
Game Journal誌#22の付録ゲーム「東部戦線冬期戦41-42」をプレイしました。私にとっては久しぶりの「陸戦作戦級」になります。
このゲームは、独軍の「タイフーン作戦」全般と、その後の赤軍による冬季反攻作戦を扱ったもので、マップにはモスクワ周辺のかなり広い範囲が描かれています。SPIの「Typhoon」と同じく、地図の東端中央にモスクワが描かれ、地図南端にはクルスク、北端にはセルゲイ湖、西はヴィテブスクやブリヤンスクを含んでいます。ちなみに地図は南北軸が30度傾いているので、普段見慣れた独ソ戦マップとはやや違和感があります。
1ユニットは1個師団。スタック制限は独軍3個、赤軍5個となっていて、これは両軍の部隊規模の違いを表しているものと思われます。
このゲームは、独軍の「タイフーン作戦」全般と、その後の赤軍による冬季反攻作戦を扱ったもので、マップにはモスクワ周辺のかなり広い範囲が描かれています。SPIの「Typhoon」と同じく、地図の東端中央にモスクワが描かれ、地図南端にはクルスク、北端にはセルゲイ湖、西はヴィテブスクやブリヤンスクを含んでいます。ちなみに地図は南北軸が30度傾いているので、普段見慣れた独ソ戦マップとはやや違和感があります。
1ユニットは1個師団。スタック制限は独軍3個、赤軍5個となっていて、これは両軍の部隊規模の違いを表しているものと思われます。
本ゲームにおける特徴的なルールとして「環境」ルールがあります。これは毎ターンダイスを降って「温度低下」を確認するものなのですが、温度が低下するに従って様々な影響が出てきます。現在の温度に応じて「通常」「泥」「泥沼」「凍結」「大雪」「吹雪」という6段階がありますが、独軍がまともに動けるのは「通常」と「凍結」ぐらい。「泥」「泥沼」では装甲・自動車化部隊は殆ど用なし。「大雪」「吹雪」では独軍移動力半減の上、補給線が著しく短くなるというペナルティが課せられます。従って独軍としては「通常」「凍結」期間内にどれだけ進めるかがポイントになってきます。ちなみに平均的なダイス目の場合、「通常」は2.5ターン、「凍結」は2ターン続きます。極端なダイス目では、「通常」1.5~5.5ターン、「凍結」1~4ターンになる可能性があります。
「凍結」といえば気温マイナス30度~0度の範囲に相当するのですが、こんな気温の中でも「通常通り」行動できる独軍ってステキです。
「大雪」「吹雪」に至っては、気温マイナス50度にも達しようかという「狂ったような」寒さなのですが、こんな中でも全く影響なしで行動できる赤軍はもっとステキです。でも独軍もそこそこまともに動けたりして・・・・。
本ゲームの場合、戦闘結果表がかなり攻撃側に厳しいものになっています。というのも、最高比(6-1)にでも、必ず「攻撃側分散消耗」という結果が出る可能性があります。この「分散消耗」というのが曲者で、要はステップロスなのですが、「攻撃側分散消耗」の結果が出た場合、攻撃に参加している全ユニットが消耗チェックの対象となります。だから例えば装甲師団6個集めて「分散消耗」なんて結果が出た日には目も当てられません。しかも本ゲーム、独軍の部隊は一度ステップロスしたら二度と完全戦力に復活できないようになっています(全滅したユニットがステップロス状態で復活することは可)。従って衝撃力を維持し続けるためには、可能な限り多くの装甲/自動車化ユニットを「表」の状態で維持し続ける必要があるでしょう。

