「戦国大名」(以下、本作)は、1980年代にエポック社から発売されたシミュレーション・ウォーゲームである。テーマは戦国時代における群雄割拠の時代で、プレイヤーは織田信長、武田信玄、上杉謙信等の戦国大名の立場となり、時には他国と共同で、時には同盟国を裏切ったりしながら、天下統一を目指して戦う。
本作はいわゆる「マルチプレイヤーズ・ゲーム」であり、最大16名(実質的には8名が上限か?)のプレイヤーが参加できる。マップはエリア方式で、旧国で区分されている。ユニットは、武将、兵力、城塞を表す駒がそれぞれ用意されており、プレイヤーが指揮するユニットの他、プレイヤーとは関係なく障害物となる中立勢力や一揆勢等を表すものがある。1Turnは実際の1年に相当する。
今回、本作をお試しでプレイしてみた。以下はその記録である。
四国統一
このシナリオは、長宗我部氏による四国統一を扱う1人用シナリオである。プレイヤーは長宗我部を担当し、10年以内の四国平定を目指す。0Turn
ゲーム開始前に長宗我部氏が展開する土佐での中立勢力発生をチェックする。出目は"1"で中立勢力発生なし。土佐は労せずして長宗我部の手に落ちた。1Turn
労せずして土佐を手に入れた長宗我部氏は、次の目標である隣国阿波に攻め込んだ。阿波には5戦力の中立勢力が発生したが、長宗我部側は兵力不足なので攻撃は出られなかった。3Turn
長宗我部の戦力が10戦力に強化された。阿波の中立勢力を包囲し、これを鎮圧。阿波も長宗我部の支配下に落ちた。4Turn
長宗我部はさらに讃岐へ攻め込んだ。中立勢力は瞬時に制圧され、讃岐は長宗我部の支配する所となった。5Turn
長宗我部は四国最後の未開の地である伊予に攻め込んだ。しかし伊予は肥沃な土地であり、中立勢力も強かった。15戦力の城郭に対してはさすがの長宗我部勢も手も足も出ない。長宗我部勢は兵力を整備するしかなかった。6Turn
長宗我部氏は中立勢力に対して服従工作を試みたが、これが大失敗。中立勢力の増加を招いてしまう。長宗我部は発生した中立勢力に対して各個撃破を狙う。8Turn
国力を超える大兵力を一時的に動員した長宗我部は、計3万の大兵力で伊予の中立兵力を攻めた。さすがに3万の兵力では中立豪族に抗すべくもなく壊滅。ここに長宗我部による四国統一が完成した。中国統一
次に挑戦したのは、シナリオB「中国統一」である。このシナリオも1人用シナリオで、毛利家を率いて20年以内の中国全域支配を目指す。このシナリオは、「四国統一」シナリオでは使わなかった「吉凶札」を使用する。これはイベントカードのようなものだが、その効果は結構えげつない。それは実際のプレイで明らかになる。0Turn
先ほどの四国統一とは異なり、安芸にいきなり強力な中立勢力が発生してしまう。3Turn
10戦力の中立勢力は強力であり、なかなか制圧できなかった。しかし3年目にようやく服従工作に成功。安芸の支配を確立した。4Turn
安芸を制圧した毛利家は、次に隣接する備後に攻め込んだ。備後には中立勢力が存在したため、簡単には制圧できない。5Turn
備後を制圧して国力が12に増大した。6Turn
事件発生。当主の毛利元就が死亡した。跡継ぎの毛利輝元は予想外の逸材。しかし跡目争いの混乱で優秀な武将が離反してしまう。そのどさくさに紛れて安芸に中立勢力が発生した。新たに毛利勢が備中に侵攻し、ここを制圧した。
7Turn
毛利家は周防と備前に侵攻する。備前の抵抗は小さく、その制圧は時間の問題だった。しかし周防は抵抗が激しく、今の所制圧の目途は立っていない。8Turn
毛利家は備前を制圧した。周防の制圧も時間の問題である。9Turn
毛利家は山陰地方にも進出し、出雲を制圧した。11Turn
因幡、美作、長門を制圧し、ここに毛利家による中国地方制圧が完了した。感想
このシナリオが終わった後に気が付いたが、行軍費用の支払いを忘れていた。何だか「ユルいなぁ」と思っていたが、ちゃんと行軍費用を支払えば、もっと厳しい展開が予想される。つづく
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