(写真)攻撃空母USS Ticonderoga(CVA-14)。今回のシナリオでUSプレイヤーの攻撃母艦となった。
Down Town(GMT) シナリオリプレイ
「Down Town」はベトナム戦争における北ベトナム上空の戦いを扱ったボード・シミュレーション・ゲームです。Down Town(GMT)について、紹介記事はこちらをご覧下さい新シナリオに挑戦です。前回は米空軍対北ベトナム軍だったので、今度は米海軍にご登場願うことにします。時期は1960年代が良いでしょう。1970年代、いわゆる「ラインバッカー」の頃になると、テクノロジーが急激に上昇し、新しいルールを理解しなければいけません。「ハイテク兵器」バリバリの戦争もまた楽しいのですが、「超音速戦闘機」と「ローテク兵器」というシュールな組み合わせもまたオツなもの。
という訳で選んだシナリオは「D4:The Wheel of Hunt」です。
背景
1966年の米議会選挙後、「ローリングサンダー52」と呼ばれる北爆作戦はエスカレーションしていった。POLシステムに対する攻撃は失敗とみなされ、米軍はその爆撃目標を工業地域へとシフトしていった。米空軍は攻撃任務数の増大から「爆撃は成功しつつある」と考えていたが、実情は違っていた。彼らの前に立ちふさがったのが北ベトナム軍の地対空ミサイルである。当初、米空軍のF-4Cはレーダー警報装置や電子妨害装置を装備せず、SAMに対して極めて脆弱な状態であった。特に1966年12月2日の戦いでは、1日で8機もの米軍機が撃墜され、人々は「暗黒の金曜日」と呼んだ。慌てた米空軍はレーダー警戒装置を持たないF-4CをSAM危険区域における戦闘空中哨戒任務から外し、その結果ファントム隊は攻撃隊をSAM危険区域の外縁までしか援護できなくなってしまった。
こうしてベトナム上空の空中戦は新しい段階に入っていった。
準備とルール確認
とまあ、こんな感じの米軍にとっては「おぞましい」状況で始まったこのシナリオ。米軍としては「暗黒の金曜日」を再現したくはない所ですね。シナリオ開始前にルールの再確認ということで、ルールブックを再読してみました。
すると・・・・、
「出るは出るは・・・・・・」
ルールの誤解や誤用が次から次へと出てきました。
忘れないためにも気づいた点をどんどん書き出していきます。
忘れないためにも気づいた点をどんどん書き出していきます。
早速ルールチェック
[27.62]SAM大隊は鉄道、市街地もしくは高速道路の1ヘクス以内に配置する
[27.62]DRVのSAMセットアップ DRVはSAM大隊の半数以上をハノイ(2028)、ハイフォン(2410)から4ヘクス以内に配置しなければならない。この制約にダミーは含まれない
あれあれ・・・、すっかり失念しておりました。折角書いたDRVのSAM配置を慌てて修正します。
これはまあ問題なし。SAM大隊のうち、非隠匿のもの計6個とダミーSAM4個をマップ上に配置します。
シナリオの指示に従って米側の兵力と目標をダイスで決めます。今回は「米海軍でプレイしたい」という野心があるので、ダイスを「ちょっと」調整しました(要するに「振り直した」ということ)。その結果、攻撃に参加する空母は攻撃空母USS Ticonderoga(CVA-14)。攻撃目標はヘクス2333の"Xuan Mai"橋。
攻撃編隊の編成は以下の通りです。
攻撃編隊の編成は以下の通りです。

[8.11 進入と退出ヘクス 各任務において計画マップ上で進入及び退出ヘクスを指定する。(中略)退出ヘクスから6ヘクス以上離れたヘクスから退出したUS編隊は回収チェックを行う。
このゲームでは「任務」と「タスク」という概念がちょっとややこしい。「任務」(Mission)とは各攻撃編隊毎に定められた固有の任務で、「ジャミング任務」「MiGCAP」「攻撃任務」等があります。一方の「タスク」(Task)はもっと一般的な概念で、「爆撃タスク」「CAPタスク」等があります(こう書いても「なんのこっちゃわからん」という方が大半でしょう。私もそうです)。MissionもTaskも日本語にすれば両方とも「任務」になってしまうので、それが混乱の元なのかも知れません。英語をそのまま使った方が混乱がないかも、と思います。
それよりも問題は「Mission毎に進入/退出ヘクス」を決めなければならない、ということ。今まで経路決定は爆撃Taskと偵察Taskの編隊だけだと思っていたので。この点は少し驚きです。
あと「航路指定って編隊毎?、Mission毎?、それとも全部共通?」というのが良く分からなかったので再確認してみたのですが、その点も今ひとつハッキリせず。結局航路は「Mission毎に決定」としました(つまり打撃部隊と偵察機は別々の経路を辿るということ)。
あと「航路指定って編隊毎?、Mission毎?、それとも全部共通?」というのが良く分からなかったので再確認してみたのですが、その点も今ひとつハッキリせず。結局航路は「Mission毎に決定」としました(つまり打撃部隊と偵察機は別々の経路を辿るということ)。
いずれもダイスを振るだけなので問題なし。天候ダイスは「9」(Broken cloud at Low/Med, 1 break)、早期警戒レベル決定では米軍プレイヤーは役立たずのEA-1F「Electric Spad」1機を早期警戒妨害に投入。海軍機の-2修正と合わせて修正合計-3。修正後のダイスは「7」なので結果は「Some Warning」となりました。北ベトナム軍はMiG-21の1編隊を在空させます。
(写真)ベトナム上空を飛ぶEA-1F「Electric Spad」電子戦機


えーっと、この段階でDRVプレイヤーはMiGを調達するのですね。気がつかなかった・・・・。早期警戒の結果を見てMiGを数を加減することができるみたいです。あと地上配置のMiGがゲーム開始時にどのような状態になっているかについて確認しました。
まず基本的な概念として、地上にいる航空機は「準備」(Ready)、「待機」(Unready)、「格納」(Revetted)の3段階があります。そのうちすぐに発進できるのは「準備」状態の機体だけです。
さて、ゲーム開始時のMiGがどういう状態にあるのか?。ルール27.63によると「1つの飛行場には1個編隊だけを「準備」状態でセットアップできる」となっています。ルール3.1には何やら別のことが書いてあるように思いましたが、こちらは無視してルール27.63の記述に従うことにしましょう。
まず基本的な概念として、地上にいる航空機は「準備」(Ready)、「待機」(Unready)、「格納」(Revetted)の3段階があります。そのうちすぐに発進できるのは「準備」状態の機体だけです。
さて、ゲーム開始時のMiGがどういう状態にあるのか?。ルール27.63によると「1つの飛行場には1個編隊だけを「準備」状態でセットアップできる」となっています。ルール3.1には何やら別のことが書いてあるように思いましたが、こちらは無視してルール27.63の記述に従うことにしましょう。
もう1つ、早期警戒によって「空中配置」が認められた編隊数に「ダミーを含めるか否か」です。27.63の記述がやや曖昧なのですが、ここでは「ダミーも含めて1ユニット」ということにします。
これは問題なし。
これもOK
13.2 スカッターと機動マーカー
空戦を行った編隊は一部の例外を除いて「スカッター」し「機動マーカー」を置く。前回MiGは「エンゲージ」に失敗していたのでこのルールを適用する機会はなかったのですが、もし空戦していたら、確実にルールを忘れていましたね。とまあ、ここまで来てようやくセットアップが完了です。見て下さい下の写真。これがセットアップの成果です。

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