
The Berlin Raids

Martin Middlebrook Pen & Sword Aviation
WW2中に連合軍はドイツ本土に対する戦略爆撃を繰り返したが、その際、米空軍が昼間爆撃を担当し、英空軍が夜間爆撃を担当した。結果的にドイツ空軍は昼夜を問わず敵機の脅威に晒されることになる。特にドイツの首都ベルリンは連合軍の主要な攻撃目標となり、繰り返し爆撃を受けることとなる。
本書は英空軍によるベルリンに対する夜間爆撃を描いた著作である。英空軍によるベルリン夜間爆撃は1943年8月より開始され、翌年3月まで継続された。その後はベルリンは夜間爆撃の対象からは外されることになる。
本書ではベルリン爆撃の様相を数字面及び体験談から描いている。数字面では、各空襲に参加した航空機数や損害数、損害率等が記載されている。また体験談については、英爆撃機のクルーや迎撃するドイツ戦闘機パイロットの体験談は勿論、空襲に晒されたベルリン市民の様相についても取り扱われている。ベルリンの地下鉄に避難した人々の周囲で大型爆弾が次々と炸裂する様はパニック映画を地で行く内容である。
英空軍によるベルリン攻撃をコンパクトにまとめた良書だが、洋書にしてはやや資料性に乏しいのが残念である。
お奨め度★★★★
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