もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

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RedStorm_BA


以前に Red Storm - Baltic Approaches(以下、本作)のシナリオプレイを紹介した 。今回はその続き。シナリオ3「Clean Sweep」を紹介する。
このシナリオは、開戦初日の夕刻。バルト海へ機雷敷設任務に出動したデンマーク海軍に対し、WP側攻撃機が攻撃を加えるというものだ。WP側はできるだけ多数のデンマーク側揚陸艦の撃破を目指す。

登場兵力は、WP側が攻撃機16機、護衛戦闘機24機、SEAD機8機、偵察・哨戒機4機の計52機。そして海上部隊として対艦ミサイルを装備したオーサ型ミサイル艇2隻が登場する。
対するNATOは、デンマーク空軍のF-16 6機と、フリゲート艦3隻、機雷敷設艦8隻、さらに地対空ミサイル部隊が登場する。

Danish_F16


0Turn

RU_MiG27_KonevこのシナリオではNATO側の兵力は上記の通り固定されている。一方のWP側は大まかな編制は決まっているが、登場機種はランダム判定になる。判定の結果、護衛戦闘機はポーランド空軍のMiG-21bisとソ連空軍のMiG-23MLDが各12機、攻撃編隊はソ連空軍で、SEAD機はSu-24M、攻撃機はMiG-27Kとなった。Su-24MはKh-25MP(AS-10 Keren)対レーダーミサイル各2発を装備し、MiG-27KはEOGM(光学誘導ミサイル)を装備した。

Su24


1Turn

デンマーク空軍のF-16は、超低空に潜んで敵の探知を避けている。WP側は制空戦闘機24機を超低空飛行で先行させ、NATO側の戦闘機を狩り出そうとする。

2Turn

WP側戦闘機がNATOの防空ミサイル(Hawk-C)の射程圏内に入ってきた。SAMのレーダーがWP戦闘機を捉える。

Turn02


3Turn

PO_MiG21_Andersデンマークの首都コペンハーゲンを含むジーランド島(Zealand)。その南岸に展開するHawk地対空ミサイルが、接近するWP側戦闘機に対して複数のミサイルを発射した。しかしミサイルは目標を大きく逸れていく。ミサイル攻撃を受けたのはポーランド空軍のMiG-21bisの編隊。一旦は威力圏外に逃れるべく、針路を南に変じる。

Turn03


4Turn

NATO_TF1NATO側の戦闘艦艇もレーダーをOnにしてWP側戦闘機を追う。数発のRIM-7Mシースパローミサイルが発射されたが、これは目標に命中しなかった。先に反転したポーランド空軍のMiG-21の編隊が再び機首を翻してジーランド島に近づいていく。その間、マップ東端からは爆装したWP側攻撃編隊が続々と進入してきていた。

Turn04


5Turn

NATO_Hawk_31Hawkミサイルが再び発射され、今度はMiGを捉えた。1機のポーランド空軍MiG-21bisがHawkミサイルの至近弾を受けて炎上。墜落していく。この戦いでの最初の撃墜戦果になる。パイロットは脱出に失敗。機と運命を共にした。

Turn05


8Turn

WP側戦闘機隊がNATO艦隊の対空砲火を避けるために高高度に上昇する。そしてジーランド島に近づく。ドッグファイトが始まるのか・・・?

Turn08


9Turn

DN_F16_CravenWP側戦闘機2個編隊がジーランド島南端付近を飛行中のデンマーク空軍F-16編隊に対して強引に空戦を仕掛けた。しかし事前に目標の位置を把握していなかったため(Undetected状態)交戦に失敗。しかも低空に降下したことでジーランド島に展開するNATO軍自走対空砲の待ち伏せ攻撃を受けてしまう。ポーランド空軍のMiG-21bisはMANPADS(携帯式地対空ミサイルシステム)の直撃を受けて1機が撃墜。ソ連空軍のMiG-23MLDの小隊はレーダー照準の対空射撃を浴びて2機が被弾してしまう。その結果、ポーランド空軍、ソ連空軍の制空戦闘機各1個小隊が戦闘力を失って後退。WP側戦闘機戦力の1/3が一気に戦闘不能となる。

Turn09


一方、WP側攻撃隊はNATO艦隊に近づきつつあった。攻撃隊の先頭を飛行するTu-22M2海上偵察機は、搭載レーダーで艦隊前方に展開するデンマーク海軍のフリゲート艦Peder Skramを距離18海里で識別した。

