兵中隊が撃破され、戦線に大穴が開いた。As Perdioへ向けての突破口が開かれる。しかし調子に乗って突破を図った米海兵隊は、生き残った日本軍の猛烈な銃火を浴びてしまう。その戦いで歩兵2個中隊が失われた。

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6月15日夜間2

最終Turnである。現時点でのVPは日本軍24、米軍18。現時点で米軍の勝機は薄いが、まだ諦める訳にはいかない。それにしても先ほどのTurnに計3個中隊を失ったのが米軍にとっては痛かった。失う必要のなかった兵力であり、もしこの損害がなければ、米軍の勝機がもっと広がったのに・・・。
しかし戦況全体で見た場合、明らかに日本軍の攻撃力は限界に近づいていた。その一方で上陸に成功した海兵隊員が確実に橋頭保を広げていた。
このTurn、抵抗を続けていたAfetna Pointの日本軍が壊滅した。また日本海軍の加農砲陣地があるAgingan Point前面にも米軍が迫り、その前方で守っていた日本陸軍の歩兵中隊は火炎放射器によって追い払われつつあった。As Perdioを守る日本軍も火炎放射器によって後退を余儀なくされていた。日本軍の防衛線は今や壊滅状態にあったが、その一方で米第25海兵連隊長が重傷を負って後送された。

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長い1日が終わった。サイパン島西南部一帯は米海兵隊の制圧する所となり、米軍は辛くも上陸作戦を成功させた。米軍の損害は、第2海兵師団が歩兵5個中隊と水陸両用戦車4個中隊、第4海兵師団が歩兵11個中隊と水陸両用戦車3個中隊。合計歩兵16個中隊と水陸両用戦車個7中隊である。上陸に成功したのは、第2海兵師団が歩兵14個中隊、砲兵6個中隊、工兵3個中隊、水陸両用戦車2個中隊(他に小隊規模部隊多数)、第4海兵師団は歩兵16個中隊、砲兵12個中隊、水陸両用戦車個1個中隊(他に小隊規模部隊多数)。全体として両師団共に上陸戦力の約30%が失われた。
一方の日本軍は、歩兵10個中隊と砲兵1個中隊。単純計算で日米の損害比は1:2である。
勝利条件的には、日本軍の獲得VPが25、米軍は21で、日本軍の勝利となった。しかし上にも書いた通りAs Perdioの日本軍は事実上撃退されており、Agingan Pointの抵抗も既に終わりが見えていた。そういった部分を考慮すると、実質的には引き分けに近い内容であったと言えよう。

ただし、米軍の損害(計23個中隊)に対して、日本軍のVPが25というのはやや少なすぎる。1ユニットを撃破する際に4DPを与えたとすると、日本軍が米軍に与えたDPは単純計算で96となり、9VPが加算される。実際には4DPに達せずして除去されるケースがかなり存在し(Routの結果で潰走チェックに失敗して除去となるケースが多い)、そう考えると9VPまでは行かないにしても、2VP(25-23=2)しか加算されなかったというのは少なすぎる。どこかで米兵負傷分のVPを加算し忘れていた可能性がある。

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感想

前回 の対戦では、午前中に米軍が15個中隊を失った時点でゲームオーバーとなった。しかし今回の記録を見ると、1100のTurnが終わった時点で歩兵12個と水陸両用戦車4個の計16個を失っており、さらにヒーローのエバーソン一等兵を失っていたので、損害自体は前回よりも多い。それでも戦い続けて1日の終わりには海岸堡を確保できたので、前回のプレイについても決して絶望的な状況ではなかったといえる。そういった意味で本作を米軍の立場でプレイする際には、強靭な精神力を要求されると言えるだろう。そして我々は米軍から見たサイパン島の戦いというものが、決して楽な戦いではなく、血みどろの戦いであったことを思い知るだろう。

