今までは昼間戦闘における「大和」vs「アイオワ」を扱ってきました。ところで両者の夜間戦闘能力はどうなのでしょうか?。よく言われることは、「夜間(あるいは狭視界における)戦闘では電波兵器に優れる「アイオワ」が有利」というものです。私もその説に賛同します。そのため夜間シナリオでは、米側の勝利条件を厳しくし、「大和」「武蔵」の2戦艦を共に大破させなければならない、となっています。
これまでの幾度かの戦いを通じて「アイオワ」級戦艦による「大和」型戦艦の対処方法が色々とわかってきました。とにかく戦うのは遠距離又は近距離。中距離戦闘は厳禁です。なぜならこの距離では「アイオワ」の主砲が敵戦艦の主要部を貫通できないのに対し、「大和」の主砲弾は「アイオワ」の主要防御を苦もなく貫通してしまうからです。遠距離でダメージを与えて彼我の戦力比を予め有利にしておき、接近戦ではトドメを刺す。これが「アイオワ」級戦艦で「大和」と戦うときの基本戦術となりそうです。
また今回は夜戦ということで、それに対する対策もいくつか用意しました。1つは2隻の戦艦をスタックさせないこと。レーダー性能に劣る日本軍は照明弾に頼った砲撃を行ってくることが予想されますが、スタックしていると1発の照明弾で2隻が照明されてしまいます。2ヶ所に分散していればそれぞれに照明弾を撃つ必要があり、手間が2倍になります。あとは出来る限り「後攻」を取ること。後攻を取り続ければルールの関係上日本側は全く反撃できないからです。
また今回は夜戦ということで、それに対する対策もいくつか用意しました。1つは2隻の戦艦をスタックさせないこと。レーダー性能に劣る日本軍は照明弾に頼った砲撃を行ってくることが予想されますが、スタックしていると1発の照明弾で2隻が照明されてしまいます。2ヶ所に分散していればそれぞれに照明弾を撃つ必要があり、手間が2倍になります。あとは出来る限り「後攻」を取ること。後攻を取り続ければルールの関係上日本側は全く反撃できないからです。
それから(これはどうでも良いことなのですが)今回はいつもの「アイオワ」「ニュージャージ」ではなく、「ミズーリ」「ウィスコンシン」の新鋭戦艦2隻に御登場願うことにしました。名前が変わっただけで中身は全く同じなのですが・・・。
アメリカ第7戦艦戦隊の戦い
第1ターン:我が夜間索敵機の報告にあった日本艦隊をレーダーが捉えたのは日付が変わろうとしていた深夜であった。距離37キロ。例のモンスター戦艦2隻らしい。こちらの戦力は第7戦艦戦隊に所属する2隻の新鋭戦艦「ミズーリ」と「ウィスコンシン」である。5分後、距離33キロに迫った時点で初弾発砲。弾着観測の錯綜を避けるため、「ミズーリ」が敵1番艦を、「ウィスコンシン」が敵2番艦を狙う。「ミズーリ」の主砲弾には赤い染料が、「ウィスコンシン」の主砲弾には緑の染料が詰め込まれている。もし昼間ならば、それらが発する鮮やかな色の水柱をここからも視認することができただろう。 第2ターン:射撃開始後5分で早くも「ウィスコンシン」が初弾命中を得た。続いて立て続けに合計5発の16インチ砲弾が敵2番艦(後に「武蔵」と判明)に命中した。モンスター戦艦の強靭な装甲は16インチ砲弾の何発かを弾き返したようだが、大落角で降り注ぐ16インチSHSもまた強力である。何発が艦内で爆発。さらに誘爆を引き起こしているようだ。大きな損害を被った敵2番艦はにわかに速度を減じた(訳注:「武蔵」の損害はこの時点で26p=小破)。日本艦隊は我々が持っているような優秀な射撃用レーダーを持たないらしい。未だに敵からの反撃は全くない。
第4ターン:射撃開始から15分が経過していた。我が艦隊は左60度変針し、日本艦隊と距離26キロ前後で並航砲戦を続けていた。「ウィスコンシン」の射撃が敵2番艦を再び夾叉した。3発の16インチSHSが立て続けに敵艦上で炸裂する。敵艦は大きく後落し、次第に艦隊から脱落していった(訳注:「武蔵」の損害は累積43p=大破)。それにしてもこの遠距離でしかも暗夜という条件下で高い命中率を発揮できるMk-13射撃管制用レーダーの性能は一種の驚異である。それにも増して、この新兵器を自在に使いこなす「ウィスコンシン」乗員の技量には恐れ入る。それに引き換え僚艦「ミズーリ」は未だに1発の命中弾も得ることができない。このころ日本艦隊がようやく射撃を開始。敵1番艦が照明弾を発射したが、それは全く見当外れの方向で落下。我々にとっては全く脅威にならない。