Fregatten_Peder_Skram


10Turn

NATO側の増援編隊が登場してきた西ドイツ空軍のF-4Fファントムだ。残念ながら一番「外れ」だが(ファントム以外ならF-16Aだった)、まあNATOにとっては来ないよりは良い。

ZZ_SAMLaunchポーランド空軍のMiG-21bisが、距離10海里からデンマーク空軍のF-16A 2機編隊に対して攻撃を仕掛けようと降下を開始した。そこを狙っていたデンマーク海軍のフリゲート艦かRIM-7Mシースパロー艦対空ミサイルを発射。ミサイルはMiG-21の至近距離を通過して危うくMiGは回避した。しかしこの回避によってMiG-21は空対空戦闘を仕掛けるチャンスを逸した。

Turn10


ZZ_Radar_Identified先にデンマークフリゲート艦を捕捉したTu-22RD海上偵察機は、その後方にNATO艦隊の本命とも言うべき機雷敷設艦隊をレーダーで捕捉した。その情報は付近を航行中のオーサ級ミサイル艇に伝えられた。2隻のオーサ級は伝説的P-15U艦対艦ミサイル(SS-N-2スティックス)計8発をNATOの主力艦隊に目掛けて発射する。

P-15_Termit_missile


11Turn

RU_Tu22_YuriWP側の指揮混乱が発生し、このTurnにWP戦闘機は攻撃を仕掛けることができなくなった。この隙を突いてデンマーク空軍のF-16がソ連側攻撃本隊に襲いかかった。編隊の先頭を飛行するTu-22M2海上偵察機を捕捉したF-16はドッグファイトでこれを撃墜。しかしF-16の側もミサイルと機関砲弾を撃ち尽くし、戦闘能力を失う。

Tu22RD


12Turn

DN_F16_Craven別のF-16がソ連側攻撃隊に殴り込みをかける。MiG-27の1個編隊を目標とし、2機撃墜、1機撃破の戦果を挙げた。そのMiG編隊はミサイルを投棄して離脱を図る。

残ったMiG編隊は、次々と短距離ミサイルを発射し、NATO艦隊を攻撃する。12機のMiGが放ったミサイル攻撃により、Lindormen級小型敷設艦1隻が沈没。Falster級中型敷設艦1隻が中破、フリゲート艦Pader Skramが小破した。

Turn12


つづく

RedStorm_BA


「もし1987年初夏に第3次欧州大戦が勃発していたら」という仮想設定に基づき、東西ドイツ国境付近における航空戦を作戦戦術級で描いたRed Storm。このRed Storm - Baltic Approaches(以下、本作)は、Red Stormの追加オプションで、Red Stormにバルト海の戦場を追加する。

ゲームスケールは、Red Stormと同じく1Hex=2.5海里、1Turn=1分、1ユニット=1~4機の航空機。登場するのは、地域戦力として西ドイツ、デンマーク、ノルウェー、ポーランド、東ドイツ、スウェーデンが登場し、さらにソ連、イギリス、アメリカといったワールドパワーも登場する。面白い所としては、米海軍、海兵隊機が登場するが、特に米空母艦載機の登場は本シリーズでは第1作Down Town以来で、艦載機好きとしては嬉しい所だ。

バルト海の戦いなので、陸上目標以外に海上目標が登場する。登場するのはミサイル巡洋艦以下の水上戦闘艦と揚陸艦等で、水上戦闘艦は対空ミサイルや火砲で武装している。それに対して攻撃側は航空攻撃を仕掛ける訳だが、攻撃兵装としては通常爆弾、誘導爆弾等の他、空対艦ミサイルが登場する。さらに空対艦ミサイルを艦対空ミサイルで迎撃する場面もルール化されている。

という訳で今回は、本作最初のシナリオであるシナリオ1「Target Practice」をプレイしてみた。これは西ドイツの旧式駆逐艦に対する攻撃訓練を描いたもので、対艦ミサイルを搭載したトーネード4機と通常爆弾を搭載したトーネード4機が登場する。

TornadoIDS_GermanNavy


1Turn

西ドイツ海軍のトーネード編隊がユトランド半島のEggebek基地から発進する。最初に発進するのはコルモラン空対艦ミサイルを搭載したトーネード4機。搭載するミサイル火力は合計8火力である。ちなみに対艦ミサイル1火力は、恐らく1発の対艦ミサイルに相当すると思われるが、FA-18の搭載ミサイル数がHarpoon1発というのはやや合点がいかない所である。それでは1火力が対艦ミサイル2発に相当するのか?。しかしそれならシーハリアーの搭載ミサイルがシーイーグル4発になってしまうので、これもちょっと変。とにかくFA-18よりもシーハリアーの方がASM搭載能力が大きいというのが諸悪の根源だと思う。