ゲーム的な意味での勝因・敗因は、米軍の損害が多すぎたことだ。とはいえ、米軍としても地歩を広げていかなければどうしようもない。今回失敗だと思ったのは、水陸両用戦車を序盤に大量損失したこと。水陸両用戦車の損失理由は、その殆どが潰走チェックの失敗によるものである。ルールを読めばわかるが、潰走チェックに失敗して損失するケースは、射撃を受けたヘクスに散開状態のユニットがいない場合のみ。逆に言えば、散開状態のユニットが存在していれば潰走チェックの失敗でユニットが消えることはない。従って新しいヘクスに前進する際には、まず歩兵中隊を前進させておき、その歩兵が生き残って散開状態になった後で水陸両用戦車を前進させて守りを固めるのが良いと思う。米軍としては上陸した後はとにかく穴掘りで守りを固める。一旦穴掘りが終われば、地歩を広げるために歩兵を前進させる。その過程で日本軍の銃砲撃を受けて損害は免れないが、生き残った部隊でまた穴を掘る。15時になれば、戦車小隊や火炎放射器が使えるようになるので、そこから本格的な攻撃を開始する。そういったパターンで攻めるのが良いと思う。

あと日本軍の万歳突撃についてだが、殆ど「恐れるに足らず」であった。「万歳突撃」といっても結局は普通の準備下強襲と変わらない。損害適用方法と修正値が若干異なるだけである。普通の準備下強襲と同じ、ということは、1ヶ所で実施する度に1DPの消費が必要になる。しかも強襲自体が実施されるのは、強襲を宣言した次のTurnになる。DPについては日本軍も不足気味なので、万歳突撃を実施できるのは精々1~2ヶ所。しかも防御射撃で日本兵を抹殺できるチャンスが常にあり、さらに地形を生かせば日本兵の突撃修正を無効化できる。結局の所、「万歳突撃」は日本軍にとっても兵力をすり減らすだけで得策ではないと言えよう。

CSS Saipanは良いゲームである。私の知る限りサイパン島の戦いを最も精密・正確に再現したゲームの1つであることは間違いない。サイパン島全域を扱っていながらも中隊規模ユニットによる戦術戦闘を楽しめる点も良い。フルキャンペーンをプレイするにはボリューム的にやや厳しいが、それでも何とか機会を見つけてキャンペーンシナリオをプレイしてみたいと思う。そういった魅力のある作品であることは間違いない。

プレイした後にいくつかのルールミスが発覚した。一応備忘のため列挙しておく。
1)縦隊のスタックが潰走チェックに失敗した場合、潰走するのは目標ユニットだけで、その他のユニットは釘付け状態になる(例えばアムトラックと歩兵中隊の縦隊スタックが潰走チェックに失敗した場合でも、一方のユニットは助かる)
2)間接射撃の場合、目標ユニットの防御力は適用しない。
3)日本軍砲兵については弾薬不足ルールがあり、第2アクションや直接命令で間接射撃を実施できない。
4)水陸両用戦車は散開隊形を持っており、散開隊形では火力3、防御力0、移動力0になる(移動力0だと実質的にはあまり意味がないかも・・・)。

ちなみに上記1)2)は標準ルールの適用ミスだが、それ以外は全て後続ゲーム(Guam、Tinian)で追加されたルールである。
これらのルールを適用すると、米軍の損害はもっと減少していた可能性が高く、米軍はもっと楽に戦える可能性が高くなる。これはやはり再戦せねばならない。


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Compass Gamesの"Saopan - The Bloody Rock"(以下、本作)は、1944年6~7月におけるサイパン島の戦いを中隊規模で描いた作品だ。CSS(Company Scale Serise)と呼ばれる共通のルールで構成されている。Saipanの概要については こちら を参照されたい。

これまでのプレイでは、常に海岸付近で米海兵隊が壊滅的損害を被って上陸失敗というパターンばかりであった。そこで 前回 はルール改定によって米海兵隊に勝機がないか、見直してみることにしたが、やはり海岸堡の戦闘で海兵隊が大損害を受けるというパターンは変わらなかった。
しかし前回対戦は時間の関係で前半部分の3Turn分しかプレイできていない。米軍の反撃はむしろ後半。午後に入ってからだ。戦車や火炎放射器の支援を受けた米軍の攻撃がどの程度の威力を持っているのか、その点はまだ検証できていない。
さらに夜になって実施される日本軍の反撃(所謂「万歳突撃」)についても、その威力は未だ未知数である。果たして海岸堡の海兵隊を一掃出来る程に強力なものなのか。あるいは単なる自殺攻撃なのか。そういった点も見てみたい。

そう考えた私は、本作を再度ソロプレイしてみることにした。選択したシナリオは、上陸初日を描いたシナリオ3「犬の日」である。果たして米海兵隊はサイパン島に橋頭保を築くことができるか・・・。

