大曲-新庄
JR大曲駅は秋田県中南部の内陸部に位置する交通の要所である。この駅は南から秋田新幹線と奥羽本線が交わる地点で、北西は秋田市、西は仙岩峠を越えて盛岡市、南は横手、湯沢、新庄から山形へと通じている。某月某日0820。レンタカーを駅近くのレンタカー屋に返却した私は、大曲駅の駅頭に立った。ここから長躯神奈川にある家まで帰るためである。距離?km/h、所要時間15時間以上という長丁場だ。
駅で0902発の新庄行きを待つ。今日は大雨。なんでも台風なみの低気圧が本州北部付近海上に停滞しているらしい。列車の遅れが気になる所だ。
と、駅の構内放送から
「お客様にお知らせします。強風のため0902発新庄行きに大幅な遅れ発生しています。詳しい情報がわかり次第お知らせします」
との放送があった。おいおい、これって私が乗る予定の列車じゃないか・・・・。放送によれば、使用列車がまだ秋田に着いていないとこと。どうしようかな。前途が思いやられる。
その後構内放送が入り
「ただいま列車は約47分遅れで秋田駅を発車しました」
という連絡が入った。とりあえずホッとした。47分の遅延なら許容範囲である。しばらく待っているとやがて列車は秋田方向から進入してきた。700系2両編成。北東北地区ではローカル輸送の主力になっているタイプである。旅行者にとって悲しいことに、この車両はオールロングシートだ。
大曲を発車した列車は、雨(雪ではない)の中ひた走る。時折電がピカリと光る。横手、十文字、湯沢と過ぎていく。院内が県境の駅。ここまで来るとかなり雪深い景観になる。

県境付近の景観
分水嶺をいくつかのトンネルで越えていくとそこから山形県。真室川というどこかで聞いたことのあるような駅を過ぎ、さらに数駅に停車した後、終点新庄には1120過ぎに到着する。

新庄駅で発車を待つ山形行き普通列車
新庄で駅弁を買うつもりだったが、旨そうな弁当が売っていなかった。次の山形まで我慢しよう。
ここからは1145発の山形行に乗り換える。奥羽本線は新庄でレール幅が変わる。すなわち新庄よりも北は在来線の狭軌、新庄よりも南は新幹線と同じ標準軌になる。だから同じ奥羽本線でも、新庄以南と以北は使用車両が違っている。
新庄発車は1145。相変わらずのロングシートである。車内は結構混んでいた。立ち客が出るほどではないが、座席の7~8割は埋まっている。大曲-新庄間は客が少なかったのに、新庄-山形はどうしてこんなに混んでいるのだろう?。山や県境を越えると乗車需要がこうも減るのか?。
山形が近づくにつれて客の数は増えていった。休日のためか若い人が多い。高校生あるいは大学生ぐらいと思われる女の子達が楽しそうに話をしながら乗り込んでくる。山形に着く頃、車内にはかなりの立客がいた。
ここからは1145発の山形行に乗り換える。奥羽本線は新庄でレール幅が変わる。すなわち新庄よりも北は在来線の狭軌、新庄よりも南は新幹線と同じ標準軌になる。だから同じ奥羽本線でも、新庄以南と以北は使用車両が違っている。
新庄発車は1145。相変わらずのロングシートである。車内は結構混んでいた。立ち客が出るほどではないが、座席の7~8割は埋まっている。大曲-新庄間は客が少なかったのに、新庄-山形はどうしてこんなに混んでいるのだろう?。山や県境を越えると乗車需要がこうも減るのか?。
山形が近づくにつれて客の数は増えていった。休日のためか若い人が多い。高校生あるいは大学生ぐらいと思われる女の子達が楽しそうに話をしながら乗り込んでくる。山形に着く頃、車内にはかなりの立客がいた。
山形市内
山形到着は1250頃。予定ではこの後1321山形発、仙山線経由の快速仙台行きに乗ることにしていた。しかし悪天候のためだろうか?。予定していた快速電車は運休。その次の仙台行きは1438発。これから2時間近くも待つことになってしまう。さすがに少し待ち時間が長すぎる。どうしたものか?。改札を一旦出て、駅ビルに隣接したビルの「かかし」という焼肉屋に入る。ランチメニューで「ビビンバ冷麺」\840を注文する。その名の通りビビンバと冷麺がセットになったメニューだ。冷麺といえば盛岡が本場だが、この山形にも冷麺があったとは少し驚きである。味の方は可もなく不可もなくといった感じ。盛岡で食べた冷麺に比べると確実に味は劣る。