Turn01

6Turn

先頭を飛行するトーネード編隊がレーダーで目標駆逐艦を捕捉した。距離20海里(8Hex)。コルモランの射程距離は15海里(6Hex)と短い。それに今回は敵の反撃もないので、距離10海里(4Hex)まで近づいてコルモラン対艦ミサイル計8発を発射した。

Turn06




7Turn

ミサイルを発射したトーネード編隊は上昇しつつミサイルの動きを追う。その後方から次のトーネード編隊が目標に近づく。8発のコルモランミサイルはほぼ全弾が命中。1隻は5発、別の1隻には3発が命中し、両艦とも沈没した。

Turn07




10Turn

訓練なので、状況を継続する。2隻の駆逐艦に対して今度は4機のトーネードが通常爆弾で攻撃する。2隻に対してそれぞれ4火力ずつで攻撃する。それぞれの駆逐艦には複数の爆弾が命中したが、両方とも撃沈するには至らず、2隻とも大破に留まった。

Turn10


感想

という訳でミッション終了である。勝利条件的には勝利したが、対艦ミサイルの命中精度と破壊力を考えれば、反撃してこない駆逐艦などはまさに「据物斬り」に等しい。やはりちゃんと「抵抗してくる敵」と戦ってみたい今日この頃である。

写真00


Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘で、所謂「第3次世界大戦モノ」のゲームだ。フルマップ2枚には東西ドイツ国境地帯のその周辺が描かれてい。マップの西端にはライン川が流れ、エッセン、デュッセルドルフ、ボン等が描かれている。マップ東端は東ドイツの都市エアフルト。南端はヴュルツブルク、北端はミュンスターあたりになる。1Hexは実際の2.5海里、1Turnは実際の1分間、1ユニットは1~4機の航空機を表している。

今回プレイするシナリオは、シナリオ6「Sanitized Corridors」(「消毒回廊」かな?)。シナリオの解説によると、NATO側の洗練されたSEAD戦術に対して、物量攻勢による対空制圧を本旨とするWP軍は、大量の対レーダーミサイル、チャフ散布、さらには遠隔ジャミングの組み合わせにより、「対空防御無力化地帯」の形成を試みる。それは幅50km、深さ200kmにも及ぶ巨大な回廊で、形勢された回廊を通過してWP側航空機はNATOの後方地域へ自由に攻撃が仕掛けられるようにすることが目的であった、とのこと。
そのためにWP側は、攻撃本隊だけで24機の長距離戦闘爆撃機を用意し、それを護衛する戦闘機が28機、対レーダーミサイルを搭載した大型SEAD機(TU-16Kバジャー)が8機、各種電子戦機(ジャミング、チャフ散布等)が7機、そして戦果確認のための偵察機が2機と、合計69機にも及ぶ大編隊を投入してきたのである。

Tu16


対するNATO側は、6個大隊のナイキ・ハーキュリーズ長距離地対空ミサイル、3個大隊のホークC中距離地対空ミサイル、そして僅か8機の戦闘機でこれを迎え撃つ。果たして「消毒回廊」の形成は成功するのか否か・・・。

Nike-Hercules


今回、私はNATO側を担当した。

本作で一番楽しくかつドキドキするのはセットアップである。特に登場する航空機を決める瞬間ほどドキドキするものはない。しかも重要度も大きい。例えばNATOの場合で言えば、自身の指揮する戦闘機が、最新鋭のF-15、F-16の場合と、旧式のF-104、F-5の場合、戦力がどれほど違ってくるか。考えなくてもその違いは理解できよう。

今回、迎撃側である我がNATO軍には、CAPにつく戦闘機が2隊4機、他に地上待機の戦闘機が2隊4機が登場する。攻撃するWP側航空戦力は戦爆連合約70機の大編隊。戦力的には些か寂しいが、最新鋭機が登場してくれれば何とかなる。
そう思ってダイスを振ったが、結果は今一つであった。
WG_F4_Otto戦闘機は西ドイツ空軍のF-4Fファントムが4機、英空軍のFGR2ファントムが4機。まさに「ファントム三昧」。しかし西ドイツ空軍のファントムは、何故がファントム最大の武器であるAIM-7スパローの運用能力がオミットされたモデル。何でドイツ人はこんな中途半端な機体を採用したのが。今さらながら意味不明である。