第5ターン:「ミズーリ」の射撃がようやく敵1番艦(後に「大和」と判明)を捉えた。3発が命中。しかしモンスターの強靭な装甲は3発の16インチ砲弾をものともしないようだった(訳注:「大和」の損害は10p=戦闘航行に支障なし)。敵の照明弾は相変わらず見当違いの方向を照らし出しているが、その着弾は次第に正確さを増してきた。
第7ターン:距離約24キロで敵艦の頭を押さえるT字陣形を取った我が艦隊。距離が近づいたことによって敵の照明弾は我が艦隊の頭上で正確に炸裂し始めていた。敵艦艦上から連続した発砲の閃光が走る。「ミズーリ」の遥かに離れた海面に数本の巨大な水柱が上がる。モンスターの主砲は威力はすごい。ただし正確さには欠ける。
第8ターン:敵モンスターと雌雄を決すべく我が艦隊は右180度一斉回頭を行う。回頭終了後、距離20キロからの「ミズーリ」の射撃が敵1番艦を捉えた。3発が命中。しかしこの距離ではモンスターの強靭な装甲が最も効果を発揮できるらしい。モンスターは大きな損害を受けた様子も見せないまま、なおも激しい砲撃を続けている(訳注:「大和」の損害はこの時点で15p=小破)。
第9ターン:距離15キロに迫った時点で「ウィスコンシン」も砲撃に加わる。凄腕の「ウィスコンシン」は早くも命中弾を与えた。3発が命中。さすがのモンスターもこの被弾によってがっくりと速度を落とした(訳注:「大和」の損害はこの時点で28p=中破)。
第10ターン:距離12キロ。最早至近距離と言って良い。「ミズーリ」「ウィスコンシン」からの砲撃が次々と敵モンスターに降り注ぐ。多数の16インチ砲弾(戦後の調査ではこの時の命中数は5発)が目標に命中。至近距離からの16インチ砲弾はモンスターの装甲をも紙の様に貫いた。何発かは敵艦の致命部に命中。大爆発を起こしたモンスターは暗夜の海に姿を消した。敵艦2隻を撃沈破した我が第7戦艦戦隊は戦闘を中止。大破したもう1隻のモンスターの処分は翌朝の航空攻撃に託した。
翌日の早朝。我がアヴェンジャー雷撃機が瀕死のモンスターに数発の魚雷を命中させ、これを海底に送り届けたことについては、改めて付け加えるまでもないだろう。
両軍の損害
戦艦「大和」 被弾14、ダメージ54、沈没戦艦「武蔵」 被弾 8、ダメージ43、大破
戦艦「ミズーリ」 被弾 0、ダメージ 0、無傷
戦艦「ウィスコンシン」 被弾 0、ダメージ 0、無傷
プレイ時間約30分
感想
リプレイの結果はかなり一方的な展開になってしまいました。しかし今回は米軍のダイスがかなりついていたと思います。第1~5ターンの砲撃で夾又3回、命中11発というのは、夾又回数で期待値の5割増し、命中数では期待値の2倍以上です。また中盤以降も日本側は何度も「4以下夾又」というチャンスがあったのですが、悉く外しまくりました。日本側は今回運に見放されていたようです。もちろんこのシナリオが日本側にとって厳しいものであることは確かです。夜戦だから反撃の手段は限られていますし、前半は敵のレーダー射撃をただ「耐えるだけ」の展開になってしまうでしょう。ただ勝利条件的には米側に厳しいものになっています。日本艦隊が我慢強い回避運動と機敏な反撃によって勝利条件を満たすことは、決して不可能ではありません。事実、このリプレイに先立つこと5日前に行った同シナリオでは、日本側は「大和」小破、「武蔵」大破の被害を被りながらも、「アイオワ」を大破させることに成功し、「大和」突破成功によって勝利条件をも満足しています。 ただ、このシナリオが日本側プレイヤーにとって、「かなりフラストレーションの溜まるもの」であることは間違いないとは思います。
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