ソビエトロシア戦車王国の系譜
古是三春 酣燈社
本屋で見つけて思わず衝動買いしてしまいました。面白かったです。戦後におけるソビエト・ロシア戦車の開発経緯がわかりやすく書かれていました。以前に紹介したWAR MACHINE REPORT No.6とかぶる所が多かったですが、こちらの方が全般に読み応えがありました。
以下、興味深かった記述を紹介します。
核兵器に対する戦車の防御力
1950年代に核戦争の恐怖が現実味を帯びてきた時、旧ソビエトは現用戦車の核兵器に対する防御力を色々と調べてみたそうです。それによると改良されたT-55戦車の場合、キロトン級の核弾頭が300m以内で爆発した際にも無傷で生き残ることができるそうです。結構強いんだなあ。腔内発射式対戦車ミサイル
ソビエト・ロシアは冷戦時代から腔内発射式対戦車ミサイルの開発に熱心でした。その最新型が9M119「レフレクス」(AT-11「スナイパー」)です。なんでも最大射程が5000mで、現用西側戦車のほぼ全てを撃破できる貫通能力を持っているそうです。今まで「腔内発射式対戦車ミサイル」というのは「オマケ」的な位置づけだと思っていたのですが、実はAPFSDS弾等の運動エネルギー弾を上回る威力を持っていたとは驚きです。アクティブ防御システム
戦車を敵ミサイルの攻撃から守るシステム。敵ミサイルの飛来を探知すると、適当な場所で散弾を爆発させて敵ミサイルを無力化するものだそうです。腔内発射式対戦車ミサイルにしてもアクティブ防御システムにしても冷戦時代には殆ど知られていなかったようですが、もしこのような情報が伝わっていたら、1980年代に作られた戦車戦ゲームにおけるソ連製戦車の評価が少し変わっていたかもしれません。お奨め度★★★
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