Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

本作については、以下の紹介動画も参考にされたい。




前回までの展開 --> こちら

1Turn後半(開戦2日目)

両プレイヤーとも12OPを使用。これで両プレイヤーのOPは共に15OPとなった。
SO_SSN_Victor3 ソ連軍としては米空母部隊を何とか始末したい。否、始末とは行かなくても空母の1隻でも損傷を与えれば、攻撃力を殺ぐことができる。そう考えてソ連軍プレイヤーは最強のヴィクター3型SSNを「米空母キラー」に差し向けた。その優れた戦術支援値+1と65式重魚雷の存在は、上手く行けば米空母に一撃必殺を見舞うことができるはずだ。しかも手元には秘密兵器"Stealthy Approach"がある。旨く行けば驕り高ぶった米空母を大破させることができるかもしれない。
乾坤一擲の想いを込めて振ったソ連側ダイスは3,5,8.無情にも米空母には届かなかったが、それでも米艦隊のASWを"Stealthy Approach"で躱し、護衛艦艇に1ステップロスを強いた。

Turn01d


重魚雷搭載のヴィクター3型は米空母部隊にとっても十分な脅威である。ソ連軍としてはその能力を全面的に活用し、米空母殲滅を狙うべし。逆に米軍は哨戒潜水艦等を駆使してヴィクター3型が空母部隊に近づく前にそれを阻止撃破すべし。

ここでちょっと「ズル」(宇垣裁定)をし、North7-8に配備されているアルファ級をヴィクター3型に変更した。

US_STK_A6_S NATO側としては上記の「ズル」によってさらにヴィクター3型の脅威に晒されることになったが、逆に米空母が健在な間にソ連艦隊を撃破すべく、2回目のアルファストライクを実施した。今度はソ連側に迎撃機がないため、F-14の護衛はつけず、爆撃機とその支援機のみからなる攻撃隊である。再び200発のHarpoonが大空を埋め尽くす。
ソ連側の防空戦闘によって約70%のHarpoonが無効化されたが、約60発のHarpoonがソ連艦隊に迫る。打撃巡洋艦「キーロフ」はさらに数発のHarpoonを受けたが、何とかこれに耐えた。しかしより小型のスラヴァ級ミサイル巡洋艦はさらに数隻沈没した。そして最も痛かったのは、揚陸部隊が壊滅してしまったことだ。これにより、ソ連側が当初目論んでいたノルウェーの電撃占領は頓挫した。

ソ連側のノルウェー方面への作戦軸として、北部ナルヴィクへの進攻と中部トロントヘイムへの進攻の2種類がある。効果が大きいのはトロントヘイムへの上陸だが、安全なのはナルヴィクへの上陸だ。どちらが良いかは判断が難しいが、より堅実なプレイを目指すのならナルヴィク進攻が無難ではないかと思う。ナルヴィクへの上陸に対して米空母が攻撃を試みる場合は、GIUKラインを突破してノルウェー海へ進出する必要がある。それは米空母にとってもかなりリスクの高い行為になる。
トロントヘイムへの上陸に対して米空母が対応するためには、今回のようにGIUKラインの「向こう側」から攻撃を仕掛けることが可能になる。ただし、GIUKラインの外側が「絶対安全」という訳でもないので、米空母を引きずり出す「餌」という意味でトロントヘイム上陸は有力な手段と言えるかもしれない。


Turn01e


無論、ソ連側としてもこのまま米空母を逃がす気はない。先ほどの「ズル」によってアイスランド近海に姿を現したヴィクター3型攻撃原潜(SSN)が米空母部隊に襲い掛かったのである。数本のType65魚雷が2隻の米空母の航跡を捕まえた。しかし次の瞬間、米海軍の護衛艦群が身を挺して魚雷を防いだのである。爆沈する米護衛艦艇。唖然とするソ連側艦長。そこに米対潜部隊の報復攻撃が降り注いだ。ヴィクター3型の艦長達は、まるでデスラー砲を跳ね返されたデスラーのような気分になったのであろう。しかしその感慨が長く続くことなく彼らは海中に没した。

要するにNATOがASWダイスで10の目を3個出したので、カードを使ってもヴィクター3型を救えなかったのである。

ソ連軍は大西洋を東へ向かうNATO船団に目をつけた。空中給油機により航続距離を延伸されたTu22バックファイア2個戦隊(約48機)でNATO船団を襲う。先ほど大活躍したスペイン空母「デダロ」からシーハリアーが迎撃の為発進していく。

Turn01f


シーハリアー隊はまたもや奮戦し、バックファイア12機をミサイル発射前に叩き落した。それでもバックファイは70発以上の対艦ミサイルを発射。10発以上が命中し、カナダ海軍の駆逐艦やフリゲート艦計8隻が犠牲となった。

その直後に襲撃してきたフォクストロット型潜水艦が遂に「デダロ」を仕留めた。バックファイアのミサイル攻撃により弱体化した防御スクリーンを易々と突破したソ連海軍フォクストロット型潜水艦は、「デダロ」に魚雷3本を命中させたのである。栄光に包まれたこのWW2型軽空母は、全艦炎に包まれながら、大西洋にその姿を没した。

USS_Princeton


米本土東岸近海では、米海軍の対潜部隊がソ連弾道ミサイル潜水艦(SSBN)群に対する掃討作戦を実施した。裏では激しいスパイ合戦が行われ、スパイを駆使して米対潜部隊をソ連側SSBN群が躱していく。さらには無反響コーティングによる無音化によって米攻撃原潜や対潜哨戒機による攻撃を回避した。結局、この時点で米本土沖に展開するソ連SSBN群に被害はなし。ただし米本土におけるソ連側スパイ網は、FBI/CIAの激しい情報戦によって壊滅状態に陥った。

Turn01g


以上で第1Turnの全アクション終了。戦争トラックの進展、FSP(第1撃ポイント)の取得等を行う(FSPが0から1になる)。その後天候を決定。North7-8が悪天候になった。最後にカードを引き直してTurn終了となる。

Turn01h


つづく

Blue Water Navy The Third World War, Designer Signature Edition The Enemy is at The Gates  81-米中激突:現代海戦台湾海峡編
世界の空母機動部隊 ソ連/ロシア原潜建造史 ソ連/ロシア空母建造史 対潜海域: キューバ危機