WG_F4F


NATO_Nike-Herc_13愚痴っていても始まらないので、取りあえず配置を続ける。今回の主役はどちらかといえばSAM。戦闘機は脇役と考えよう。そこでNATOとしては防空エリアを3分割し、前線直後の領域を「第1SAM防御帯」、その後方地域を「戦闘機防御帯」、さらにその後方の中核部分を「第2SAM防御帯」とした。そして第1SAM防御帯の主役はホークC地対空ミサイル部隊、第2SAM防御帯の主役はナイキ・ハーキュリーズ長距離地対空ミサイル部隊とした。

Map01


果たして、NATOの防御策は吉と出るか凶と出るか・・・。

WP_AF_U序盤、WP軍の攻撃隊はマップの北端沿いに進入してきた。NATO側としては些か厄介な展開である。というのも、WP側が広正面から侵攻してくれれば、敵の侵攻路を横切るように配備されたSAM部隊が全力発揮できる。しかし狭正面から侵攻されれば、SAMの一部が遊兵化してしまう。何とかして敵の戦争資源を消費させたい。幸い攻撃本隊以外の護衛やSEAD部隊は広く散開してきたので、主攻勢軸から外れたエリアのSAMは、SEAD機やCAP機に対して攻撃の姿勢を示した。敵がそちらに対SAM戦力を少しでも割いてくれれば良いと考えたためである。

Map02


RU_Tu16_Elena幸い敵はその手に乗ってきた。NATOのSAMがWP側のCAP機やSEAD機をレーダーで追尾する度にARM(対レーダーミサイル)を発射してNATOのSAMを制圧してきたのである。NATO側はARMが発射される度にレーダーをシャットダウンしてその攻撃を躱す。レーダーシャットダウンしている間はSAMは敵機を追跡できないが、ARMが着弾した後は再びレーダーのスイッチをオンにできる。敵SEAD機のARMは数に限りがあるので、これを繰り返せばいつか弾切れを起こすはずだ。

写真01


その間、NATOの要撃戦闘機は超低空飛行で敵のレーダー探知を避けていた。超低空飛行ではレーダーに探知される可能性が著しく小さくなることに加え、NATO機の場合Turn終了時に超低空にいるとレーダー探知が自動的に解除されるという特徴がある。そのためTurnが進むにつれてWP側編隊は次々と発見されたが、NATOの戦闘機は非発見状態を維持していた。

UK_F4M


NATOが狙っていたのは、WP側のSEAD機が爆撃編隊のような「高価値目標」をCAP機で撃破すること。そのためには敵の護衛戦闘機を避けて何とか「高価値目標」に肉薄したい。とはいえ、WP側も簡単にはNATOの戦闘機を近づけさせてはくれない。両プレイヤーの丁々発止の駆け引きが続く。

NATO側が勝負に出たのは、第7Turnのことであった。これまで超低空飛行を続けていた戦闘機隊のうち、英空軍のFGR,2ファントム2個編隊計4機をズーム上昇で中高度に占位させ、その攻撃圏内にWP側高価値目標を捉えようとしたのである。

写真02


次のTurnに主導権を取った方が勝つ。

RU_MiG29_Stepanovそして運命の第8Turn。主導権を取ったのはWP側だった。上昇することによって姿を晒した英空軍のファントム隊に対し、ソ連空軍最新鋭のMiG-29フルクラムが襲い掛かる。R-27中距離ミサイルの攻撃を辛くも躱したファントム隊だったが、続いて突入してきたフルクラムとの激しいドッグファイトに巻き込まれてしまった。練度では勝る英空軍パイロット達であったが、機体の性能差は如何ともし難く、1機のファントムが撃墜されてしまう。

さらに別の空域では、MiG-23フロッガーの編隊が西ドイツ軍F-4Fファントムを低空格闘戦に巻き込み、ファントム1機を撃墜する。フロッガーは1機が被弾したのみである。

UK_F4_AxeNATOも一矢を報いる。生き残ったFGR.2の別編隊がソ連軍のTu-16バジャーの編隊にSkyFrash空対空ミサイルによるBVR攻撃を仕掛けたのである。ミサイルは惜しくも外れたが、突然の攻撃に驚いたTu-16バジャーの編隊は、搭載していたARM全弾を投棄して逃げていった。このバジャー隊は、後にHawk地対空ミサイルの攻撃を受けて1機を失っている。

