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先日購入した「アジアン・フリート」のシナリオを試してみました。
前回はシナリオ3「Target Nodong」にチャレンジしたので、今回は別のシナリオということ、シナリオ2「油田水域 Oil Filed Waters」を試してみました。これは、東シナ海の油田地帯を巡る日本と中国の激突を描いた仮想シナリオです。前回のシナリオ3は航空戦の様相が強く、水上艦や潜水艦は「おまけ」といった感があったのですが、今回のシナリオは両軍とも強力な水上部隊が登場してくる上、水上艦に護衛された建設資材を油田地帯まで輸送するといういわば正統的な「護送船団」型のシナリオなので、水上部隊の活躍が期待できそうです。

初期戦力

日本

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日本側の初期戦力(主要でないものは除いています)

水上部隊はすべて佐世保に初期配置。潜水艦は東シナ海に先行している。航空兵力は九州各地と沖縄に展開し、油田地帯を包囲する形になっている。日本側の目的は油田地帯に建設資材を搭載した輸送船団を送り届けることである。

中国

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中国側の初期戦力(主要でないものは除いています)

中国海軍の主力は潜水艦である。最有力艦はキロ級のSS366で、魚雷の他に対艦ミサイルも発射可能である。同じくキロ級のSS365も厄介な艦であるが、その他は比較的低性能の宗級やさらに旧式のロメオ級小艦隊等であり、煩い存在ではあるが対処は困難ではない。
水上部隊はソブレメンヌイ級の「杭州」(Hangzhou)が主力であり、他は「江衛I型」の小型フリゲート艦が4隻である。戦力的には大きくないが、「杭州」が搭載するSS-N-22「サンバーン」高速対艦ミサイルは、撃たれた方としては厄介な存在になりそうである。
航空部隊は数こそ多いものの旧式機が過半を占め、見た目ほど脅威ではない。その中でSu-30とその改造型Su-30MMK2は、F-15をも上回る高性能機である。また国産のJ-10軽戦闘機や、JH-7戦闘攻撃機も厄介といえば厄介である。

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セットアップ時の状況

戦略航空作戦

自衛隊は東シナ海にF-15に護衛されたAWACSとP-3Cx2ユニットを投入した。
中国空軍も東シナ海にSu-30を始めとする戦闘機4ユニットを投入してきたが、この段階ではまだ両国とも本格的な交戦を決意していなかった。そのため両軍の戦闘機は互いに警戒しながらも任務を遂行した。

このシナリオでは、どちらか一方が「開戦」を決意するまで、両者とも相手を攻撃することはできません。日本側は先制攻撃を行った際にペナルティが適用されますが、中国側にはそのようなペナルティはありません。また日本側にしてもペナルティは左程厳しいものではないので、あえて「先制攻撃」を行うことも十分可能です。

第1ターン(D-1 Day 午前)

佐世保から艦隊が出港していった。護衛艦16隻、補給艦2隻に護衛された2隻の作業船は、粛々と東シナ海の油田地帯へ向かっていった。それを水中から密かに追う影があった。中国海軍の潜水艦「SS366」号である。

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中国海軍潜水艦「SS366」号。キロ級に属する本艦は、中国海軍の保有する最有力のディーゼル潜水艦であった


第2ターン(D-1 Day 午後)

日本船団の位置を捉えた中国側は即座に行動に出た。Su-30MKK2に護衛されたJH-7「フライング・レオパルド」3ユニット(約60機)が中国東岸の航空基地を発進、東シナ海を進む日本艦隊に向かった。日本艦隊付近ではAWACS機とF-4EJ改戦闘機が空中哨戒にあたっていたが、

「先制攻撃は厳禁」

という政府指示のため、接近してくる中国機を迎撃することができなかった。爆弾を抱えた「フライング・レオパルド」の編隊が日本艦隊から5マイル以内に迫った時、ようやく日本艦隊は防空戦闘を開始した。3隻のイージス艦「こんごう」「ちょうかい」「あしがら」が、その垂直ランチャーからミサイルを空中に吐き出す。超低空飛行でミサイルを回避する中国機に対して、5インチ砲や「シースパロー」が迎え撃つ。

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大空を睨むイージス艦のレーダーと対空火器


中国機の攻撃が終わった時、作業船1隻とその直衛にあたっていた護衛艦「ゆうだち」が撃沈されていた。日本艦隊の対空砲火は中国機10機以上を撃墜していたが、その攻撃を完全に阻止することはできなかった。

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中国空軍の攻撃を受けて撃沈された作業船と護衛艦「ゆうだち」


