前回に続いて戦車が出てくるシナリオに挑戦することにしました。シナリオ26「Last Ally, Last Victory」(最後の同盟、最後の勝利)。1944年10月におけるハンガリー戦線を扱ったシナリオです。このシナリオはマップ3枚を使うかなり大規模なシナリオで、ロシア軍はT-34、JS-2(スターリン戦車)等9両の戦車、2個中隊相当の歩兵部隊が登場し、ドイツ軍はティーガー2、パンター、4号戦車等計8両の戦車とやはり2個中隊相当の歩兵が登場してきます。両軍とも性能に優れた戦車が登場しますが、中でもドイツ軍のティーガー2は圧倒的な強さを誇ります。
私はドイツ軍を担当しました。
私はドイツ軍を担当しました。
上の図がこのシナリオの地形を示したマップである。画面の広い面積を占める黄色のヘクスは麦畑を示している。本シナリオが扱う季節では麦畑はもう枯れているので地形障害にはならない。重戦車同士がその長射程を生かして撃ち合うにはうってつけの地形である。
このシナリオでは兵力に優るドイツ軍が攻撃側の役割を担うことになる。マップ中央に広がる農村地帯の支配が勝利条件である。ドイツ軍は7ターンの間に村落をほぼ完全に制圧しなければならない。
このシナリオでは兵力に優るドイツ軍が攻撃側の役割を担うことになる。マップ中央に広がる農村地帯の支配が勝利条件である。ドイツ軍は7ターンの間に村落をほぼ完全に制圧しなければならない。
セットアップ時の状況
Tank Battles
このシナリオは大量の戦車が登場する。従って戦車での勝敗がゲーム全体の勝敗を大きく左右する。特に攻撃しなければならないドイツ軍にとって、戦車戦での敗北はゲームそのものの敗北を意味する。従ってドイツ軍としてはなんとしても戦車戦に勝利し、歩兵が前進できる状態にしておかなければならない。戦車同士の性能を比較した場合、ドイツの戦車は全般に優秀である。特にドイツ軍のティーガー2とパンターは、ロシア軍戦車よりも優秀であり、正面から撃ち合った場合負けることはない。問題は初期配置で、当初ドイツ軍の主力戦車は二分されている。従って数量に優るロシア戦車に各個撃破される危険がある。もう一つの危険は隠匿配置されている57mm対戦車砲。こいつは砲口径こそやや小さいものの、それでも側面からの射撃であればパンターやティーガー2ですら撃破可能である(57mmとはいえ長砲身なので並の75mmクラスの砲よりも貫通力は上なのだ)。しかも厄介なことにこの57mm砲はROF値3という高い発射速度を誇っている。下手に横っ腹を見せた状態で連続射撃を食らうと、パンターやティーガー2の部隊でも大被害を被る危険がある。
上記の対策としては以下の2点。最初のロシア戦車の大軍に対しては、とにかく敵に側面を見せないようにすること。そして側面や背面に回り込もうとする敵戦車に対しては歩兵部隊の援護(パンツァーファウスト等)によって妨害する。
厄介な57mm対戦車砲に対しては敵の潜んでいそうな障害地形は歩兵で丹念に掃討する。また背後から撃たれないよう慎重に前進する。
厄介な57mm対戦車砲に対しては敵の潜んでいそうな障害地形は歩兵で丹念に掃討する。また背後から撃たれないよう慎重に前進する。
さてさてどうなることやら。
1Turn
最初にパンター戦車3両を主力とする歩戦共同部隊を盤内に進入させる。当初の方針に従い歩兵によって前線を掃討しながら戦車が進むべき進路を啓開していく。突如何かが光った。続いて着弾。発砲音。前進する歩兵部隊が57mm対戦車砲の射撃を浴びた。その場に伏せる歩兵部隊。戦車が呼ばれる。パンター戦車が前進。側面を対戦車砲に見せないよう前進していく。砲塔の両側面に装備されている煙幕弾発射機から煙幕が発射。濃密な煙幕が展開される。煙幕の援護下で前進を再開する歩兵部隊は予定通り戦車部隊の前方に占位した。
すぐにロシア軍の反撃が始まる。スターリン戦車(JS-2)3両とT-34/76 2両がパンターに向かってきた。前進してきたスターリン重戦車に対して距離約800でパンター戦車の主砲が火を噴いた。長砲身の75mm砲から打ち出された高速徹甲弾が空気を切り裂く。命中。分厚い砲塔前面に命中したその75mm徹甲弾は見事にその装甲を貫いた。内部で爆発。まずスターリン戦車1両が燃え上がる。
