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(注)「決戦!ア・バオア・クー」は星一号作戦をテーマとする作戦級ゲームです。
  詳しくは--->こちら

VASSAL版が完成したので、この機会に主題のゲームを再戦してみました。ルールのバージョンは3.00です。

前回までのあらすじ-->こちら

第5Turn

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イメージ 8イメージ 15連邦軍の増援はRX-78ガンダムと「補充5」。早くも主人公ユニット登場に勝利を確信する連合軍プレイヤー。彼は手元にある「補充5」1枚を使ってジム、ガンキャノン、ボールを復活させた。
ジオン軍の増援は「補充2」とMSN-02ジオング。ジオングは火力6の強力な機体なので使い様によっては極めて強力な武器となる。また「補充2」は即座に使用し、ザクとガトルを各1ユニット復活させた。

イメージ 5後から振り返ってみると、この時、連邦軍は明らかに慢心していた。先のターン、ジオン軍渾身の反撃は、ジオン側の不手際(あの「赤い彗星」が弾切れ等)によって連邦軍側は思ったほどは損害を出していなかった。しかもこのターン、連邦軍のエースともいうべきガンダムが戦列に加わる。さらに手元には「補充5」マーカーが残っており、少々の損害は十分回復できる。もとより消耗戦は連邦軍の得意分野であり、望む所でもある。
しかしこの時、連邦軍艦隊は極めて脆弱な状態に置かれていることに連邦軍プレイヤーは気づくべきであった。この時、連邦軍艦隊前面で艦隊を守るMSや戦闘機は僅かに10ユニットに過ぎなかった。しかもその多くはボールやコアブスーターといった攻撃型の部隊である。最も頼りになるジム中隊はわずか3個しか在空していなかった。その他多くはサラミスやコロンブスに着艦し、補給中だったのである。まさにミッドウェー海戦における日本空母部隊と同じような状態に置かれていた。

イメージ 6果たせるかな、第1行動フェイズはジオン軍が主導権を握った。ジオン軍MS部隊の猛攻が始める。まずガトル戦闘爆撃機がサラミスに襲いかかる。連邦軍の護衛が手薄なので突破は容易だ。ミサイルを食ったサラミスが爆発する。
ザクはわずかに残ったジムやボールに白兵戦を挑む。旧式化したザクであったが、懐に飛び込めばジムを食うことも可能だ。ましてボールが相手なら・・・。
リックドムは対艦戦闘になると滅法強い。火力4は、白兵戦持ち込んだら12火力。エリートならば16火力に達する。サラミスやコロンブスはおろか、マゼラン級戦艦にしてもリックドムに襲われたら無事では済まない。
そしてビグロやジオング。サラミス級がビグロの一撃で轟沈し、ジオングは生きがけの駄賃でジムを撃破する。
このフェイズに連邦軍は10ユニット近くを失ったが、惨劇はまだまだ始まったばかりだった。

イメージ 7第2フェイズを挟んで第3フェイズに再びジオン軍が主導権を得た。最早半壊状態の連邦軍はなおもジオン軍の猛攻に晒されることになる。再びリックドムやガトルが暴れまわる。サラミスがコロンブスが、そしてマゼランが、次々とジオン軍MS部隊の猛攻を受けて撃破されていく。ビグロが再び突進。マゼラン級を地祭りにあげる。ジオングはジムを収容中のサラミスを猛攻し、これを撃破。まさに「ルウム戦役の再現」であった。
一連の攻撃が終わった時、連邦軍は20ユニット以上を失っていた。一方のジオン軍は撃破されたユニットはなし。ジオン軍の一方的な勝利である。

第4行動フェイズに漸く主導権を握った連邦軍は反撃に出る。も、兵力不足は如何ともし難い。前線に躍り出たガンダムがリックドム1個中隊を瞬く間に撃破し、「たった3分でリックドム12機を全滅ぅ?」とジオン軍指揮官を驚愕させたが、それだけだった。

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第6Turn

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イメージ 9増援フェイズ。連邦軍は「補充2」とRX-78NT1アレックスガンダムを入手した。連邦軍は「補充2」と先に得ていた「補充5」を使って計9ユニットを復活させていたが、先ほどの損害を完全に埋めるには勿論至っていない。
ジオン軍はMS-14S(ランバラル仕様)とMAN-03ブラウブロ。「木星帰りの男と戦バカ」

