ゲーム紹介「望楼の行方」

先日、親しくしていただいているワニミ様から、自作のゲームをお送り頂きました。
タイトルは、

「望楼の行方」

米軍のガダルカナル上陸作戦「オペレーション・ウォッチタワー」に因んでのタイトルで、ガダルカナル島攻防戦全域を扱うキャンペーン級ゲームです。

「望楼の行方」について詳しくはこちら

マップはガ島を中心とした南東太平洋一帯がエリア方式で描かれています。マップの北端には呉軍港やパールハーバーが描かれており、日本本土や真珠湾と南東太平洋との間の回航も盤上で再現できます。

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「望楼の行方」メインマップ

1ユニットは、艦船の場合は数隻の艦船を一まとめにした小艦隊を現しています。各ユニットには「瑞鶴」や「ワシントン」といった個艦名が記載されていますが、これは「瑞鶴」や「ワシントン」に護衛の巡洋艦、駆逐艦を加えた艦隊を現しているとみなすべきでしょう。航空機は30機~40機のグループで、陸上戦闘機、陸上攻撃機、艦上戦闘機、艦上攻撃機の4種類があります。地上部隊は連隊規模です。

1ターンは1ヶ月を表しますが、それぞれのターンは3つの行動フェイズに分かれていて、実質的には約10日で1ターンと考えることもできそうです。

基本的なルールはそれほど難しくはありません。ゲームシステムとしては非常に抽象度が高いことが特徴となっています。艦船は1行動フェイズに1乃至2エリア移動できるのですが、現実の艦船の航行速度と比較すると、本ゲームの艦船は極端に低速です。また所謂「帰港」ルールがないので、艦隊は永遠に洋上に留まっていることができます。しかし「任務付与」ルールや「航空部隊の疲労」ルールによって港湾へ帰港することになるみたいです。これらのルールが果たしてどのように機能しているかは、実際にプレイしてみないと判断できません。
自由に動ける艦船とは異なり、航空機や地上部隊は自ら移動することはできません。しかし彼らは裏返すと輸送船に「変身」することができ、輸送船として移動することができます。

戦闘はD10で打撃力以下の目を出せばヒットを得ます。打撃力は多くても5以下なので、ヒットを得るのはそんなに簡単ではなさそうです。ダイスには相手の防御力や自らの戦意といった修正が加わります。

本ゲームの特徴は、日米両軍に「戦意」と「警戒」という2つのファクターが用意されていることです。「戦意」は敵に打撃を与えたり、重要拠点を占領したりできれば上昇し、逆にボロ負けしたり、時間が経過したりすると沈静化します。「警戒」は逆に戦闘時に奇襲を食ったり、先手を取られたりすると上昇させることができます。
この「戦意」と「警戒」が本ゲームのメインテーマだと言えそうです。デザイナーズノートには、組織活動を「戦意」と「警戒」という2つのファクターを軸に描きたい、と書かれています。盤上で繰り広げられるガダルカナル攻防戦は非常に抽象化されたものになっています。本ゲームのテーマは「戦艦大和と零戦の大活躍」ではなく、あくまで「日本軍と連合軍の組織活動の違いを描く」というものなので、戦闘の細部に拘る必要はなかったのでしょう。

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とまあ、ここまで紹介してきましたが、実は私、このゲームをまだプレイしていません。ルールは一読し、概ね理解しました。サイバーボード版も完成しました。今週末あたりにシナリオに挑戦してみようかと思います。