「ソロモン夜襲戦」においては魚雷の威力は大きく、たった1発でも巡洋艦クラスが相手ならば重大な損傷を引き起こす可能性を秘めています。特に日本海軍が用いた61センチ級の大型魚雷(90式魚雷、93式酸素魚雷)は絶大な威力を有し、連合軍としてはとにかく「魚雷に当たらない」ことが勝利のための第1条件となってきます。
そこで今回は「ソロモン夜襲戦」における雷撃戦戦術について、主に連合軍側の視点からいくつかアドバイスをしてみたいと思います。
そこで今回は「ソロモン夜襲戦」における雷撃戦戦術について、主に連合軍側の視点からいくつかアドバイスをしてみたいと思います。
適正な距離
魚雷を撃つためには適正な距離というものがあります。「ソロモン夜襲戦」の場合、彼我の姿勢にもよりますが、日本軍から見て自らが魚雷を発射する場合を考えると、その距離は概ね3ヘクス以内が適当かと思われます。これがもし連合軍が発射する場合(あるいは日本軍も使用魚雷が旧式の8年式や6年式の場合)は、2ヘクス以内からの発射が理想です(距離3ヘクスの場合、相手が高速艦で主導権が敵側にあれば逃げられる可能性がある)。(図1)日本軍の理想的な雷撃の例。敵の舷側3ヘクスから発射した場合、主導権の有無や敵側の回避運動に関わらず距離4ヘクス以内での命中判定が期待できます。
逆に撃たれる側から考えた場合、「絶対安全距離」というのは存在しません。強いていえば距離21ヘクス(酸素魚雷の射程距離外)ということになりますが、そんなことを言っていたら戦争になりませんよね。
で、比較的安全な距離というもの考察してみると、それは5ヘクスになります。この距離ならば相手が90式魚雷の高速モードならば100%回避可能ですし、93式酸素魚雷でも命中率をかなり低下させられます(命中率約3~4%)。これでもかなり脅威にはなりますが、命中率を減ぜられただけでも良しとすべきでしょう。
もう少し離れて7ヘクスとすると、今度は高速モードで発射された酸素魚雷も回避できるようになります。まあ7ヘクスも離れてしまうと、相手も魚雷を撃ってくること自体が少なくなりますが・・・。
で、比較的安全な距離というもの考察してみると、それは5ヘクスになります。この距離ならば相手が90式魚雷の高速モードならば100%回避可能ですし、93式酸素魚雷でも命中率をかなり低下させられます(命中率約3~4%)。これでもかなり脅威にはなりますが、命中率を減ぜられただけでも良しとすべきでしょう。
もう少し離れて7ヘクスとすると、今度は高速モードで発射された酸素魚雷も回避できるようになります。まあ7ヘクスも離れてしまうと、相手も魚雷を撃ってくること自体が少なくなりますが・・・。
(図2)日本軍の雷撃から回避できる例。距離5ヘクスから発射した場合、仮に魚雷が高速モードでかつ主導権が日本側にあったとしても、そのターンにおける魚雷命中はありません。
日本軍からみた場合、距離5ヘクスからあえて低速モードで少数の魚雷を放っておき、敵側に回避運動を強要して砲戦を有利に進めて行くという戦術も考えられます。連合軍のMK-15も低速モードで撃てば8ヘクス届きますから、同様の戦術を行うことも可能ですね
彼我の姿勢
雷撃戦戦術における重要な要素の1つに彼我の姿勢があります。まず下図を見て下さい。この状況で発射された魚雷は、撃たれた米巡洋艦CA1にとって非常に厄介な存在になります。回避しようにも左へ旋回すれば、魚雷に対して「美味しい」横腹をさらすことになります。結論から言えばこの場合米巡洋艦は直進するか、あるいは右へ旋回するしか手がないと言えます。魚雷の命中率は6~8%に達し、仮に運良く魚雷から逃れることができたとしても、絶対に避けたい日本艦隊との接近戦闘に引きずりこまれることは明白です。(図3)日本軍にとって理想的な雷撃姿勢の1つ。この体勢に持ち込まれたら連合軍はかなり苦しい展開を強いられるでしょう。
