もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

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以前に Empire of the Sun(以下、本作)のソロプレイ を紹介した。そのプレイの目的は、近々実施する予定の対人戦の準備であった。
しかし、その直後に 私自身が大怪我をしてしまった ので、対戦が伸び伸びになっていた。
5月になってようやく傷も癒えてきたので、伸び伸びになっていた対戦を実施することになった。

当日、ちょっとした手違いがあった。本作には2005年発売の第1版と、2015年発売の第2版の2種類がある。私は本作の第2版ルールは読んでいなかったし、第2版は第1版に比べるとややぶっ飛んだ感じになっていると聞いていたので、できれば第1版によるプレイを希望していた。対戦相手氏には事前に第1版での対戦をお願いしていたと思っていたのだが、どうやら対戦相手氏には伝わっていなかった様子であった。対戦相手が持参してきたのは第2版。私が「食わず嫌い」しているバージョンである。
しかしここまで来てワガママ言うのも大人気ないし、第一時間も勿体ない。まあ折角の機会だし、この機会に第2版のプレイを経験するのも悪くない。そう思って第2版で対戦を始めることにした。
ちなみに今回選択したのは1942年キャンペーンで、私の担当は連合軍である。

2Turn(1942年前期)

ABDAHQ日本軍はマニラへ侵攻し、マニラ、コレヒドール要塞を陥落させた。マッカーサーは辛くもオーストラリアに脱出したが、フィリピン一帯は日本軍の手に落ちた。

連合軍はアルカディア会談を開催。ジャワ島南部のチャラチャップにABDA統合司令部を設営した。

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日本軍はマレー半島を南下してシンガポール要塞に肉薄する。マレー方面の英空軍航空部隊はジャワ島へ撤退。シンガポール要塞も陥落する。シンガポール陥落によってセイロン島に脅威を感じた連合軍は、急遽セイロン島の防備を固める。
勢いに乗る日本軍は、さらにビルマへ侵攻。ラングーンを陥落させた。さらに南東方面では日本軍がソロモン諸島一帯を制圧する。

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このTurn終了時点で日本軍は、マニラ、シンガポール、ラングーン、ガダルカナルを陥落させ、フィリピン一帯とマレー、シンガポールを支配下に置いた。一方、蘭印地区はまだ手付かずで、スマトラやボルネオの油田地帯は連合軍が支配している。

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3Turn(1942年中期)

IJA_第38軍日本軍はクワイ川橋梁を設営し、さらにビルマ内陸部に侵攻してきた。「戦場にかける橋」について私のイメージは、「役に立たないイベント」だったが、Ver3.0ルールで大きくその価値を変えたことに気づかなかった。何と「クワイ川橋梁」を設営すると、なんとビルマ方面で日本軍が活性化する場合、司令部の能力が+1されてしまうのだ。後で調べてみると、デザイナーはこのルール改定について「自画自賛」しているのだが、私的には「ちょっとやり過ぎじゃないのか?」と思えてしまう。

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IJA_第38軍そんなこんなで日本軍はビルマ一帯を制圧し、さらに北インドへ向けて牙をむく。しかし英軍は北アフリカ・中東戦域の戦況が安定しないので、インド方面に増援部隊を送れない。北ビルマまで進出してきた日本軍によってビルマルートは遮断され、北インドは危機に瀕した。
一方、米太平洋艦隊はようやく反撃を開始した。エスピリッツサントに集結した米機動部隊はガダルカナルへ機動攻撃を実施し、日本軍のAPD(輸送駆逐艦)を撃沈した。

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その他の戦場では、日本軍はインドネシアに侵攻。バリクパパン油田とパレンバン油田を占領した。しかしメナドに対する侵攻は英艦隊の反撃により撃退され、ジャワ島も連合軍がしっかりと保持している。

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4Turn(1942年後期)

