「対数型」戦闘結果表のススメ


人間は足し算引き算は比較的得意としていますが、掛け算、割り算は苦手です。だからウォーゲームで戦闘力等を調整する場合でも、「防御力2倍」とか「攻撃力半減」とかならOKなのですが、それ以上の微妙な調整が必要な場合は、別の手段(コラムシフト、攻撃力の増減等)で行うのが常でした。本来ならば「親衛隊なら攻撃力1.25倍」とか、相手が塹壕に篭っていたら攻撃力0.75倍とかもやってみたいのに・・・・。

ところで現実の世の中は加減算よりも乗除算を適用した方がよい場合があります。例えば戦闘行為に及ぼす天象気象の影響、あるいは目標の大きさや運動性能に関する微妙な修正。「曇天の場合は攻撃力一律-1」よりも「曇天時は攻撃力0.8倍」の方がより現実に近いと言えます。しかし従来のウォーゲームでは、このような微妙な違いを正確に表現することが困難でした。

そこで今回ご紹介する商品「対数型戦闘結果表」は、このような細かい戦闘力の修正を簡単に解決してくれる優れモノです。

例えば以下のグラフを見て下さい。

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これは在来型の戦闘結果表を模式的に示したものです。この場合、例えば「1コラムシフト」を適用する場合に、図中のA点とB点では自ずと影響が異なってきます。つまり物理的に不正確なモデルなのです。

次に以下のグラフを見て下さい。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/9/5/959165b1.gif

これがいわゆる「対数型」戦闘結果表を模式的に示したものです。この方式の特徴は、表の中のどの点にあっても、1コラムシフトの影響は一定の「比率の変化」として得られるということです。すなわち図中A点でもB点でも1コラムシフトは成功率に対する一定比率の変化を示しているのです。

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でも実際のところは

とまあ大げさにぶち上げましたが、ファイアーパワー方式のCRTでは結構類似の傾向で作られているので、私の発案は別段珍しいことではないかも知れません。

付け加えると、ウォーゲームのCRTは

「使用頻度の高い領域で誤差が少なくなるように設計されている」

ようです。つまり使用頻度の低い領域では少々誤差があっても「ゲームの進行に顕著な影響はない」ということですね。例として不適切かも知れませんが、例えば世界地図を作成する場合、どのような図法を採用した場合でも何らかの誤差は避けられません。しかし、その誤差が使用目的に対して大きな障害とならない限りは、それで問題ないわけです。ウォーゲームのCRTも「使用目的に合致するだけの十分な精度」が得られるのであれば、あとはプレイヤーに負担をかけないような簡易な方式がよいのかも知れません。

手前味噌で恐縮なのですが、例えば拙作「ソロモン夜襲戦」の場合、命中判定はD10で行い、各種の修正は命中率の修正という形で適用しています。これは典型的な「従来型CRT」です。つまり基本命中率の高い場合と低い場合とで「命中率修正」の影響が異なっているのです。これは物理的には「正確さを欠いた」モデルです。しかしプレイヤー中に頻繁に利用する領域、例えば「基本命中率4」とか「基本命中率7」とかいった付近では、極端な誤差は発生しないので、ゲーム上は大きな問題にはなっていません。
ただし基本命中率が1とか2の場合は修正値の影響が大きくなりすぎる傾向があったので、「0以下の命中率」というややエレガントさに欠けるルールを採用しました(涙)