ではこの状況を避けるにはどうすれば良いのか。下図がその一つの答えになります。この形であれば先にも説明した「距離5ヘクス」の原則に従うことになり、魚雷からかなり安全になります。加えてこの姿勢ならば米巡洋艦の全火砲を日本駆逐艦に向けることができるため、事前に目標を撃破して魚雷発射を未然に防ぐ可能性も大きくなります。
(図4)似たような状況でも下図のような状況であれば、連合軍にかなり回避のチャンスが生まれてきます。
次に下図を見て下さい。左の状況と右の状況と見比べれてどちらが連合軍にとって有利でしょうか?。自明のことだとは思いますが、これは右の状況が有利です。
理由は言うまでもありませんね。
左の状況下で日本艦が魚雷を発射した場合、米巡洋艦は左に避けてとにかく彼我の距離を大きくする以外に打つ手はありません。しかし右の状況下では、仮に日本艦が魚雷を発射した場合でも米巡洋艦は1ヘクス前へ進むだけで魚雷から完全に回避できます。
理由は言うまでもありませんね。
左の状況下で日本艦が魚雷を発射した場合、米巡洋艦は左に避けてとにかく彼我の距離を大きくする以外に打つ手はありません。しかし右の状況下では、仮に日本艦が魚雷を発射した場合でも米巡洋艦は1ヘクス前へ進むだけで魚雷から完全に回避できます。
(図5)魚雷攻撃を阻止するためには敵の頭を押さえることが重要です。
警戒幕
史実でも米軍は主力巡洋艦の側面に駆逐艦部隊を配置し、敵の魚雷攻撃から主力を守る布陣を採用してきました。「ソロモン夜襲戦」でもその戦術は有効です。友軍駆逐艦を盾にして巡洋艦部隊を守る。煙幕を張って友軍巡洋艦を隠す。チャンスがあれば駆逐艦部隊が魚雷攻撃の先鋒となって敵部隊に切り込む等、色々な使い方が考えられます。この時注意すべき点としては、駆逐艦を味方巡洋艦の2ヘクス手前に配置することです。隣接ヘクスに配置してしまうと、「味方撃ち」ルールに引っ掛かってしまい、味方巡洋艦の砲撃力を殺いでしまうという悲しい結果になってしまいますから。
ちなみに狡猾な日本軍プレイヤーは、前衛駆逐艦をなぶり殺しにした後、じっくりと主力巡洋艦を料理する、という小賢しい手段を採ってくる場合もあるようです。その点はくれぐれもご用心を・・・。
次回予告
一応雷撃戦の戦術については今回で「一話完結」とします。今回は主に夜間における雷撃戦について、連合軍から見た魚雷対策という視点で書いて見ました。魚雷については、他にも例えば連合軍側から見た攻撃戦術や、日本軍による昼間の魚雷戦戦術等も研究してみると面白いテーマかもしれません。機会があれば取り上げてみたいと思います。(昼間遠距離雷撃については、私自身、まだ深く探求していないという事情もあります)最後に1つの戦術状況を想定してみました。
下図を見て下さい。日本軍と連合軍がそれぞれ重巡4、駆逐艦4を擁して対峙している状況を示しています。あるターン開始時の状況が下図のような状況であった場合、連合軍プレイヤーはこのターンにいかなる戦術運動を行うべきでしょうか?。少し考えてみて下さい。私の考えは次回発表します。
(少しわかりにくいですが、日米共に前の4隻が駆逐艦、後の4隻が重巡です)
つづく
下図を見て下さい。日本軍と連合軍がそれぞれ重巡4、駆逐艦4を擁して対峙している状況を示しています。あるターン開始時の状況が下図のような状況であった場合、連合軍プレイヤーはこのターンにいかなる戦術運動を行うべきでしょうか?。少し考えてみて下さい。私の考えは次回発表します。
(少しわかりにくいですが、日米共に前の4隻が駆逐艦、後の4隻が重巡です)
つづく
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