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今回紹介する「The Third World War」(以下、TTWW)は、GDW社が1984年に発表したシミュレーション・ウォーゲームです。本作のテーマは文字通り幻に終わった東西両陣営による第3次世界大戦で、想定年代は1990年です。ホメイニ師の死亡によるイランでの政変が引き金になって東西両陣営が欧州全域とペルシャ湾周辺で激突する、というのがTTWWの想定したシナリオです。

2022年にTTWWが「デザイナー復刻版」(Designer Signature Edition)としてCompass Gamesから再販されたことは、 以前に紹介した通りです。

本作について詳しくは、こちら を参照してください。

今回、本作のBattle for GermanyシナリオをVASSALでプレイすることになりました。筆者はNATO軍を担当します。またステルス航空機は、オリジナル版のF-19を使用し、さらにオプションの戦術核兵器ルールは使用しませんでした。



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1Turn

NATO前方展開

US_11CR_557最初はダイス目の悪さに苦しんだが、なんとかキールからハンブルク、ハノーバー、カッセル、ニュールンベルグにかけて戦線を引いた。しかしフルダギャップ正面は空中機動ZOCを張れなかったため、弱体なNATO師団ユニットを横並びにするのが精一杯だった。ここをぶち抜かれるとヤバイ。

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初期セグメント

SU_TU160まずは戦略航空作戦を行う。WP側にとって制空権を確保できるのは、事実上第1Turnのみである。ここでWP側はNATO側航空戦力にできるだけ打撃を与えておき、第2Turn以降の航空戦を少しでも有利にしたい所だ。制空権を取れなくても、出来る限りNATO側の航空優勢を弱めておきたい。
WP側は滑走路破壊任務にTu-160ブラックジャックとSu-20フィッター各1ユニットを投入してきた。護衛はMiG-23フロッガーが2ユニット。戦闘機で迎撃してもブラックジャックは食えないのでSAMによる迎撃に期待。SAMの反撃でTu-160ブラックジャックを撃墜した。しかしWP側の爆撃で滑走路にクレーターを2個穿った。

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WP第1インパルス

SU_9TD_1296南方ではソ連軍第1親衛戦車軍、第28軍、チェコ第41軍による猛攻を受けて米第1機甲師団(15-15-7)、西ドイツ第4装甲擲弾兵師団(9-10-7)が壊滅してしまう(2回連続で6の目を出された)。南方戦線の危機。ミュンヘン、ニュールンベルグが包囲される。ニュールンベルグでは、米第2機甲騎兵連隊(4-4-7)、西ドイツ第10装甲師団、米第7軍団攻撃ヘリ部隊(4-4-7)が包囲されてしまう。ミュンヘンでは、西ドイツ第27空挺旅団(1-2-8)が圧倒的多数のWP軍による攻撃により絶望的抵抗を続けている。

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SU_9GTD_1296北方では、ユトランド半島の付け根にソ連第3打撃軍、第2親衛軍、第4親衛戦車軍が猛攻撃を仕掛けて、国境を守る西ドイツ第6装甲擲弾兵師団(9-10-7)、同第3装甲師団(10-9-7)がたまらず潰走する。WP軍の猛攻はさらに続き、第3打撃軍を主体とする攻撃部隊が要地キールを攻撃。同地を守る西ドイツ第1装甲師団(10-9-7)と攻撃ヘリ部隊(4-4-7)をまとめて撃破。キールを占領する。

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一方、突破が危惧されたフルダ正面は、ソ連第8親衛軍、第20親衛軍による攻撃を撃退して、国境線付近の防衛ラインを維持した。

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NATO予備インパルス

前線を前に出して包囲下の部隊を救出するよりも、一旦戦線を後ろに下げて、強固な防衛ラインを構築することにした。ハンブルグ、ニュールンベルグ等で包囲されている部隊には申し訳ないが、制空権を取り返すまでは積極的な反撃は難しい。拠点に籠って耐えてもらうしかない。

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WP第2インパルス

WP軍の猛攻は続く。北部戦線では何とかハンブルグが持ちこたえたが、その南、ハノーヴァーでは、米第3機甲師団(15-15-7)がソ連第8親衛軍、第20親衛軍の攻撃を受けて壊滅。フルダ渓谷の北側が破られた。

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南方では遂にミュンヘンが陥落する。

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NATO第1,2インパルス

US_8MD_14167前線に突出したハンブルグ、ニュールンベルグは敵中に孤立させる。NATOの戦線は、北海側ウェーザー川河口から、ブレーメン、フルダ渓谷、ウルツブルグ、シュタットガルトの線で引く、第1線が抜かれた場合に備えて、その背後には、オランダ国境からルール工業地帯、フランクフルト、マンハイム、フランス国境への第2線を構築した。第2線は戦いで疲労した部隊の再編制地帯としても使用する。

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全く反撃しないのも何なので、余剰兵力をかき集めて2ヶ所で反撃を実施した。ソ連軍の機械化歩兵師団2個を包囲殲滅し、NATOの健在ぶりをアピールした。

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つづく