続いて側面に回り込もうとしたT-34/76に対し、別のパンターが砲塔を回してこれを狙撃した。命中。75mm砲弾はスターリンよりも遙かに装甲の弱いT-34の前面装甲を紙のように貫いた。2両目の戦果。幸先良し。
続いて側面に回り込もうとしたT-34/76に対し、別のパンターが砲塔を回してこれを狙撃した。命中。75mm砲弾はスターリンよりも遙かに装甲の弱いT-34の前面装甲を紙のように貫いた。2両目の戦果。幸先良し。
第1ターン終了時
2Turn
さらにパンターの主砲が火を噴いた。2両のスターリンに命中弾を与え、1両を撃破。もう1両は分厚い砲塔装甲に阻まれて一度は撃破し損ねたが、続く防御射撃フェイズで2発目の命中弾を与えてこれを葬り去った。これで計4両。スターリン戦車は全滅せしめた。T-34戦車がパンター戦車の側面に回り込もうとする。そこで待ち伏せていたのはドイツ軍歩兵部隊だ。数発のパンツァーファウストがT-34を狙う。2両の戦車に命中弾。殆ど連合軍戦車を一撃で葬り去るパンツァーファウストはここでも確実に戦車2両を仕留めた。
無論ドイツ軍も無事ではない。スターリン戦車の1両が放った122mm砲弾が1台のパンターを直撃した。避弾経始に優れたパンター戦車であったが、122mm徹甲弾はそれをものともしなかった。パンター戦車1両炎上。また前進したドイツ歩兵部隊が物陰に潜んでいたT-34/85や敵歩兵の射撃を受けて数個分隊が潰走してしまう。エリート兵なのに情けない。
第2ターン終了時
3Turn
ドイツ軍第2グループが戦場に姿を現した。重戦車ティーガー2 2両を含む戦車5、歩兵1個小隊からなる部隊である。主力は勿論ティーガー2戦車である。そのティーガー2がT-34/85の1両を捉えた。T-34の防御射撃をものともせず前進するティーガー2。距離40mまで迫ったティーガー2は、88mm砲弾をT-34/85に命中させてこれを撃破した。恐るべき威力である。他に1両のT-34/85をパンター戦車がやはり正面至近距離からの射撃でこれを撃破。また別のT-34/85に対して4号戦車が75mm砲弾を命中させて撃破していた。この時点でロシア軍戦車部隊は壊滅。戦闘は戦車戦から歩兵戦へ移行しつつあった。
第3ターン終了時
第4ターン終了時
5Turn
ロシア軍歩兵はパンツァーファウストのような携行用対戦車火器を持たない。そのためドイツ軍戦車はロシア軍が籠る建造物に対して思い切った接近戦を仕掛けることができる。建物に隣接して75mmや88mmの重火器をぶっ放すドイツ軍戦車。隣接ヘクスなので倍火力放たれる機銃射撃。不用意に頭を出した戦車長がロシア兵の銃撃を受けて負傷したり、パンター戦車の同軸機銃が故障したりといったアクシデントもあったが、それでも戦車に支援されたドイツ兵はさらに前進を続けていた。第5ターン終了時
6Turn
次第に追い詰められていくロシア兵は乾坤一擲の反撃に出た。爆薬を抱えたロシア兵がドイツ兵の潜む建物に接近する。それに対して火を噴くパンターの主砲。命中。なぎ倒されるロシア兵。別の建物では88mm砲の至近爆発を受けた6-2-8エリート兵が吹き飛ばされる。こうしてロシア軍最後の反撃も失敗に終わった。ゲーム終了時
感想
前半の戦車戦はダイス目にも助けられて好調でしたが、後半の歩兵戦は不用意に移動した所を銃撃されて損害を出すなど、粗さが目立ってしまいました。戦車の威力で押し切った形になりましたが、歩兵戦術についてはまだまだ勉強が足りないようです。このシナリオはASL SK#3の中では最大級のシナリオです。ターン数は6.5ターンでプレイ時間は5時間以上ほどかかりました。セットアップ等の時間を加えれば約6時間です。当初の予定ではこのあとASLのシナリオ2本こなす予定でしたが、この時点で時間切れとなってしまいました。
今日は私にとって初めてのASL SK#3対人戦でした。ELRの扱い方や臨機射撃の使い方、CXや自己回復の使い方等、得るものが多かった1日でした。またASL本体を理解する上でも貴重なファーストステップになりました。今度はASL本体の方にもチャレンジしてみたいと思います。
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