もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

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The Luftwaffe and the War ar Sea 1939-1945

David Isby編 Greenhill Books

211016_Luftware

タイトルは「ドイツ空軍と海上戦争1939-1945」で、WW2におけるドイツ空軍と海上戦闘との関わり合いを著したものである。この著作は、ドイツ海軍空軍の士官が語ったドイツ空軍、海軍が戦った欧州海域の戦いについて記したものを集めたものである。著者のDavid Isbyは、言わずと知れたAir Warのデザイナー氏である(多分)。本書は実際に戦争を戦ったドイツ海空軍の士官が数多く登場し、中には戦争前半にUボート部隊、戦争後半にはドイツ海軍全部を率いたデーニッツ提督もインタビューに登場している。
本書で多く取り上げられているのは、航空兵力に関するドイツ海軍とドイツ空軍の指揮系統の問題。「空を飛ぶものは全てドイツ空軍の指揮下にある」というのがドイツ空軍の言い分であったため、例えば戦艦・巡洋艦等に搭載されている艦上水上機もドイツ空軍の指揮下にあった。しかし実戦の場面では海空軍による共同行動の必要性が出てくる。そのような場合、統一した指揮系統を持たなければ様々な不都合が発生する。ドイツ海軍側は実戦の場面で航空部隊を自身の指揮下に置くことを求め、ドイツ空軍はそれに抵抗する。そういった葛藤が描かれている。本書を読むと、空軍独立が必ずしも海上作戦に利するものではないことが理解できよう。あの戦争全期間を通じてドイツ空軍が撃沈した敵戦艦、空母は、僅かに停戦後のイタリア戦艦「ローマ」1隻に過ぎなかったのだから。

お奨め度★★★

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OCS(Operation Combat Serirs)は、1990年代に米Gamers社から発表されたゲームシリーズである。このゲームは、共通のルール基盤で第2次大戦及びその前後の陸上戦闘(一部航空戦及び海上戦を含む)を再現する。今回、OCSシリーズの1作であるSicily-II(以下、本作)をプレイすることにした。本作は2016年に発売されたOCSシリーズの1作品で、タイトル通り1943年7月~8月のシシリー上陸戦を扱う。
今回はメインシナリオとも言うべきシナリオ5「ハスキー作戦」をプレイした。今回はVASSALによる遠隔対戦で参加者は3名(連合軍2名、枢軸軍1名)である。OCS初心者の私は、米軍を担当した。

前回までの展開は --> こちら

Turn02e


3Turn(43/07/17)

US_2A_673b主導権を取った連合軍が先手を取った。Licata方面で突破口を啓開しつつあった米第2機甲師団、第3歩兵師団はLicataの北西部にあるイタリア軍の弱点部を狙って集中攻撃を加えて突破口を啓開する。チャンスとばかりに予備待機していた機甲大隊、偵察大隊が敵中を突破。ヘルマンゲーリング師団の背後に位置する補給所を襲う。無防備に配置された補給所は米軍部隊の蹂躙する所となり、付近に配置されていた補給ポイント5SP以上が灰燼に帰した。

Turn03c


「これで勝負あった」
と一度は思ったが、そうは問屋が卸さない。ドイツ軍はヘルマンゲーリング師団をゲラ湾前面から引き上げさせ、Piazza Armerina(40.13)付近の山岳地帯に後退させ、山岳地帯に戦線を引く。これで米軍部隊が東へ向けて突破する道がふさがれた。
西に向けては、山岳地帯を抜けて北西岸パレルモへ向かうルートは、イタリア軍Aosta師団(13-3-3)の分遣隊が山道を塞いでします。
海岸沿いに西に向かうルートには、イタリア軍第207歩兵師団とドイツ軍のエンス戦闘団に所属する自動車化歩兵部隊(3-4-14)が海岸線の防備を固める。

Turn03d


といった所で時間切れでゲーム終了。今回は丸2日間朝から晩までプレイしたが(プレイ時間は計16時間)、たった3Turnしか進まなかったのは残念である。



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感想

GE_Ju88まず戦略面の感想である。
第3Turnに突破が決まって枢軸軍の戦線を崩壊させたため、パレルモ方面への突破口が開かれた感じになったが、その後の枢軸軍の対応によって突破口は塞がれてしまった。ただし今までのような堅固な防御ラインではないので、機動力を生かした突破が可能だと思う。
一方で西方への突破が遅れ気味なことは否めない。ゲラ湾からMarsalaにかけてのシシリー島南西海岸には、Porto Empedocle、Marsalaを始めとシ、いくつかの小港湾がある。これらの港を占領してSPの揚陸能力を高めておかないと、この後SP不足で進撃が滞ってしまうかもしれない。このあたり、今回の戦いでは検証できなかった。

ゲーム自体の感想だが、噂通りタフなゲームである。こちらはとにかくSPとか飛行場とかを蹂躙されないように気を配ったが、システム上相手が本気で攻めてきたら全部守るのは無理なので、ある程度は失うことを覚悟して守った方が良いかもしれない。自軍の後方を潰されるリスクと相手の後方を狙うチャンスを秤にかけて、どこまでリスクをテイクできるのか、冷静な判断力と失敗にメゲないタフさが求められよう。シミュレーションと見た場合、やや自由度が大き過ぎるような気がしないでもない。

