(写真)長距離偵察機RF-101C「ブードゥー」。元々は米本土を守る大型防空戦闘機として開発されたが、ベトナムではその速度性能と航続距離が買われて偵察機として運用された。
Down Town(GMT) シナリオリプレイ
D1 Here, There and Everywhere
前回までのあらすじ
第6ターン
マップ南端からRF-101Cの編隊が進入してきた。爆撃の成果を確認するためである。F-105の編隊はアフタバーナーを点火したまま紅河北岸上空を旋回して帰路につく。直衛のファントムがピタリとその側面につく。
第7ターン
第8ターン
F-105Dは戦場離脱していった。変わって進入してきたRF-101Cの編隊を護衛するためにファントムがその側面につく。そのころ低空から接近しつつあった2機のMiG-17が俄かに高度を上げた。距離12マイル。米軍機はMiGに気づかない。
第9ターン
RF-101Cは紅河を渡り最終偵察行程に入った。その右下方より2機のMiG-17が迫る。距離7.5マイル。RF-101CはまだMiGに気づかない。第10ターン
MiG-17編隊はアフターバーナーに点火。一気にRF-101Cの編隊に迫る。一撃離脱を仕掛けてくるMiG-17の編隊。しかし「エンゲージ」のダイスチェックに失敗して交戦には至らなかった。RF-101Cはアフターバーナーに点火。速度を一気に900ktまで加速し、目標上空を一航過。数枚の偵察写真を撮影した。そこには完全に破壊されたSAMサイトの姿がはっきりと写っていた。写真撮影を終えRF-101Cは一気に高高度まで上昇する。こうなると亜音速のMiG-17では追いつく術はない。あとはSAMの反撃にすべてを託すだけだ。第11ターン
偵察を終えたRF-101Cの編隊は速度を1050ktまで加速する。音速の2倍を超える超高速だ。1発のSAMが発射されてRF-101Cの編隊を追うが、そのミサイルは米軍機のはるか後方で空しく爆発するだけだった。その差は6点なので「不完全な勝利」だそうです。米軍はもう1度この目標を攻撃する必要があるそうです。要するに「引き分け」ですね。低空攻撃でサンダーチーフ1機を失ったのが痛かったみたいです。それとも目標を破壊するだけでは不十分で、MiGを1機ぐらい落としておかないとダメなんでしょうか。勝利条件的にはかなり米軍にとって厳しいものみたいです。
余談ですが、この勝利条件を見る限り「MiGの増援」はやめておいた方が得策みたいですね
感想
一応本格的なシナリオということでしたが、このシナリオD1に関して言えばマップの1/4程度しか使わないので、ミニシナリオといっても良いと思います。今回はルールの確認に手間取ったので余計な時間がかかってしまいましたが、慣れれば3~4時間程度でこのシナリオをプレイできるのではないでしょうか。もう少し本格的なシナリオでも、恐らく1日あれば十分プレイできそうです。プロットやダミーを使うので「ソロプレイに不向きでは」という危惧がありました。確かにソロプレイに不向きな面はあります。ただし適当に脳内補完してやれば、ソロプレイは必ずしも不可能ではありません。
雰囲気としてはなかなか宜しいかと思います。SAMは厄介だけど実害はそれほどでもない。MiGはチョロチョロと煩い。そして本当に怖いのはAAA。これをちゃんと黙らせないと攻撃隊に大損害が出るかもしれない。だから攻撃目標本体だけではなく、周辺のAAAを制圧するための攻撃編隊を用意しなければならないこと等、当時の航空戦の雰囲気が良く出ているように思います。今回のように40機にも及ぶ「ストライク・パッケージ」による攻撃を3~4時間で再現できるという点で本ゲームは貴重です。
ただ細かいルールが多いのにはかなり閉口しました。セットアップする時には「「ミッション」と「タスク」の違いって何?」とか、盤内に進入するときは「攻撃隊本体とMiGCAPはどういう順番で進入するんだ?」とか、SAMを撃つ時には「目標捕捉ってどうやってやるの?」とか、対空射撃を行うときには「ファイアーカンって何?、対空射撃って1ターンで何回でもできるの?」とか、次から次へと疑問が押し寄せてきて、それらを一々ルールで確認しないといけないので、時間がかかってしまいました。
次は米海軍が登場するシナリオにチャレンジしてみます。
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