米海軍戦闘機 学研「歴史群像」太平洋戦史シリーズ第67巻
F4F、F6F、F4UといったWW2で活躍した米海軍艦上戦闘機を扱っています。全部で180ページですが、そのうち文章は約100ページ。残りは写真や図解です。
まず写真、図解の方ですが、殆どが最近になって撮影したカラー映像です。戦時中と思われる写真は一枚もありません。掲載されているのは、F3F、F4F、F6F、F4U、F7F、F8F等です。見ている分にはそれなりに楽しいですが、それ以上ではありません。個人的には「戦時中の写真をもう少し増やして欲しかった」と思います。
本文は、F4F、F6F、F4Uといった主力機の開発、装備、それから評価について記しています。面白かったのは評価の所で、例えばF4Fの性能に関して米海軍がどのような評価を下していたかについては興味深く読みました。他に米戦闘機の強力な爆装についてで、例えばF6Fの場合は最大3000ポンド(約1.4t)、F4Uに至っては最大4000ポンド(約1.8t)というから驚き。4000ポンドなんて99艦爆の7倍、同じ米海軍のTBF「アヴェンジャー」と比較しても2倍ですよ。しかもその搭載状態で実際に任務を行ったというのだからさらに驚きです。またF6Fが意外と「足が長い」機体であることもわかりました。
主力機以外には、F2A、F7F、F8F、さらにはFR-1、XF8B、FD-1等にも触れられています。最後に戦記として3編あります。それぞれに興味深い内容でしたが、ページ数の関係上か、やや端折った内容になっているのが少し残念です。
総じて米海軍戦闘機の解説本としては良くまとまっています。ただ、この本が価格相応(\2000)の価値があるかといえば、疑問なしとはしません。
お奨め度★★★
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