USA_第14軍団米軍が本格的にジャワ島の戦況に介入した。米陸軍航空隊がジャワ島周辺に展開し、さらに米陸軍の地上部隊がスマトラ島に上陸する。パレンバン油田を米陸軍の地上部隊が奪回した。

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ガダルカナル近海には再び米機動部隊が現れたが、今度は日本の潜水艦が反撃してきた。米空母2隻が潜水艦攻撃によって撃破されてしまう。

5Turn(1943年前期)

NE_J_6_12 戦争開始から1年が経過した。いよいよ日本軍は国内資源が怪しくなってきた。未だに日本軍はインドネシアの油田地帯を支配できていないため、日本軍の使える戦略カードが激減してしまう。日本軍は燃料事情を改善すべき、ボルネオ島東部の油田地帯パレンバンに対して強襲上陸を敢行してきた。しかし連合軍航空部隊の反撃とジャワ島から急遽駆け付けたオランダ軍師団6-12によって強襲上陸を敢行してきた日本陸軍の2個軍が壊滅してしまう。

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ここでルールミス発覚。オランダ軍師団は強襲上陸できませんでした。すまんです。

さらにスマトラ島では米陸軍2個軍団がバンガ油田を守り日本陸軍第14軍(18-12)を攻撃。兵力に勝る米軍部隊が日本軍を撃滅してバンガ油田を取り返した。

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ガダルカナル近海では日米の空母部隊同士が初めて激突した。兵力では日本軍が優勢であったが、何とかダイス目で優位を占めた米軍が勝利した。

6Turn(1943年中期)

US_CV_Wasp_12_12_2連合軍は「戦略戦争」を初めて成功させた。資源ヘクスを確保できていない日本軍は遂に使えるカードが4枚まで減少。これは日本軍が獲得できる最低のカード数だ。ちなみに連合軍の使えるカードは7枚である。

米軍は新カード「U.S. Carrier Rids」を使用してパラオ島を攻撃。空母「翔鶴」を撃沈し、基地航空兵力にも大損害を与えた。しかし日本軍はまたもや潜水艦攻撃で米空母に反撃を実施し、米空母3隻を撃沈破した。

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ジャワ方面では米陸軍3個軍団がスマトラ島南部をガッチリ守っており、日本軍が手出しをする隙がない。

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ソロモン方面では、米軍がブーゲンビル島に上陸し、ここに拠点を築くことに成功した。

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ビルマ戦線でも増援を得た英軍が北インドからビルマ領内に反攻を仕掛けていく。

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その間、日本軍はひたすら中国戦線に3OCカードを注ぎ込んで攻勢を続けている。そして遂に中国を陥落させたのである・・・・。
実は、これはルール違反であった。中国戦線に使えるOCは、2Turnに1回、しかも1枚だけなのだ。確か以前のバージョンではそのようなルールだった。当初、日本軍がOCカードだけで中国戦線をどんどん進めてくるので「何だか変だな」とは思いつつ、新バージョンでは変わったのかな、とも思っていた。しかしたった1Turnで中国が陥落するのを見て、「さすがに変だ」と思い直し、ルールブックを再読してみると・・・。
やはりOCカードが2Turnに1回。しかも1枚だけではないか。そりゃそうだよ、と、思いつつ、そのことを相手プレイヤーに告げる。ルールブックを読み直した相手プレイヤーはさすがに納得するしかない。この時点で戦意を失った相手プレイヤーの投了でゲーム終了となった。

感想

IJN_BB_Hiei_17_14クワイ川橋梁のルールや北インドの補給ルール、さらにカードの内容が微妙に変わっていて、ちょっと面食らった。しかし慣れてくれば第2版であっても第1版と左程変わらないプレイ感覚でプレイできることがわかった。気になるのはやはりインド・ビルマ戦線の扱いで、日本軍の南方軍HQの能力が第2版で大幅に強化されている上、例の「クワイ川橋梁」ルールでビルマ方面での日本軍が今までよりもさらに強力になった感がある。第1版でもインド陥落=日本の勝利、というパターンが多かったので、第2版になってさらに日本軍の「インド一本攻め」指向が強くなった懸念がぬぐえない。さらに英軍にとって急所とも言うべきセイロン島をもしっかり守る必要もある。このあたりでバランスが崩れていないか、というのが気になる所だ。

