本来ならば"ZERO(GMT)に登場する面白い飛行機"シリーズの第3弾になる予定でしたが、予定を変えて空戦ゲームに見る五式戦というテーマで書いていきます。
五式戦(キ-100)
皆様は五式戦(キ-100)についてご存知ですよね。有名な三式戦1型(キ-61-1、"飛燕" )のエンジンを、生産性その他に難のある液冷エンジンから、信頼性の高い1500馬力級の空冷エンジンに換装したモデルです。"

量産開始は1945年に入ってからで、飛行第244戦隊等での活躍が有名ですが、特に際立った戦果はありません。しかし「五式戦1機は四式戦3機の価値がある」というような評価も一部に存在しており、日本陸軍最優秀戦闘と見る向きもあります。
私はこの五式戦が結構好きです。別に「日本陸軍最強」だとも「世界一流の戦闘機」だとも思っていませんが、何か惹かれるものがあります。今回はこの五式戦について、2つの空戦ゲームでの評価を見てみましょう。
Down in the Flames(GMT)の場合
私の知っている範囲で五式戦が登場する市販のゲームはこのゲームだけです(「エクスパンションキット」にあったかなあ?・・・、「大空のサムライ」にはたしかなかったような・・・)。パワー=3、パフォーマンス=6。パワーについては米英の2000馬力級戦闘機と比較しても遜色ないのですが、パフォーマンスはやや少なく、コルセアやヘルキャット相手でも苦戦は免れないでしょう。いわんや相手がP-51やP-47なら、もっと苦戦することが予想されます。同じ日本機と比べてみても、四式戦(キ-84、"疾風" )よりもパフォーマンスが小さく、しかも"Agile"特性がついていないので苦戦は免れません(キ-84は"Agile" )。
"Down in the Flames"における五式戦の評価は、
「キ-61よりはマシだが、ヘルキャット、コルセア相手なら苦しい展開を余儀なくされ、もし相手がマスタングやサンダーボルトならばかなり勝ち目に乏しい」
ということになりそうです。
(1) 機動性はかなり良好
(2) 速度性能は低い
(3) エンジン出力は平凡
(4) 火力は優秀
さて、これを他の機種と比べてみましょう。(2) 速度性能は低い
(3) エンジン出力は平凡
(4) 火力は優秀
まず三式戦1型との比較では、速度性能と運動性能に若干の改善が見られ、火力は大幅にアップしています。続いてライバル四式戦との比較では、火力はほぼ互角、速度性能は四式戦、旋回性能は五式戦に軍配が上がりそうです。総合的に見れば互角といえそうです。あとは好みの問題でしょう。
仮想敵と比較してみると、ヘルキャットを相手にした場合、火力は有利(ただし相手が20mm装備型なら若干不利)、速度性能は対等だが心持ち劣勢、旋回性能は有利、耐久力では負けです。コルセア相手なら、速度はかなり不利、火力は有利、旋回性能は有利、耐久力で負けています。
Fighting Wingsにおける五式戦の評価は
「ヘルキャット相手なら全般的に有利なく空戦が期待できそう、コルセア相手なら速度性能の違いに苦しめられるかも」
まとめ
Down in the Flames(DiF)とFighting Wings(FW)という2つのゲームで五式戦を比較して、評価の微妙な違いを感じました。DiFの場合、レーティングが全体的に大雑把な所もあって、カタログスペックよりも実際の戦歴を重視してレーティングされているフシがあります(例えばコルセアとヘルキャットが全く同一性能である等)。そのせいか五式戦に対する評価は全般的に辛口で、同時期における諸外国の戦闘機と比較すると明らかに見劣りします。DiFで「五式戦と四式戦どちらかを選べ」と言われたら、私は迷わず四式戦を選ぶでしょう。
FWの場合、より細かなディテールを持っているだけに、五式戦についてもかなり突っ込んだ評価がなされています。レーティングは全体的に見ると好意的で、上にも書いたとおり連合軍の新鋭機相手にもそれなりに渡り合える性能を与えられています。FWで「五式戦と四式戦どちらかを選べ」と言われたら、迷いながらも私は五式戦を選ぶかも知れません。








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