その後の展開は、NATOのSAM部隊とWP軍SEAD部隊との交戦。その隙を狙って西ドイツ空軍のファントムが高価値目標を狙う。それを阻まんとするWP側のMiG-23、MiG-29戦闘機。最後は西ドイツのファントムがチャフ散布中のMiG-23を捕捉。ドッグファイトの末、AIM-9Lの攻撃で1機を撃墜した。

写真03


感想

今回のプレイは、11Turnで終了した。WP側の編隊は攻撃航程の半ばぐらいであり、目標まではまだまだ遠い。ただしNATO側の戦闘機は、約半数が戦闘能力を失っている状況なので、この先はSAM部隊とWP側攻撃隊との交戦になるだろう。ちなみにWP側のSEAD部隊は2部隊あったが、1部隊は先述した通りNATO戦闘機の迎撃を受けて撤退。もう1部隊は搭載しているARMを全弾撃ち尽くしたため、これまた撤退中であった。従ってこの後のWP軍はSEAD機の援護を欠いた状態で目標に向けて侵攻する必要があるので、苦戦を強いられることが予想される。

ちなみに今回のプレイ時間はセットアップも含めて7~8時間。それも事前にNATO側の初期配置は準備していての時間である。今回はWP側が敵中奥深くに侵攻するシナリオだったので時間がかかったが、例えばシナリオ3のように最前線を爆撃するだけのシナリオならもう少し短時間でプレイできただろう。今回のような1日だけの例会なら、シナリオ3の方が良かったかも知れない。

まあそうはいってもRedStormはやはり面白い。機会を見つけて再戦したい作品の1つである。

ちなみに、今回プレイしたのは、こんな場所でした。

写真04
写真05

Mirage5BR_BE


Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘である。実際に起こらなかった戦争を再現する本作は、一種の「仮想戦」ゲームといえる。ゲームシステムについては、 以前の記事 を参照されたい。

今回は、その中からシナリオRS12:Second Echelon Forcesをプレイしてみた。プレイスタイルは、VASSALを使ったソロプレイである。

前回までの展開は --> こちら

17Turn

BE_Mirage_LiegeNATO偵察機が目標上空に進入した。WP側は対空砲火の弾幕射撃、レーダー誘導の重対空砲(FireCan)、さらにはSA-13赤外線誘導ミサイルの斉射でこれを迎え撃つ。あらゆる砲火が4機のMirageに集中し、そのうち1機が弾幕射撃による至近弾を食らって軽微な損傷を被った。しかし偵察機は激しい弾幕をものともせず目標上空に突入し、戦果確認の写真を撮ることに成功した。

Turn17a


18Turn

RU_SA13_A3Tornado隊は全機がNATO占領地区上空へ引き上げた。残りは偵察機とその援護機だけである。離脱中の偵察機がSA-13赤外線誘導ミサイルの攻撃を受け、危うくそれを回避したものの、回避運動によって高度が低下してしまう。先が思いやられる。

Turn18a


19Turn

ZZ_StandoffJamming_A戦場離脱を図るNATO偵察機を援護すべくNATO電子戦機は生き残ったWP SAM部隊に対してスポットジャミングを仕掛けて制圧を図る。スポットジャミングの効果は大きく、発射されたWP側SAMは全く効果がない。このTurn、WP側に増援のQRA(Quick Reaction Alert:緊急即応体制)編隊が登場する。

「何をいまさら」

の感が無きにしも非ずだが・・・。NATO側のCAP機は敵機の出現に備えて包囲の布陣を敷く。しかしWP側戦闘機も友軍対空砲火に守られた「天の岩戸」に籠っているため、NATO側戦闘機も手出しができない。

Turn19a


20-23Turn

その後迎撃を試みたWP側のMiG編隊をNATOのCAP隊の集中攻撃をしかける。1機のMiG-21がAIM-7FのBVR攻撃によって被弾損傷して這う這うの体で逃げるしかなかった。NATOの編隊は無事戦場を離脱し、戦闘は終了した。

Turn23a

結果

NATO側の戦果

空中戦の戦果:撃墜3、軽損傷1
地上攻撃の戦果:侵攻目標完全破壊1、重損傷1、軽損傷1
侵攻目標以外で早期警戒レーダー1重損傷、SA-4大隊1重損傷、SA-11大隊3重損傷、FireCan1重損傷。

