京阪神地区で「山科会」というゲーム会が開催されているという話を聞きつけて、参加させて頂きました。
今回はそのレポートです。
今回はそのレポートです。
The Speed of Heat(COA)
The Speed of Heatとは・・・ Air Powerシリーズの第1弾、The Speed of Heatは、Crash of Arms社が1992年に出版した空戦ボードゲームです。テーマは朝鮮戦争からヴェトナム戦争までの期間で、F-86、F-4、F-8、MiG-17、MiG-21、B-52等の機体が登場します。1ターンは12秒、1ヘクスは1/3マイルです。空対空戦闘のルールだけではなく、空対地戦闘や地対空戦闘のルールも充実しており、現在空戦の戦術場面はほぼすべてルール化されている感があります。またこのゲームの扱う時期にはまだ実用化されていないアクティブ誘導式空対空ミサイルやヘルメット取付型照準器等もルール化されています。汎用ゲームならではの特徴と言えるでしょう。
まずはシナリオV-15「トーン大佐の死」を軽くプレイしてお互い間隔を取り戻し、続いて本格的な空中戦を試してみることにしました。史実シナリオはバランスが悪いものが多いので、一般シナリオで2対2の空中戦を試してみることにしました。まず対戦相手氏が機種を選択。彼が選んだのはF-8C「クルセイダー」。「最後のガンファイター」と呼ばれるだけのことはあり、運動性は抜群です。
私が選んだのはMiG-19SF「ファーマー」。新型のMiG-21と比べると速度性能にやや見劣りしますが、運動性能で勝り、撃たれ強く、かつ強力な30mm機関砲を3門を装備している、ということで、今回選択しました。搭載ミサイルが旧式のAA-2「アトール」というのが少し気になる所ですが・・・。
私が選んだのはMiG-19SF「ファーマー」。新型のMiG-21と比べると速度性能にやや見劣りしますが、運動性能で勝り、撃たれ強く、かつ強力な30mm機関砲を3門を装備している、ということで、今回選択しました。搭載ミサイルが旧式のAA-2「アトール」というのが少し気になる所ですが・・・。

高度20,000ft、速度800km/hで正面からF-8の編隊に接近する。正面からすれ違った直後、MiGのリーダー機が垂直ロール機動で米軍機の背後に回り込む。2番機は高速で左旋回を行い、リーダー機のバックアップに回る。

米軍機はマッハ1近い高速で右旋回しながら、速度エネルギーを利用してズーム上昇。高度22,000ftまで上昇する。それを追う2機のMiG-19。リーダー機はF-8編隊の間に割り込むように突進。2番機は左へ5Gの急旋回を行い、リーダー機のバックアップを続ける。

米軍機2機は垂直ロール機動で反転。MiGをやり過ごそうとする。MiGリーダー機は2回目の垂直ロール機動で米軍編隊の右側面に回り、もう1機のMiGは米軍機の左側を押さえる。

両サイドを押さえられた米軍機は左右に分離して逃げに入る。それを追うMiG。リーダー機はハーフロール&ダイブ機動で降下機動。高度31,000ft、速度320km/hで前方2000mにF-8を捉えた。

F-8の後方1500mまで近づいたMiGリーダー機がアトールミサイルを発射。狙われたF-8はエンジンをアイドリングまで落とし、左旋回で逃げようとする。

アトールはクルセイダーを追ったが、所詮は低性能ミサイル。戦闘機の機動に追いつくことはできない。ミサイルはクルセイダーの遙か彼方で爆発。クルセイダーに傷一つつけることはできない。しかしエンジンカットによって速度の落ちたクルセイダーの背後にミグが迫る。レーダーロックオン。レティクルに目標を捉える。SSGTによって目標をたっぷり照準し、狙いをつける。
ヌーデルマン・リヒターの30mm機関砲、3門のNR-30が火を噴く。たっぷり2秒間の連射。3門合わせて約120発を吐き出した。そのうちの数発がクルセイダーを捉えた。炸裂弾が爆発。クルセイダーを引き裂く。
「1機撃墜」
クルセイダーは炎に包まれて落ちていった。
ヌーデルマン・リヒターの30mm機関砲、3門のNR-30が火を噴く。たっぷり2秒間の連射。3門合わせて約120発を吐き出した。そのうちの数発がクルセイダーを捉えた。炸裂弾が爆発。クルセイダーを引き裂く。
「1機撃墜」
クルセイダーは炎に包まれて落ちていった。

その後F-8 1機とMiG-19 2機の間で激しい格闘戦が繰り広げられたが、互いに決定打がなく時間切れで終了した。
感想
MiG-19は良い機体ですねえ。機動性は言うに及ばず、被弾にも強いし、機関砲の火力も良い。今回はボロのアトールを使ったのでミサイル戦はダメでしたが、より強力なAA-2B「新型アトール」も使えます。ちなみにこのMiG-19、某Air Warではダメダメ機体でした。ミサイルと言えば、アトールは使えませんなあ。初期型のサイドワインダーもそうなんですが、このAir Powerシリーズをプレイしてみると、なぜベトナム戦の際にあれほど空対空ミサイルの命中率が低かったのかが痛いほどわかります。そしてF-4C/Dが機動性の低下や安定性の不利を承知の上でガンポッド搭載に踏み切った理由や中東戦争でイスラエルのパイロット達がなぜミサイルよりも機銃を好んだかも理解できます。そして某「エ●ア8○」のパイロット達がガンファイトに固執した訳も・・・。
とにかく発射制限が厳しい。激しい機動をしながら発射すると途端に発射成功率が低下する。射角制限が厳しく自機前方の極めて狭い象限しか狙えない。相手の排気熱を追いかけるために後方からしか撃てない。さらにミサイル自体の機動性が低いので敵機との相対角が大きいとミサイルが目標を追随できない。フレア等のIRCMに対して脆弱である。等等。ちなみにより新型のAIM-9M/LやAA-8の場合、左記のような問題点は一部を除いてほぼ解消されています。
無論機関砲とて万能兵器ではなく、特に射程の短さが泣き所なのですが、旧式ミサイルに比べるとG制限は緩く、射角制限も緩やかです。命中率や威力は機関砲の種類と数に依存しますが、MiG-19のように30mm機関砲を3門も積んだ機体の場合、少なくとも命中率は旧式ミサイルを遙かに上回ります。
とにかく発射制限が厳しい。激しい機動をしながら発射すると途端に発射成功率が低下する。射角制限が厳しく自機前方の極めて狭い象限しか狙えない。相手の排気熱を追いかけるために後方からしか撃てない。さらにミサイル自体の機動性が低いので敵機との相対角が大きいとミサイルが目標を追随できない。フレア等のIRCMに対して脆弱である。等等。ちなみにより新型のAIM-9M/LやAA-8の場合、左記のような問題点は一部を除いてほぼ解消されています。
無論機関砲とて万能兵器ではなく、特に射程の短さが泣き所なのですが、旧式ミサイルに比べるとG制限は緩く、射角制限も緩やかです。命中率や威力は機関砲の種類と数に依存しますが、MiG-19のように30mm機関砲を3門も積んだ機体の場合、少なくとも命中率は旧式ミサイルを遙かに上回ります。
ちなみに1970年以前の機体で最強のガンファイターは何か、という問いかけに対し、The Speed of Heatの世界では、という限定付きであれば、MiG-19「ファーマー」をその候補の1つに上げることはできます。
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