
システムは所謂「強襲システム」で、国力に相当する戦略カードを選択して手札を作り、手札からカードをプレイすることでゲームを進める。カードには「電撃戦」「補給」「反撃」といった一般的な作戦行動を示すカードの他、「外交交渉」「あしか作戦」「レンドリース」といった特殊なカードもある。
また本作で特徴的なカードとして「開発」カードがある。戦争開始時に両陣営ともデッキとして選択できるのは、能力が低いカードだけである。そこで「開発」カードを使うことで能力の高いカードをデッキに加えることができる。逆に「開発」カードを使わずに「電撃戦」や「補給」カードを多用すれば、その場の作戦効率は良くなる。ただし開発しなければ国力の増大と利用可能なカード枚数のバランスが取れなくなるし、弱いカードばかりでジリ貧になるのは目に見えている。従って両陣営共(特に連合軍は)開発への適度な投資は必要だろう。
本作では他の「強襲システム」の作品とは異なりイベントと戦略値による行動を同時に実行できる。戦略値の行動とは、部隊の移動、戦闘、動員の3種類がある。例えば1グループの移動に1戦略値、歩兵1ユニットの動員に1戦略値、といった具合だ。戦略値の大きなカードは、「開発」しなければ利用できない。また本作では、移動だけでは使用済にならない(航空部隊除く)。
今回、本作をソロプレイで試してみた。
1Turn(1939年冬)

2Turn(1940年夏)

ルーマニアが枢軸陣営に参加した。
一方の英国は本土防衛を進める一方、中東への派遣軍を強化し、エジプトからリビアへ進攻する。
3Turn(1940年冬)

フランス占領によって戦略カードで枢軸軍が優位に立った。枢軸軍は来るべき独ソ戦に備えて兵力を東に向ける。その途中でユーゴスラビアを占領。ノルウェー、オランダもドイツの軍門に下った。ドイツ周辺で中立として残っているのはデンマークだけである。
ハンガリーが枢軸陣営に参加する。
連合軍はイギリス1国が単独で頑張っている。このTurn、英本国艦隊が西地中海に出撃。西地中海を遊弋しているヴィシーフランス海軍を攻撃した。兵力に勝る英海軍が勝利に終わり、ヴィシーフランス海軍は壊滅した。
4Turn(1941年夏)

独ソ戦が始まった。ルーマニアから進攻を開始したドイツ軍は、キエフを占領しミンスク。リガを席巻する。ソ連軍はハリコフ、モスクワ、レニングラードの線まで後退し、それぞれに要塞を築いて待ち構える。
5Turn(1941年冬)

大西洋ではUボートが猛威を振るう。これによって連合軍は戦略カード3枚を一気に失う。しかし大西洋を警戒中のロイヤルネイビーがUボートの大群を捕捉し、これを一気に殲滅した。大損害を被ったUボート群は再編成を余儀なくされる。
ロシアに攻め込んだドイツ軍はレニングラードに総攻撃を仕掛けた。しかし「待ち伏せ」カードで迎え撃ったソ連軍。レニングラード前面で激戦が展開されるが、ドイツ軍はレニングラードを攻めきれなかった。 このTurn、ギリシアが連合軍側に立って参戦した。
6Turn(1942年夏)

遂に連合軍が戦略カードで枢軸軍を上回った。同時にアメリカが参戦した。続々と大西洋を渡ってイギリスに到達する米軍部隊。北大西洋の制海権を握った米英連合軍は、スエズ運河経由の大規模な反撃作戦を開始した。英軍によるギリシア進駐である。イタリア海軍が徘徊する中部地中海を避けてスエズ運河からエジプトに上陸した英軍部隊は、キプロス島近海を経由してギリシアに上陸した。同じく米第15航空軍もギリシア各地に展開し、ローマやルーマニアへの戦略爆撃を開始した。このTurn、ルーマニアとパリに対する戦略爆撃が成功し、枢軸軍の手持ち札が2枚減少した。
Uボートは再び北大西洋に出撃。通商破壊戦を試みたが、北大西洋を航行するロイヤルネイビーの艦船、特に空母を撃沈せんと色気を出したのが裏目に出た。攻撃は完全に失敗。米英海軍と英本土から飛び立った航空機による攻撃を受けてUボートの半数が海の藻屑と消えた。
東部戦線ではドイツ軍が再びレニングラードへ攻撃を仕掛けたが、ソ連軍の鉄壁の防御の前に突破できず。そうこうしている間にミンスク方面へソ連軍による反撃が開始された。レニングラード戦線から引き抜かれた装甲部隊がミンスクに急行。ソ連軍に痛打を与えてこれを撃退した。
7Turn(1942年冬)

ドイツ軍は精鋭SS装甲軍団をギリシア戦線に投入してきた。質に劣る米英連合軍は苦戦を強いられ、壊滅の危機が迫った。ドイツ軍に対して牽制を仕掛けるべく、キエフ方面でソ連軍が攻勢に転じたが、ドイツ軍の堅い守りに阻まれて前進できない。米英連合軍は増援部隊をギリシアに派遣し、ギリシアの橋頭保を死守せんとする。ギリシアは米英空軍の航空基地でもあり、ルーマニアやローマに対する戦略爆撃も継続して実施中である。
と、ここまで進んだ時点で戦闘ルールの適用ミスが判明したので、一旦やり直しとした。
ルールミスの内容は戦闘時における損害適用の優先順位。防御側に航空部隊が存在する場合、使用済であっても損害適用の優先権は防御側が持つというもの。これを失念していたので強力な装甲部隊を有するドイツ軍の反撃が強烈であったが、正しいルールを適用していれば米英軍の橋頭保が簡単に潰されることもなくなる。
(つづく)







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