SPac42_20

現在、鋭意作成の 海空戦!南太平洋1942 第2版ですが、それに合わせて要望の多かった「簡易水上戦ルール」を準備中です。
今回は、現在構想中の簡易水上戦ルールの内容と、そのテストの状況を紹介します。

簡易水上戦ルールの概要

簡易水上戦ルールのルールを説明する前に、簡易水上戦ルールの発表方法についてです。
現時点では、第2版本体には簡易水上戦ルールを同梱せず、別途公開予定の「海空戦スターターキット」の中に収録することを考えています。「海空戦スターターキット」自体は「第2版」を購入した方が自由にダウンロードできるようにしますので、「第2版」を購入頂ければ簡易水上戦ルールが利用できるようになります。
さらに言えば、簡易水上戦ルールに必要な諸表は、「海空戦スターターキット」の巻末にまとめて収録される予定です。

巻末


それではルールの概要説明に移ります。
簡易水上戦は以下の手順で進めます。

(1)参加TF決定ステップ
(2)主導権決定ステップ
(3)戦闘前撤退ステップ
(4)戦闘距離決定ステップ
(5)後方配置ステップ
(6)第1砲撃ステップ
(7)雷撃部隊編成ステップ
(8)第2砲撃ステップ
(9)雷撃ステップ

ここで重要なのは、(2)の主導権決定ステップです。ここで主導権を得ると、砲雷撃が相手よりも先に実施できる上、主導権レベルによっては戦闘距離も選択できるようになります(どの道、夜戦では戦闘距離は「短距離」だけですが・・・)。

それではそれぞれの手順がどのように進められるかを、実際のプレイを使ってみていきます。

ガダルカナル沖夜戦

JP_BB4a日本側で「第3次ソロモン海戦第2夜戦」と言われる戦いをテスト対象に選んだ。ご存知の通り、史実では日米の戦艦同士が戦い、日本側戦艦「霧島」が沈没、米戦艦「サウスダコタ」が損傷した。この戦いを簡易水上戦ルールを使って再現してみたい。両軍の米力は以下の通りだ。なお便宜上ヘクスマップに並べてあるが、ヘクスマップは特に関係ない。またスタックしている駆逐艦の隻数は、日本軍が9隻、連合軍が4隻である。

Step1


まずは主導権決定である。巻末の「水上戦主導権決定表」を参照する。次に日米両艦隊の速力を比較する。日本側が3.5、連合軍側が3.0である。従って「水上戦主導権決定表」で"+0.5"を欄を使用する。
次にDRMである。1942年10月以降の夜戦なので-1。米戦艦が対水上レーダーを装備しているので+1。トータルで修正なしとなる。
ダイスを振って出目は"3"であった。結果は"J1"。日本側がレベル1の主導権を獲得した。なおレベル1以上の主導権を獲得した場合、戦闘前撤退が選択できる。ここでは日本軍は戦闘前撤退を宣言しなかった。

水上戦主導権決定表


(3)~(6)のステップは特にやることなしで(夜戦の場合、戦闘距離は短距離で固定)、(7)砲撃ステップに入る。砲撃ステップでは、主導権側、非主導権側がそれぞれ砲撃を行い、その結果を適用する。主導権側が先に撃って結果を適用できるので、主導権を持っているとかなり有利である。特に夜間の接近戦では命中率が高く、先制攻撃の利点は大きい。

砲撃判定表


US_BB56aまずは主導権を取った日本艦隊から砲撃を開始する。「霧島」が強敵「サウスダコタ」を撃ったが、外れ。巡洋艦4隻で「ワシントン」を狙う。物理的な損害は与えられなかったものの、「衝撃」の結果で一時的に戦闘不能にした。他に駆逐艦1隻沈没、1隻中破。

米艦隊の反撃、「サウスダコタ」の砲撃が「霧島」に命中。「霧島」は一撃で中破。しかも「衝撃」で一時的に戦闘不能にした。
第1砲撃ステップ終了時の状況は以下のようになっている。

Step2


第2砲撃ステップの前に雷撃部隊編成を行う。日本軍は駆逐艦8隻で雷撃部隊を編成する。米軍は駆逐艦2隻で雷撃部隊を編成する。
そして第2砲撃ステップ。先ほどと同様に日本軍から射撃を開始する。重巡2隻で「ワシントン」を砲撃。命中弾を得たものの「ワシントン」の重装甲はこれをはじき返す。他には雷撃部隊の駆逐艦1隻に「衝撃」の結果を与えて雷撃不能とした。
米艦隊の砲撃は「サウスダコタ」が再び「霧島」を砲撃してこれを撃沈した。復活した「ワシントン」は重巡「愛宕」を狙って一撃でこれを大破。しかし米戦艦の副砲群は突撃してくる駆逐艦を狙ったものの外れである。
第2砲撃ステップ終了時の状況は以下の通り

Step3


JP_DD6aいよいよ雷撃である。駆逐艦8隻の突撃。その戦果や如何。と、その前に雷撃を実施できる艦数を決定する必要がある。雷撃数決定表でダイスを振る。この時、雷撃部隊と目標部隊の速力差がDRMになる。雷撃部隊の速力が4.0、目標の速力が3.0なので、DRM+1となる。なお、この時の速力とは、雷撃部隊の場合は雷撃部隊編成時、目標は戦闘開始時の速度を基準とすることに注意されたい。

雷撃数決定表


出目は"9"で修正後は"10"。日本軍にとって最良の結果で"12"。つまり最大12隻が雷撃に参加できる。今回雷撃部隊は8隻なので、8隻全てが雷撃を実施できる。
2隻の戦艦目がけて必殺の魚雷を放つ。4隻ずつで戦艦1隻ずつを狙う。戦闘比は5-1。一撃撃沈は難しいかもしれないが、上手くいけば大破ぐらいは狙えそうだ。強力な酸素魚雷搭載艦は装甲のやや弱い「ワシントン」を狙う。
結果は「ワシントン」1Hit、「サウスダコタ」2Hit。2隻の戦艦にダメージを与えたので良しとすべきか。なお、米駆逐艦の雷撃は外れた。
雷撃ステップ終了時の状況は以下の通り

Step4


最終結果は以下の通りである。

日本軍の損害

沈没:戦艦「霧島」
大破:重巡「愛宕」

連合軍の損害

沈没:駆逐艦1隻
中破:駆逐艦1隻
小破:戦艦「サウスダコタ」「ワシントン」

感想

やや地味な感じもあるが、まあ良いのではないだろうか。今回は日本軍が主導権を得たのでこのような結果になったが、逆に連合軍が主導権を得ていれば、米戦艦の火力がモノを言ってもっと一方的な展開になっていた可能性もある。そのあたりもテストしてみたい。

つづく

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