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米国海軍艦艇「デンバー」(USS Denver CL-58)。今回のシナリオでは、当初日本艦隊の砲火を浴びて一時的に戦闘力を失う等散々だった。しかし後半に入ると砲術の腕を見せ、他艦に先立って日本艦隊を砲撃。重巡「鈴谷」を大破に追い込むという戦果を上げた。

先日、サクラ会にお邪魔した時、最後にプレイしたのが「ソロモン夜襲戦」の新シナリオ「第2次コロンバンガラ島沖夜戦」です。私が米軍を担当し、対戦相手のtakobaさん、ぐちーずさんには日本艦隊を担当していただきました。

 (注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。
   「ソロモン夜襲戦」について詳しくは-->こちら
   新シナリオ「第2次コロンバンガラ島沖夜戦」については-->こちら


ゲーム展開

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セットアップ時の状況。両艦隊は20ヘクス以上離れていて、共に射程距離圏外である。

ゲーム開始時、両軍は20ヘクス以上離れているので砲火を交えることはできない。従って両者ともまずは距離を詰めることに専念する。米艦隊の優れたレーダーは、既に敵影をその電子の目で捉えてはいたが、しかし未だ敵艦が射程距離内に入ってこない。しばらくは敵艦の接近を待つ。
第3ターン。米艦隊がその射程距離圏内に軽巡「川内」を捉えた。距離20km以上という大遠距離から米艦隊が砲火を開く。4隻の米新鋭大型軽巡は短時間に凄まじい量の砲弾を「川内」("かわうち"と読む)に集中した。しかしその命中率は低く、15分間にも及ぶ連続射撃にも関らず、わずかに4発が「川内」("かわうち"と読む)に命中したのみだった。「川内」は小破したものの、なおも米艦隊に迫っていく。
一方、米艦隊の発砲閃光を遠方に視認した日本側重巡部隊は、こちらもまた大遠距離から砲撃を開始した。「鈴谷」「熊野」「鳥海」の3艦からなる日本海軍重巡戦隊。その命中率は米艦隊同様低かったが、それでも第7ターンには「鳥海」の放った20cm砲弾3発が米軽巡「デンバー」に命中。同艦に軽微な被害を与えた上、艦橋付近に命中した1弾は一時的に同艦を戦闘不能に追い込んだ(艦長が戦死でもしたんだろうか?)。

第8ターン。それまで味方軽巡部隊の側面を保護していた米駆逐艦4隻が120度右回頭を実行。日本重巡部隊の頭を押える位置に占位した。しかしこの動きは日本艦隊の素早い動きによって無力化された。日本重巡は逆に左60度回頭を実施。米駆逐艦と距離9km(6ヘクス)で反航砲戦に入った。

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第8ターン。背後から迫る日本重巡に雷撃を見舞うべく、米駆逐艦は右120度回頭を敢行した。驚く日本軍。しかし彼らの対応は冷静かつ的確であった。3隻の日本重巡は米駆逐艦4隻と距離9kmで反航砲戦を行った。

日本重巡3隻と米駆逐艦4隻の戦い。しかし重巡と駆逐艦では勝負にならない。駆逐艦「フィリップ」は「鈴谷」の砲撃を受けて轟沈。同じく「レンショー」も「鳥海」に撃たれて沈没した。他に1隻が中破。駆逐艦隊は瞬時に戦闘力を失った。
第12ターン。米軽巡艦隊は味方駆逐艦の苦境を救うべく右60度回頭。日本重巡との距離を詰める。距離4.5km(3ヘクス)で接近砲戦。凄まじい砲火の応酬になる。6インチ砲12門を持つ米新鋭軽巡はこの戦いで凄まじい威力を発揮。特に軽巡「デンバー」の働きが目覚しかった。まず「川内」("かわうち"と読む)を集中砲火で大破せしめた後、重巡「鈴谷」に砲火を集中。連続6ターン(30分)にも及ぶ射撃によりこれを大破せしめた。さらに重巡「熊野」も中破。米軍の損害は「デンバー」が小破した他、「コロンビア」が「鈴谷」の砲撃を受けて軽微な損害を被っただけであった。

実はこの記事を作成する際、両軍の航跡図を描こうと試みました。最初の10ターン目ぐらいまではなんとか上手く書けそうな雰囲気だったのですが、11ターン以降が接戦になってしまって全くお手上げでした。中盤以降のデジカメ写真があれば航跡図を描けたかもしれませんが、今となってははかない夢です。

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とまあここまで来た時点で時間切れでゲーム終了。この時点で両軍の損害は以下のようになりました。

 日本軍
  大破 重巡「鈴谷」、軽巡「川内」
  中破 重巡「熊野」
  小破 重巡「鳥海」
 米軍
  沈没 駆逐艦「レンショー」「フィリップ」
  中破 駆逐艦「プリングル」
  小破 軽巡「デンバー」
  軽微 軽巡「コロンビア」

勝利得点は日本軍132点、米軍72点。その差60点で残念ながら我が米艦隊は敗北してしまいました。仮にもしこのまま最終ターンまで続けていた場合、あと3ターンある訳で、その間にさらに「鳥海」「熊野」を大中破させることができれば、米軍のVPはさらに36~54点獲得できる訳です。
「取らぬ狸の皮算用」
とは良く言ったものですが、うまく行けば米軍による逆転勝利も十分可能な点差でした。

反省点

今回のプレイを改めて振り返ってみると米軍側がかなりミスを犯していますね。駆逐艦と巡洋艦を分離したことが一番大きなミスですが、それ以外にも日本水雷戦隊を各個撃破するチャンスをみすみす見逃したり、回頭のタイミングを間違えて不用意に日本水雷戦隊の接近を許したりと、かなり危ない橋を渡っています。今回は相手のダイス目に助けられた感がなきにしも非ずですが、逆にいえば運が悪ければ大敗を喫していたことは間違いありません。久しぶりの「ソロモン夜襲戦」でしたが、潮風の感覚を取り戻すには今しばらく時間がかかりそうです。

シナリオについて

勝利得点ではギリギリ日本側の勝利に終わりました。上にも書きましたが、米軍も十分逆転が狙える状況なので、バランス的には悪くないようです。勝利条件は現行のままで良いでしょう。
今回日本側の指揮値がややダブリ気味だったので、5から4に変更します。米軍と同じ値にしました。他には一部誤記を修正するぐらいかな。全般的にはよくまとまったシナリオであり、現時点でも致命的な問題はないようと思いました。