起床0400。天候を確認するために山小屋の外に出てみる。雲は出ていたが雨は降っていなかった。当初の計画では三俣山荘まで出ることになっているが、調子が良ければ黒部五郎小舎まで行こう。でも逆に明日以降の天気がダメならば野口五郎岳の山頂を取って下山しよう。そんな風にいろいろ考えた。
朝の烏帽子小屋
出発は0530。小屋から少し歩くとキャンプ場。そこを過ぎると上り坂にさしかかる。登り始めた頃は曇っていたが、稜線を上がっていくうちに少しづつ晴れてきた。昨日の疲れも残っていたが、一晩山小屋でじっくり休んだおかげで体調はすごぶる良い。
烏帽子小屋より三ツ岳に向かう登山路を見る
三ツ岳に向かう最後の登り道。前方やや右に見える双耳の山が水晶岳(2986m)である
三ツ岳(2844.6m)に着いたのが0645。天気が晴れてきた。北に後立山連峰、その北北西には立山連山が見える。さらに西の方を見ると遥かな名峰赤牛岳(2864m)が見え、南南西から南に目を向ければ槍ヶ岳や水晶岳も見えてくる。
三ツ岳山頂からの景観。1枚目は後立山連峰、2枚目は立山連山、3枚目の奥に見えるのは槍ヶ岳である。
三ツ岳から稜線を歩いて野口五郎岳(2924m)を目指す。天候は晴れてきて気持の良い稜線歩きになる。途中の野口五郎小屋でトイレ休憩をし、野口五郎岳山頂に着いたのは0845だった。山頂からの景観は素晴らしい。
野口五郎岳山頂から見た野口五郎小屋
野口五郎岳山頂から見た水晶岳
ここまでは順調だった。体調も良好。天候も悪くない。野口五郎岳を取った後引き上げるという「弱気プランその1」はこの瞬間に破棄を決定。当初の予定通り裏銀座コースを目指すことにする。
さあ裏銀座コース。野口五郎岳から真砂岳(2862m)に至るコースは、それほど危険性はなく今までと同じような広い尾根道を歩く。真砂岳山頂の裾を巻いて下りにかかる。その降下中、前方に槍ヶ岳が見えてきた。北から見る槍ヶ岳。昨年も見た光景だったが、再び見てみるとその迫力に驚嘆する。
さあ裏銀座コース。野口五郎岳から真砂岳(2862m)に至るコースは、それほど危険性はなく今までと同じような広い尾根道を歩く。真砂岳山頂の裾を巻いて下りにかかる。その降下中、前方に槍ヶ岳が見えてきた。北から見る槍ヶ岳。昨年も見た光景だったが、再び見てみるとその迫力に驚嘆する。
槍ヶ岳北面の景観
真砂岳から水晶小屋に至るルートは難路だ。岩稜越え。冷静に振り返ってみれば、それほど危険ではない道だが、初めて歩くコースはそれなりに緊張する。足もとが不安定な岩稜越えなので、滑落しないよう慎重に慎重に歩いて行く。岩稜越えを終えて標高2734mの東沢乗越に達すると、前方、水晶小屋へ向かう山道が赤茶色の岩肌に寄り添うように続いている。他の稜線のように緑ではないだけに不気味に感じる。しかも山道がいかにも頼りなさげに続いている。最後の難関。気力を振り絞って急坂に挑む。
水晶小屋に続く尾根道。
水晶小屋に着いたのは1200頃。野口五郎岳からの所要時間は約3時間で、コースタイムの2.5時間を大きく超過していた。危険地帯の走破なので慎重になったのかもしれない。
水晶小屋で少し休憩した後、ワリモ分岐へ向かう。この道はノンビリ歩ける登山路だ、と思っていたが、体が疲れていたせいか思いの外時間がかかった。ワリモ北分岐に着いたのは1300頃。所要時間50分はコースタイム10分超過だ。
水晶小屋で少し休憩した後、ワリモ分岐へ向かう。この道はノンビリ歩ける登山路だ、と思っていたが、体が疲れていたせいか思いの外時間がかかった。ワリモ北分岐に着いたのは1300頃。所要時間50分はコースタイム10分超過だ。
ワリモ北分岐付近の花畑
ワリモ北分岐で少し休憩した後黒部源流に向けて降りていく。その途中で雨が降ってきた。慌てて雨具を着る。雨の中、大きな岩がゴロゴロ並ぶ急坂を降りていく。難路だったためか、予想以上の時間がかかってしまった。
三俣山荘へ向かう最後の登山路を登りきって三俣山荘にたどり着いたのが1500。当初予定していた「できれば黒部五郎小舎まで」というプランは完全に放棄せざるを得なかった。ちなみに今日の三俣山荘は大混雑らしい。ベット1つを2人で使うという混み具合とのこと。えらいこっちゃ。まあ最終的には3人分のベットを4人で使うというややマシな状況になった。
1700より夕食。ハンバーグが美味しい。1900過ぎに寝る。
三俣山荘へ向かう最後の登山路を登りきって三俣山荘にたどり着いたのが1500。当初予定していた「できれば黒部五郎小舎まで」というプランは完全に放棄せざるを得なかった。ちなみに今日の三俣山荘は大混雑らしい。ベット1つを2人で使うという混み具合とのこと。えらいこっちゃ。まあ最終的には3人分のベットを4人で使うというややマシな状況になった。
1700より夕食。ハンバーグが美味しい。1900過ぎに寝る。
反省
下のグラフは標準コースタイムと実際の所要時間を比較したものである(単位は分)。グラフを見ればわかるとおり最初は標準コースタイムよりも短時間で移動しているが、野口五郎岳から水晶岳に向かう登山路で貯金を食いつぶしているのがわかる。これは、該当コースがいわゆる「ヤセ尾根」だったため、通常の登山路よりも慎重に歩いたことが原因だと思われる。水晶岳から先もペースが悪く、特にワリモ北分岐から黒部川源流に至る下り坂でコースタイムを大幅に超過していることがわかる。この辺りの原因は不明だが、このコースを歩く途中に夕立に打たれたことも原因かもしれない。
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