とはいってもEmpire of the Sunはやはり面白い。第2版になってカードのバリエーションが増えたので、多彩なカードを使いこなす楽しみがまた増えた。インド方面のバランスが気になる所であり、その点がクリアできれば再戦したい作品の1つである。

Empire of the Sun(以下、本作)は、米国GMT社が2005年に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは太平洋戦争。1941年12から始まる太平洋戦争全体を1Turn=3か月、1Hex=150マイル(約240km)のスケールで再現する。

今回、本作の1942年シナリオをVASSALを使ってソロプレイしてみた。今回のプレイの目的は、近日本作で対戦することになったので、ルールや定石を再確認するということにあった。(ただし、このソロプレイの直後で私が大怪我をしてしまったことで対戦そのものは延期になっている)

なお今回のプレイにあたってルール及びコンポーネントは2007年発表の2.0版を利用した。

前回までの展開は --> こちら

Turn03d


4Turn

連合軍の潜水艦攻撃が成功し、日本軍のASPが1減少する。さらに日本軍にとって痛かったのは、取得できるカードが1枚減ってしまったことだ。
さらに連合軍は「ドゥーリットル空襲」を実施。「米国の戦意」を1段階上昇させる。「米国の戦意」は勝敗に直結するだけに、その動向は重要だ。さらに連合軍は「ヴェンジャンス作戦」を発動。山本五十六聯合艦隊司令長官を抹殺した。この山本長官の暗殺が後に響くことになる。

にしても呉で愛人と戯れていた筈の山本長官。一体どんな形で「戦死」したのかは興味が尽きない。

対する日本軍は、「アメリカ陸海軍の対立」カードを使用。米陸海軍を競合状態にした。マッカーサーが「空母2隻よこせばラバウルを取って見せる」とでも騒いだのだろうか・・・。

USN_BBワシントン連合軍にとっては困った状態となったが、何もしないという訳にはいかない。まずは進攻作戦を行って日本軍に圧力をかけることにする。将来攻撃カードとして温存していた「フォレジャー作戦」を使用。マーシャル諸島の中心地クェゼリン環礁(Kwajalein 4715)に対して海兵隊2個師団による強襲上陸作戦を敢行する。日本軍は情報カードを使用してこれを迎撃。この戦争で初めての日米艦隊決戦が発生する。
マーシャル沖海戦と呼ばれる海戦の結果は、兵力に勝る米艦隊の勝利で、日本軍は空母「翔鶴」(14-12-3)や戦艦「長門」(20-12)等多数の艦船が沈没又は大破した。
米軍は2個海兵師団でクェゼリン環礁に対する強襲上陸を敢行。日本軍も1個師団を緊急輸送させてこれを迎え撃つ。出目は連合軍にとって最悪で、米第1海兵師団(12-12)が水際で壊滅したが、兵力に勝る米軍は何とか日本軍の抵抗を排除し、クェゼリン環礁を支配した。

Turn04a


USMC_第1海兵師団ここでルールの注意点。実は私も勘違いしていたのだが、師団規模の米軍部隊が壊滅すると米国の戦意が1レベル下がってしまうと思っていた。しかしこれは間違いである。ルールブック(Ver2.0)を読むと、「米軍の師団規模以上の陸上ユニットが参加する戦闘で連合軍が攻撃側で全滅した場合に」米国の戦意が1低下するとなっている。この違いは結構重要で、前者なら連合軍は戦意低下を恐れて攻勢に慎重にならざるを得なかったが、後者ならより積極的に攻勢を仕掛けることができる。これにより連合軍はその補充能力を積極的に利用できるというメリットもある。参考までに英文ルールの原文を如何に記す。