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6月15日0700

最初に米軍は航空支援を5ユニット得る。続いで艦砲射撃。これらの攻撃は主に海岸線を守る日本軍に向けられた。
続いて米海兵隊が海岸線に殺到する。チャランカノア市街地を挟むように、北側には第2海兵師団が殺到。町の南側には第4海兵師団が上陸する。チットの順番の関係でこのTurnは日本軍の攻撃はなし。しかし防御射撃によって水陸両用戦車1ユニットが海没する。そしてこのTurnは嵐の前の静けさに過ぎなかった。

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6月15日0900

続々と海兵隊が上陸してくる。海岸から突撃に移った海兵隊。第2海兵師団戦区からが第8海兵連隊の歩兵中隊は湿地帯を抜けてチャランカノア市街地に突入する。湿地に足を取られた海兵1個中隊は日本軍の銃撃を受けて壊滅したが、1個中隊がチャランカノア市街地突入に成功する。同地に司令部を置いていた日本軍第43師団は、慌てて後方に向けて撤退していく。
しかし日本軍の抵抗もまた激しかった。第4海兵師団の上陸地点には日本軍の迫撃砲弾が降り注ぎ、海兵隊をなぎ倒していく。このTurn、海兵隊が失った兵力は、歩兵5個中隊、水陸両用戦車1個中隊に及んだ。しかし地獄はまだ始まったばかりである。

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6月15日1100

日本軍はDispatch Point(DP)が足りなくなってきた。このTurnは海軍部隊のみ活性化する。一方の海兵隊もDPが不足気味だが、第4海兵師団がDPチェックに成功したため、6DPまで回復した。

先のTurnに大きな損害を被った海兵隊だが、それでも激しい砲火の中を前進し、少しでも橋頭保を広げようとしている。そこへ日本軍の砲火が降り注いだ。海兵隊の前面を守るのは水陸両用戦車だが、日本軍の砲火はその水陸両用戦車をも叩き潰した。第4海兵師団のハロルド・G・エバーソン一等兵は、死んだふりをした日本兵が突然投げつけてきた手榴弾から味方を守るため、その身を手榴弾に踊らせて爆死した。彼の死後、エバーソン一等兵は名誉勲章を叙勲した。
このTurn、海兵隊が失った兵力は、歩兵5個中隊、水陸両用戦車3個中隊である。現在、サイパン島に上陸して生き残っている海兵隊は、歩兵13個中隊、水陸両用戦車3個中隊である。実に歩兵戦力の43%、水陸両用戦車の57%が失われた計算になる。

しかし海兵隊にとっての地獄は、まだ終わりが見えない。

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6月15日1300

米護衛空母から発進したアヴェンジャー攻撃機がサイパン上空に飛来し、日本軍陣地に向けて連続爆撃を敢行した。3ヶ所で爆撃が成功。日本軍陣地に痛打を与える。このチャンスに第4海兵師団の第24海兵連隊がチャランカノア南方で爆撃を受けた日本軍陣地に対して集中射撃を実施し、遂にこれを撃破して突破口を啓開した。その突破口から遂に第4海兵師団の各連隊が敵中に突入していく。
日本軍は第47独立混成旅団の中島少佐が切り込み隊を組織し、チャランカノア飛行場に布陣する米海兵隊に対して突撃を敢行する。不意を打たれた海兵隊は日本軍の突撃により混乱してしまう。

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6月15日1500

米軍の戦車小隊や火炎放射器、対戦車砲等の支援火器が上陸し、ようやく米軍部隊の火力が強化された。特に戦車小隊4個が上陸したおかげで米軍の火力は著しく強化された。
第4海兵師団が日本軍の前線に突破口を穿った。歩兵部隊が前進し、As Perdioの村落を目指す。チャランカノア方面でも第23海兵連隊がチャランカノア市街地の大半を占領し、今津大尉麾下の日本兵1個中隊を町の一角に追い詰めた。
第2海兵師団戦区では、DPが不足していたため大きな動きはなし。先に突撃してきた日本軍中島少佐の切り込み隊によって第9海兵連隊の1個中隊が撃破されてしまう。そこで米海兵隊は艦砲射撃の支援を要請。艦砲射撃によってようやく切り込み隊を撃破することに成功した。

