現在、鋭意作成の 海空戦!南太平洋1942 第2版ですが、それに合わせて要望の多かった「簡易水上戦ルール」を準備中です。
今回は、現在構想中の簡易水上戦ルールの内容と、そのテストの状況を紹介します。
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サヴォ島沖海戦
次に試してみたのが1942年10月に行われたサボ島沖海戦である。日本側の重巡3、駆逐艦2からなる艦隊が闇夜に米軍の重巡2、軽巡2、駆逐艦5の艦隊と交戦。米軍のレーダー射撃が威力を発揮し、日本側が重巡1、駆逐艦1沈没、重巡1大破という損害を被って敗れたとされる戦いだ。テストでは日本側が主導権を得て先制攻撃の権利を得たが、結果は日本軍が重巡3隻がそれぞれ大破、中破、中破、駆逐艦1中破に対し、米艦隊が重巡1(ソルトレークシティ)中破という結果に終わった。
結構良い感じだが、史実に比べると両軍ともやや戦果が地味な感じがある。また第2砲撃ステップの後に雷撃ステップがあってそれで終わりなので、後攻側は第2砲撃ステップに雷撃部隊に対して火力を集中する傾向が助長されてしまう。
そこで雷撃ステップの後に第3砲撃ステップを追加したらどうだろうか。戦闘自体はブラッディになるし、後の考える必要があるので雷撃艦を集中砲撃する傾向もやや軽減されるのでは。これによって相対的に雷撃が弱くなるので、雷撃命中率をやや上方修正しよう。
ガダルカナル夜戦再び
上記改定を踏まえて再び第3次ソロモン海戦第2次夜戦を試してみた。今回は米軍が主導権を握ったものの、米戦艦のレーダー射撃は今一つ冴えず、「サウスダコタ」の砲撃で「霧島」を中破、「愛宕」を撃沈したのみ。一方の日本軍は「霧島」の砲撃によって速度の低下した戦艦「ワシントン」に酸素魚雷2本を命中させてこれを撃沈した。
日本軍の損害
沈没:重巡「愛宕」中破:戦艦「霧島」、駆逐艦1隻
連合軍の損害
沈没:戦艦「ワシントン」、駆逐艦2隻中破:駆逐艦2隻
小破:戦艦「サウスダコタ」
戦艦比叡奮戦ス
次に試したのが、「海空戦No.2」に収録されている「戦艦比叡の最期」である。第3次ソロモン海戦第1次夜戦を扱ったシナリオだ。史実は戦艦「比叡」の大破(後で自沈)と引き換えに、米艦隊がボコボコされた海戦である。米軍は史実の再現を狙って重巡2隻で「比叡」を狙うも、所詮は重巡。戦艦に有効打なんぞ期待できない(出目が悪かった)。一方で米軍の軽巡以下は日本の駆逐艦を狙ってその戦力を少しずつ殺いで行く。超強力な酸素魚雷を食らわないための作戦だ。
最終的には米艦隊は史実通り大損害を被りながらも2隻の高速戦艦に対する雷撃に成功。それぞれ無視できない損害を与えた。下が両軍の損害でなる。結構良い感じになってきた。
日本軍の損害
沈没:軽巡「長良」、駆逐艦1隻中破:駆逐艦6隻
小破:戦艦「比叡」「霧島」
連合軍の損害
沈没:軽巡「アトランタ」、駆逐艦2隻大破:重巡「サンフランシスコ」、軽巡「ジュノー」
中破:重巡「ポートランド」、駆逐艦1隻
小破:軽巡「ヘレナ」
戦艦対戦艦
昼間戦闘も試してみよう。戦術シナリオ「戦艦対戦艦」の状況を簡易水上戦闘で再現してみた。これは日本側が「大和」「陸奥」を主力とし、米側が「ノースカロライナ」「ワシントン」「サウスダコタ」の新鋭戦艦3隻を主力とする艦隊と戦うシナリオである。
主導権を握ったのは日本側だったが、距離を詰めることはできずに遠距離砲戦に終始。そのため日本軍得意の酸素魚雷は発射の機会を得なかった。日本側は砲力と射程距離に秀でた「大和」の射撃が悉くスカで、米側も「大和」を無力化せんと戦艦2隻の火力を集中したものの、こちらもはやりスカ。脇役の「陸奥」が活躍して米戦艦2隻に命中弾を与えたが、「ワシントン」の一撃が「陸奥」のヴァイタルパートに重大な損傷を与えた。
最終結果は以下の通りである。
日本軍の損害
沈没:駆逐艦1隻中破:戦艦「陸奥」、駆逐艦2隻
小破:重巡「熊野」
連合軍の損害
沈没:重巡「ソルトレークシティ」、駆逐艦3隻中破:駆逐艦1隻
小破:戦艦「ノースカロライナ」「ワシントン」
結論
大体良い感じにまとまったきた。簡易ルールであるが、個人的にはむしろこちらの方がスピーディで面白いかもしれない、とまで思えてきた。現在ではオプションルール扱いにしておくが、ひょっとしたら次回改定ではこちらのルールが正式版になるかもしれない。空母瑞鶴戦史:ソロモン攻防戦 空母瑞鶴戦史:南太平洋海戦 日本空母戦史 機動部隊 空母エンタープライズ上巻 Pacific Carrier War Midway Inquest How Carrier Fought
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