WP側の戦果

空中戦の戦果:なし
対空射撃の戦果:大破1(F-16)、小破1(Mirage5BR)


VPはNATO側が42VP、WP側が3VPで、差は+39。NATO側の決定的勝利であった。

感想

WG_Tornado_Emil無誘導兵器の使用を前提とした時、Tornadoの対地攻撃能力は抜群である。それは新鋭のF-16CやFA-18をも上回るもので、これを上回る能力を持つものは米空軍のF-111F Aradvarkぐらいで、Tornadoの対地攻撃能力の高さが伺える。
ただし・・・、この「優秀さ」には1つの前提が存在する。それは「無誘導兵器の使用」という前提条件である。
しかし史実における湾岸戦争でも明らかになったが、無誘導兵器による攻撃は当時既に時代遅れになりつつあった。ベトナム戦争で示された低空防御用の強力な対空火器が、有人機の無誘導兵器による攻撃を自殺行為に変えつつあったのである。対空火器をスタンドオフ可能で、しかも正確に目標を破壊できる兵器。すなわち誘導兵器が対地攻撃の主役になりつつあったのだ。
誘導兵器の使用をも考慮に入れた場合、Tornadoの対地攻撃能力はかなり割り引いて考える必要がある。本作のADC(Air Data Card:航空機性能表)によればTornadoは誘導兵器の運用能力がないのだ。そのためTornadoの実質的な対地攻撃能力は、LGB搭載可能なF-4D/E、F-111F、F-117A、A-7D、A-10Aといった米空軍機やJaguar、Harrier、Buccaneerといった英空軍機に劣る(ただしF-16A/CやCF-18はLGBを搭載できないのでTornadoの方が強い)。

US_F111_Jackal今回NATO側に損失機はなかったが、2機の損傷機を出した。その原因は弾幕射撃とレーダー誘導対空射撃(FireCan)によるものである。SAMについては完全にシャットダウンされた形になったが、その原因はNATO側各機の強力な内蔵ECM(欺瞞妨害装置)とスタンドオフジャマーの効果、そしてSEAD機の活躍による所が大きい。内臓ECMについては、NATO側攻撃機の殆どがレベル3の欺瞞妨害装置を装備していたため、SAMやレーダー誘導対空砲火はそれだけで不利な方向に3のDRMを受けることになる。さらに今回登場した3機のスタンドオフジャマー機がマップ全体を覆うような形で広域ジャミングを実施したため、WP側のレーダー誘導SAMはそれによりほぼ無力化されてしまった。このことは、比較的電子妨害の影響を受けにくい赤外線誘導SAMであるSA-13が比較的善戦している(Tornadoの1個編隊に爆装を投棄させたのはSA-13の戦果である)ことからも伺えよう。下図は今回の戦いにおける典型的なNATO側スタンドオフジャミングの実施状況だが、妨害電波がWP側防空部隊の殆ど全部を覆いつくしていることが理解できよう。今回の教訓として、NATO側の電子妨害手段としては、エスコートジャミングよりもスタンドオフジャミングの方が有利だと言えよう。妨害機の安全確保という観点だけではなく、同時に広範囲を制圧できるという制圧能力の観点からも左記の主張は正しいと言える。

Turn99a



SEAD機については、何と言ってもF-4G WildWeaselの活躍が大きい。強力なHARM対レーダーミサイルを2発搭載できるのはF-4Gだけなので(F-16CはHARMを1発のみ搭載可能)その能力はずば抜けている。無論NATO側SEAD機の全てがF-4Gのように優秀な訳ではなく、例えば英空軍のTornado/Jaguar、カナダ空軍のCF-18のようにARMを搭載できない機体も存在する。そのような機体が出てきた場合、NATO側はWP側地対空ミサイルへの対応に苦慮することになるだろう。

RU_MiG23_Budarin空対空戦闘については、今回NATO側の戦闘機はあまり強力なものではなかった。主力は米空軍のF-4E Phatom。これはルックダウンレーダーを持たない機体であるため、超低空に隠れているWP側戦闘機を積極的に狩り出すのは困難が伴う。ルックダウンレーダーを搭載した機体としてはSEAD任務のF-16Cがあったので、これをもっと積極的に戦闘機狩りに使うべきだったかも知れない。いずれにしてもWP側の迎撃機が旧式機ばかりだったので(最有力なのがソ連空軍のMiG-23M)NATO側は大した苦労もなく制圧できたが、もしWP側迎撃機の中に最新鋭のMiG-29が混じっていたら、NATO側は思わぬ損失を招いたかもしれない。