中国軍の攻撃はなおも続いた。続いて接近してきた中国潜水艦が数発の対艦ミサイルを発射。日本艦隊の防空網をすり抜けたその1発が護衛艦「くらま」に命中した。「くらま」は辛くも沈没を免れたものの、その戦闘能力は大きく殺がれてしまった。日本艦隊で最も有力な対潜艦が撃破されたことは、後の戦局に大きな影響を与えずにはいなかっただろう。

チャンスとみた中国軍はなおも追撃の手を緩めない。中国沿岸に待機していた水上打撃部隊(駆逐艦1、フリゲート艦4)が日本艦隊に接近し、対艦ミサイルの攻撃を仕掛けてきたのである。中国艦隊の主力は、ロシアから輸入したソブレメンヌイ級駆逐艦「杭州」。その搭載する高速対艦ミサイルSS-N-22「サンバーン」が日本艦隊を襲った。
護衛艦「ありあけ」に数発の対艦ミサイルが命中。「ありあけ」は瞬時に轟沈した。また作業船1隻にもミサイルが命中。作業船は沈没こそ免れたものの、重大な損害を被った。

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中国海軍駆逐艦「杭州」。ソブレメンヌイ級に所属する本艦は強力な対艦ミサイルを搭載する有力な水上打撃艦・・・の筈だったが、近年では「失敗作を買わされた」という評判もチラホラ・・・・

「日本艦隊攻撃さる」

緊急警報を受けた九州各地の自衛隊基地からは、日本艦隊を援護すべく攻撃隊が次々と飛び立っていった。鹿屋基地からは「ハープーン」空対艦ミサイルを搭載したP-3Cx2個飛行隊が、築城の航空自衛隊基地からは国産のASM-2空対艦ミサイルを搭載したF-2部隊が発進。東シナ海を遊弋する中国艦隊を目指した。
距離約30マイルから次々と発射された空対艦ミサイルは中国艦隊を襲った。主力の「杭州」は2発のミサイルを受けて大破し、他にフリゲート艦1隻もミサイルの命中を受けて損傷した。

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中国艦隊に対して空からの反撃を実行した我が航空部隊

第3ターン(D-1 Day 夜間)

中国艦隊に対する日本艦隊の報復攻撃が始まっていた。生き残った護衛艦のうち、対艦ミサイルを搭載した13隻は次々と対艦ミサイルを発射した。新鋭の「たかなみ」級、「むらさめ」級の各艦は国産の90式対艦ミサイル、その他の艦は米国製「ハープーン」ミサイルを発射した。発射弾数は各艦4発づつ、合計52発もの艦対艦ミサイルが中国艦隊に降り注いだ。
中国艦隊は必死に抵抗したが、圧倒的な飽和攻撃に抗すべくもなかった。2隻のフリゲート艦がそれぞれ10発前後の命中弾を浴びて瞬時に轟沈していった。

対艦ミサイルの飽和攻撃について、フリートシリーズでは全般に過小評価している感があります。実際に数十発の対艦ミサイル攻撃を受けた場合、イージス艦でもない限りそれを阻止することは不可能のように思われるのですが、フリートシリーズの場合はダイス目によっては意外と軽微な損害で済むことが多々あります。

水上部隊に大きな損害を被った中国海軍は、潜水艦による反撃を行った。まず大破していた護衛艦「くらま」が雷撃を受けて轟沈。続いて護衛艦「まきなみ」も雷撃によって大破した後、さらなる攻撃によって沈没していった。この段階で早くも4隻もの護衛艦が中国軍の攻撃によって失われていった。
さらに衝撃が日本艦隊を襲う。潜水艦の雷撃が作業船に命中。唯一残っていた作業船が沈没していった。これで日本側は2隻の作業船を共に失ったことになる。作業船の沈没は、同時に多数の民間人が犠牲になったことを意味していた。作戦は凄惨な様相を呈してきた。

傷ついた日本艦隊を今度は中国空軍機が襲う。約50機のJH-7攻撃機が爆弾を抱えて日本艦隊に襲いかかった。しかし今度は日本艦隊の対空砲火が猛威を振るった。3隻のイージス艦が多数のミサイルを打ち上げた。20機以上の中国機が撃墜され、生き残ったその他の機体はほうほうの体で逃げ出していった。

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中国海軍航空隊の攻撃機JH-7。中国では珍しい大型の双発複座攻撃機で、最大約6.5tという大きな兵装搭載量を誇る。



Game Journal 81-米中激突:現代海戦台湾海峡編 Blue Water Navy
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