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6月15日1700

西の空を夕陽が赤く染めている。長かった1日が終わりを告げようとしていた。
波打ち際には両軍兵士の死体と上陸用舟艇の残骸が横たわり、生き残った兵士達や海から上陸してきた増援部隊が海岸から続々と内陸へ進んでいく。そして海上にはさらなる上陸部隊が上陸の順番を待っている。
チャランカノア市街地とその南方海岸地区では、米第4海兵師団が苦戦を続けている。第24海兵連隊のハリス大佐が砲弾の破片を受けて戦死した。チャランカノア市街地では、シャーマン戦車の小隊を指揮するロバート・H・マッカード特務曹長が獅子奮迅の働きを見せて日本兵を殺しまくり(うーわー・・・)、遂に米海兵隊がチャランカノア市街地全域を制圧した。

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つづく

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The Enemy is at the Gates はCSSシリーズの新作(2020年10月現在、まだ出版されていませんが)で、テーマは1985年東西両陣営によるベルリン攻防戦です。実際には起こっていない戦いを描いたシリーズで、先日発売された Fulda Gap の続編ともいうべき作品です。

さて、そのFulda Gap。テーマはすごい魅力的なのですが、個々のルールを見ると物理的に何だか変。またゲームとしてみた全体像についても、ややバランスに欠けている感があります。そのあたり、次回作である The Enemy is at the Gates には期待が大なのですが、前作の印象があまりに良くなかっただけに・・・。

取り合えずFulda Gapで「変」だと思った点を列挙してみました。ちなみに以下の(1)~(4)については、Fulda Gapだけではなく、CSSシリーズ全てについて言えることです。

 (1) 小河川の効果が大き過ぎる。幅1メートルにも満たない水たまりに近いような小河川であっても、戦車の移動を完全に阻止してしまう。また移動だけではなく、対戦車ミサイルもこの「水たまり」を飛び越えられない。

 (2) 間接射撃の阻止効果が大き過ぎる。105mmクラスの対応で間接射撃を行うと、500m四方のヘクスが完全な通行不能地形になってしまう。だから砲兵1個中隊があれば、特定方向からの敵の進撃を完全に阻止できてしまいます。

 (3) 直接射撃の阻止効果が乏しい。本来現代戦なら砲兵等の間接射撃よりも戦車砲などの直接射撃の方が効果が大きいように思えるのですが、本作では完全に逆転しています。戦車の臨機射撃は1回きりなので、囮を使って敵に1発撃たせれば、もうあとは敵を無力化できます。例えば「装甲擲弾兵」や「オペドン」のように「対戦車戦は回数無制限で臨機射撃できる」とか、そこまで行かなくても「Old School Tactical」のように射撃は1Turnに2回まで実施できるとすれば、もう少し直接射撃が有効になると思えるのですが・・・。

 (4) 火災の効果が大き過ぎる。簡単に火がついてしまう上、一度火が付けばそのヘクス全体が通行不能地形になってしまう。防御側にしてみれば、いわゆる「火計」によって敵の進撃をストップできてしまいます。

 (5) 対戦車ミサイルが使えない。ATGMに最小射程距離ルールがあって、隣接ヘクスの敵を撃てません。しかし隣接ヘクスといっても距離500メートルは離れているのだから。ATGMで射撃するのに不都合はないと思いますが・・・。

 (6) これはあくまでも私の感想なのですが、「チョバム装甲を摩耗する」ルールが変に感じます。Fulda Gapでは、チョバム装甲を持つ戦車(米国製のエイブラムス)は、1発でも被弾すると「チョバム装甲を摩耗」して以後防御力が低下します。確かにWikipedia等では、チョバム装甲は複数被弾に弱い、ような記述がみられますが、たった1発の被弾で「剥離」するほどのものかなぁ・・・?。それとも近年何か新説が発表されたのかしらん・・・。

 (7) 電子戦の効果が過激すぎてゲームとしての興を殺いでいる。これはシミュレーション云々ではなく、ゲームとしての処理の問題です。


とまあ、色々書きました。
最後の(6)(7)はとにかく、それ以外の問題はかなり重大な問題と考えます。新作The Enemy is at the Gatesでそのあたりの問題が解消していれば「買い」なのですが、そうでなければ見送った方が良いかもしれません。

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