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第二次大戦のP-39エアラコブラエース

ジョージ・メリンガー×ジョン・スナタウェイ共著 梅本弘訳 大日本絵画

何度か紹介しているオスプレイの軍用機シリーズですが、P-39まで登場するとは・・・・。
P-39は「あの」P-40よりもさらに輪をかけて不人気らしく、本書の中でも「戦闘機としての信頼を全く失った」だとか「日本機には全く対抗できない」とか、まあ散々な評価です。
本書で紹介されているの主な戦域を紹介します。
まず南太平洋戦域。ここでは良く知られているようにP-39は苦戦を強いられます。1942年におけるP-39の撃墜・損失比率は、米軍の判定によれば概ね1対1。しかし多分実際にはもっと低い値になるでしょうし、対戦闘機に特化するとさらに悪化することが予想されるので、P-39の同地域での戦歴がパッとしないのも頷けます。それでもP-39/P-400でエースになったパイロットも存在しました。ソロモンで活躍した、ウィリアム・フィドラー中尉です。
それからアリューシャン、アイスランド、パナマ運河、地中海といった戦域。このあたりでは予想通り華々しい戦果はありません。
そしてソ連邦におけるエアラコブラ。この空域でエアラコブラが重宝がられたのは有名な話です。個人的にはソ連空軍にはあまり興味がないので、適当に読み流しました。
本書は我々にとって馴染みの深い南太平洋方面での戦いに多くのページを割いている上、P-39という殆ど光を当てられなかった機材について記しているので、「隙間を埋める」著作としては有益だと考えます。

お奨め度★★★