16.45 US Casualties
If, as a result of a combat when the Allies are the Offensives player, the entire attacking force in a ground battle is eliminated and at least one of the ground units was a US land unit of division or corps size (XX or XXX) that can receive replacements, the Allied player automatically loses 1 Political Will point, moving the marker one box to the left.(後略)


さて日本軍である。日本軍としては米軍の侵攻を阻みつつ、インドの脱落による勝利を狙いたい。そのためにはまずビルマを攻め落とす必要があるが、そのためにはまずラングーンを奪取する必要がある。私自身過去何度かのプレイで痛感させられたのだが、ラングーンは連合軍にとって絶対に確保すべき要地である。だから連合軍の序盤における重要戦略の1つは、ラングーンに有力な守備隊を送り込み、その防備を固めることだと思っている。

IJ_聯合艦隊HQとはいえ、日本軍の手元には有力なカードが来ない。ガンジー関係のカードが2枚ほど手元にあるが、これはインパール作戦が成功してさらに北東インド一帯(現在のバングラデシュに概ね相当)を制圧しないと意味がないカードである。だから勿体ないとは思っても、ここでは単なる3COカードとして使用するしかない。しかも日本軍にとっては厳しいことに、聯合艦隊司令長官が死んでしまった。この影響はビルマ戦線ではかなり大きい。というのも、山本長官が健在ならば、ラングーンの1ヘクス手前は聯合艦隊司令部(Comb Fleet HQ)の指揮範囲内になる。従って聯合艦隊司令部の指揮下でラングーン攻略戦を発動できる。しかし山本長官戦死後は、聯合艦隊司令部の指揮範囲が1Hex小さくなってしまう。もとより指揮範囲ギリギリの位置にあったビルマ戦線は、山本長官の死によって聯合艦隊の指揮を受けることができなくなる。ということは、より能力の劣る南方軍司令部(South HQ)の指揮で作戦を実施しなければならない。これは活性化できるユニット数が2個減少することを意味し、ただでさえ困難なラングーン攻略が益々実施困難なものになってしまう。

IJA_Kor日本軍は乾坤一擲。最強の3個軍を投入してラングーン攻略を仕掛けた。期待は奇襲攻撃。20%の確率で奇襲に成功すれば、勝利の可能性は広がる。しかし無情にも奇襲に失敗。英本国兵を含めて万全の備えで待ち構える英印軍に対し、日本軍は正に飛んで火にいる夏の虫か・・・。上空支援にあたっていた日本陸軍航空部隊は、圧倒的な米英航空部隊を前に会えなく壊滅してしまう。それでも彼らは上空援護を全うしたため、日本陸軍地上部隊は無傷でラングーンに突入する。日本軍の強みは正面兵力の僅かな優位、英印軍の強みはジャングル地形によるDRMだ。そして結果は・・・。

Turn04b


英印軍の圧勝。英印軍の損害は僅か2ステップに留まったが、日本軍は実に5ステップもの損害を出してしまう。攻撃に参加した3個軍のうち2個軍は壊滅。残る1個軍(第14軍)もステップロスして撤退するしかなかった。ちなみに壊滅した日本陸軍は、朝鮮軍(18-18)と第38軍(20-12)で、いずれも日本最強の部隊であった。

勢いに乗る英軍は「ロムルス作戦」を発動。撤退する日本軍を追ってインド第1軍(12-12)が攻撃を加える。しかも奇襲に成功。日本軍万事休す。しかし、ここで天祐。なんと英軍が"0"の目を出して攻撃失敗。日本軍は九死に一生を得た。