US_Truck_245本作だけではなくOCS全体として問題だと思ったのは、OCSの肝とも言うべきSPの管理である。SPが管理でミスるとゲームが破綻する恐れがあることは言うまでもないが、対面プレイの場合でもSPの管理を厳密にやらないと「埋蔵金が出てきた」みたいにSPが勝手に増えてくることにもなりかねない。もちろん意図的にSPを不正に増やすのは論外だが、意図しない不正利用も起こり得ると思っておいた方が良い。特にゲームがエキサイトしてくると、少しでも自分が有利になるように曖昧な個所は自身に有利に解釈しがちになる。対戦ゲームである以上は仕方がないが、何とかミスの少ないプレイはできないものか。
VASSALの場合はSPのコピーや拡大がボタン操作で簡単に実施できてしまうのでさらに危険である。例えば意図せざるボタン操作よって10SPマーカーが複製されて2~3倍に膨れ上がった場合、さらにそれを両方のプレイヤーが知らないうちに使ってしまった場合、ゲーム本来が持っていたバランスは瞬時に崩壊する。そういった意味ではVASSAL対戦の場合は、対面対戦時以上にSPの管理に慎重になる必要がある。さらにSP管理については、参加する全プレイヤーが熟達しておく必要があるだろう。

いずれにしてもOCSには様々なアイテムがあり、同一のシステムで様々なシチュエーションを楽しめるのは有難い。折角ルールを覚えたので、できれば忘れない間に何かほかの作品もプレイしてみたいものである。

Turn03f


MAP



OCS(Operation Combat Serirs)は、1990年代に米Gamers社から発表されたゲームシリーズである。このゲームは、共通のルール基盤で第2次大戦及びその前後の陸上戦闘(一部航空戦及び海上戦を含む)を再現する。
[US_SpitV.jpg] 本シリーズの特徴は、比較的自由度の高い移動システムと厳しい補給ルール、そしてギャンブル性の高い戦闘システムである。移動については、ZOCによる拘束効果が弱く、戦車系と歩兵系のユニットはZOCでストップすることはない(唯一ZOCの影響を受けるのは、自動車化系の部隊のみ)。実質的には移動によるZOCの影響は殆どないと言って良い。

Z_SP3補給システムについては、機械化された部隊の移動や戦闘、砲撃等では常に補給ポイントの消費を必要とする。しかもその補給ポイントもカウンター化されていて、一々前線へ運ばなければならない。しかも補給ポイントが場合によっては敵に捕獲されることもある(下手な配置をすると結構頻繁に捕獲される)。当然補給が切れた部隊は餓死/降伏の運命が待っている。1Turn半週間~1週間というスケールを考えると、補給切れによる除去チェックがやや厳しすぎるような気もするのだが、まあそんなものかも知れない。

GE_504_2 戦闘システムについては、練度差による奇襲チェックが過激である。2D6で修正後に5以下又は10以上で奇襲が発生るのだが(オーバーランの場合は6以下、9以上)、奇襲が発生すると1D6分だけ奇襲側が有利なようにコラムシフトする。練度の高い部隊にとっては万々歳的なルールだが、奇襲を食らった側はたまらない。なんせ最高比(平地で13:1、それ以外は18:1~52:1)の戦闘でも奇襲チェックで一気に最大6コラムもダウンしてしまう。10倍以上の戦力で攻めて「攻撃失敗」の目が出た日には・・・。ただこの奇襲ルール、実際に運用してみると、見た目ほど極端なものではない。むしろ戦闘に不確実性を与えるという意味で良いエッセンスになっているように思える(練度が絶対的なものではなく、高練度部隊でも奇襲を食らって壊滅することもある)。

今回、OCSシリーズの1作であるSicily-II(以下、本作)をプレイすることにした。本作は2016年に発売されたOCSシリーズの1作品で、タイトル通り1943年7月~8月のシシリー上陸戦を扱う。1Turn半週間、1Hex3.5マイル、1ユニットは大隊~師団になる。師団クラスのユニットは複数ステップを持っている。シナリオは6本で、小型シナリオが4本、キャンペーンシナリオが2本である。

今回はメインシナリオとも言うべきシナリオ5「ハスキー作戦」をプレイした。今回はVASSALによる遠隔対戦で参加者は3名(連合軍2名、枢軸軍1名)である。OCS初心者の私は、米軍を担当した。
(初心者が枢軸軍を担当したら、頭がパニックになりそうなので)。

1Turn(43/07/10)

まずは序盤の制空戦闘である。米軍戦線ではスピットファイア2個戦隊がBf-109G 2個を事前攻撃でこれを無力化した。英軍戦線ではスピットファイア1個戦隊がステップロスする損害を出しながらも、何とか制圧した。
空挺部隊は3個連隊が降下してたものの、2個連隊が降下に失敗して壊滅した。うぐぐ・・・。
ゲラ湾への上陸は、上陸戦闘によって揚陸艦2個部隊が失われ、戦車大隊(第753戦車大隊、6-3-6)が海没してしまう。

