昨年末に某NHKで「坂の上の雲」を放送していました。
私の近くでも随分と評判になっていましたが、かういう私も全5話をしっかり見てしまいました。
ドラマの方もそれなりに面白かったのですが、触発されて小説の方を読み返してみました。

いやー、面白いです。

以前に何度か読んだときには、前半1~2巻はそれほど面白くなかったのですが、今回NHKドラマのおかげで前半部分も楽しく読むことができました。正岡子規絡みの話も、最初に読んだ頃に比べると楽しく読み進めることができました。今第4巻の途中で「沙河会戦」が終わった所です

この作品については最近になって色々と批判的な書かれ方をすることが多いですが、少なくとも小説としては一流であり、読み物としての面白さは折り紙つきです。本書を読み進めていくにつれ、日露戦史に対する興味がふつふつと湧き起こってくるのを感じました。本作に対する批判の多くは「史実から乖離している」ということですが、それは本作が「小説」であることを無視した暴論だと思います。本書はあくまでも小説なのですから、史実に関する記述はあくまで参考程度に考えるのが正しく、史実との整合性についてはまた別の作品(たとえば児島襄氏の「日露戦争」等)で補えのがよろしいかと思います。

ちなみにタイトルにある「紅鳥先生」とは、第1巻の最初に出てくるキャラです。なかなか味のある人物なのですが、ドラマ版では予想通り無視されていました。