日本軍は東部方面軍と第15軍をタイに送り込み、英軍のさらなる反攻に備える。
諦めない連合軍。今度は「S作戦」をビルマ方面で発動。3個軍と航空戦力、海上戦力を投入して攻撃を行う。今度もまた奇襲に成功。さすがに奇跡は2度は起こらず、日本陸軍第15軍はあえなく壊滅してしまう。
ところが・・・
IJA_第4飛行師団日本軍は「MO作戦」を発動してタイ国境まで進出した英陸軍部隊を襲う。空母と航空戦力だけを集中した空爆作戦だ。よしんばビルマ方面の英軍に少しでも打撃を与えようとした作戦であったが、これが何と奇襲に成功。英印軍3個軍のスタックが一撃で壊滅。僅かにインド第2軍(16-12)だけがステップロスした状態で残っていた。

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教訓:地上部隊だけの大規模スタックを放置するのは危険

この大損害により英軍もタイ領内への侵攻を断念。泰緬国境での前進防御を行う。日本軍はニューギニア北西部のビアク(Biak 3319)に侵攻。連合軍基地航空隊との戦いで貴重な艦隊戦力を失いながらもビアク島を占拠した。
連合軍はニューブリテン島ガスマタに地上軍(第11軍団22-12)を上陸させてラバウル侵攻への足がかりとする。日本軍は北部太平洋のアリューシャン列島に上陸作戦を行い、米本土に対して圧力をかける。

Turn04d
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このTurn、連合軍はProgress of Warを達成できなかったので、「米国の戦意」が1減少する(現在5)。ショートシナリオはここで終了になるので、この時点でのVPを計算してみたい。日本軍の獲得した勝利得点は、「米国の戦意」が5以下なので1点。それだけである。従って「連合軍の決定的勝利」となる。日本軍が本シナリオで勝利するためには、もっと積極的に行動し、例えば米豪連絡線を遮断して、さらにインパール作戦を成功させるぐらいの成果が必要になる。が、それはさすがに難しいだろう。逆にキャンペーンゲームで1942年終了時点でそこまで日本軍に押しまくられたら、連合軍の勝機は薄いように思える。

感想

ショートシナリオはここまでなので、一旦ここで締めておきたい。
まず今後の展開についてだが、現時点では日本側がかなり苦しい状況にあると考える。ビルマも落とせず、南東方面も地歩固めが出来ていない。マーシャル諸島も骨抜きにされており、連合軍はいつでもトラック、サイパンといった日本の心臓部を直撃できる。

今回のプレイでいくつかの教訓を得た。いくつかは本文中にも触れたが、例えばスラバヤやラングーンの重要性は実プレイでも是非生かしたい。また今回はあまり焦点にならなかったが、メダンやケンダリー等も場合によっては争点となり得る場所と思われる。例えばケンダリーに米軍の師団級以上の部隊が守りを固めていたら、日本軍としては攻めあぐねるかもしれない。

今回、本作を久しぶりにプレイしてみたが、やはり面白い。史実と比べるとやや極端な展開になる傾向があるのは否めないが(特にインド戦線)、その分ゲームとしては面白いと思う。カードドリブンなのでカードを引くたびにドキドキ感がたまらなく、手元に良いカードが来た時の喜びやカスカードばかりだった時の失望感等は本作ならではの楽しみと言えよう。

本作については近日中に対人戦を予定しているが、機会があれば今回のプレイの続きについてもチャレンジしてみたい。

(一応、尾張)

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Empire of the Sun(以下、本作)は、米国GMT社が2005年に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは太平洋戦争。1941年12から始まる太平洋戦争全体を1Turn=3か月、1Hex=150マイル(約240km)のスケールで再現する。

今回、本作の1942年シナリオをVASSALを使ってソロプレイしてみた。今回のプレイの目的は、近日本作で対戦することになったので、ルールや定石を再確認するということにあった。(ただし、このソロプレイの直後で私が大怪我をしてしまったことで対戦そのものは延期になっている)

