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先日、主題のゲームをソロプレイしてみました。
以下はその記録です。

シナリオ2.「賤ヶ岳」

歴史的背景

天正10年6月2日、織田信長が本能寺の変で殺害されると、山崎の合戦の勝者である羽柴秀吉が信長旧臣中で大きな力を持つに至った。その後に開催された清洲会議で、柴田勝家と羽柴秀吉との対立はさらに先鋭化し、最早両者の対決は避けれない状態になった。
12月に入ると秀吉がまず行動を起こした。北近江における柴田陣営の前線基地である長浜城を陥落させた。その後岐阜、伊勢と転戦する秀吉軍に対し、北陸の柴田本隊が動き始めたのが旧暦2月末(現在の歴では4月)であった。越前と北近江の国境付近に進出してきた柴田本隊に対し、秀吉本隊も出撃。両者の睨み合いが続いたが、秀吉が主力を率いて岐阜方面に転進した時、柴田側の猛将佐久間盛政が動いた。ゲームはここから始まる。

第1ターン

ゲーム中最強の佐久間盛政(3-8-8)率いる柴田勢10ユニットが賤ヶ岳に攻撃を開始した。賤ヶ岳を守りのは中川清秀(2-4-8)率いる5ユニット。佐久間隊は2度に渡る射撃で中川隊を制圧した後、突撃を敢行。満を持した攻撃により中川勢は山から叩き落された。
同じ頃前田利家(2-4-8)率いる前田、金森隊計8ユニットが木村重慈(1-4-8)守る羽柴勢5ユニットに対して襲いかかった。しかしこちらは防御柵の効果も相まって羽柴勢が前田、金森隊の攻撃に良く耐えていた。

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第2ターン

勢いに乗る柴田勢。佐久間盛政(3-8-8)隊はさらに岩崎山へ猛烈な攻撃を開始した。賤ヶ岳の上から打ち下ろしてくる佐久間隊の射撃は目覚しい威力を発揮し、岩崎山を守る羽柴方の高山重友(2-4-8)率いる5ユニットは瞬く間に撃破された。岩崎山には佐久間隊が入り、その後方賤ヶ岳には柴田勝政(2-6-8)率いる10ユニットが後方援護に回った。
北国街道正面では柴田方の原長頼(1-2-8)率いる3ユニットが狐塚に進出したが、狐冢を見下ろす高台に陣取る堀秀政(1-8-8)率いる羽柴勢9ユニットは動きを見せなかった。

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第3ターン

岩崎山の柴田勢は毛利勝助(3-0-8)率いる5ユニットを堂木山に向かわせた。北国街道の要域を占める堂木山はこの戦場全体を支配する要域である。堂木山を守る羽柴勢は小川裕忠(1-2-8)率いる3ユニットのみ。明らかに兵力不足である。慌てた羽柴勢は後方を守る堀秀政隊から急遽数ユニットを堂木山に向けて出撃させた。堂木山では激戦が続く。
岩崎山に残った柴田勢と賤ヶ岳に進出していた柴田勝政隊は、眼下の黒田の荘に陣取る中川清秀隊の生き残りを猛射した。高台から打ち下ろしてくる中川隊はたまらず木ノ本まで後退した。

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第4ターン

黒田の荘には柴田勝政隊7ユニットが進出。北国街道の入り口を押えた。これで堂木山を柴田隊が制圧することに成功すれば、その時点で柴田隊のサドンデス勝利が確定する。しかし堂木山を守る羽柴勢も奮戦し、なおも激戦が続いている。

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第5ターン

いよいよ羽柴勢の援軍が戦場に到着してきた。第1陣は中村一氏(1-4-8)、加藤光康(1-4-8)率いる羽柴勢10ユニットである。中村、加藤隊は木ノ本から一気に賤ヶ岳を目指す。賤ヶ岳を守る柴田勢は、主力を黒田、岩崎山方面へ出撃させていたので不破勝光(1-2-8)率いる3ユニットのみ。兵力差は歴然としていたが、羽柴方のカード不足により賤ヶ岳を陥落させるには至らなかった。
柴田勢は一気に勝敗を決すべく攻勢を強化してきた。まず今まで柳ヶ瀬の本陣から動かなかった柴田勝家(2-8-8)率いる柴田勢本隊が左禰山に進出。左禰山の堀秀政本隊を拘束する。さらに堂木山方面では毛利勝助(3-0-8)を岩崎山へ後退させる一方、遂に鬼玄蕃こと佐久間盛政(3-3-8)が止めを刺すべく堂木山に向けて山を下っていった。

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第6ターン

このターン、いよいよ羽柴秀吉(1-8-8)が前線に到着する。しかし危機に瀕した堂木山を守りきらねば羽柴勢に明日はない。羽柴勢は田上山に陣取る羽柴秀長隊9ユニットのうち、2/3にあたる6ユニットを堂木山に向けて出撃させていった。
しかしこの決断は遅きに失した。佐久間盛政の攻撃は、堂木山の羽柴勢に致命的な打撃を与えようとしていたのである。決定打となったのは2度目の突撃。その時「6ゾロ」を出した佐久間盛政隊の攻撃は実に11ヒットものダメージを羽柴勢に与えた。度重なる突撃により疲弊していた小川裕忠(1-2-8)隊や、急遽援軍に駆けつけた羽柴秀長隊にこの損害に耐える力は残っていなかった。
堂木山陥落。
この時点で柴田勢の勝利が確定した。

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感想

プレイ時間は慣れれば2~3時間ぐらいだと思います。ルールは簡単で迷う点は殆どありませんでした。ただ2D6で戦闘結果を解決する方式なので、ダイス目の影響はかなり大きいと思われます。今回のリプレイではなかったのですが、別のプレイでは第1ターンにおける柴田側のダイス目が振るわず、第1ターンに賤ヶ岳が陥落しなかったこともありました(その時は勿論やり直し)。

今回羽柴勢の敗因は堂木山に対する増援が遅れたことでしょう。堂木山へ増援を送るとすれば、左禰山の堀秀政隊か田上山の羽柴秀長隊のいずれかということになります。ただ左禰山にしても田上山にしても柴田方の勝利条件エリアなので、いずれも失う訳にはいきません。要地守備の兵力を維持しつつ、いかにして北国街道を強化すべきか。そのあたりが羽柴勢のポイントになりそうです。

今回は勝利条件的には柴田側の勝利に終わりましたが、ゲーム上の勝利条件である北国街道制圧が史実上どのような意味があるのか疑問なしとはしません。他にも本陣の撤退、総大将の後退といった勝利条件も恣意的な感は否めません。史実における「賤ヶ岳の合戦」自体が恐らくバランス的に反羽柴陣営に厳しいものだったのでしょう。しかも本作のように合戦場だけに焦点を当ててしまうと、どうしても「ゲーム上の勝利条件」によってバランスを取らざるを得ないようです。このあたり、もう少しスマートに処理してあれば嬉しかったのですが、では何か良いアイデアはないかと考えてみても、なかなか名案が思いつきません。

かつてツクダから出ていた「秀吉軍記」にも賤ヶ岳合戦シナリオがついていました。「秀吉軍記」では視点を作戦級とし、賤ヶ岳の決戦だけではなく美濃(織田信孝)や伊勢(滝川一益)方面をマップに収めていました。それはそれで面白いシナリオでしたが、やはり勝利条件の取り方には苦労していたように覚えています。このあたり、賤ヶ岳や山崎といった「結果のわかっている」合戦をゲーム化する際に難しい所なのでしょうね。