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「Uncommon Valor」の紹介

「Uncommon Valor」とは、米国"Matrix Games"社が開発した電脳シミュレーションゲームです。テーマは太平洋戦争における南太平洋戦役で、1942年5月の珊瑚海海戦から、連合軍によるラバウル包囲がほぼ完了する1943年12月までを扱います。マップは1ヘクス30マイルで北はトラック島、南は豪州大陸東海岸あるいはニューカレドニア島を含んでいます。
1ユニットは艦艇1隻、航空機1個飛行隊、地上部隊は1個大隊から1個旅団に相当に相当します。電脳ゲームですから当然ステップロスは細かく、航空機は1機単位、艦船は各武装単位で損傷し、地上部隊も砲1門、歩兵1個分隊レベルで損耗していきます。
1ターンは現実の1日に相当します。1日単位で麾下の部隊に命令を与えておけば、あとはコンピューターが自動的に戦闘解決を行ってくれます。もし毎日毎日命令を入力するのが面倒ならば、最大7日単位までターンスケールを拡大することができます。
プレイヤーは日本軍又は連合軍どちらでも担当できます。また人間対コンピューターの対戦だけではなく、人間対人間の対戦、あるいはE-Mailによる対人戦もサポートしています。ただオンラインの通信対戦はサポートしていないようです。

「Uncommon Valor」マニュアル読了

電脳ゲームなのでマニュアルを読まなくてもプレイすることは可能なのですが、折角なので一通り目を通してみることにしました。とはいっても英文で70ページにも及ぶ分厚いマニュアルを完全に理解することはほぼ不可能です。それにコンピュータゲームなので大雑把に理解して、あとは「実地で覚え」た方が効率が良いでしょう。今回はざっと目を通した上で、気づいたことを書き連ねたいと思います。

5.MAP

地図についての説明です。「Uncommon Valor」の地図はウォーゲームとしてはシンプルな部類に属します。自然地形としては、海、海岸、陸地(ジャングル)、山岳、河川ぐらい。人口地形としては、基地、道路、小道ぐらいしかありません。

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(写真)ラバウル周辺

6.Unit Symbol

地図上に表示されるユニットシンボルの説明です。タスクフォースは任務別にシルエットが区別され、航空部隊は機種別にシルエットが区分されています。

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(写真)「Uncommon Valor」に表示されるタスクフォース、航空部隊のユニットシンボル

7.Interface

ゲームの開始方法、オプションの設定方法、メール戦の方法、メニューバー及び戦術マップの使い方、タスクフォース・スクリーン、航空機スクリーンといった各種スクリーンの使い方、さらにはホットキーの使い方について説明しています。

8.Task Forces and Ships

タスクフォースの作成方法や任務の設定、目標地点の設定について説明しています。タスクフォースの任務については、航空戦闘、水上戦闘、対地砲撃、輸送等に分類されており、そのため空母部隊がそのまま水上戦闘に雪崩れ込む、といった非現実的な運用は自ずと制限されることになります。また速度設定はコンピューターが自動的に行ってくれるのですが、そのアルゴリズムについて説明しています(敵の飛行場に突入する際は空襲を避けるために最大速度で航行するらしい)。任務の中には機雷敷設や掃海といったものもあり、機雷戦を再現することもできます。
他には燃料消耗や弾薬消耗に関するルールもあります。航続距離の短い日本駆逐艦の場合、すぐに燃料欠乏を起こしてしまう傾向があるので、小まめに洋上補給してやる必要があるみたいです(と、マニュアルには書かれてありました)。
他に面白いルールとしては、個艦毎に練度(昼間練度と夜間練度に区別されている)が設定されており、増援としてゲームに登場してきた艦艇は低練度になっているようです(特に連合軍側)。これに対して「Shakedown Cruises」というルールもあり、本格的な戦闘を経験する前に簡単な任務を経験させることで技量向上を図ることができるようです。

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(写真)珊瑚海海戦に参加するMO機動部隊。所属艦艇の状況は勿論、任務、目標地点、指揮官の氏名やその技量等が事細かに記載されています。

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(写真)1942年8月シナリオに登場する米戦艦「ノースカロライナ」。夜戦技量「36」は決して高練度とは言えません。

9.Ground Units

地上部隊の詳細や移動方法が記載されています。戦車1両、砲1門レベルでレーティングされていますが、戦車や火砲が主役ではない太平洋戦役の場合、あまり気にならない部分です。

10.Aircraft

航空戦の手順、任務や目標地点の設定、基地変更の手順等が記載されています。任務には海上攻撃任務や基地攻撃任務、哨戒任務等があります。さらに各航空隊は飛行高度を設定することもできます。特に米軍のP-39シリーズは高度10000ftを越えると極端に性能が悪化するため(そのことを再現する特別ルールがあります)、日本側はP-39の迎撃を回避するために中高高度の侵攻を多用するのが良いかもしれません。
他にも損傷した航空機が近くの母艦や基地に緊急着陸/着艦したり、悪天候のために目標を見失ったりすることもルール化されています。

11.Naval Combat

艦対艦戦闘、対地艦砲射撃、潜水艦戦闘や対潜水艦戦闘、機雷戦についての進行手順を説明しています。

12.Air Combat

空対空戦闘の進め方を説明しています。面白いのは迎撃戦闘の際に最も重要な要素を「上昇性能」としていること。これは現実の世界では自明のことなのですが、ボードゲームではなかなか再現できない要素の1つです。電脳ゲームでは上昇性能の優れた戦闘機が迎撃任務に有利であることを簡単に再現できるので、今までやや不遇な扱いを受けることの多かった高速迎撃戦闘機達がクローズアップされることになるかもしれません。

14.Spotting

航空機等による敵艦隊や基地に対する偵察方法を説明しています。探知レベルという概念が導入され、それを向上させるために偵察機の役割がクローズアップされてきます。そのため「Uncommon Valor」では写真偵察機が個別にユニット化され、ゲームに登場してきます。

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(写真)米陸軍第8偵察飛行中隊。装備機はP-38を偵察用に改造したF-5A Lightning。本作以外でこの機体が登場するゲームを私は殆ど知りません。

16.Bases

基地建設の方法や基地に対するダメージ、さらには基地の修理方法について説明しています。基地設営隊もユニット化されています。

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(写真)1942年8月シナリオにおいて、ルンガ飛行場の建設に励む海軍設営隊。その後の彼らの運命は・・・・。

17.Logistics

補給活動の方法、艦船、地上部隊、航空機に対する補給方法について説明しています。補給がこのゲームのキーワードみたいなのですが、実はここはあまり詳しく理解していなかったりします(^^;。まあやってみればわかってくるでしょう。

その後

とまあ、こんな感じのゲームです。マニュアルを読むだけでワクワクしてくるようなゲームであることは間違いないです。ここまで読んだのだから早速プレイしてみたいですね。平行して進めているBattlefield Europeももう少し研究したいし、なかなか時間が取れないのですが、なんとか時間を見つけてチャレンジしてみたいと思います。

P.S. ぢつはこのゲームのマニュアルについては日本語訳がちゃんとあったりします。ちょっと「気どって」英語マニュアルに挑戦してみましたが、英語を読むのにも疲れてきたので、次は日本語版を読んでみることにします。