なお今回のプレイにあたってルール及びコンポーネントは2007年発表の2.0版を利用した。

前回までの展開は --> こちら

3Turn

前のTurnに欧州戦線レベルが"0"になったため、第3Turnの連合軍増援は丸々登場する。さらに第2Turnの増援も遅延されていたので、このTurn連合軍が受け取る増援部隊は驚くべき量になる。まさにウハウハの連合軍。それに対して日本軍は未だに南方油田地帯を占領すらできていない。調子に乗る連合軍は、完全戦力の米第11軍団(22-12)と米第5空軍(10-10-2)をスラバヤに送り込み、日本軍に対する嫌がらせを行う。またガダルカナルには完全戦力の米第14軍団、米第5空軍を送り込み、ソロモンを伺う日本軍に圧力をかける。
そして米太平洋艦隊主力はハワイ真珠湾に集結。攻撃の機会を伺っている。

Turn03


教訓:第2Turn終了時までに日本軍はジャワ島の港湾をZOIに収めておく必要がある。でなければ、ジャワ島方面に増援が湧いてきて大変なことになる。

という訳でここで「宇垣裁定」を発動。ジャワ島への米軍増援はなしとし、増援部隊はニューギニア方面に戻すことにした。勿論対人戦ならばこんな「手加減」は無用。隙があれば蘭印方面に増援を送るべし。

Dutch_CA日本軍はまず3OCを使ってスラバヤを攻撃する。ここを落とせば米軍の増援部隊がジャワ島に上がってくることはない。数パーセントのリスクがあったが、聯合艦隊は期待に応えて残存するオランダ艦隊(3-8)を見事に撃滅(スラバヤ沖海戦)。日本陸軍の第19軍がスラバヤ攻略の大役を果たした。またスマトラ島南部のバンガ油田には完全戦力の第14軍(18-12)が上陸作戦を敢行。同地を無血占領していた。さらにニューギニアのVogelkop油田(3219)には、第1海軍陸戦隊(1SN)(4-6)が無事上陸に成功し、同地の油田地帯を確保した。これで日本軍が確保した資源ヘクスは合計11となり、残りはスマトラ島の2個所とラングーンのみとなった。

Turn03b


連合軍はパスを1回消費した後、再び日本軍。3OCでチャラチャップ(Tjalatjap 2019)を攻撃してこれを攻略。これでジャワ島平定は完了し、蘭印で残るはスマトラ島のみである。
USN_CVレキシントン裏連合軍は2OCで空母機動部隊を活性化。真珠湾から出撃させ、南太平洋のFunafuti(5371)に進出せしめた。これを待っていたのが日本軍。すかさず潜水艦による奇襲を行い、伊26潜が米空母「サラトガ」に魚雷2本を命中させて、これを大破した。
次の日本軍は3OCでパレンバンを占領。連合軍は基地航空隊を集中してラバウルを攻撃する。日本軍航空部隊に1ステップロスの損害を強いた。

IJN_BB長門次の日本軍は3OCでメダン(Medan 1813)を攻撃する。スマトラ島北西端のメダンはインド洋の入り口にもなっており、セイロン島を基地とする英東洋艦隊にとっても迎撃可能な位置であった。そのため日本軍は第35軍(9-12)を上陸部隊とし、空母、戦艦、巡洋艦による援護部隊を伴う大規模な上陸部隊を編制。メダンに対する強襲上陸を敢行した。上陸作戦は奇襲となって英軍は迎撃できず、メダンは一撃で陥落した。
これによって蘭印は全ての資源地帯を失ったことになり日本軍に降伏する。ジャワ、ボルネオ、スマトラ、セレベス、そしてバリ、チモール、アンボン等の島々は日本軍の支配する所となり、僅かに残っていた米長距離爆撃戦隊などは後退するしかなかった。これによって日本軍は第1段階作戦を終了し、必要な資源地帯を確保した。

Turn03c


連合軍は次にビルマが狙われると判断。ビルマ方面の守りを固めるべく行動を開始したが、その矢先、インドのガンジーが大規模なストライキを指導した。これによって英軍は作戦どころではなくなってしまう。

その後日本軍は地上兵力をビルマ国境に送り込み、ビルマ侵攻作戦に備える一方、太平洋正面に聯合艦隊を移動させ、南東方面からの米海軍による反撃に備える。連合軍もビルマ方面の防備を固める。

