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激闘!!日本海海戦

コンポーネント作成しました

前回(冗談半分で)紹介した日本海海戦ゲーム。前回は「敵艦見ゆ」というタイトルで紹介した作戦級の「日本海海戦ゲーム」ですが、興味が湧いたのでコンポーネントを作ってみました。ルールは全く決まっていないのに「駒作り」というのも変な話ですが、これが結構面白い。すっかりはまってしまいました。

マップ紹介

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1ヘクス33海里。日本海全域と日本近海の太平洋をマップ化する予定です。が、ゲームシステム自体が未定なので、詳細はこれから検討します。

ユニット紹介

戦艦

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まずは日露両軍の戦艦です。
「三笠」「敷島」「朝日」の3艦については、細部に違いはあるものの、基本的なスペックはほぼ同等です。主兵装として305mm連装砲を前後に各1基、副砲として152mm砲を計14基搭載しています。当時世界最強の戦艦でした。
「富士」は先の3艦よりもやや古い戦艦です。スペック的には新型艦とほぼ同等でしたが、主砲の305mm砲は発射速度の点で新型艦よりも見劣りしたそうです。
「鎮遠」は日清戦争で得た戦利艦で、日露戦争時は既に旧式化していました。一部に

という意見もあるようですが、「鎮遠」のスペックを見る限り明らかに「買いかぶりすぎ」ですね。

ロシア・バルチック艦隊の主力は4隻の「ボロジノ」級戦艦です。「三笠」に比べるとやや小型ながらも、砲力の面ではほぼ同等のものを持っていました。砲力、速力の面では日本の新型戦艦に遜色ない性能を持っていましたが、防御力にやや難があったようです。日本海海戦ではその弱点を付かれる形となり、4隻の参加艦の内3隻が早期に撃沈されてしまいます。
「オスラビア」は速力を重視した「ペレスウェート」級の1艦で、主砲を254mm級で甘んじる一方、最大18.5ktの速度を発揮しました。日本海海戦では我が艦隊の集中砲火を浴び、ロシア艦隊の中で最初に戦没することとなりました。
「シソイ・ヴェリキー」「ナワリン」はバルト海用に建造された戦艦で、世代的には「ボロジノ」級よりも1世代古い艦です。日本海海戦では奮戦しましたが、日本駆逐艦の夜襲によって共に撃沈されました。
「ニコライ1世」は1891年就工の古い戦艦です。我が「鎮遠」と同世代の艦で、性能的にも似ています。日本海海戦で日本軍に降伏。日本戦艦「壹岐」となりました。
「ウシャコフ」以下の3艦はバルト海沿岸防衛用の小型戦艦です。本来の目的に対しては優秀な艦でした。そんな艦でよくもまあ日本海までやってこれたものだと感心します。

装甲巡洋艦

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続いて装甲巡洋艦。この分野では圧倒的に日本側が有利であることがわかります。日本海海戦における日本軍の勝因の多くが、装甲巡洋艦の活躍に依っていることは疑いない所でしょう。
「春日」「日進」は日露開戦直前にイタリアから購入した新型巡洋艦です。この両艦についてはロシア海軍も食指を伸ばしていたようで、ロジェストヴェンスキー中将はこの2艦が入手できなかったことを惜しんだそうです。「激闘!!日本海海戦」をプレイすれば、何故日露両国がこの2艦にこれほど固執したかが理解できるでしょう(理解できるようなゲームにしたいなあ)。日本海海戦では戦艦部隊と共に行動し、特に「日進」はロシア艦隊の砲火を浴びてかなりの損害を被りました。
「出雲」以下の6艦は基本的にはほぼ同一の仕様ですが、細部はかなり異なっています。「出雲」「磐手」「浅間」「常磐」の4艦はいずれも英国製で、性能的にもほぼ同一です。「吾妻」はフランス製、「八雲」はドイツ製で、性能的には他艦と比べて遜色ないのですが、形状は英国製艦とは違った趣があります。

ロシア・バルチック艦隊の装甲巡洋艦は日本のそれに比べると質量共にかなり見劣りします。いずれも低速で巡洋艦としての使い道は乏しいです。一番有力なのは「ナヒモフ」ですが、一番善戦したのは「ドミトリー・ドンスコイ」です。

偵察巡洋艦

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次は偵察巡洋艦。こちらも日本側が圧倒的に優勢です。
「笠置」「千歳」はかつて紹介した「吉野」「高砂」と準同型艦です。当時の日本艦にしては珍しく米国製で、速度と砲力にバランスの取れた偵察巡洋艦です。日露全戦役で日本艦隊の偵察部隊主力として活躍しました。
「新高」「対馬」「音羽」「須磨」「明石」は速力を重視した3000t級の小型巡洋艦で、いずれも国産艦です。日本海海戦では偵察巡洋艦部隊の有力な一翼を形成しました。
「和泉」は英国製の偵察巡洋艦で、就役は日清戦争前と古い艦です。日本海海戦でバルチック艦隊との触接を保ち、同海戦での日本の勝利に大きく貢献したのは有名な話です。
「浪速」「高千穂」「千代田」「橋立」「厳島」「松島」はいずれも日清戦争に参加したベテラン艦です。いずれも日露戦時は既に旧式化していました。国産の「千代田」は実質的には最初の国産巡洋艦でした。「橋立」「厳島」「松島」はいわゆる三景艦で、日清戦争時代の我が主力艦でした。

ロシアの偵察巡洋艦は雑多な編成で、日本艦に比べて質量共に見劣りしますが、それでも装甲巡洋艦よりは充実しています。152mm砲12門を備えた「オレーグ」が一番有力な艦でしたが、日本海海戦では海戦最中に南方へ逃走するという不名誉を史実に残しています。「イズムルード」「ジェムチューグ」は最大速力24ktを誇り、日本海海戦に参加した両軍艦艇の中で駆逐艦以下の小型艦を除いた艦としては最速を誇っていました。「ジェムチューグ」はマニラ湾にて抑留、「イズムルード」は日本艦隊の追跡をかわしてウラジオストック付近まで到着しましたが、不幸にしてそこで座礁。爆破処分されました。

おまけ

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おまけとして日露戦争後に就役した日本艦をデザインしてみました。
「香取」「鹿島」は日露戦争に間に合わすべく設計された戦艦で、新型の305mm砲と中間砲として254mm砲を4門搭載しました。火力面では「三笠」を大きく凌駕する艦で、仮に両艦が日露戦争に参加していたら大いに活躍できたことは想像に難くありません。

「筑波」「生駒」は日露戦争後に就役した国産初の大型艦です。当時は一等巡洋艦に類別されていましたが、実質的には巡洋戦艦に相当する艦であり、事実後年に巡洋戦艦へ類別を変更されています。余談ですが、幼少の頃読んだ「日本軍艦のすべて」のような本の中で、

「筑波型は国産初の大型艦で、艦首衝角を廃したのは日本人の先見の明を示すものだ」

的なことが書かれていました。当時の私は素直に感心したものですが、今から思えば「零戦の20mm機関砲」と同じような話だったのかもしれません。

「薩摩」「安芸」は「香取」型に続いて建造された国産の戦艦です。排水量2万トン級の同艦は当時世界最大の戦艦で、このような大型艦を日本独力で設計・建造し得たことは、当時の日本造艦技術の高さを示すものといえましょう。不幸にして本艦の完成前に英国で画期的な戦艦「ドレットノート」が完成したため、世界最強の称号を得ることはできませんでしたが、前ド級戦艦としては極致に達した艦であることは間違いありません。