塩見小屋から塩見岳へ
朝3時頃に目が覚めた。雨の音がする。外は雨が降っているらしい。山に来て初めて遭遇する雨だ。朝になるまでに上がってくれれば良いが。そんなことを考えていた。0430頃食事の声がかかる。朝食はご飯、味噌汁、漬物、卵料理といった質素なもの。山小屋だから仕方がないが、それでもこうしてちゃんとした食事を出してくれるスタッフの心遣いは有難い。
外に出て準備をする。幸い雨は未明に上がっていた。天気は曇っていたが、この分ではなんとかなりそうだ。
0600頃出発。他のメンバーはもうとっくに出発している。目指すは塩見岳の山頂。塩見小屋から頂上に向かって伸びる稜線を歩いていく。
最初は普通の稜線歩きだが、天狗岩が近づいてくると岩場になる。三点支持を意識しつつ、慎重に岩場を登っていく。雨の影響が懸念されたが、幸い岩は乾いていた。スリップの心配は少ないとはいえ、それでも一つ間違えれば・・・・な山道である。特にコースミスは要注意だ。岩場でコースを間違えると、下手をすれば降りてこれなくなってしまう。とにかくコースミスはしないよう、岩場につけられたマーキングを確認しながら慎重に登っていく。
最初は普通の稜線歩きだが、天狗岩が近づいてくると岩場になる。三点支持を意識しつつ、慎重に岩場を登っていく。雨の影響が懸念されたが、幸い岩は乾いていた。スリップの心配は少ないとはいえ、それでも一つ間違えれば・・・・な山道である。特にコースミスは要注意だ。岩場でコースを間違えると、下手をすれば降りてこれなくなってしまう。とにかくコースミスはしないよう、岩場につけられたマーキングを確認しながら慎重に登っていく。
登り始めて1時間ほどで塩見岳の山頂に辿り着いた。曇っていたので絶景には程遠いが、それでも北岳、間ノ岳、農鳥岳、蝙蝠岳といった南アルプスの山々が見える。

塩見岳頂上へ向かう登山路。3日前の剱岳ほどではないが、それでも慎重さを要する登山路が続く。

塩見岳山頂の光景

塩見岳山頂から見た風景
下山開始
塩見岳山頂で十分楽しんだ後、下山を開始する。実は当初の予定では塩見岳からさらに奥にある蝙蝠岳(2865m)まで行き、そのまま塩見小屋に戻ってくることになっていた。しかし
1.天候が下り坂であること。
2.そのために蝙蝠岳から塩見岳に戻ってくる時間帯に雨に見舞われる危険があること。
3.悪天候の中で岩場の下降は危険を伴うこと。
等を考慮し、今回は涙を飲んで蝙蝠岳制覇は見送った。それでも3051mの塩見岳を制覇しただけでも今回の山旅は価値があったはず、と自らを納得させた。2.そのために蝙蝠岳から塩見岳に戻ってくる時間帯に雨に見舞われる危険があること。
3.悪天候の中で岩場の下降は危険を伴うこと。
下りは登りよりも遥かに注意を要する。岩場の下降。時には尻餅をつきながら、またある時には背中向きになって、慎重に慎重に降りていく。剱岳の時と同じで「急ぐは危険」を合言葉に、とにかく慎重に慎重に降りていく。
1時間の下降で塩見小屋にまで戻ってきた。塩見小屋からは間ノ岳、北岳、農鳥岳、甲斐駒といった南アルプスの山々が綺麗に見えた。

塩見岳からの下山路。遥か前方に見える白い屋根が「塩見小屋」である。

塩見小屋から見る南アルプスの山々。右から①農鳥岳、②間ノ岳、③北岳。
三伏峠へ
塩見小屋で預けておいた荷物を受け取り、0900頃下山を開始する。下山路はもと来た道を引き返す。この先特に危険個所はないが、体力的にはかなり参っているはずなので、とにかく慎重に行こうと思う。まだ残っているアミノ酸サプリを飲む。塩見小屋から本谷山までは最初に急激な下りがあるが、あとは緩やかなアップダウンが続く。歩き始めた時には曇っていたが、途中から晴れてきた。日焼け止めを体に塗る。
1000頃に本谷山山頂に到着。少し休んでさらに歩き始める。本谷山の山腹には菊のような黄色の花が花畑を作っていた。登りは花を楽しむ余裕がなかったが、下りは余裕があるので写真を撮っておく。こういう光景を見ると「山に来て良かったな」と思う。
本谷山から1時間と少しで三伏峠に到着した。

本谷山から見る塩見岳

本谷山山腹に広がる花畑

三伏峠にて
下山
三伏峠で少し休憩。カロリーメイトで腹ごしらえをし、アミノ酸サプリを飲む。10分程休んだ後、最後の下りにさしかかる。あとは下山路を降りていくだけだ。いつもなら下山時には疲労によってスピードが出ないが、今回は何故か調子が良い。いわゆる「足に来た」という状態にならず、ずっと踏ん張りが利く。おかげで降りていくペースがかなり速い。これもアミノ酸サプリの効果だろうか?。途中で下山中の登山者を何人か抜いて下山していく。
途中1個所で休憩して最後のアミノ酸サプリを飲み干し、そして登山口を目指して降りていく。鳥倉登山口に下りてきたのは1300頃。三伏峠からの所要時間は約1.5時間。ここから車道を30分程歩いて駐車場に戻る。駐車場に戻ってきたのは1330頃。ここに5日間に及ぶアルプスの山旅は終わった。

三伏峠から鳥倉登山口へ向かう下山路

鳥倉登山口にて。あとは車道を歩くだけ

ようやく前方に駐車場が見えてきた

駐車場で荷物を整理していると、麓から登山バスが上がってきた。
反省
蝙蝠岳こそ制覇できなかったが、この5日間で立山、剱岳、塩見岳という著名な山を3個所制覇することができた。特に3000m超の山を2つ制覇できたのが大きい。これで未踏破の3000m超級の山は御嶽山だけとなった。これで今年中に3000m級を全山制覇できる可能性が見えてきた。個別の反省点でいえば、まず大きすぎるザックを持ってきたのは失敗だった。荷物を容量を考えて65リッター級の大型ザックを持参したのだが、これは失敗だった。最初から40リッター級のザックに決めておき、そこに入るだけの荷物を持参する方が良かった。大きすぎるザックは、重量的に無駄が多いだけではなく、岩登りの際に邪魔になる。
アミノ酸サプリは予想以上に効果があった。単に思い過ごしかも知れないが、足の筋肉疲労が明らかに少ない。特に下山時に足が踏ん張れるのが良い。剱岳の際にも持参していればもっと楽に登れたかも知れない。次回の山歩きの際には持参しようと思う。
(おわり)
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