ここまで見てきたように、本作は登場する機体の性能によってゲームバランスが大きく変動する。今回はNATO側の圧勝に終わったが、登場した機体がNATO側にとって有利な組み合わせであったことによる影響が大きい。登場機体はプレイヤーが選択できずにランダムに決まってしまうため、純粋に勝敗を争うゲームとしてはやや不向きな所がある(その点「ソロプレイ」はあまりバランスを気にしなくて良いので楽である)。
ただし本作は現代航空戦が好きで、その雰囲気を楽しみたい方にはうってつけの作品である。特に東西両陣営の様々な軍用航空機がその本来の能力を盤上で存分に発揮できる作品は他にはないだろう。単なる空戦ゲームとは異なり、爆撃機や各種支援機、地対空兵器の活躍をこの目で確認できる点が良い(F-111やSu-24がこんなに「有難い」と思える作品が他にあっただろうか・・・)。現在航空戦が好きな方ならば、一度はプレイしてみて損のない作品だと思う。

EF-111A_Raven

RedStorm


Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘である。実際に起こらなかった戦争を再現する本作は、一種の「仮想戦」ゲームといえる。ゲームシステムについては、 以前の記事 を参照されたい。

今回は、その中からシナリオRS12:Second Echelon Forcesをプレイしてみた。プレイスタイルは、VASSALを使ったソロプレイである。

前回までの展開は --> こちらく

10Turn

WG_F4_Otto敵中深く侵攻していた西ドイツ空軍のF-4F Phantomの2機編隊が東ドイツ空軍のMiG-21MF 2機編隊を捕捉した。米空軍のファントムとは違い、西ドイツ空軍のファントムはレーダー誘導ミサイルを持っていない。西ドイツ空軍はその愚に気づき、開発中のAIM-120 AMRAAM運用能力を付与したF-4F ICE(Improved Combat Efficiency)モデルを開発していたが、この戦争には間に合わなかった。
閑話休題。西ドイツ空軍のF-4Fは敵機の正面2.5海里まで接近し、全角度攻撃能力を持つ赤外線誘導のAIM-9Lミサイル2発を発射した。ミサイルのうち1発がMiGの至近距離で炸裂。そのMiGは撃墜こそ免れたものの、戦闘力を完全に失ってしまう。この攻撃に驚いたMiG-21の2機編隊は、一挙に戦意を喪失し、反転して後退を図る。

BE_F16_Amberソ連軍のMiG-23Mが反撃に転じる。上昇して高度を取り、正面7.5海里の距離からR-23レーダー誘導ミサイルによる攻撃を仕掛けるが失敗。さらにSEAD任務の米空軍F-16Cに対してドッグファイトを仕掛けるが、交戦に持ち込むことはできなかった。
それを見たベルギー空軍のF-16A Falcon 2機からなるCAP編隊(Amber小隊)がMiG-23MFに襲いかかる。低空における格闘戦。しかし格闘戦用に設計されたF-16Aに対し、高速力を重視して設計されたMiG-23では明らかに分が悪かった。F-16Aの20mmヴァルカン砲がMiG-23MFを貫き、燃料タンクから火を噴いたMiG-23はGottingen南東の平原に向けて落ちていった。

Turn10a



11Turn

WG_Tornado_EmilWP側の迎撃戦闘機が概ね制圧できたので、NATO側の攻撃本隊が攻撃態勢に入る。爆装した16機のTornadoが北西の山岳地帯上空で散開し、それぞれの目標に向けて最終攻撃行程に入っていく。攻撃隊の左右を守るSEAD機は活動しているSAMに対して制圧攻撃を行う。目標の西側から近づくのは、無人機BQM-74C 16機からなる囮編隊。WP側の防空組織の攪乱を狙っている。 なお、執念深い西ドイツ空軍のファントム編隊は、戦意を失って逃げる東ドイツ空軍のMiG-21を追うが、1機を1機をサイドワインダーで大破させただけであった。
Turn11a