焼肉屋「かかし」の外観と「かかし」の「ビビンバ冷麺ランチ」
山形-米沢
山形駅に戻る。ホームには1412発の米沢行きが入線していた。クロスシートの4両編成である。他に仙山線経由の1438発というのもある。米沢行きに乗った場合、米沢-福島間は接続列車が少ないために新幹線利用を余儀なくされる。しかし仙山線で行ってもどこかで新幹線を使わないと今日中の帰宅は難しい状況になってきた。しかも多分仙台経由の方が新幹線料金が高くつきそうである。そんなこんなで結局1412発の米沢行きに乗ることとした。
山形駅で米沢行き普通列車を見る
列車は定刻1412よりも約4分遅れて山形駅を発車する。かみのやま温泉、赤湯、高畠等、有名な温泉地をいくつか通り過ぎる。奥羽本線の中で一番景観の良いのは列車から見る赤湯温泉郷だと思う。この日の赤湯温泉街は雨と雪で暗い白に包まれていた。

列車から見る赤湯温泉付近
米沢-福島
米沢到着は1503。牛肉と上杉氏の町米沢。牛肉の町らしく牛肉を目玉とした駅弁が数多く売られていた。ここは米沢と日本海側の坂町を結ぶJR米坂線の起点駅でもある。米坂線といえば、今では珍しくなった国鉄色の旧型車両を使っていることで知られている。この機会に旧型車両を写真に撮っておこうと思う。
米坂線の旧式車両
米坂線の坂町行きは1605発というのがある。旧型車両と豪雪地帯。厳冬の米坂線は「乗ってみたい」と思わせるには十分な魅力がある。仮に1605発の坂町行きに乗ると、午後7時頃に新潟に到着するだろう。ここから新幹線に乗り換えれば、ギリギリ今日中に帰れる。あるいはもう1日旅行を伸ばし、新潟あたりに1泊するのも悪くない。色々と悩んでみたが、結局は米坂線は次回に回し、今日はここから新幹線で福島に出ることにした。
米沢1525発の山形新幹線「つばさ188号」の切符う。米沢-福島間は在来線の本数が極端に少なく、1日数本しか運転されていない。本来ならば鈍行の旅を続けていたいが、
「背に腹は変えられぬ」
ということで、ここは泣く泣く新幹線を使うこととした。週末の新幹線は満員。特に山形新幹線は何故かいつも混んでいる。どうせ一駅だけだし、自由席の空きもなかったのでデッキに立っていた。
米沢-福島間は南側に吾妻山系の山々が連なり、冬は豪雪地帯としても知られている。なるほど、山間部で見る雪の量は平地とは段違いである。良い写真が撮れそうな風景だったが、新幹線の窓が汚れていたためなかなか良い写真は撮れなかった。残念である。
米沢1525発の山形新幹線「つばさ188号」の切符う。米沢-福島間は在来線の本数が極端に少なく、1日数本しか運転されていない。本来ならば鈍行の旅を続けていたいが、
「背に腹は変えられぬ」
ということで、ここは泣く泣く新幹線を使うこととした。週末の新幹線は満員。特に山形新幹線は何故かいつも混んでいる。どうせ一駅だけだし、自由席の空きもなかったのでデッキに立っていた。
米沢-福島間は南側に吾妻山系の山々が連なり、冬は豪雪地帯としても知られている。なるほど、山間部で見る雪の量は平地とは段違いである。良い写真が撮れそうな風景だったが、新幹線の窓が汚れていたためなかなか良い写真は撮れなかった。残念である。
1620過ぎに福島に到着する。辺りはすっかり夕暮の雰囲気になっていた。まだまだ湘南は遠い。今夜は遅くなりそうだ。
(おわり)




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