
これはレイテ島進攻作戦開始時における米高速空母部隊の編成です。
上の表を見てどう思いますか?。
「護衛される艦」に比べて「護衛する艦」が少ないとは思いませんか?。
上の表を見てどう思いますか?。
「護衛される艦」に比べて「護衛する艦」が少ないとは思いませんか?。
護衛される艦:大小空母計17隻
護衛する艦:戦艦、巡洋艦、駆逐艦計78隻
護衛する艦:戦艦、巡洋艦、駆逐艦計78隻
比率にすると1:4.6
比率だけを見れば十分に見えますが、仮に駆逐艦を除外して考えてみると、その比率は17対20で殆ど1:1に落ち込みます。つまり「護衛される艦」1隻に対し、「護衛する艦」は1隻しかつかない計算になるのです。
特に弱いのが巡洋艦兵力。空母よりも少ない隻数です。
巡洋艦は駆逐艦にはない航洋性能と高速空母に随伴可能な運動性能を持った存在なので、空母の直衛艦としては最適です。しかも新世代の巡洋艦はいずれも強力な対空火力を有しており、優秀な射撃用電探の存在と相まって有力な対空直衛艦でした。
巡洋艦は駆逐艦にはない航洋性能と高速空母に随伴可能な運動性能を持った存在なので、空母の直衛艦としては最適です。しかも新世代の巡洋艦はいずれも強力な対空火力を有しており、優秀な射撃用電探の存在と相まって有力な対空直衛艦でした。
その後台湾沖航空戦での損害(「キャンベラ」「ヒューストン」の被雷)やスミス戦隊(旧式重巡3隻基幹)の合流等があり、レイテ沖海戦直前では以下のような状況でした。

巡洋艦と空母の比率は15対16で、ほぼ1対1に近づきましたが、それでもまだ巡洋艦の方が少ないです。実際のレイテ沖海戦では4群の空母のうち1群(TG-38.1)が燃料補給のために一時戦場を離れていたため、決戦場面での米側参加兵力は以下のようになっていました。

そしてレイテ海戦。当初は高速空母と同行していた高速空母部隊所属の戦艦、巡洋艦ですが、作戦中に日本水上艦隊との対決に備える必要に迫られ、戦艦6、巡洋艦7、駆逐艦18を分離したため、空母直衛部隊は巡洋艦1(防空軽巡)、駆逐艦25にまで減少してしまいました。空母1隻に対して護衛艦が2.6隻。しかもその全てが駆逐艦クラス(防空軽巡は巡洋艦というよりは大型駆逐艦に近い存在)です。素人目に見ても「如何にも脆弱」という感は否めません。
史実のレイテ沖海戦では日本側の航空反撃兵力が弱体化していたために米空母群に大きな損害はありませんでしたが、もし日本側の航空兵力が充実していたならば米空母群にとって危険な状況になっていたかもしれません。
とはいってもホントはね
1943年11月11日、ラバウルを発進した約70機の攻撃隊は、ソロモン海を行動中の米高速空母群に殺到した。この時日本機に襲われたのはモントゴメリー少将率いるTG-50.3で、その編成は大型空母2隻、軽空母1隻、駆逐艦9隻という編成でした。つまり空母以外は全て駆逐艦という編成です。「如何にも手薄」と思われるTG-50.3ですが、結果から言えば日本機の攻撃を完封することに成功しました。この時は上空直衛を担当した米海軍のヘルキャット戦闘機、さらにはニュージョージアから発進していたコルセア戦闘機の奮戦が光りましたが、それでも戦闘機の妨害を突破してきた日本機に対しては空母そのものに搭載された対空火器が威力を発揮したようです。
上の事例を見る限り巡洋艦の隻数云々は実は大した問題ではなかったのかもしれません。
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