セットアップ時の状況
第1ターン(1941/09/30)
天候=通常このターンは独軍第1移動フェイズは省略。いきなり第1戦闘フェイズからゲームは始まる。
独軍は消耗を恐れつつも「時間との戦い」を制すべく赤軍の脆弱な防御陣地に装甲師団を投入した。戦線中央の第4装甲軍団戦区では2個所に渡って突破口を啓開。戦線南端の第2装甲軍団戦区では、前面に展開する赤軍第13軍の脆弱な防衛線を大きく突破。赤軍狙撃兵師団を撃破しつつ戦線後方へと雪崩れ込んだ。
独軍第2移動フェイズ。気温はなおも9度を示している。南翼を突破したドイツ第2装甲軍団は大きく左へ旋回。ブリヤンスク前面に展開する赤軍4個軍の後方へ回り込むべく運動を開始した。さらにその北方キーロフ付近でも第3装甲軍団が突破に成功。右方向へ旋回して第2装甲軍団と手を結んでポケットの完成を目指す。
ブリヤンスク西方で巨大なポケットが完成。その中には赤軍4個軍30個師団以上が包囲された。ロシア各地で繰り返されてきた悲劇が、ここブリヤンスク西方でもまた繰り返されようとしていた。
ブリヤンスク西方で巨大なポケットが完成。その中には赤軍4個軍30個師団以上が包囲された。ロシア各地で繰り返されてきた悲劇が、ここブリヤンスク西方でもまた繰り返されようとしていた。
いつも思うことなのですが、独ソ戦の場合、一言で「数十個師団が壊滅した」とか「何十万人が捕虜になった」とかいった桁違いの話がポンポン出てきますよね。慣れてしまえば「こんななものか」で済んでしまうのですが、考えてみればこれって凄いことです。だってガダルカナルで「歴史的な敗北」を喫した我が帝國陸軍にしたって、同島で失ったのは2個師団程度の兵員。しかも歩兵ばかり。それを思うと独ソ戦が如何に「巨大な」戦場だったかがわかります。
ドニエプル川の北岸地区ではドイツ第3装甲軍団が赤軍の激しい抵抗に会って苦戦を強いられながらもようやく突破口を啓開。モスクワ街道を東へ向かう。
対する赤軍。このターンは移動制限を課せられているために大きな動きはない。前線の部隊はその多くが補給切れ(補給切れマーカーが足りないぞー)。残った部隊も右往左往するだけで効果的な前線を組むことができない。
「補給切れマーカー」については何とかして欲しかった所です。第1ターンや第2ターンではどう考えても「補給切れ」マーカーが足りません。作り手側の立場からは「コンポーネントの制約上仕方がなかった」ということかもしれませんが、それこそ典型的な「作り手側の論理」です。作り手はそろそろ「作り手側の論理」を捨てて、「遊ぶ側の論理」に気づいて欲しいなあ、と自戒の念もこめて思ったりする今日この頃です。ちなみに私は他ゲームから流用してその場を乗り切りました。
あと「戦闘宣言マーカー」もあった方が良いかな、と思いました。あらかじめ適当なマーカーを「戦闘宣言マーカー」として用意しておけば、プレイがスムーズに進行すると思われます。ちなみに私は「ATS Basic Game 2」のマーカーを利用しました。

第1ターン終了時の状況。緑線がドイツ軍の進出線。赤枠の中、黄色いマーカーが置かれているユニットが補給切れの赤軍ユニットです。
第2ターン(1941/10/07)
天候=通常独軍はブリヤンスク西方のポケットについては包囲自滅を待つことにし、グデーリアンの装甲軍はさらに東を目指す。GD自動車化連隊がクルスクを占領したために、独軍はクルスクを起点とする鉄道補給線が使用できるようになった。装甲師団5個、自動車化歩兵師団2個を主力とするドイツ第2装甲軍はオリョールを無血占領した。彼らの前には無人の荒野が広がる。モスクワまでの道を阻むものは何もない。
その北方、ヴィジャジマ西方では突破に成功した独軍装甲部隊がまたもやポケットを形成した。ポケット内部には赤軍約30個師団が閉じ込められた。彼らを救う術はない。
さらにその北方、ヴィテブスク東方の森林地帯では約10個師団の赤軍歩兵が包囲下に陥った。
さらにその北方、ヴィテブスク東方の森林地帯では約10個師団の赤軍歩兵が包囲下に陥った。
赤軍ターン。ブリヤンスク西方のポケットでは赤軍部隊が次々と消滅していった。20個師団以上の歩兵部隊が地図上から消えたことになる。それでも数少ない精鋭部隊はブリヤンスク付近の森林地帯に陣取り、独軍の鉄道連絡線を妨害していた。独軍にとっては面倒な相手である。
ここまでで早くも2時間以上が経過してしまいました。1ターン1時間以上のペースです。このペースで行けば最終ターンまで「18時間」もかかることになります(全部で18ターンだから)。第1,2ターンは独軍しかやることがないのに、赤軍部隊の数が多いのでやたら時間がかかります。ソロプレイだから良いものの、対人戦では赤軍プレイヤーがつまらないでしょう。1つの考えとしてブリヤンスク、ヴィジャジマ包囲戦はゲームからオミットしても良かったようにも思いますが・・・・。そうすれば先にあげた「補給切れマーカー」の問題もある程度は解消しそうです。

第2ターン終了時の状況。








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