Strike South(Avalanche Press)購入しました
先日、東京へ出た際、表記のゲームを購入しました。これはAvalanche Press社が出版している"SECOND WORLD WAR AT SEA"(以下SWWAS)シリーズの1作です。
SWWASシリーズについては、今まで様々なメディアで紹介されていたのでその存在は知っていましたが、ゲームを購入するのは今回のStrike Southが初めてです。
コンポーネント
1ヘクス36マイル。フルマップ2枚に南西諸島から台湾、フィリピン、インドシナ半島、シンガポール、ジャワ、オーストラリア北部までの広大な海域が描かれています。マップにはヘクスではなくスクエアが描かれていますが、かつての「戦艦ビスマルク」(AH)のように「梯子状」にスクエアが配置されているので、ヘクスとほぼ同等の効果を持っています。マップデザインはお世辞にも「美しい」とはいえず、薄汚れた海の上に、これまた薄汚れた緑の陸地、所々に点在する港湾や航空基地、そしてその間を走る日本軍の主要航路等が描かれています。
空母戦ゲームということで、ダブルブラインドのような形式を想像しましたが、メインマップが1式なのでダブルブラインドではないようです。
メインマップのシンガポール周辺
艦船ユニットは駆逐艦を含めて1ユニット1隻です。艦船ユニットには、火力(長距離-中距離-短距離)、対空火力、雷撃力、移動力が記載され、その他にログシートに船体数が記載されています。恐らくダメージを受ければ船体ボックスを塗りつぶしていくのでしょう。気になるレーティングですが、例えば「愛宕」と「摩耶」が同型艦ながらも雷撃力が異なっている所等は「よく調べてあるなあ」と思わせましたが、「吹雪」や「長良」の搭載魚雷が"LL"(Long Lance(長槍)=九三式酸素魚雷のことと思われる)となっている点等は「あちゃー、やっぱり」と思ってしまいました。
同じ「高雄」型重巡でも、近代化改装を施した「高雄」「愛宕」と、それが未了だった「鳥海」「摩耶」とは細部でかなり異なっています。また酸素魚雷の搭載状況については不明な点が多いのですが、一般に「吹雪」型以前の駆逐艦と大半の5500トン級軽巡は酸素魚雷を搭載していなかったと思われます。
Strike Southに登場する艦船ユニット
航空機は1ユニット約6機です。形式、空戦力、対地攻撃力、対艦攻撃力、航続距離、最適高度等が記載されています。登場機種は、日本海軍が九六艦戦、零戦、九六陸攻、一式陸攻、九九艦爆、九七艦攻、九八陸偵、九七大艇等、日本陸軍が一式戦、九七戦、九七軍偵、九九軽爆、九七重爆等です。連合軍は、F2Aバッファロー、P-26、P-35、P40B/E、ハリケーン、ソードフィッシュ、マーチンM139、ハドソン、ブレニム、B-17D/E等です。新旧入り混じっての感があります。
日本軍機です。零戦、一式陸攻、一式戦です。零戦はとにかく、一式戦の評価が低いですね(空戦力が零戦「4」に対して-式戦「3」。あと(どーでも良いことですが)、零戦の型式がA6M2(21型)になっていますが、駒のシルエットがA6M3(32型)になっています。
連合軍の戦闘機です。最新鋭のP-40Eは空戦力「4」で、零戦に匹敵する空戦力を持っています。日本人としてはやや納得し難いレーティングでしょう。F2Aバッファローがダメダメなのはとにかくとして、P-26にような旧式機が登場してくるのは驚きです。P-26やP-35が登場するゲームを私は他には知りません。
連合軍の爆撃機です。こちらも新旧取り混ぜての感があります。一番右端の複葉機はビルドビースト(Vickers Vildebeest)雷撃機。英連邦諸国の沿岸航空部隊が使用している「陸上攻撃機」で、既に旧式化していましたが、それでも1943年まで使用され続けました。
マップ、ユニットの他、戦術戦闘マップ、機動部隊カード、航空基地シート、艦船損害記録シート等が含まれています。様々なシート類を使用するのも空母戦ゲームの特徴といえましょう。
システム
詳しいルールは未読なのですが、どうやら「フラットトップ」のようなプロット方式を採用しているようです。1ターンが実際の4時間に相当します。ルールブックは基本ルールと上級ルールに分かれています。基本ルールには「海上作戦」「水上戦闘」「損害」「艦砲射撃」「指揮官」「貨物」「上陸」「天候」といった艦隊行動の基本となるルールが記述されています。上級ルールは航空機の運用に関するルールが主で「航空作戦」「航空索敵」「空中戦闘」「航空攻撃」「航空救難」「艦船の補給」「潜水艦」といったルールが並んでいます。ルールブックは英文で全24ページ。全部読み通すのは結構大変ですが、まあ頑張ってみましょう。シナリオ
「戦闘シナリオ」が8本、「作戦シナリオ」が7本用意されています。戦闘シナリオとは、個々の海戦場面だけを再現する小規模シナリオで、バリクパパン沖海戦、バリ島沖海戦、スラバヤ沖海戦、エンドウ沖海戦といった史実シナリオと、コタバル沖海戦、パレンバン沖海戦といった仮想戦シナリオが用意されています。マイナーなシナリオが多いので、OBを調べる際には便利です。作戦シナリオは、マレー侵攻戦やフィリピン侵攻戦といった一連の戦闘を描きます。それぞれのシナリオは30~78ターンという比較的長い時間を扱います。どうせならば長期シナリオを多人数でプレイしてみたいのですが、ソロプレイならマップ1枚で済む単純なもの(例えば作戦シナリオ1等)が最適だと思われます。
少し気になることは、シナリオで登場を指示されているいくつかのユニットが用意されていないように思われることです。例えば水上機母艦ラングレーやニュージーランド空軍のH-75A戦闘機等。米国製ゲームでは良くあることなのでしょうか?。それともどこかにユニットが隠れているのでしょうか?。
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