Turn01b


その後の戦闘でLicataからGelaにかけてイタリア軍を掃討して上陸地点を確保。しかしその際に戦闘で補給ポイントを大盤振る舞いしてしまい、前途が不安になる。C-47輸送機等を動員して補給ポイントをシシリーに輸送するが、未だ心許ない。

Turn01c


RN_CV_Formidable枢軸軍Turn、ヘルマンゲーリング師団を主力とするドイツ、イタリア連合軍がゲラ海岸前面に展開中。ヤバイ。これでダブルターンが出たら、鎧袖一触ぢゃないか。まだ散開しているからオーバーラン食らわない分マシか・・・。取り合えず水上砲撃支援艦艇を展開して敵の反撃に備える。
英軍戦線ではドイツ空軍の大編隊が飛来して沖合の艦艇を攻撃してきた。彼らは何故か空母攻撃に執着し、空母「フォーミダブル」が集中攻撃を受けたが、軽微な損害を被っただけであった。

Turn01e


2Turn(43/07/14)

US_3Rgr主導権を枢軸軍が握った。やばい。いきなりダブルターンである。敵の反撃に身構える米軍部隊。枢軸軍はLicataの飛行場と港湾に対して攻撃を仕掛けてきた。空爆と砲撃によって防御部隊である米第3歩兵師団(22-3-3)と第3レンジャー大隊(3-4-3)が混乱状態(DG)になってしまう。連合軍も主に艦砲射撃で迎え撃ち、ドイツ軍1個歩兵大隊(3-4-3)を撃破するなどの戦果を挙げた。枢軸軍はLicataの港湾に対して攻撃を行い、米軍のレンジャー大隊を撃退してLicataの港湾を占領した。

Licataの守りを薄くしたのは失敗であった。Licataはゲラ湾一帯の中では最も揚陸能力の高い港湾である。上陸部隊が広く散開していたため守りが広く薄くなった感がある。この後、どうやってLicataを取り返すか、悩ましい所である。しかし考えようによってはもうダブルターンはないので、これからは安心して進撃できる。

Turn02b


IT_Bedo米軍戦線では増援部隊が上陸してきたため、まずは上陸地点の守りを固めつつ、Licata奪回のための布陣を敷く。Licataに対して砲爆撃を集中して混乱を誘うも、出目が悪く砲爆撃が悉く外れ。こりゃあかんわ、と一度は諦めかけたが、Licataの北西に弱体化したイタリア軍歩兵師団を発見。千載一遇。4-1の戦闘比だったが、奇襲が決まって10-1までコラムアップ。レンジャー部隊(3-4-3)が吹っ飛んでしまったのが少し痛かったが、Licata後方を遮断したのは大戦果かな。

つづく

Turn02e


TJoV

The Jaws of Victoryは、米国New England Simulationsが2019年に発表したシミュレーションゲームだ。
テーマは1944年1月~2月におけるコルスン包囲戦。1Hex=3.2km、1Turn=1日、1ユニッ=大隊~師団規模でこの戦いを再現する。コンポーネントはフルマップ2枚、カウンターシート4.5枚、ルールブック1冊、プレイヤーブック1冊の他、各種テーブル類とシナリオカード複数枚からなる。ルール量は英文で30ページ。やや難易度の高い中級ゲームといった所か・・・。シモニッチ作戦級よりも少しだけ難しいゲームという印象を持った。

システム的にはかつてSPIより発売されていたOperation TyphoonやPatton's 3rd Armyの流れを汲んでいる。しかしあれから40年以上の年月が経過しているので、プレイアビリティやその他の点で格段の進化を遂げており、ルールを見ても隔日の感がある。

シナリオは計5本。キャンペーンシナリオ以外には1マップでプレイできるシナリオも用意されているため、機会を見つけてプレイしてみたい作品だ。


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201103_イタリア巡洋艦

Italian Cruisers of World War 2

Mark Stille Osprey Publishing

「第2次大戦におけるイタリア海軍巡洋艦」というタイトルで、そのままだと「世界の艦船」の別冊のよう。イタリア海軍の巡洋艦(重巡3タイプ7隻、軽巡6タイプ18隻)について、設計内容、兵装及び火器管制システム、レーダー装備、戦歴、タイプ別の内容や戦歴が簡潔な文書(英文)で記載されている。英文はシンプルで理解は容易だ。
私が興味を惹いたのはイタリア巡洋艦の砲戦能力。本書によればイタリア巡洋艦の砲戦能力は決して低いものではなく、精度は良かったらしい。ただし散布界が過大になる傾向があるとのこと。理由は連装砲の砲の間隔が狭くて砲弾の相互干渉を引き起こしやすかったとのこと(連装砲の俯仰角が砲別に独立していなかった)。
やや記載がアッサリしている感があるが(Ospreyの一般的な傾向)、WW2におけるイタリア巡洋艦についてシンプルにまとめた好著と言える。

お奨め度★★★

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