第1行動フェイズはジオン軍が主導権を握る。先ほどのターンに艦載機を収容し終えたグワジンやドロスが後方に下がる。連邦軍のようにならないよう、母艦を後ろに隠してしまう作戦だ。さすがにこのフェイズ、ジオン側も先のターンでの消耗によって勢いは衰えている。後退する戦艦部隊を守るように再配置した。

第3行動フェイズは再びジオン軍。しかし基本的には戦線を縮小しつつ再編成を行った。ランバラルのゲルググとシャリアブルのブラウブロが前面に展開。連邦軍の進撃に対する阻止線を形成する。

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第7Turn

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イメージ 13増援フェイズ。連邦軍は「補充4」とRGM79SPジムスナイパー2。連邦軍は「補充4」使って5ユニットを復活させる。少しずつだが第5Turnの大被害から回復しつつあった。
ジオン軍は「補充4」を入手。4ユニットを復活させた。

イメージ 14先ほどのターン、連邦軍は主導権を取れなかったので、第1行動フェイズは自動的に連邦軍の主導権になる(ルール16項参照)。両翼に展開した連邦軍が包囲の形でア・バオア・クーに接近。正面からはRX-78とRX-78NT1のガンダムコンビが突撃路を啓開する。本命ガンダムはヴァルヴァロと交戦。格の違いを見せつけてヴァルヴァロを葬り去った。NT1の方はランバラルに挑みかかったが、逆にランバラルに返り討ちにあってしまう。
「ザクとは違うのだよ、ザクとは!!」

このリプレイはここで終了する。この後連邦軍は主導権を得ることなくターン終了。ゲーム終了判定フェイズに見事にゲーム終了チェック成功。時間切れでジオン軍の勝利が確定した。

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感想

プレイ時間は4~5時間でした。7ターンで4~5時間なので、最大10ターンまで続く本作の場合、プレイ時間は6~7時間になる可能性があります。

イメージ 15結果的にジオン軍の勝利に終わりました。連邦軍の敗因はまず行動マーカーの引きです。特に第5~7Turnの間、ジオン側の行動回数が6回に対し、連邦軍は2回。この違いが勝敗を分けた最大の要因であることは疑う余地がない所です。ただし行動回数をゲーム全体を通してカウントした場合、連邦対ジオンで8:10。それほど決定的な差はありません。前半は6:4で逆に連邦の方が有利に立っていました。従って連邦軍は前半の優位を生かせなかったことが真の敗因と言えるかもしれません。
結果論からいえば、連邦軍は特にNフィールドでもっと積極的に出るべきでした。ジオン軍がSフィールドにエリート部隊を投入している間に積極的に攻勢をかけ、ジオン軍に対して消耗戦を強いる必要がありました。ジオン軍のエリート部隊は強力ですが、それもある程度数が揃っていないと威力が半減します。

連邦軍のもう一つのミスは、本文中にも触れましたが、第4ターンの終了時に多数のジム中隊を母艦に収容してしまったことです。全部を収容するのではなく、収容数を半数程度に留め、残りは混乱状態でも艦隊直援任務に残しておくのが正解だったかもしれません。まあ結果論ですけど。

イメージ 16今回のプレイではリックドムの使い方が一つの鍵になりました。このリックドム。使い様によっては極めて強力な機体です。勿論性能面ではより後発のゲルググの方が優れているのですが、リックドムは数が多い。また対艦戦闘に限ってみれば、リックドムはほぼゲルググと同等の性能を発揮します。艦艇相手に白兵戦に持ち込めば、リックドムその火力は実に12に達し、サラミスやコロンブスは言うに及ばず。マゼラン級の戦艦ですら一撃で仕留める可能性を秘めています。そしてリックドムのもう一つの利点はその数です。計8ユニットはジオン軍の中ではザクに次ぐ数値であり、僅か4ユニットのゲルググを大きく引き離しています。その一方で対MS戦闘ではリックドムは連邦軍のジム相手に決定的な優位性はなく、数的には劣勢を強いられています。リックドムの対艦攻撃能力を生かせるか否かが勝敗を大きく左右します。

ルールはVer3.00を使用しました。1点だけ改正点が見つかりました。それは攻撃修正値がマイナスの場合の処理。3.00から攻撃修正値が-1の場合に攻撃力半減としましたが、これは従来通り攻撃力-1の方が良さそうです。理由は新ルールだとジオン側にとってRX-78を止める可能性が著しく減少するからです。極端な話「ガンダム1機で戦争に勝てる」ということになってしまいます。それは本作のコンセプトに反するので、ルールを改正することにしました。