戦国大名00


「戦国大名」(以下、本作)は、1980年代にエポック社から発売されたシミュレーション・ウォーゲームである。テーマは戦国時代における群雄割拠の時代で、プレイヤーは織田信長、武田信玄、上杉謙信等の戦国大名の立場となり、時には他国と共同で、時には同盟国を裏切ったりしながら、天下統一を目指して戦う。

今回、本作をお試しでプレイしてみた。以下はその記録である。

前回までの展開は --> こちらく

織田対朝倉

さて、次に選んだのはシナリオD「織田対朝倉」である。織田(+徳川)と朝倉(+浅井)が京へ向けてのレースを繰り広げるという対戦型のシナリオだ。「戦国大名」は多人数プレイが魅力のマルチプレイヤーズゲームだが、先にも上げたソロプレイシナリオや、今回紹介する対戦型シナリオのような小規模シナリオも結構充実している。

0Turn

このシナリオでは、現在の京都、福井、滋賀、三重、岐阜、愛知県を利用する。織田の本拠地尾張、朝倉の本拠地越前には中立勢力が発生しない。が、他の諸国にはワラワラと中立勢力がワラワラと発生した。

戦国大名14


1Turn

織田側は美濃を制圧すべく出陣。服従工作に努めたがこれが大失敗。中立勢力の大発生を招いてしまう。

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2Turn

織田は美濃、朝倉は北近江の平定を進める。なお、このTurn、南近江を支配した朝倉側の国力が29になり、国力25の織田を追い抜いた。

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3Turn

織田側で国内に不穏な動きが起こり、そのために徴税が困難になってしまう。それでも織田方は美濃の中立勢力を攻撃し、ようやくこれを一掃した。
一方、南北近江の平定を終えた朝倉は、無名将軍指揮下で伊勢に侵攻する。

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4Turn

事件が発生する。朝倉義景が死亡したのだ。朝倉義景は(少なくとも本作の中では)無能な大名であったが、それでも「扇の要」としての意味はある。逆に彼の死亡は朝倉家内で内乱を引き起こした。次の当主は前当主(=朝倉義景)よりも数倍有能であったが、それでも無名武将が反旗を翻して小谷に籠城。北近江は朝倉の支配から離れてしまう。

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5Turn

またもや事件である。織田側で無名武将が反乱を起こし、三河を奪取した。織田方は三河の奪還を諦め、全戦力で伊勢に侵攻する。早くも「吉凶札」がその猛威を振るった感がある。
一方の朝倉は、近江で反乱がおこり、中立勢力が林立した。そのため、この年は南近江の鎮圧に奔走することになる。

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6Turn

この年には大きな事件はなかった。一時は破産状態に近かった織田方の財政事情も、この年の重税成功や国力増大によってかなり潤ってきた。織田方は伊勢の中立勢力を攻め滅ぼした。一方の朝倉も南近江での反乱は鎮圧し、引き続いて北近江平定に進む。ちなみに現在の国力は、織田が42で朝倉が24。朝倉としてはできるだけ差を詰めておきたい所だ。

7Turn

またもや朝倉家で大名が死亡した。跡継ぎは前任者よりも能力に劣る。武将たちの離反が相次ぎ、折角支配を固めた南近江が独立勢力によって支配されてしまう(六角か?)。その南近江に攻め込んだのは織田勢。約4万の大兵力を率いて侵攻してきたが、南近江を平定するには至らず。

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8Turn

朝倉にまたもや不幸が襲う。織田方が刺客を放ち、朝倉型唯一の有名武将である浅井長政が刺客の手にかかって無念の死を遂げてしまう。さらに第3者が調略を行って無名武将が反旗を翻した。朝倉の本拠である越前が失われてしまう。朝倉の国力は遂に5まで低下。残った兵力を率いて北近江を引き払った朝倉勢は越前まで下がっていく。
織田方は4万の大兵力で一気に南近江制圧を図るが、服従工作に失敗し、思わぬ苦戦を強いられる。

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9Turn

最早朝倉はボロボロ。越前での服従工作に失敗し、越前すら支配が怪しい状況。麾下兵力2万を抱えているが、その維持すら困難な状況になっている。
一方の織田方は南近江の攻略を進めるが、中立勢力の抵抗は未だ激しく、これを完全制圧するには至らず。しかし信長公は南近江の制圧を徳川家康に任せ、自らは1万余の兵力を率いて京に入った。

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10Turn

勝利目前の織田方に激震が走った。本能寺に入っていた信長公が無名武将(仮に明智光秀、としておこう)によって討ち取られたのである。これで織田家家内は大混乱、となるはずだったが、意外と光秀がすんなりと天下人に収まり、徳川家康、柴田勝家と言った同盟者、宿将たちも特に反旗を翻すことなく光秀の配下に収まった。
一方の朝倉はまたもや服従工作に失敗。遂に越前支配も失い、国力もゼロになってしまう。破産だな、こりゃ。
最終的に織田が京を押さえたため、織田の勝利となった。

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感想

「吉凶札」の影響がすごくデカイ。1対1なら「吉凶札」だけで決まりそうな雰囲気もある。吉凶札の例でもわかるが、「戦国大名」は「真面目なシミュレーション」というよりは、「戦国のエッセンスを使ってワイワイガヤガヤ楽しむゲーム」といった雰囲気が強い。シミュレーション・ゲームの例に漏れずルールはやや多いが、それでもルールの概念はシンプルである。吉凶札の影響が大きいゲームなので、本作をプレイする際には、あまり勝敗に拘らず、戦国の雰囲気を味わいながら楽しむゲーム、という楽しみ方が良いと思う。

多人数シナリオねぇ。5人戦ぐらいまでなら機会を見つけてプレイしてみたい気もするが、それ以上の規模だと「血を見る」展開になりそうでコワイ。