潜水艦
ソ連
ソ連潜水艦はオスカー型、ヴィクター3型、それからマイク型に御登場願いました。オスカー型原潜は、対艦ミサイル力26-S6が光ります。この火力は米原潜を抜き、ゲーム中最強の火力です。またASW値、雷撃値も並以上です。ただしその他の性能は米最新鋭原潜の改ロス級には及びません。水中排水量15000トン以上の巨艦が、その性能において排水量7000トンの中型艦に劣るというのは、ある意味ソ連原潜技術の限界なのかも知れません。
ヴィクター3型はソ連海軍の標準的な攻撃型原潜です。西側の新鋭原潜に比べるとASW値がやや劣りますが、その他の点では西側新鋭艦に左程見劣りしません。ただ対艦ミサイルや巡航ミサイルの装備がなく、対水上雷撃とASW戦に特化した能力は、多目的化しつつある米新鋭原潜に比べると寂しい感は否めません。
一番右の艦はマイク型です。「世界で最も深い海まで潜れる」艦とされたマイク型原潜は、当時西側からは謎のベールに包まれていました。実際のマイク型は実用艦というよりも実験艦的な性格が強く、就役艦はわずか1艦のみ(K-278)。その艦も1989年にノルウェー海で事故により失われました。ゲームにおける評価は概ね妥当(速度4は疑問の余地がありますが)だと思われますが、実験艦的性格の強い本艦がソ連の切り札的存在として振舞うことには、若干の違和感があります。
ちなみにこのゲームでは、ソ連の潜水艦にもすべて艦名が付けれています。実際の所、冷戦時代のソ連潜水艦には一部例外を除いて固有艦名がなく(「クルスク」等の艦名が付いたのは冷戦終結後)、本ゲームで登場する艦名はすべて「デタラメ」です(そのことはゲームデザイナー自身が告白しています)。
日米
左から「スプリングフィールド」(改ロス級)、「バットフィッシュ」(スタージョン級)、「せとしお」(ゆうしお級)です。「スプリングフィールド」は、対潜、対水上、対地攻撃のいずれにも優れた万能潜水艦です。速力、防御力、対艦ミサイル力等、部分的に「スプリングフィールド」を上回る性能を持つ潜水艦は他にもありますが、総合能力的には最強の原潜であり、その能力は他の追随を許しません。
「バットフィッシュ」はやや古い世代に属する原潜です。ソ連のヴィクター型潜水艦に類似した性能を持っていますが、対艦ミサイルが使用可能な点と、ASW値が高い点でヴィクター型を凌駕しています。
「せとしお」は通常型潜水艦なので、原潜に比べると能力が一回り小さくなっています。それでも防御の弱い敵輸送船団等を攻撃するには手頃な艦です。なお「せとしお」には対艦ミサイルがありませんが、ゆうしお級の後期型にはハープーンが搭載されており、ゲームでもその能力が認められています。
航空機
ソ連
左からMig-31、Tu-26、Yak-36です。Mig-31はゲーム中最強のソ連戦闘機です。空戦力10はSu-27と同等で、航続距離32はSu-27を大きく上回ります。実際、その航続距離はF-15をも凌駕し、世界で最も足の長い「迎撃戦闘機」です。ゲームでは長い航続距離を生かし、戦略航空任務や長距離援護に多用されることになるでしょう。
Tu-26はいわずとしれたバックファイヤー。対艦ミサイル力75はゲーム中最強です。
Yak-36フォージャーは軽空母「ミンスク」「ノボロシスク」の艦載機。空戦力4は悲しいほど弱いですが、護衛の伴わない敵爆撃機相手なら撃退することも可能で、場合によってはF-14やF-18の編隊をも追い返したりすることができる「意外性」があります。
米軍
米軍は空母艦載機を並べてみました。F-14、F-18、A-6です。F-14は防空と制空戦闘の主力です。爆撃力に乏しいのでF-18ほどの多用途性はありませんが、F-18よりもわずかに長い航続距離とわずかに高い空戦性能は、援護戦闘では重宝するでしょう。
F-18は空対空、空対地、空対艦いずれも使用可能な万能機です。欠点は航続距離の短さ。空母からの実質的な攻撃範囲は8ヘクスまで。対艦ミサイルを搭載することによって若干の距離は稼げますが、いずれにしても足が短いことには変わりありません。
A-6は空対地、空対艦用の攻撃機。単能機ながらF-18を上回る航続距離と対地攻撃力は、多くの場合本機を重宝な機体とします。実際問題許されるのなら、F-18の1枚を母艦から降ろし、代わりにA-6を1ユニット追加したい気分です。
日本
左からF-15、F-1、P-3です。前2者は航空自衛隊、後者は海上自衛隊の所属です。F-15は世界最強の空戦力と長大な航続距離を誇る文字通り「世界最強」の戦闘機である。特にその広大な航続距離は、北海道を基点とした場合に沿海州や樺太一帯、さらには千島列島の過半を行動半径に収めます。その気になれば、航空自衛隊は、独力でソ連極東空軍を叩き潰すことも不可能ではありません。
F-1は対地、対艦攻撃機です。その攻撃力は悪くないのですが(決して良くもない)、致命的なのはその航続距離の短さ。行動半径がわずか7ヘクスでは、三沢を基地とした場合、北海道の沿岸海域が辛うじて攻撃圏内に入る程度です。
P-3は海上自衛隊の主力対潜哨戒機です。性能的には対潜、対艦攻撃力にも優れた優秀な哨戒機なのですが、それよりもこのような優秀な哨戒機を合計7ユニットも持つこと自体が一種の驚異です。
最後に
以上、駆け足で第7艦隊の登場兵器を紹介してきました。紹介した兵器の中には今でも現役のものも数多くあります。また一方で(特にソ連製兵器の多く)、今では退役してしまった兵器も数多くあります。これらの兵器の多くが本来の力を発揮することなく今日に至っていることは誠に喜ばしいことです。そしてそれらの兵器の隠された能力について、ゲームという世界の中で振り返ってみるのも決して悪いことではないと思います。今からまた10年が経過し、2015年を迎えた時、これらのユニットを見る我々の目線が今とは少し違っているのでしょうか?。それとも今と何も変わらないのでしょうか?。私は恐らく「何も変わっていない」と思いますが、それはその時になってからの楽しみにとっておきます。
コメント