Turn03d


つづく

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Empire of the Sun(以下、本作)は、米国GMT社が2005年に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは太平洋戦争。1941年12から始まる太平洋戦争全体を1Turn=3か月、1Hex=150マイル(約240km)のスケールで再現する。

本作は2000年代前半に一世を風靡した「カードドリブンシステム」(CDS)を採用している。各Turnの最初に両プレイヤーは自身のカードデッキからランダムに4~7枚の戦略カードを引く。カードの枚数は基本7枚だが、欧州おけるドイツの快進撃やインド/オーストラリア等の主要連合国が脱落すると連合軍側のカードが減少し、米潜水艦による通商破壊、B-29による戦略爆撃、南方資源地帯の損失等により日本軍側のカードが減少する。一般的に連合軍側カードが減少することは稀であり、多くの場合日本軍側のカードが減少する。付け加えると、第3Turnまでは連合軍側のカードが自動的に減少する。
続いて両プレイヤーが交互にカードを使用してアクションを実行する。アクションには「イベント」と「オペレーション」の2種類があり、前者が歴史的イベント、後者が軍事行動になっている。プレイヤーはイベント/アクションのいずれか一方を実施する。なお、本作では、「軍事イベント」といって通常の「オペレーション」よりも大規模な軍事行動を行う特殊なイベントが存在する。わかりやすく言えば、史実におけるMO作戦やMI作戦、コーストウォッチャー作戦、アイスバーグ作戦等を現すものである。
アクションの進め方はオペレーション/軍事イベントとその他のイベントで異なっている。その他のイベントの場合はカードの記載に従って処置するだけだ。オペレーション/軍事イベントの場合は、まず活性化する自軍HQを選択する。その指揮範囲内のユニットをカードの内容とHQの能力によって決まる数値まで活性化する。なお優秀な司令部は指揮範囲と活性化能力が高い。ちなみに最も優秀なHQは、ニミッツ提督率いる米中部太平洋方面司令部(C Pac HQ)である。
オペレーション/軍事イベントを実行する側は、活性化したユニットを移動力の範囲内で移動させる。その際、敵ユニットの存在するヘクスを攻撃する場合には「戦闘マーカー」を置かなければならない。配置可能な戦闘マーカーの数は、オペレーションの場合は最大1ヶ所、軍事イベントの場合は上限なしである。
移動及び戦闘マーカーの配置が終わると、非活性化プレイヤーは奇襲チェックを行う。ダイスを振って一定の出目が出ると奇襲となり、非活性側プレイヤーは反応行動ができなくなる。奇襲の成功率は、作戦規模が大きく、敵航空機による哨戒網が及ばない場合に高くなる。また一部の軍事イベントは自動的に奇襲が成功するものがあり、それに対抗して反応カードの中に自動的に奇襲を失敗させるものもある。
奇襲が失敗した場合、非活性側プレイヤーは、戦闘ヘクスを指揮範囲内に持つHQを選択し、指揮範囲内のユニットを一定数まで活性化させることができる。活性化したユニットはリアクション移動を行い、戦闘ヘクスの戦闘に介入できるという訳。
これを史実に合わせて考えると、例えば日本軍は軍事イベントで「MI作戦」を選択。ミッドウェー島の攻撃を宣言したとしよう。米軍は奇襲判定を通過するか、または反応カードを使用して奇襲を失敗させる。そして真珠湾にあるC Pac HQを活性化し、空母や水上艦艇を結集してミッドウェーに向かわせる。そしてミッドウェー海戦。という案配になる。
このあたりの作戦の流れは、太平洋戦争における軍事行動を上手く再現しており、私的には本作で気に入っている部分である。