12Turn

WG_Tornado_EmilNATO側に最初の損害が出た。対空制圧のためWP側機甲師団上空に進入した米空軍のF-16C Falcon 2機編隊がレーダー誘導対空砲(Fire Can)の照準射撃を受けて損害を被ったのである。このF-16C編隊はSEAD任務機で、自身も強力な欺瞞妨害装置を搭載し、さらに強力なスタンドオフジャマーによって援護されていたが、まぐれ当たりとでもいうべきか。1機のF-16が対空砲火の至近弾を食らって大破してしまう。僚機の被弾をみたもう1機のF-16Cは、このFire Canに対して急降下爆撃を敢行し、至近弾によりこれに大損害を与えた。

Turn12a



13Turn

RU_FireCan攻撃隊が目標上空に近づいてくる。対空制圧を担当する米空軍のF-16C Falocn部隊は、激しい対空砲火を縫って対空制圧任務を続けている。このTurn、シュライクARMの攻撃でFireCan 1個を事実上撃破。さらに中対空砲陣地にクラスター爆弾による制圧爆撃を行い、これに大損害を与えた。

Turn13a



14Turn

ZZ_Attack4西ドイツ空軍のTornado隊が次々と目標上空で爆撃を開始した。1個編隊(4機)は赤外線誘導のSA-13ミサイルによる奇襲を受けてその回避のために爆撃の機会を失ったが、3個編隊(12機)が爆撃に成功し、それぞれ目標としていた戦車2個部隊と自走砲1個部隊に大損害を与えた。

Turn14a



DownTown(ベトナム戦争)に比べると、AAAの命中率が低くなっているので、脅威度は下がっている。DownTownの場合は事前爆撃でAAAを制圧しておかないと怖くて目標に近づけなかったが、こちらでは対空火器の制圧にリソースを回さずに全部を主目標に投入した方が効率が良さそうだ。あとはAAAの命中率を低くするために中高度爆撃に徹し、低空に降りない方が良い。そして全弾投下したら後は逃げるが勝ちだ。
それにしてもIR-SAMにはマイッタ。AAAの命中率を少しでも下げるために目標上空ではアフターバーナーを焚いて突破するのだが、アフターバーナーが裏目に出てしまった。うーん、IR-SAMの脅威を完全に無力化するために、高高度投弾した方が良かったのかなぁ・・・?


SA-13


15Turn

ZZ_RadarShutdown爆撃隊による攻撃が終わったので、攻撃隊は次々と離脱していく。それに対して赤外線誘導のSA-13ミサイルが斉射されたが、高高度へ逃れたTornadoに対しては効果がなかった。引き続いて目標上空には戦果確認のためのNATO側偵察機が接近してくる。偵察機を狙うSA-11に対し、SEAD任務のF-4GがHARM対レーダーミサイルを発射。SA-11は緊急にレーダーシャットダウンを実施したが、HARMは目標を逃さずに直撃。SA-11は機能を喪失した。

Turn15a


16Turn

ここでルールミス発覚。第14Turnに実施した爆撃だが、断雲の効果を適用し忘れていた。断雲を挟んだ目視爆撃の場合、-2のDRMが適用されるので効果が1ランク低下して4から3に変更になった。うーん、ここは損害を恐れず超低空まで降りて爆撃すべきだったか・・・。あるいは必殺のMW-1B散布爆弾(地上部隊に対する攻撃力が3倍になる)で超低空からの爆撃を敢行すべきだったかも・・・。ちなみにレーダー誘導爆弾(LGB)であれば、中高度以上から遥かに有効な爆撃を実施できるが、Tornadoは悲しいかなLGBの運用能力持たない。米軍のF-4やF-111F、あるいは英軍のJaguar GR.1AやHarrier GR.3ならLGBを運用できるのだが・・・。湾岸戦争で苦戦を強いられたTornadoの弱点が見事に再現されている・・・。

US_F16_RaiderNATO偵察機(ベルギー空軍のMirage 5BR)が目標上空に近づいてくる。Tornado攻撃隊は安全圏へ向けて離脱中。対レーダーミサイルを撃ち尽くしたNATO側SEAD隊は機銃によって敵SAMの制圧を図る。F-4G Phantom 2機のVegas隊は修理中のSA-4大隊を機銃掃射。事実上これを機能停止に追い込んだ。またF-16C Falcon 2機からなるRaider隊は活動中のSA-11大隊に対して接近攻撃。付近のSA-13赤外線誘導ミサイルが打ち上げてくる中での機銃掃射を敢行し、SA-11部隊に大損害を与えた。

Turn16a


つづく

TornadoIDS_WG

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