
今回のシナリオはやや小規模な戦いを選んでみた。
かなりマイナーな海戦である。少し解説してみたい。
戦いの背景
シナリオの序文より抜粋する。1943年10月、中部ソロモンの戦いは最終局面に入っていた。ベララベラ島に上陸した米軍は同島の日本軍を圧迫し、補給を絶たれた日本軍守備隊はもはや風前の灯だった。日本軍は守備隊の撤退を決定。駆逐艦9隻を主力とする撤退部隊は、伊集院大佐に率いられてベララベラ島に接近していった。
日本艦隊の接近を知った米上陸部隊は、ウォーカー大佐指揮する駆逐艦3隻を日本艦隊迎撃に向かわせた。10月6日夜、米駆逐艦のレーダーが日本艦隊を発見した。数分後、日本駆逐艦の見張員も敵艦を発見する。ここに中部ソロモンを巡る最後の駆逐艦戦闘が戦われようとしていた。
史実の結果
最初は日本駆逐艦4隻と米駆逐艦3隻とが戦った。双方の放った魚雷が駆逐艦「夕雲」と「シャバリエ」に命中する。「夕雲」は沈没。「シャバリエ」も大破して航行不能になった。引き続いて日本側駆逐艦2隻が応援に加わる。米艦隊は残った2隻の駆逐艦がバラバラになってしまい、各個に日本艦隊と戦うことになってしまう。そのうちに日本側の放った魚雷が米駆逐艦「セルフリッジ」に命中。艦首を吹き飛ばされた同艦は最大速度が10ktにまで低下した。しばらく後に日本艦隊は戦闘中止を命令し戦場を離脱。米艦隊は「セルフリッジ」が大破して戦場を離脱、航行不能になった「シャバリエ」は味方の魚雷によって処分された。この戦いで日本軍は駆逐艦1隻を失い、米軍は駆逐艦1隻沈没、1隻大破の損害を被った。バランスシートから言えば日本側の勝利は明らかだが、味方の損害も小さくなく、決して快勝ではなかった。この時点で既に日本海軍の得意とした夜間水上戦の優位は、ほぼ失われていた。
ゲームのポイント
このシナリオの見所は、夜戦技量を向上させた米駆逐艦隊が、兵力に優る日本駆逐艦隊相手にどこまで奮戦できるかである。勝利条件は米軍にとって厳しい。勝利するためには日本駆逐艦2隻を沈めるか、あるいは1隻撃沈、2隻中破の損害を与えなければならない。わずか3隻の米駆逐艦にとっては厳しすぎる条件だ。米軍にとって救いは自軍の損害は勝利条件にカウントされないこと。だから「損害を省みず突撃」すれば勝利を得られる可能性はある。
日本軍は米軍の逆である。米軍の勝利条件を阻止し、その上で米軍に一定以上の損害を与えなければならない。史実通りの結果であれば日本軍の勝利である。日本軍にとって気をつけたいのは、ゲーム開始時点での指揮ポイントと主導権修正値が米軍に有利な設定になっていること。それと初期配置で麾下の駆逐艦隊が4隻と2隻に分離していることである。従って序盤はできるだけ不要な損害を避け、兵力が整った時点で米駆逐艦に挑むのが得策だと思われる。
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