他には欧州情勢、植民地の攻略、米国の戦意等のルールがある。特に「米国の戦意」は重要で、本作の勝敗は「米国の戦意」の状況如何に関わっていると言っても過言ではない。

今回、本作の1942年シナリオをVASSALを使ってソロプレイしてみた。今回のプレイの目的は、近日本作で対戦することになったので、ルールや定石を再確認するということにあった。(ただし、このソロプレイの直後で私が大怪我をしてしまったことで対戦そのものは延期になっている)

なお今回のプレイにあたってルール及びコンポーネントは2007年発表の2.0版を利用した。因みに現時点(2022年1月)での最新版は3.2版である。



Turn02

2Turn

IJN_CV翔鶴日本軍としては速やかに資源ヘクス14個所を支配し、長期不敗体制を固めたい。しかしこれは言うほど優しくはない。まずは「第2段階作戦」カードをECとして使用。まず連合軍の航空戦力を撃破し、極東方面の連合軍HQ(SWPacHQ,MalayaHQ)を孤立化させたい。そのためにフィリピン方面のFEAF(極東空軍4-9-2)とMA(マレー空軍6-9-2)に対して空母及び基地航空兵力で攻撃を仕掛ける。出目によっては撃破に失敗する可能性もあったが、日本軍にとっては幸いにも攻撃に成功。極東方面における連合軍の航空兵力は壊滅的打撃を被り、残ったのはジャワ島に布陣する極東オランダ空軍のみとなった。
また残った活性化能力を使ってボルネオ島北東端のタラカン(Tarakan 2616)に強襲上陸を敢行。オランダ軍守備隊を撃破し、同地を占領した。この攻撃でもし日本軍が"0"の目を出していれば、攻撃は失敗に終わる所であった。これは日本軍が最も有効に支援を提供した場合の結果であり、もし日本軍が支援に手を抜けば、リスクはさらに増大する。

Turn02a


IJA_第38軍 連合軍が1回目のパスを行ったので、日本軍は作戦を継続する。日本軍が選んだのは「辻大佐の第82部隊」。日本人にはやや意味不明なイベントカードだが、自動的に奇襲攻撃となり、しかも攻撃に有利なDRMがつく。ただし後者はマレー半島でしか適用されないので、マレー半島に攻撃の軸を置く。
クワンタン(Kuantan 2015)には第15軍(18-12)と第25軍(9-12)が共同攻撃。同地を守る第3インド軍を攻撃。日本軍の攻撃は大成功で、インド軍は文字通り壊滅した。
他にはビルマ方面へ進撃する日本軍がビルマ・タイ国境を守るインド第18師団を1.5個軍で攻撃。インド師団の撃破には成功したものの、日本軍も第28軍(9-12)が撃破されてしまう。
他にはバリクパパン(Balikpapan 2517)に対する上陸を実施したが、出目に恵まれずに作戦失敗。「作戦の神様」辻参謀の魔力も、ボルネオでは通用しなかったか・・・。

Turn02b


IJA_第25軍裏その後日本軍は2OCでシンガポールを攻撃。これを陥落せしめた。連合軍がSWPac HQをマニラから撤退させたのを見て、マニラ侵攻を実施。これに成功して(成功率90%)、フィリピン全土が陥落した。マレー、フィリピン占領によって連合軍のPolitical Will(政治動向)が2段階低下して6になる。

連合軍はラングーンに迫る日本軍を阻止せんとラングーンにインド軍を集結せしめ、これを死守する構えだ。ビルマはインドへの門になる重要拠点。連合軍としては是が非でも守り抜きたい要域である。

ABDAHQさらに連合軍は「アルカディア会談」を実施。新らたにABDA軍を発足。その司令部をセレベス島の要域ケンダリー(Kendari 2719)に配置した。このケンダリーは、日本軍のどのHQからも補給が届かない厄介な場所であり、日本軍としては手を出しにくい場所と言えよう。

Marker_WIEそして連合軍は最後の1枚に「欧州戦線」を使用。これによって欧州戦線のレベルが"0"に戻った。これによって連合軍の増援遅延が非適用になる。序盤で増援の有無は結構大きい。


Turn02c


つづく

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