TPI Next
副題を「ビジネス主導のテストプロセス改善」とある。最初に読んだのは4年前だが、その時は殆ど理解できなかった。今回読み返してみて、ようやくある程度理解できたような気がする。
本書で提唱しているのは、テストプロセス改善の進め方である。それを単なる「改善活動やりましょう」的な精神論ではなく、極めて論理的に改善プロセスを構築している点に特徴がある。
TPIのキーになるものは「キーエリア」と呼ばれる考え方である。これは「テスト戦略」「利害関係者のコミットメント」「テストケース設計」等、テストを進めていく上で重要な項目を計16個並べたものである。それぞれのキーエリアには複数のチェックポイントがあり、チェックポイントの達成状況に応じて「初期段階」「コントロール段階」「効率化段階」「最適化段階」に区分される。これを見ると、S/Wプロセス改善モデルであるCMMIに似ている。
TPI Nextは、「ビジネス主導のテストプロセス改善」とあるように、ビズネスの目標に応じてキーエリアの優先度を切り替えて行ける所に特徴がある。その進め方が機械的でわかりやすいため、テストプロセス改善を目指すものは、自動的に改善目標を設定できる、という案配だ。
とまあこんな感じの内容だが、この種のプロセス改善本の例にもれず、この本も非常にとっつきにくい。原文がわかりにくいのか、訳が悪いのか、あるいは私の頭が悪いのか(多分一番最後がありそう)、原因はわからないが、じっくり読まないと内容を理解できない。決して「流し読み」できるような内容ではないので、本書を読まれる場合は、じっくりと取り組まれることをお奨めする。
お奨め度★★★★
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