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(写真1)北岳
(写真2)北岳山頂にて
(写真3)今回のコース

南アルプス縦走

先日、2泊3日で南アルプス縦走に行ってきました。
先週木曜日夜半に出発。金曜日早朝に登山口のある奈良田温泉に到着。バスで広河原へ移動し、そこから登山を開始しました。主なコースは以下の通りです。

広河原-->北岳山荘(泊)-->北岳-->間ノ岳-->三峰岳-->農鳥小屋(泊)-->農鳥岳-->広河内岳-->大門沢小屋-->奈良田

写真は新たに秋のアルバムを立ち上げました。よろしければ見てやって下さい。

行動経路

9/8(木)

自宅2115-(車)->道の駅「とみざわ」2400(仮眠)

 車で出発。厚木ICから富士ICまで東名高速を走る。途中の足柄SAで山菜うどんを食べる。これが意外と旨かった。富士ICからは西富士自動車道、そして国道52号線に乗る。道の駅「とみざわ」には日が変わる直前に到着。ビールを飲んで仮眠を取る。

9/9(金)

道の駅「とみざわ」0430-->奈良田0550/0725-(バス)->広河原0825
広河原0900-->二俣1100/1110-(途中道に迷う)->八本歯コル1421/1430-->北岳山荘1550(泊)

 起床0400。歯磨きなどをして0430に出発。奈良田を目指す。奈良田には0600前に到着。時間があるので朝食を食べる。0725発のバスに乗る。小型のマイクロバスは22人乗りで満員である。バスの中で仮眠。
 0825に広河原に着く。天気は良い。広河原周辺で少し写真を撮る。登山届に記入し、0900頃山に入っていく。登っている途中で天候が悪化してきた。ガスが上空を覆っている。
 二俣に着いたのが1100。10分ほど休憩する。ここから道は二手に分かれて、一方は北岳肩ノ小屋方面、もう一方は八本歯コルに行く。私は後者を選んだ。ガスの中を歩いていく。途中でレリーフを右手に見て、そこから谷沿いの道に入っていく。
 道の様子がどうもおかしい。沢沿いの急な岩場が連続する。ロープ、鎖等の補助具もなく、一般登山道にしては難易度が高すぎる。登山道を示すような標識も見えない。でも「やっぱ南アルプスは厳しいわ」などと暢気なことを考えながら標高を上げていく。途中から霧雨が降ってきた。
 一瞬霧が晴れた時、谷を挟んだ向こうに稜線が見えた。その稜線を上がっていく人が見える。「これは道を間違えたか?」。そんな懸念が一瞬頭をよぎる。でも登った道を引き返すのは億劫だ。なんとかこのまま登りたいと思う。それでもGPSの表示を見れば明らかにコースが西に偏している。道を間違えたことはもう疑う余地はない。登った道を引き返すのはなんとも心苦しいが、3000mを超えるような山で登山路を見失うのは自殺行為である。せっかく苦労して登ってきた道を今度は苦労しながら降りていく。
 1315頃ようやく正常コースに戻る。その間1時間以上のロスタイムがあった。体力の消耗も大きい。気を取り直して山道を登っていく。1時間ほど歩いて八本歯コルの下に辿り着いたが、そこからが厳しい。階段やハシゴをいくつも登って行き、ようやく八本歯コルの頂部にたどり着いたのが1421。10分ほど休憩する。稜線部は濃い霧に包まれている。風も強い。霧雨も続いている。予定ではここから北岳頂上に向かい、その後北岳山荘に向かうことになっている。しかし今は天候が悪い。ここは天候を優先し、北岳登頂は明日に延期。北岳山荘へ直行することにした。
 狭い稜線を慎重に歩き、強い風の中1550頃に北岳山荘に着く。荷物を置いて、生ビールを飲む。冷えたビールが本当に旨い。小屋は空いていた。手足を伸ばしてゆっくりと眠れた。

9/10(土)

北岳山荘0530-->北岳頂上0715/0800-->間ノ岳1050/1120-->三峰岳1206/1220-->間ノ岳1316/1330-->農鳥小屋1440(泊)

 起床0420。窓の外では風がびゅーびゅー吹いている。おいおい。今日も悪天かよ?。一瞬「もう引き上げようか」とも思う。0500から朝食。食事を終えたら外に出て朝日を見る。綺麗な朝焼けを見ると、今日はひょっとしたら良い天気じゃないかな、と期待をする。
 0530出発。風は強いが天気は良い。周囲の山も綺麗に見える。山小屋の近くで写真を撮る。今日の予定は北岳山頂を往復し、そこから間ノ岳、三峰岳往復、そして農鳥小屋に行く。歩行時間の上からはかなり余裕のある行程のはずだが、はてさて・・・。
 北岳へ向かう途中、何度も後方を振り返る。青空の下、間ノ岳が美しい。何度か立ち止まって写真を撮る。
 北岳山頂に到着したのは0715。日本第2位の山である。山頂から見える景観はまさに絶景。東には雲海に浮かぶ富士山、南には間ノ岳、西には仙丈、北には甲斐駒や鳳凰三山が見える。写真を撮っているとあっというまに時間が過ぎていく。
 0800出発。次に目指すは間ノ岳である。北岳山荘前に戻ってきたのは0840。ここから北岳と間ノ岳が綺麗に見えるので、時間をかけて写真を撮る。北岳山荘からは再び登りになる。25分ほど登った後、標高3055mの中白根岳で着く。ここから見る景観も素晴らしい。写真撮影をする。
 中白根から間ノ岳までは1時間足らずの行程である。しかし昨日からの疲れがたまっているのか、さすがに足の進みが悪い。50分ほど歩いて間ノ岳に着いたのは1050頃だった。ここでも相変わらずの晴天だが、次第にガスが上がってきた。進行方向に農鳥岳が見えている。ここでパンを食べて写真を撮る。ここからの予定は三峰岳往復である。標準コースタイムでは往路30分/復路60分。足は疲れているし、ちょっと億劫である。でも気を取り直して出発する。
 滑り落ちそうな稜線部を慎重に歩きながら三峰岳を目指す。途中でガスが上がってきた。風も強くなる。誰も歩かない稜線部を歩くのは怖いものである。標準コースタイムでは30分のところを、45分かけてようやく三峰岳にたどり着いた。周囲はガスが上がってきて視界が良くない。誰もいない山頂を独占するのは気持ちの良いが、視界が効かないのは残念である。
 1220に三峰岳を後にして間ノ岳に向う。帰りは登りである。疲れた足を引きずりながら、それでも1歩1歩と登っていく。本当に3歩登って一息つく。そんな感じである。間ノ岳山頂に戻ってきたのは1316。辺りはガスに包まれている。「山の勝負は午前中」。そんな言葉が頭をよぎる。
 間ノ岳から農鳥小屋に向けて降りていく。農鳥小屋にたどり着いたのは1440。この小屋は酷い小屋だった。水は雨水そのまま、飯はまずい、部屋は寒い、電気もない。とんでもない場所であった。できれば2度と泊まりたくない小屋であった。しかし考えてみれば、こんな小屋こそは本当の山小屋なのかも知れない。お金を出せばビールも飲める。部屋には四六時中電気がついている。こんな山小屋の方が異常なのかもしれない。
 宿泊者は定員の7割程度。手足を伸ばして寝ることはできたので良しとしよう。