MMP_ARRACOURT_BoxArt

BCSについては、 以前に紹介した
さらに、 BCS ARRACOURT(以下、本作)の購入 を機に、本作をプレイしてみた。
選択したシナリオはキャンペーンで、プレイスタイルはVASSALによる通信対戦である。
私は米軍を担当した。

1Turn(1944年9月18日)

US_HQ裏_4A_CCB天候は霧。先攻を取ったのは米軍であった。BCSでは、先攻後攻の順でフォーメーションが1つずつ活性化するというシステムを採用している。パスはなし。自身の手番では必ず1つのフォーメーションを活性化させなければならない。なお、1Turnで各フォーメーションは1度しか活性化できないので、フォーメーションの絶対数が少ない陣営は、Turnの終盤は手持無沙汰になる。
さて、先攻を取った米軍であったが、正直な所「何をして良いかわからない」状態。後攻ならば敵の出方を見て動くことができるのだが・・・。取り合えず第4機甲師団のCCB(Combat Command B)を選択。選択しただけで何もせずに終わった。

GE_113Pz_1_130続いてドイツ軍。第113装甲旅団が活性化し、盤の東端から西へ向けて前進する。ドイツ軍の目標は勝利条件都市であるChateau-Salins(シャトー・サリー)だ。道路上に布陣する米第4機甲師団CCAの機甲大隊が道路上に布陣してドイツ軍を迎え撃つ。ドイツ側はパンター戦車、米軍はシャーマン戦車。性能面ではドイツ側が有利であったが、練度で勝るのは米軍である。両者互角の戦いであったが、結局は数に勝るドイツ軍は米戦車部隊を撃破した。

慌てた米軍部隊は第4機甲師団CCAを活性化させ、シャトー・サリーへ向かうドイツ軍の前面に展開させた。

Turn01c


ドイツ軍は第111装甲旅団を活性化させ、先に活性化した第113装甲旅団を超越してシャトー・サリーへ向かわせる。その過程で米軍の機甲大隊と交戦。これを撃破した。
さらに南方からはドイツ第21装甲師団が接近。米第2騎兵連隊が守る要域Luneville(ルネヴィル)を南から脅威する。

Turn01e



2Turn(1944年9月19日)

US_4A_CCA_A37裏天候は霧である。先攻を取ったのはドイツ軍。第113装甲旅団が活性化。シャトー・サリーへ向かう第111装甲旅団の南を進み、マップ中央の要域Arracout(アラコート)へ向かう。

ドイツ軍が西へ向かう姿勢を見せたため、米第4機甲師団CCAはシャトー・サリーとアラコートを結ぶ戦場に展開。ドイツ軍の西進を阻止する構えだ。

Turn02a


US_4A_CCB_Withers裏続いてドイツ第111装甲旅団が活性化。シャトー・サリーを目指すが、活性化チェックで"Partial"(部分)の結果を出してしまう。BCSの活性化チェックには、"Fail"(失敗)、"Partial"(部分)、"Full"(完全)の3段階があり、Partialの場合には移動力半減など、様々な制約を受けてしまう。さらに余談だが、BCSの活性化チェックは、友軍の展開状況や補給状況の影響を上手く表現しており、シンプルなルールながらも軍事行動における様々な制約を見事に再現したルールだと思う。

活性化チェックがショボかったのでシャトー・サリーまで届かなかったドイツ軍。その間にシャトー・サリーを奪取せんとした。米第4機甲師団のCCBは戦車と機械化歩兵各1個大隊というこじんまりした編制。しかし練度は高く(AR=4)、装備も優秀。シャトー・サリーを守るドイツ軍守備隊に連続攻撃を仕掛けて、遂にこれを壊滅に追い込んだ。

Turn02b


GE_21Pz_1_29シャトー・サリーを奪われたドイツ軍。そこで南方戦線で攻撃を行う。南部の要域ルネヴィルに対して第21装甲師団による攻撃を行う。ルネヴィルを守る米軍は、米第2機甲騎兵連隊所属の偵察中隊のみ。わずか1ステップの微弱な兵力でドイツ軍の猛攻を阻止できるはずもなく、偵察中隊は壊滅。ルネヴィルはドイツ軍が奪回した。さらにルネヴィルに布陣していた米第2機甲騎兵連隊司令部もドイツ軍による蹂躙を受け、数ヘクスの後退を余儀なくされた。これによって最前線に布陣する米第2機甲連隊の各部隊と、同司令部との間の連絡線が切れてしまったのが痛かった。

Turn02c


US_79i_3_314米軍は増援で現れた第79歩兵師団を活性化させてルネヴィルへ向けて前進させる。ムルト川の支流であるモルターニュ川のラインでドイツ第21装甲師団の自動車化歩兵部隊と衝突。これを撃破してモルターニュ川を東へ渡河する。
余談だが、ドイツ第21装甲師団と言えば、北アフリカ戦線やノルマンディ戦線でも活躍した歴戦の装甲師団。しかし、このシナリオでは精鋭部隊の面影はなく、装甲兵力については新編成の装甲旅団と互角程度でしかなかった。

その後、ドイツ軍は第15装甲擲弾兵師団が前進。ルネヴィルの両翼を守らせる。米軍は増援部隊を投入してルネヴィル奪回の布陣を敷く。

Turn02d


てな具合で、2Turnが経過した時点で夕方になったのでここでお開き。ここまでの所要時間は正味6時間程であった。

Turn02e


感想

細かいルールが多いので最初は戸惑ったが、基本的な考え方はシンプルなルールなので、慣れればある程度はサクサク進める。BCSの元になったOCSがかなり「ぶっ飛んだ」展開になり易いのに対し、BCSの方は司令部と指揮範囲ルールが程よく効いていて、それほど「ぶっ飛んだ」展開にならない。また補給ルールも補給ポイントを使うような面倒さはなく、それでいて補給段列の重要性や分身合撃の必要性をさり気なく表現しているのも良い。フォーメーションの混在ルールなどは、所謂「ゲーム的な運用」に対する抑制効果が効いていて好感が持てる。総じてBCSはOCSよりも好印象を持った。

今回のプレイでキャンペーン序盤の間隔がある程度掴めたので、次回はもう少しマシな戦いをしてみたい。

USA_M4Sherman_1944Sep_Arracout